あーぶくたった ニイタップ

北海道、三日目も5:00起床。
朝食は納豆オムレツもどき。

グジャ…っとなってしまった…

グジャ…っとなってしまった…

食事の後は排泄。
ここのトイレは綺麗な水洗だった。すっきり。
テントを撤収して荷物をまとめて、出発前にちょっと整備。
まずチェーンに給油。
それと、エンジンに添加剤(スーパー・ゾイル)注入。
これは東京のバイク屋に勧められたやつ。
走行距離20000kmも越えて、ちょっとエンジンが疲れ気味のようだったので試してみた。
回転音が静かになり、レスポンスもスムースになった気がする。
高いが、それなりの効果はあるようだ。
高速道路や長距離ツーリングで無理させてるからなぁ。
チャリダー軍団に遅れること十数分。8:00出発。
まず、向かったのはピヤシリ越林道。
名前の通り、ピヤシリ山という山を越える林道だ。
昨夜行った温泉への道を、さらに奥へ。
すぐに林道の入口に到着。
上り勾配のワインディングを数km。
三叉路にぶつかるが、当面はピヤシリ山登山口への看板に従えばOK。
浮いた砂利の路面なので、スピードは控えめに。
登山口までほぼ尾根に沿っているので、アップダウンはあるが、急カーブは少ない。
8:21、ピヤシリ山頂への分岐に到着。
ただし、登山口へのゲートは、時間規制があるため閉じられている。
もともと登る気もないので、そのまま林道本線を直進。

ピヤシリ越林道 名寄側入口

ピヤシリ越林道 名寄側入口

ピヤシリ山頂入口 たしか9:00から開くはず

ピヤシリ山頂入口 たしか9:00から開くはず

山頂への分岐を越えた辺りから、視界がドーンと開けてくる。
美深方面の眺望が素晴らしいが、進行方向と逆なのが辛い。
すれ違う車は皆無だったので、時々停車しては振り返りつつ、のろのろ進んだ。

ピヤシリ林道より美深方面を望む

ピヤシリ林道より美深方面を望む

この花なーに??

この花なーに??

峠を越え、下り勾配に入ると、路面は固めの土に。
しっとりしてるのはいいのだが、凸凹が多い。
神門の滝への分岐のあたりにくると、勾配はなだらかになる。
やがて奥幌内本流林道に合流。
9:30、未舗装路30kmを走り終えて道道60に出た。

奥幌内本流林道分岐

奥幌内本流林道分岐

道道からの入り口 こっち側は路面荒れ気味です

道道からの入り口 こっち側は路面荒れ気味です

そこからは、とりあえずサロマ湖を目指す。
道道を南下してR239を左折して東へ。
日差しが強まり、だんだん暑くなってきた。
10:00ちょっと前に道の駅・にしおこっぺ花夢(かむ)に到着。
開館時間の10:00を待ったが一向に開く気配なし。
僕以外にも車が何台か開館を待っていたが、徐々に減っていく。
張り紙の細かい文字をよく見たら、今日は休館日だった。
もっと目立つように告知しろ!
20分弱を無駄に過ごしてしまったことを悔やみつつ出発。

山の中を快走

山の中を快走

道の駅・にしおこっぺ花夢

道の駅・にしおこっぺ花夢

10:30、R238との交差点手前にある道の駅・おこっぺに到着。
かなり暑かったのでソフトクリームを食う。
こちらのソフトクリームはミルクの味が濃くて、実に美味い。
なお、この道の駅にはディーゼルカーの車輌を利用した無料の簡易宿泊施設もあるらしい。
いざという時に利用しようかな。

道の駅・おこっぺ 無料の簡易宿泊施設もある

道の駅・おこっぺ 無料の簡易宿泊施設もある

のんびり休憩してからR238へ。
あとはひたすらオホーツクの海岸沿いを東南に。
追い越しざま、チャリダーに手を振ったりしながらハイペースな流れで進む。
下北半島もそうだったけど、こっちも地元の軽トラがムチャクチャ飛ばすんだよねぇ。
12:00過ぎ、サロマ湖畔に到着。
しばらく進んで道道961の交差点を右折し、すぐ左折。
幌岩山展望台への未舗装路、幌岩山浪速林道を登る。
路面はしまっていて走りやすいが、カーブが多く復員も狭い。
四輪も多いので気を付けて進んだ。
っと、道の真中にキタキツネだ。ぜんぜん逃げようとしない。
写真を撮りやすいのは嬉しいが、いつか轢かれないか心配だ。

幌岩山浪速林道 展望台まで数km

幌岩山浪速林道 展望台まで数km

キタキツネ やつらは基本的に痩せ細ってます

キタキツネ やつらは基本的に痩せ細ってます

12:30、幌岩山展望台の駐車場に到着。
後から京都ナンバーの大型のツアラーがやってきた。
あんなにでかいオンロード車でよく来るなぁ…。
声をかけたら、やっぱり未舗装はつらいらしい。
さて、展望台へ。ヒイヒイと階段を登る。
眺めれば壮大なサロマ湖が眼下に広がる絶景。
さすが琵琶湖・霞ヶ浦に次ぐ、日本で3番目に大きな湖だ。
真っ青な湖面の雄大さに圧倒された。

サロマ湖 北岸方面

サロマ湖 北岸方面

東南方面 いやはや、でかい湖です

東南方面 いやはや、でかい湖です

展望台を下りて林道を下り、R238へ出たのが13:00。
丁度良い頃合なので、交差点にあった北洋水産で昼食。
ウニを食べたかったが、売っているのはホタテとカニばかり。
迷った挙句、食べたのはオリジナルメニューのホタテバーガー280円&サケバーガー300円。
ホタテの方は、ホタテフライがゴロゴロ何個も挟んである。
サケの方は、サケの切り身のでっかいフライ。
M社のフィレオフィッシュの3倍くらいの厚みでボリュームたっぷり。
足りるか不安だったが、お腹いっぱいになった。

北洋水産ホタテバーガー (゚Д゚)ウマー

北洋水産ホタテバーガー (゚Д゚)ウマー

食後、オホーツクを離れ、内陸へ。
道道103からR333を経て安国という町でR242に合流。
この辺りに次の林道への分岐があるはずなのだが。
ツーリングマップルの座標がずれていて、GPSを使っても入り口がわからず右往左往。
地元民にたずねてようやくたどり着いた。
14;25、仁田布(ニイタップ)林道、走行開始。
仁田布川に沿ってフラットダートをしばらく進むと工事中。行けるかな?
監督らしき人にこえをかけたら、通過可能とのこと。
パイロンをどけてもらい、奥へ。そこから先は緑茂る荒れた道だった。

仁田布(ニイタップ)林道 川沿いはフラットです

仁田布(ニイタップ)林道 仁田布川沿いはフラットです

峠道に差し掛かると荒れてきます 走行注意

峠道に差し掛かると荒れてきます 走行注意

途中、何度かキタキツネに出会った。中には3匹連れも。
連中、まるで猫のようにうじゃうじゃいるなぁ。
何となく、ありがたみが薄れてくる。

あまり展望は開けないです 期待外れ

あまり展望は開けないです 期待外れ

またキタキツネです エキノコックス恐いです

またキタキツネです エキノコックス恐いです

15:00、17km走行終了。本日の林道探索はこれまで。
昨日の看板と、タイトなスケジュールを反省し、15:00以降の林道突入は自粛することにしたのだ。
ってわけでキャンプ地を目指す。
R242を南下、R39を右折して西走。道の駅を目標に進む。
ショートカットできるかも知れない林道ルートもあったが、自粛自粛。
15:50、道の駅・おんねゆ温泉に到着。

道の駅・おんねゆ温泉

道の駅・おんねゆ温泉

併設の土産物屋 牛乳飲み放題に惹かれる…

併設の土産物屋 牛乳飲み放題に惹かれる…

地図だとこのすぐ側にキャンプ場があるように見えたのだが、案内が見当たらない。
温泉街をうろうろさまよって、ようやく看板を発見。
案内に従って川を渡り、パークゴルフ施設を巡る未舗装路を数100m走った。
16:00、留辺蕊(ルベシベ)つつじ公園のキャンプサイトに到着。
駐車場にあるのは一台のワゴン車だけ。
関西から車中泊しながら旅をしているという、おっちゃんがいた。
いろいろと話すが声がかすれて、さっぱり聞き取れない。
たぶん、普段から酒を飲みすぎて喉が焼けてしまったのだろう。
適当に相槌を打って、テント設営に専念した。

留辺蕊つつじ公園 汚いトイレが唯一の欠点

留辺蕊つつじ公園 汚いトイレが唯一の欠点

テントを張り終え、米を水に浸してから食料買い出し&給油。
国道沿いのホクレンとAコープに向かった。
ついでに道の駅に併設された土産物屋で牛乳を飲む。飲み放題300円。
温根湯(オンネユ)温泉街を経て、キャンプ場へ戻る。
しかし、この温泉街。改めて眺めると、まるでゴーストタウンだ。
商店街はシャッターが軒並み閉められ、不気味なほど寂れている。
国道沿いは栄えているのに…何か、こうなってしまった理由でもあるのかなぁ…。
あっ? もしや今流行の「廃墟マニア」を呼び込むためかっ!?

お腹ギュルルが恐いので、3杯でストップ

お腹ギュルルが恐いので、3杯でストップ

つぶれた公衆浴場 温泉街全体がこんな雰囲気

つぶれた公衆浴場 温泉街全体がこんな雰囲気

17:40。キャンプ場へ戻ると、バイクが何台かいて、テントが増えていた。
とりあえず僕は食料をテントに置いて、温泉へ。
現地に来るまで道の駅に温泉があると思い込んでいたが、勘違いだった。
で、向かったのはホテル大江本家
ゴーストタウンに囲まれながら、唯一成功を収めているようだ。
そこ以外に日帰り湯で入れそうな場所が見つからなかった。
(後から調べたら、ここ以外にも日帰り湯はあるらしい)
入浴料は800円と高いけど、設備は充実している。
更衣室の隣にはコインランドリー200円もあるので、長期ツアラーは覚えておくといいかも。

ホテル大江本家 繁盛してました

ホテル大江本家 繁盛してました

温泉の能書き 何だかビールみたい

温泉の能書き 何だかビールみたい

キャンプ場に戻って、トウモロコシを齧りつつビールで晩酌。
夕食のオカズは、松前漬。
炊飯時の重石に乗せたフライパンの余熱がもったいないので、ついでにスクランブルエッグも。
19:00には食べ終わった。

本日の晩酌でございます

本日の晩酌でございます

アツアツ御飯に松前漬 (゚Д゚)ウマー

アツアツ御飯に松前漬 (゚Д゚)ウマー

片づけを済ませて、あとはシュラフに包まってのんびりと過ごすだけ。
翌日以降の計画を練ったり、簡単な日誌をPDAで記録したり…。
22:00就寝まで時間的に余裕タップリ。
長旅はこのくらいのペースが丁度いいねぇ~。

オホーツクに杞憂

北海道二日目。5:00起床。
朝食はカップ焼そば「焼きそば弁当」!!
製造元は大手のマルちゃんだが、なぜか北海道限定の逸品である。

北海道限定・カップ焼そば「焼きそば弁当」

北海道限定・カップ焼そば「焼きそば弁当」

関東の雄「ペヤング・ソース焼そば」と比肩する味との噂を耳にして以来、何としても一度食してみたかった。
古の名作「焼きそばバゴーン」の如く同封された粉末を使い、捨てるお湯でスープも作れるのだ!
麺はやや太め。ソースはやや甘目か。
具はキャベツが中心だが、ドッグフードを髣髴とさせる”肉のようなもの”も入っている。
これはペヤング同様、他の類似品と一線を画す特筆すべき点であろう。
かくの如し焼そばを朝食として摂取した。
C級グルメ探求の旅に、新たな一ページが綴られたのである。
…って、そんな大仰なものでもないか。
それと十勝バターパン。これはセイコーマートの普通の菓子パンやね。

左奥のがスープですね (゚Д゚)ウマー

左奥のがスープですね (゚Д゚)ウマー

早朝の鏡沼海浜公園キャンプ場

早朝の鏡沼海浜公園キャンプ場

食後、テントを撤収開始。
台風の影響が残ってるからか、それとも海が近いからなのか、風が強くて少々てこずった。
ふと隣を見ると、露天にシュラフ、テント無しで寝ていたツワモノがいた。すげぇ。調理もしてる。
7:30出発。キャンプ場で一番早かったかも知れない。
天塩市街を抜けて天塩川を渡り、左手に利尻富士を見ながら海沿いを快走。
稚咲内(ワッカサカナイ)で右折し、サロベツ原野の真っ只中を東へ進んだ。
見渡す限りの地平線と標識もなにも無い直線道路が、いかにも北海道。
前後左右を見渡しても、誰もいない。
「イヤッホー!」とか「ヒーホー!!」とかヘルメットの中で叫びながら、ハイテンションで走る。
せっかくここまで来たのだから、馬鹿にならにゃ。

オロロンラインに並ぶ28基の巨大風車

オロロンラインに並ぶ28基の巨大風車

サロベツ原野 360度の地平線が楽しめます

サロベツ原野 360度の地平線が楽しめます

豊富でR40を左折し、しばらく北上。
徳満で工事中の区間の真っ只中を東へ曲がり、着いたのは宮の台展望台。時刻は8:15。
眼下に広がるサロベツ原野と、その向こうにある利尻島。壮大な景観をしばし堪能した。

宮の台展望台よりサロベツ原野と利尻を望む

宮の台展望台よりサロベツ原野と利尻を望む

展望台にあったアヒル型遊具 目が異様に怖すぎ

展望台にあったアヒル型遊具 目が異様に怖すぎ

R40へ戻り、稚内方面に北上。
直線で信号も無く、交通量も少ない。
道の両側には牧場の風景がひたすら続く。
見ているうちに牛乳を飲みたくなってきた。
宗谷湾が近づき、風景は急に市街地に。
っと、赤信号だ! あわてて急ブレーキ。
リアタイヤがロックして、お尻がフルフルなったが、何とか交差点手前で停車。
振り向くとアスファルトにタイヤの跡がクッキリ。
危ない危ない。気持ちを切り替えねば。
このままR40を進めば稚内だが、市街地に用は無い。
R238を右折して宗谷岬まで海岸を快走。
稚内に泊まったらしいバイクを何台か見かけた。
安全運転を心掛けて、9:20、日本最北端・宗谷岬に到着~♪

日本最北端・宗谷岬

日本最北端・宗谷岬

探検家・間宮林蔵の銅像

探検家・間宮林蔵の銅像

さすがに駐車場はバイクが多い。自転車も、ちらほら見えた。
日本最北端のGSで給油を済ませて、GSの向かい側の坂道を駆け上がる。
この辺りの内陸部は、なだらかな丘陵地帯だ。
牧場が運営しているレストラン兼売店で、最北端の牛乳300円を飲む。

丘と海、そして彼方にはサハリンの大地が

丘と海、そして彼方にはサハリンの大地が

美味しいけど最北端だからって味が変わる訳じゃないよ

美味しいけど最北端だからって味が変わる訳じゃないよ

丘陵地帯の原野を走り抜け、道道1077との三叉路に合流。
右は舗装路が続き、稚内方面へ。
左はやがて未舗装路になり猿払(サルフツ)方面へ抜ける。
奥宗谷林道とも呼ばれるその道を左折して少し進むと、工事中だった。
作業しているおっちゃんに声を掛けたら通過可能とのこと。
工事作業の邪魔にならないよう脇を通り抜ける。
直線が多いフラットなダートが10kmほど続く。
日本最北の原野を走りぬけて、10:12、R238へ出た。

道道1077から宗谷岬までの快走路

道道1077から宗谷岬までの快走路

奥宗谷林道(道道1077)は幅広フラット

奥宗谷林道(道道1077)は幅広フラット

オホーツク海沿いを10分ほど南下し、道の駅・さるふつ公園でトイレ休憩。
広い敷地に建物が点在しているため、どこのトイレがあるのか迷ってしまった。

道の駅・さるふつ公園

道の駅・さるふつ公園

休憩を終えてさらに南下。
10:55、道道732の分岐に到着。ここも原野を走る未舗装路だ。
湿地帯を縫うように走る道路なため、大雨が降ると水没して通行禁止になるらしい。

視界が開けた道道732 交通量も結構あります

視界が開けた道道732 交通量も結構あります

11:22、亜寒帯の原野を貫く18km弱を走り終え、道道84へ出た。
左折して西へ進み、今度は上猿払林道(林道幌払線)へ向かう。
分岐がなかなか見つからなかったが、11:40発見。
やや荒れた雰囲気のダートを数km進んだが、ゲートで通過不可。
「熊出没注意」の文字が恐い。おとなしくUターン。

上猿払林道(林道幌払線)の分岐

上猿払林道(林道幌払線)の分岐

熊を相手にゲート破りはしたくない

熊を相手にゲート破りはしたくない

道道へ戻ってR238へ向かったが、海岸線に出る手前でちょっと寄り道。
12:20、牧場のど真ん中にあるクローバーの丘からクッチャロ湖を展望。
その後はR238へ出て、また南下。
そろそろ昼飯を食べたいが、食事する場所が見つからない。
そのうちに神威(カムイ)岬も通り過ぎてしまった。

クローバーの丘よりクッチャロ湖を望む

クローバーの丘よりクッチャロ湖を望む

オホーツクに突き出る神威岬

オホーツクに突き出る神威岬

13:00、結局、空腹のままケモマナイ林道の分岐へ到着。
「ええい、ままよ」と個人商店の脇道=林道入口へ突入。
緩やかな勾配を上ると、やがて視界が開けてくる。
振り向けば原野の彼方に真っ青なオホーツクの絶景。いいねぇ~。
やがて林道は白樺の林間へ。途中でエゾシカとキタキツネも初見参。
峠を越えると今度は渓流沿いを走る。
風景が様々に変化する楽しい林道だ。

ケモマナイ林道よりオホーツクを望む

ケモマナイ林道よりオホーツクを望む

峠付近のケモマナイ林道 展望よし

峠付近のケモマナイ林道 展望よし

14:00、22kmを走り終えて、再び道道をR238方面へ。
国道との交差点にあったホクレンで給油。青い旗をゲットした。
南下して、14:10、道の駅・マリーンアイランド岡島でようやく昼食。
注文したのは、その日のおすすめメニューだった「ホタテカニとじ丼」1200円。
新鮮なホタテとカニを使った親子丼もどき。
美味しかったが、せっかくだから「生」か「焼き」にしとけばよかったなぁ。

道の駅・マリーンアイランド岡島

道の駅・マリーンアイランド岡島

ホタテカニとじ丼 贅沢ですねぇ

ホタテカニとじ丼 贅沢ですねぇ

食後、駐車場で練馬ナンバーのXRを発見。
話しかけてみたら、驚いたことに同じ中野区民だった。
ひょっとしたら東京近辺で再会するかも知れないなぁ。
さて、時刻はすでに15:00。そろそろ野営地も気になり始める。
微妙な時間で迷ったが、とりあえず次の林道へ行くことにした。
15:20、R238が風烈布(フウレップ)川を渡る、その手前にある風烈布林道の分岐に到着。
右折して舗装路をしばらく進むと、道はやがて未舗装に。
とはいえ、走りやすさは舗装路と大差無い。
見通しもよく、川沿いで勾配差も少ないため、ついついスピードを出してしまう。

風烈布林道 超フラット

風烈布(フウレップ)林道 超フラット

午後の日差を照り返す風烈布川の水面です

午後の日差を照り返す風烈布川の水面です

15:50、フラットダート17kmを走り終えて道道120へ出た。
右折してトンネルを越え、再び林道の分岐へ到着。
美深(ビフカ)歌登(ウタノボリ)大規模林道へ。
通称「道北スーパー林道」または「美深スーパー林道」と呼ばれる、道北を代表するロングダートだ。
時刻はもうすぐ16:00。そろそろ日暮れも気になる。

道北スーパー林道 ここも超フラットです

道北スーパー林道 ここも超フラットです

峠道に差し掛かる頃には日もだいぶ傾いてきた

峠道に差し掛かる頃には日もだいぶ傾いてきた

直線路の彼方にキタキツネが二回ほど現れたが、写真を撮ろうと近づくと隠れてしまう。
気にするのをやめて、ハイペースで進んだ。
ふとメーターを見ると80km…さすがにやばいね。
峠道を登り、最高所の加須美峠付近に差し掛かると看板が現れた。

「遭難多発」「熊注意」「3時までに下山を」

「遭難多発」「熊注意」「3時までに下山を」

むぅ。時計を見ると、すでに16:20を回っている…。
そう言えば、スーパー林道に入ってからここに至るまで、誰にもあってない。
むむぅ…。少し不安…。
峠からは加須美峠函岳林道(函岳レーダー道路)という10kmほどの未舗装の支線が伸びてるのだが、やめとくか…。
多少、やり残したことがある方が、次回来るときの楽しみになるだろう。
ってわけで、スーパー林道を直進。下り勾配になっても路面はフラット。
途中では、林道の整備作業も二箇所ほどで行われていた。人を見つけて少し安心。
やがて勾配もほとんどなくなり、川沿いの道に。
16:50、35kmちょっとのロングダートの終点に到着。
っと、キタキツネ発見。かなり近づいても大丈夫だったので、とりあえず撮影。
いやぁ、今日は林道をたくさん走ったなぁ~。

川沿いに差し掛かったら終点はもうすぐです

川沿いに差し掛かったら終点はもうすぐです

キタキツネ 僕は「ルールルー」なんて言いません

キタキツネ 僕は「ルールルー」なんて言いません

さぁ、今日の野営場へ急がねば。
明日予定しているルートにも都合のよさそうなキャンプ場まで、もうひと頑張り。
R40へ出て、南下。美深の町を通過し、バイパスを使って名寄(ナヨロ)の市街地へ。
GPSを頼りにウロウロ走り、市街地を抜けて名寄川を渡る。
17:55、夕闇迫る頃にようやくたどり着いたのが、トムテ文化の森キャンプ場
キャンプサイトの管理棟を訪れたが、今日は公休日のようで管理人は不在だった。
どうしたものかと思ったが、どうせ無料のキャンプ場だ。
先客のチャリダー集団に倣って、僕もテントを張ることにした。
明朝、管理人が来たら挨拶・手続きすれば問題ないだろう。

トムテ文化の森キャンプ場 林間のサイトです

トムテ文化の森キャンプ場 林間のサイトです

管理棟 たまたま今日は公休日でした

管理棟 たまたま今日は公休日でした

テントを張り終えて荷物を中へ仕舞って一安心。
そういえば、今回のツーリングに備えて、このテント用のオプショナルフライを購入した。
これを使えば前室を確保でき、雨の日の調理や靴の置き場に困らない。
ムーンライト3とオプショナルフライの組み合わせは、かなーりおすすめである。
18:15、小さなディバッグを背負い、空荷になったバイクで名寄の市街へ向かった。
まずは市街地で見つけたバイク屋でオイル交換。2000円。
YAMAHAの看板を掲げて、オフロード・バイクが店頭に並んでいるので、なんとなく安心。
しかし、あのキャンプ場は熊が出るぞと脅された。まいったなぁ。
食料狙いのキタキツネにテントを荒らされるという話も思い出してしまった。
杞憂に終わればよいが。
その後、食料買い出しにスーパーへ。18:40。
30分ほどで買い物を終え、ガソリンを給油して、その足で温泉へ。あぁ忙しい。
キャンプ場の奥に続く真っ暗な山道を数km進んで着いたのが名寄温泉サンピラー
19:30。平日のこんな時間なのに、意外に客が多かった。

名寄温泉サンピラー 翌朝、通りかかった時に撮影

名寄温泉サンピラー 翌朝、通りかかった時に撮影

入浴料400円を払い、オフブーツを脱いで浴場へ。
ε-(ー∀ー;)ハァ 極楽極楽。
今日の汗と疲れを洗い流して、キャンプ場へ戻ったのは20:00。
腰も落ち着けないうちに早速ビール。五臓六腑に染み渡る。
スーパーで入手したばかりの計量カップで米を計り、飯を炊く。
今日のメニューは醤油味のウインナー炒め。
塩分過多だが、疲れ気味の自分には丁度よいオカズだ。

黒ビールとウインナーの記念撮影

黒ビールとウインナーの記念撮影

変哲の無いメニューですが(゚Д゚)ウマー

変哲の無いメニューですが(゚Д゚)ウマー

食事終了は21:00。片づけを済まして早々に就寝。
長い一日を振り返りつつ、眠りに落ちる…。
とりあえず翌朝まで熊もキツネも出ず、安眠できた。
しかし、なぜだろう。深夜、うとうと目を覚ましたときに、
キャンプ場の奥の森から子供や女性の話し声が聞こえてきたんだけど…。
空耳だったのかなぁ…。(━_━)ゝウーム

北海オロロン滞在記

4:10、小樽着。でもバイクの下船は一番最後。
待つこと約一時間。5:00前後、ようやく下船。
さぁ、旅の始まりだ!

気合を入れて下船を待つ

気合を入れて下船を待つ

未明の北海道に、旅人たちが散っていく

未明の北海道に、旅人たちが散っていく

九日間の休みの内、二日は北海道との往復で費やしてしまう。
なので北海道への滞在予定は七日間。
当面の目的地は日本の最北端・宗谷岬!!
だがその前に、まずは朝食。腹が減っては戦が出来ぬ。
下船したその足で向かったのは小樽港・鱗友市場
3:00から営業している味さきという食堂へ。
こんな時間なのに行列が出来ていた。ライダーもちらほら。
中では地元のおばちゃんたちが一所懸命働いていた。
うに丼から焼き魚定食まで目移りしたが、結局僕が食べたのはイクラ丼1,050円。
さすがに美味い。イクラの量もたっぷり。
北海道の味覚のスタートとしては、いい感じ!

小樽港・鱗友市場 味さき

小樽港・鱗友市場 味さき

朝からイクラ丼 (゚Д゚)ウマー

朝からイクラ丼 (゚Д゚)ウマー

食事を終え、5:50。後は日本海沿いをひたすら北上。
稚内へと至る、オロロンラインと呼ばれる道だ。
昨日去った台風の残滓か、小樽の辺りで小雨がぱらついたが、すぐにやんだ。
石狩川を渡り、望来(モライ)浜を経て厚田へ着いたのは6:50。
さすがに風はまだ冷たいが、台風一過のいい天気になってきた。

オロロンライン 日本海岸を爽やかに快走~♪

オロロンライン 日本海岸を爽やかに快走~♪

早朝の厚田港です

早朝の厚田港です

ちょっと気分転換に国道から少し外れてみた。
千本ナラという銘木までの数kmの未舗装路を走る。
北海道初めてのダートだ。急勾配のワインディングを登って下って…。
気がついたら、肝心の千本ナラは見過ごしてしまった…(;´Д`)
まぁ、展望台から愛冠(アイカップ)海岸を眺望出来たからいっか。

千本ナラまでの未舗装路

千本ナラまでの未舗装路

愛冠(アイカップ)海岸の雄大な眺望

愛冠(アイカップ)海岸の雄大な眺望

雄冬(オフユ)岬、増毛(マシケ)を経て留萌(ルモイ)へ。
R231を北上し続けた。

雄冬岬・白銀の滝

雄冬岬・白銀の滝

留萌の海岸から雄冬岬方向を望む

留萌の海岸から雄冬岬方向を望む

9:50、道の駅・おびら鰊番屋で休憩。
暑くなってきたので、ソフトクリーム300円で体を冷やす。

道の駅・おびら鰊番屋 鰊定食が美味いらしい

道の駅・おびら鰊番屋 鰊定食が美味いらしい

さて、そろそろ海沿いに飽きてきた。
宗谷岬へはこのまま進むべきなのだが、それではつまらないので内陸へ。
R232を古丹別(コタンベツ)で折れ、R239=霧立国道~観月国道を古丹別川沿いを東へ走る。
やはり山中のワインディングは楽しいなぁ。
11:00、R275に合流。ちょっと早いけど昼飯。
ここは日本一の蕎麦生産量を誇る幌加内(ホロカナイ)のすぐそば
で、入ったのは手打ち蕎麦の霧立亭。
注文したのは、これまた道内では一般的なかしわ蕎麦、700円。
(かしわ蕎麦とは、鶏肉が具の蕎麦のことね。)
麺はさすがに美味いが、出汁がいまいちかな。素直にザルにすればよかった。

かしわ蕎麦 麺を味わうならザルがよろしいかと

かしわ蕎麦 麺を味わうならザルがよろしいかと

食後はR275を北上、朱鞠内(シュマリナイ)湖の手前で道道528を左折。
湖をぐるりと遠回りに山中をめぐる道で未舗装部分も多い。
12kmほどのフラットダートの区間を楽しめた。
舗装・未舗装にかかわらず、支線が腐るほどあるが、怖いので侵入はしないでおく。
肝心の朱鞠内湖は木陰にちらりと見えるだけで、ちょっと物足りなかった。

道道528 林間を走る未舗装路

道道528 林間を走る未舗装路

朱鞠内湖は森の向こうで見えず終い…

朱鞠内湖は森の向こうで見えず終い…

R275に再び合流し、美深(ビフカ)方面に北上。
美深の市街地を避け、その手前で西北農免農道を左折。
舗装路だったが、牧歌的な一車線の道で、牧場の景色と匂いを堪能した。

景色は爽やかだが、実は臭い道なのだ

景色は爽やかだが、実は臭い道なのだ

R40に合流してからは再び北上。念のため、途中で給油。
道の駅・おといねっぷでトイレ休憩。

道の駅・おといねっぷ

道の駅・おといねっぷ

喉が渇いて飲んだ、北海道限定「キリンガラナ」

喉が渇いて飲んだ、北海道限定「キリンガラナ」

休憩を終え、R40沿いに数キロ進む。
物満内(モノマナイ)川を渡って左折すると、物満内林道である。
北海道初の林道だ。どきどき。

川沿いを走る物満内林道 途中から峠道になる

川沿いを走る物満内林道 途中から峠道になる

ちなみに『内(ナイ)』はアイヌ語で『川』のこと

ちなみに『内(ナイ)』はアイヌ語で『川』のこと

基本的に路面はフラットだが、道端の草が路面を覆うように茂っている。
とくにフキは化け物のような大きさ。
二箇所ほど養蜂の巣箱がいくつか設置されていた。
峠道のカーブで油断して、一度こけてしまった。
砂利が深かったのだ。しかし、怪我も故障も無し。

フキの大きさ、伝わるかな?

フキの大きさ、伝わるかな?

時々、視界が開けます

時々、視界が開けます

ついでに、北海道の初林道記念ということで、久々に動画も撮影した。
興味ある方はどうぞ♪

物満内林道 動画ファイル(4MB弱)

※ 再生にはWindowsMediaPlayer9が必要です

※ 再生にはWindowsMediaPlayer9が必要です
やがて林道は、道道118号線との三叉路にぶつかって終了。この道道も未舗装路。
右折して、佐久方面に進む。さすがに林道と違って標識が充実している。
ただ砂利が深い。後ろの荷物も重いため、バイクの制御が難しい。
ついついハンドルをとられてしまい、ついに、道端の草むらへ。
「あぁ~、突っ込む…まぁ、草むらの向こうは壁になってるから、いいや…」
と思って、スピードを緩めることに専念した矢先、草の下に側溝が口を開けて待っていた!
「ぬをっ!?」
なんと、こんな場所に側溝とは…。前輪・後輪ともズッポシはまってしまった…。
脱出のためバイクから降りたが、セローは見事に直立姿勢を保ったまま…。
サイドスタンドも使ってないのに…。

セローが立った! セローが立った!!(ハイジ風)

立った、立った、セローが立った!!(ハイジ風)

道道118 砂利が曲者

道道118 砂利が曲者

誰かが通りかかるのを待つわけにもいかない。
キャリアから荷物を降ろし、全力を振り絞ってバイクの後輪を持ち上げる。
ヒィヒィ言いながら後輪を抜き、ギアで車輪が動かないことを確認。
今度は前輪を抜き、何とか脱出成功。
車重の軽いトレール車で助かったぁ…。
側溝から離れた場所まで引っ張って停め、しばらく息を整えた。
北海道上陸初日からこれでは、先が思いやられるなぁ…。
キャリパーやチェーン、スプロケなどを確認したが問題なさそうだ。
このアクシデントで、ちょっと反省。慎重に進むことにした。

佐久側の出口はチェーンで封鎖

佐久側の出口はチェーンで封鎖

逃げるようにすり抜けました…

道道118に沿って流れる安平志内(アベシナイ)川

道道118に沿って流れる安平志内(アベシナイ)川

道道118は、佐久でR40に合流。時刻は15:00過ぎ。
少し北上したところにあった道の駅・なかがわで一服し、気持ちを落ち着けた。

道の駅・なかがわ

道の駅・なかがわ

おやつに食べたタコ天

おやつに食べたタコ天

無理すれば今日中に宗谷岬まで回れるだろうが、慌てる必要もなかろう。
朝が早かったので、早めにキャンプ場にチェックインすっか。
ってわけで、ここから近くて評判の良いキャンプ地を目指すことに。
R40から道道551を経て天塩(テシオ)へ向かう。
道の駅・てしおに着いたのは15:50くらいだろうか。
夕飯の買出しにちょっと覗いてみると、大勢の人がテレビの前でガヤガヤ。
何だと思ったら、ワッと大きな歓声!
ちょうど駒大苫小牧が甲子園で優秀する瞬間だった。駅の中は大騒ぎだ。
去年の夏休み、四国からの帰りのフェリーで阪神が優勝した時のことを思い出した。
こういう場面に結構出くわすものだなぁ。
それはともかく、買出しはめぼしいものがなかったので中止。
とりあえずキャンプ場へ急いだ。

道の駅・てしお 甲子園中継で大騒ぎ

道の駅・てしお 甲子園中継で大騒ぎ

16:00過ぎ、鏡沼海浜公園キャンプ場に到着。
テント泊はもちろん、シャワー・コインランドリーの利用も無料。
予約すればライダーハウスも使える超充実したお得なキャンプ場である。
すぐ脇に500円で入れる温泉もあり、町も近くて買出しも便利。最高!!
キャンプ場はすでにテントがいくつか張られていた。連泊の人も何人かいそうだ。
僕も受付を済ませ、ちゃっちゃとテントを張った。

鏡沼海浜公園キャンプ場 超おすすめです

鏡沼海浜公園キャンプ場 超おすすめです

買い出しに手塩市街へ向かったが、スーパーは日曜で軒並み休み。
結局、北海道の定番コンビニ・セイコーマートでお買い物。
テントに戻って、とりあえずサワーで晩酌。
キャンプ場のすぐ側の海からは利尻富士を眺めることが出来る。
夕暮れが迫ったので晩酌を中断して、ほろ酔い気分で防波堤の先端へ。
黄昏時の利尻富士を心行くまで堪能。
いやぁ、いい眺めだぁ。本当に素晴らしい!!

黄昏れる海原に浮かぶ利尻富士

黄昏れる海原に浮かぶ利尻富士

テントに戻り、隣に同じムーンライト3を設営していたライダーと一緒に夕食。
今日は米を炊かずにコンビニ弁当。
荷造り時にシェラカップを忘れてしまい、米・水の分量が正確に量れない。
目分量で炊いて成功したためしがほとんど無いので、炊飯は止めといたというわけ。
(ちなみに計量カップは翌日スーパーで購入できた。)
20:00、隣接されている天塩温泉・夕映へ入浴に向かう。500円。ええ風呂じゃ。
風呂に歩いて行く途中、びっこの若者発見。アキレス健を痛めた徒歩ダーらしい。
以前、足を捻挫したときに病院でもらった関節を固定する幅広のテープ。
それを丁度その時持っていたので、無理やりあげてしまった。
しない善よりする偽善。自己満足で結構結構。
温泉で入れ違いに再会した時、だいぶ楽になったと喜んでいた。
えがっだえがっだ。
外では話し声も聞こえたが、僕は朝早かったので、22:00頃には寝付いてしまった。
いい生活リズムだ。このペースを守っていきたいものだ。
かくして僕の北海道ツーリングは、順調に滑り出した。
側溝にはまったり忘れ物したり、若干波乱を含みつつ…。

BEE FREE!

いよいよ九日間の夏休み。計画していた北海道へのロングツーリングだ。
が、出発直前までバイクのメンテナンス以外は準備を全くしていなかった。
走行計画も道北・道東と大まかには決めていたが、予習はほとんどしていない。
まぁルートはいきあたりばったりで決めればいいか。
問題は長旅の装備。
前日、仕事から帰宅して、寝ないで荷造り。着替えは最小限度。
新潟から出航するフェリーの、乗船手続きに間に合うよう、4:20に出発。
ガソリンはほぼマンタンの状態なので、そのまま関越自動車道へ。
さすがに肌寒い。上里SAでカキアゲそばの朝食を摂る。
駐車場に居合わせた大荷物のTTR乗りに、新潟からの出航時間を聞かれた。
なるほど、北海道まで同じルートらしい。
11:00と答えたが、それは乗船時間だった。
記憶違いだったが、まぁ早く間違える分にはいいだろう。
どんどん走って赤城高原SAで給油。
群馬と新潟の県境、谷川岳を超えるのはつらかった。
長い長いトンネルを抜け、新潟県内に入り、塩沢石打SAでトイレ休憩。
そこでさっきのTTRに再会した。少し話しこむ。
その後、フェリーを降りるときにも会った。
こちらのサイトを運営されているそうだ。
新潟県内も平地に入ると、直線路が目立つようになる。
広大な水田をひたすらまっすぐ進んだ。
8:45、新潟亀田ICを降りる。
304.3km、\5,700。さすがに疲れて眠い。
念のため、乗船前に給油を済まし、いざフェリー乗り場へ。
北海道に着くのは翌日の未明で、開店しているGSが見つからないかもしれないのだ。
新日本海フェリー・新潟ターミナルでの乗船申し込みはスムースに完了。
乗船まで1時間半。暇をもてあます。
来る途中のSAで漫画を買っておいてよかった。

新日本海フェリー・新潟ターミナル

新日本海フェリー・新潟ターミナル

到着時点でのバイクの行列、この後も続々と

到着時点でのバイクの行列、この後も続々と

夏場、北海道を訪れるライダーはミツバチに例えられている。
昔はミツバチ族と呼ばれていたらしい。
フェリーは言うなれば、自由を求めるミツバチの群れる巣箱か。
自分も一匹のミツバチなのかも知れないなぁ。
11:00、いよいよ乗船開始。
指示された位置にバイクを留め、積荷を降ろして脇におく。みんな、荷物が多い。
僕は、小さなリュックとウェストバッグだけを持って船内へ。

整然とバイクを固定していきます

整然とバイクを固定していきます

船内の客室は清潔な感じ。2等船室は12人が寝られる小部屋だ。
好きな部屋を選べる。どの部屋も比較的空いていた。定員の50%程度。
とはいえ、定員通り人間がいたら狭くて不快だろうなぁ。
適当な部屋の適当な寝場所を確保し、早速、軽装に着替えてリラックス。
18時間の船旅に備える。11:30、出航。

新潟よ、通過するだけでスマヌ…

新潟よ、通過するだけでスマヌ…

煌く海面 …でも何か汚いね…

煌く海面 …でも何か汚いね…

さて。まずは昼食。
ビュッフェでミート・スパゲティ600円を注文。
期待してなかったので、可もなく不可もなし。

翌朝、無人のビュッフェ おしゃれな感じです

翌朝、無人のビュッフェ おしゃれな感じです

風呂は14:00~21:00。僕は15:30頃、入浴した。
大浴場というだけあって、大きな湯舟でゆったりできる。
大きな窓の向こうは大海原だ。明るくて清潔な浴室も高得点。
船がゆれるたびに、二槽の湯舟の間仕切りを超えて、湯水が行ったり来たり。
これまでフェリーではシャワーしか使ったことがなかったが、
新日本海フェリーは船旅の情緒溢れる素敵なお風呂だった。
18:30、夕食。ハヤシライスを食らう。
以後、船室に戻り、ウトウトとまどろむ。
昨夜、寝てないので、ひたすら眠い。消灯は22:00。
明朝4:00過ぎに小樽港へ入港予定だ。
待ってろ、北海道(アイヌ・シモリ)!! …むにゃむにゃ…

およげ、タイヤ君

朝食は昨夜の山菜御飯の残り。
のどが渇いたが、飲み水が残り少ない。
近くに水場がないのは辛い。NGSを済ませ、撤収。
グランドシートをめくったら、ハサミムシがゾロゾロと数10匹…。
やけにテントの中にハサミムシが入ってると思ったら、産卵場所だったのか…?

出撃準備完了!!

出撃準備完了!!

6:00出発。我ながら早起きだなぁ。
小武川林道を進み、尾根道を抜け、下り勾配をしばらくすすむ。
早朝、バイクの出現に驚いた猿が数匹、道を横切り藪に隠れた。驚かせて済まぬ。
6:18、御庵沢林道の分岐に到着。トラ模様のバリケードが一脚。通過は問題無さそうだ。
御庵沢林道は通行量が少ないのだろう。
ほとんど未整備で、路面は荒れ気味のダートだ。
ただでさえ薄暗い森に、濃霧も立ち込めて、不気味な雰囲気。
早朝、バイクの出現に驚いたキジが1匹、道を横切り藪に隠れた。驚かせて済まぬ。
「犬が出現すれば、3翻役・桃太郎が完成だね」
「何のこっちゃ」
空しく、ひとりボケ&ひとり突っ込み。

霧が立ち込める御庵沢林道

霧が立ち込める御庵沢林道

薄暗い森に沢のせせらぎが響く

薄暗い森に沢のせせらぎが響く

林道を抜け、人里に出て県道沿いに南下。
御勅使川を越え、南アルプス市内へ。
コンビニに寄り、飲み物を購入し一息入れる。
次に向かったのは南アルプス林道。御勅使川沿いに、快走路を西走。
7:00過ぎ。林道入口に到着。しかし、「マイカー規制」の看板が。
途中でも告知を見かけたが、やはり、ここは通過不可か。
夜叉神峠までは行けるようだが、無駄足と分かっている。やめとこう。
しぶしぶUターン。別ルートで早川流域を目指すことにする。

南アルプス林道はマイカー規制でした

南アルプス林道はマイカー規制でした

南アを背にした御勅使川

南アを背にした御勅使川

再び市街地に戻り、少し南下して櫛形山方面へ。
村落を抜け、8:00ちょっと前に丸山林道の起点に到着。
棚田の向こうに、富士川流域の市街地と、富士山や南アルプスが展望できた。
まだ朝の爽やかな時間帯。吹き抜ける風が気持ちいい。

緑の棚田と富士とアルプス

緑の棚田と富士とアルプス

櫛形山から富士川を望む

櫛形山から富士川を望む

丸山林道は、櫛形山を経由し、早川流域の奈良田に抜ける林道だ。
東側は舗装されているが、道幅は狭い箇所がある。
ハイキングなどの行楽客も多いので、コーナーに注意しながら進む。
途中の分岐で、櫛形山林道、池の茶屋林道の未舗装路も走破。
櫛形山登山口には沢山の車があった。夏休みの日曜日、家族連れが多い。

櫛形山林道 登山口までの未舗装路

櫛形山林道 登山口までの未舗装路

櫛形山を越え、丸山林道は下り勾配に。西側は未舗装部分も多い。
快晴なら南アルプスが一望できるのだろうが、今日も雲が邪魔をしている。残念だ。
路面の荒れはそれほどでもないが、林道が終わりそうで終わらない…(-_-;)
下り勾配を降りきって沢を横切ると、再び登り勾配に…。
足下遥かに早川の流れが見えるのだが、なかなか辿り着けない…。

丸山林道 意外と長距離で楽しめます

丸山林道 意外と長距離で楽しめます

櫛形山連山を仰ぎ見る

櫛形山連山を仰ぎ見る

9:30、ようやく奈良田の交差点に到着。
しかし、「右折禁止」の看板がある。こっちも交通規制なのだろうか?
早川上流の広河原方面は諦め、左折して雨畑方面へ向かう。
少し進むと、自家用車を遮る交通整理のおじさんがいた。やはり交通規制があるのか…。
(後日調べたところ、通行可能のようだ。上り・下りを時間帯で規制しているらしい。)

丸山林道 終点 右折禁止の看板

丸山林道 終点 右折禁止の看板

富士川水系早川 糸-静構造線なのだ

富士川水系早川 糸-静構造線なのだ

南アルプス街道を南下して、9:50、新倉露頭に到着。
一車線しかないトンネルの合間で、危うく見過ごしてしまうところだった。
駐車場から徒歩で小道を進むと、渓流の脇に解説板があった。
なるほど。ここも確かに岩石の質が異なっている…。
奔流が削ったその断面に、くっきりと断層が露出していた。

早川町 新倉露頭

早川町 新倉露頭

断層部分拡大 岩盤が斜めに重なってますね

断層部分拡大 岩盤が斜めに重なってますね

15分ほどで露頭見学を終え、南アルプス街道に復帰したが、少し進んで右折。
ピストン林道の広河原林道へ行ってみた。
ゲートで封鎖されていたが、脇が…モゴモゴ…。。
路面はガレガレ。これは酷い。角の尖った岩塊がゴロゴロしている。
大丈夫かなぁ…と心配だったが、何と奥からオフローダーが二台やってきた。
「この先、行けます??」
「3,4km先で行き止まりですが、そこまでは行けますよ」
「ありがとう、お気をつけて」
あまり大丈夫じゃない道を、ガクブルしながらも、なんとか往復完了した。

広河原林道ゲート 開くかもしれない

広河原林道ゲート 開くかもしれない

かなり荒れてます…

かなり荒れてます…

11:00。暑い暑い。朝食が早かったので、昼食も早め。
街道をはずれ、町営・草塩温泉の隣にあった食堂に入り、天ざる大盛りを注文。
安くてそれなりにボリュームもあり、美味しい。満足満足。

天ざる (゚Д゚)ウマー

天ざる (゚Д゚)ウマー

草塩温泉の隣の食堂 温泉は今回パス

草塩温泉の隣の食堂 温泉は今回パス

早川町の役場を通過して、その先のGSで燃料補給。時刻は11:25。これで準備万端。
町役場の辺りまで戻って、雨畑方面へ。
渓谷を進み、雨畑ダムにかかった長い橋を渡って、
11:50、井川雨畑林道の起点に到着。

井川雨畑林道 起点

井川雨畑林道 起点

雨畑ダム方面を見下ろす 広大だ…

雨畑ダム方面を見下ろす 広大だ…

井川雨畑林道は、山梨県と静岡県を山伏峠で結ぶ、長距離林道だ。
静岡川は完全舗装済み。山梨側も目下、舗装工事中。
残された未舗装区間は少ないが、遥かな高みから見下ろす光景は素晴らしい。
ところどころ工事中だったが、通過には問題なかった。

井川雨畑林道 比較的フラット

井川雨畑林道 比較的フラット

セロー君、もうすぐ20,000km…

セロー君、もうすぐ20,000km…

峠付近は標高2000m。真夏だというのに肌寒い。下界の暑さを忘れてしまう。
急斜面のトラバースルートを折り返しながら、高度を稼ぐ。
雲でアルプスの山並みが見えないのが惜しい。
ところどころ大規模な崖崩れの痕跡がある。
12:45、山伏峠を越え、静岡県へ入ると完全な舗装路に。
崖崩れの痕跡は静岡県側も同様で、尖った石が道を覆っていた。
小石のせいだろうか、妙な具合にハンドルを取られる…。

山伏峠付近から山梨県側を望む

山伏峠付近から山梨県側を望む

山伏峠 殺風景です

山伏峠 殺風景です

13:20。長い長いワインディングを下りきり、井川雨畑林道を完走。
しかし、どうもバイクのレスポンスが変だ。
道端の駐車スペースでバイクを停めてチェック。
…後輪の空気が完全に抜けている…。パンクだ…、初めてのパンクだ…。
セローWEの後輪はチューブレスなので、パンク箇所さえ分かれば修理は早い。
穴の開いた箇所を必死で探す。
…なかなか見つからない。刺さっている異物も無い。
刃物でスパッと切ったような亀裂があるが、ここだろうか。
携帯用エアポンプで空気を入れ、亀裂を水で濡らして再チェック。
タイヤに力を加えると、泡を吹く。OK。ここだ。
チューブレスタイヤ用の修理キットで穴を塞ぐ。

1.空気の漏れている箇所を確認します

1.空気の漏れている箇所を確認します

2.ヤスリのような棒で、穴をゴリゴリ

2.ヤスリのような棒で、穴をゴリゴリ

3.セットした修理材と穴に接着剤を塗ります

3.セットした修理材と穴に接着剤を塗ります

4.修理材を刺し込み、余分な部分を切断

4.修理材を刺し込み、余分な部分を切断

こんな緊急事態なのに、写真を丁寧に撮ってる俺って…orz
炎天下、携帯用エアポンプでの作業は辛い。
0.5キロ程度の空気圧でギブアップ。まぁリム打ちは無いだろう。14:10、応急処置終了。
しかし、かなり横に長い亀裂だ…穴が広がらないだろうか…。
とりあえず走りながら様子を見ようと、ここから先はスピード控えめを心掛けた。
井川ダム湖畔を走り抜け、吊橋を渡る。
14:30、林道穴沢線入り口に到着。
フラットダートで低空気圧でも問題なし。
ってか、オフロードは空気圧をわざと下げるくらいだからなぁ…。

井川ダム 大井川水系です

井川ダム 大井川水系です

林道穴沢線 フラット~

林道穴沢線 フラット~

その先も峠道をウネウネ走り、15:10、口坂本温泉に到着した。
空気圧をチェック。微妙に減ってる…。
とりあえず休憩。入浴料430円を支払い、ひとっ風呂浴びる。

ここらへんで南アルプスとお別れ

ここらへんで南アルプスとお別れ

口坂本温泉 静岡市民が利用してます

口坂本温泉 静岡市民が利用してます

30分ほどで入浴を終え、さっぱり爽快な気分で空気圧を再チェック。
むぅ…また微妙に減ってる…。まぁ、一気に抜けないだけましか。
次に見つけたGSでパンパンに空気を入れてもらおう、そうしよう。
んなわけでガソリンスタンドを探しつつ、安倍川沿いを南下。
静岡市街が近づくに連れ、交通量も増えてきた。
川原では、家族連れや若人グループが水着で泳いだりBBQしたり。
えぇなぁ。俺も泳ぎたい。

安倍川 今回、安倍川餅は食べなかった

安倍川 今回、安倍川餅は食べなかった

5件ほどGSを見つけたが、全て日曜休業…。
ようやく6件目で空気を入れることが出来た。ほっと一息。
ここまでに減った分だけガソリン給油も完了。
国道1号線が近づくと渋滞もピークに。その先の人ごみも尋常ではない。
何かと思ったら、花火大会だ…。えらい人出で、安倍川河畔は大混雑だった。

安倍川花火大会 今や遅しと待ちかねる人々

安倍川花火大会 今や遅しと待ちかねる人々

混雑を避け、裏通りを使って、駿河湾を目指す。
海に到着したが、河口からだいぶ離れた場所だった。
もう一度、裏通りを進み、ようやく安倍川河口に到着。
17:30。糸魚川 – 静岡構造線をたどる旅は、ようやく終わった。

安倍川河口 駿河湾に吸い込まれてます

安倍川河口 駿河湾に吸い込まれてます

河口付近の風車 あちこちで見かけますね

河口付近の風車 あちこちで見かけますね

さて。ここから東京へ帰らねばならぬ。
しかし、タイヤがこの状態では、とても高速道路は無理。
仕方が無い。下道を使うしかない。
この時期の日曜夕方、当然酷い渋滞が予想できた。憂鬱だ…。
適当なファミレスに入って、ハンバーグの夕食。
たっぷり休憩してから、意を決して出発。
っと、途中にバイク屋を発見。修理できないか尋ねてみた。
「こりゃタイヤを交換するしかないですね」と引導を渡される…。_| ̄|○
また空気が減っていたので、空気圧高めで入れてもらう。
いやはや帰りは辛かった。
渋滞だし、タイヤがあれだからスピードは出せないし、
空気圧を頻繁にチェックしなければならないし。
しかしまぁ、のろのろ進みながらも、無事帰宅できた。空気も何とか持った。
大地の裂け目より、タイヤの裂け目に悩まされるとは。
ん? 帰宅時間?
23:23…。
疲れたよ…ママン…(ノд・、)…

ヒビ、是精進

『フォッサマグナの西端』=『糸魚川-静岡構造線』ということを前回のツーリングで知った僕。
新たに判明した正しい構造線をこの目で確かめたくなったのも無理からぬことである。
つーわけで、トレースしなおし。
山梨県から静岡県にかけて、大地の溝を確かめに行って来た。
バイクのメンテナンスで出発は遅れに遅れて12:00。
全体の行程がそれほど長距離じゃないはずだから、のんびり行こう。
炎天下の中、府中から中央道へ乗って西へ西へ。
14:35、山梨の須玉ICで高速道路から降りた。
R20に出てとりあえず道の駅・はくしゅうに向かう。
15分ほどで到着。まさに去年の今頃やって来た場所で懐かしい。
この道の駅は名水が汲め、隣にスーパーもあるのでキャンプの準備に最適なのだ。
相変わらず後ろに並ぶ行列などそっちのけで大量に水を汲んでいる集団もいた。
どうにか2ℓのペットボトル一本に水を汲み、スーパーで食料を買出して野営の準備完了。

道の駅・はくしゅう

道の駅・はくしゅう

甲斐駒ケ岳…また今回も雲の奥…

甲斐駒ケ岳…また今回も雲の奥…

まず目指すは山梨・武川村の石空断層露頭。
国道は混雑していそうなので、尾白川経由で精進ヶ滝林道へ。
舗装されたワインディングを抜けて、15:40、精進ヶ滝の駐車場へ到着。家族連れが一組。
日本100名瀑の一つ、精進ヶ滝はここから徒歩40分…。行けるかなぁ…。
もう、日はだいぶ傾いていた。バイクを降りて、歩き始める。

吊橋を渡って、精進ヶ滝・散策路へ

吊橋を渡って、精進ヶ滝・散策路へ

5分ほど歩くと「←フォッサマグナ」という直球表現の看板が。
そちらへ進み、説明パネルを過ぎて、河原に出た。
糸魚川-静岡構造線の石空(いしうとろ)川の露頭が対岸にあった。
左右の地質の違いが一目で分かる。植生にも違いが出ているらしい。

武川村 石空(いしうとろ)川露頭

武川村 石空(いしうとろ)川露頭

露頭を見学後、精進ヶ滝を見ようと、渓流沿いに散策路を登る。
急勾配の階段(梯子に近い)をいくつも越えて…。
…20分ほど歩いたところで、ギブアップ…_| ̄|○
日も暮れかけていたので、Uターンすることにした。
運動不足の身には辛過ぎる…。また、いつか来よう…。
16:40、駐車場へ戻る。くたくたに疲れた。

途中の滝 まぁ今回は、これで良しとしましょう

途中の滝 まぁ今回は、これで良しとしましょう

鳳凰山 精進ヶ滝は遥か彼方

鳳凰山 精進ヶ滝は遥か彼方

小武川に出ようと、御座石林道を進んだが、ダートになって数kmで工事。
作業員は皆無だったが、重機が完全に道を塞いでいて直進不可。
諦めてUターン。国道20号線まで戻って小武川林道を目指す。
以前、一度通ったルートだ。17:30、小武川林道起点に到着。
比較的フラットな未舗装路で、登山者など交通量も多い。

小武川林道

小武川林道

小武川は河原が広い。大き目の白い花崗岩がゴロゴロと転がっている。
石の上は野営には向かないが、ところどころ林道から短い支線が河原に伸びている。
丹念にチェックして行き、よさげな行き止まりの草地を発見。
本日の野営地決定。テントを張って荷物を放り込んで、身軽になる。

4WD車では進入不可能なサイトでした

4WD車では進入不可能なサイトでした

身軽になって、向かった先は青木鉱泉
登山者向けの山荘だ。近くに似たような御座石鉱泉もあるが、そっちは前回で懲りた。
青木鉱泉にはテントサイトもあり、野営場所の保険として調査済なのだ。
野営地から未舗装林道を軽快に飛ばすこと10数分。青木鉱泉に到着。
従業員に声を掛け、料金1000円を支払って浴室へ。
(; ̄y ̄)cゝ …靴下が猛烈に臭い…。誰もいないのが不幸中の幸い。
汗を流して、全身を湯船に浮かべて、リラックス~。

青木鉱泉 綺麗な浴室でした

青木鉱泉 綺麗な浴室でした

夕食を終えた登山客が夕涼み

夕食を終えた登山客が夕涼み

入浴を終え、野営地へ戻ったのが18:50。
パック入りの山菜をコッヘルにあけ、晩酌開始。
NHKラジオが雰囲気を盛り上げる。
夕食は炊き立てのご飯に山菜の残りを混ぜた「山菜御飯」。
いつも通り、ワシワシ掻きこんで食事終了。食った食った。

山菜御飯 (゚Д゚)ウマー

山菜御飯 (゚Д゚)ウマー

テントの中にいても、メッシュを抜けて吹き込む風が涼しい。
熱帯夜が続く東京を離れたことを実感する。えぇなぁ。
夜間、パラパラと小雨が降ったが、被害無し。
んな感じで、大地の溝を辿る旅は翌日に続くのだった…。

夏休みの予定

今年の夏休みは8/21~8/29に決定しました。
北海道へ行く予定です。道北・道東を一週間。楽しみ~♪
でも帰りのフェリーのチケットが取れない。
ウーン、どうしたものかなぁ。
まぁ、それまで充分間があるので、のんびり準備しますわ。

無知の知

やっぱあまり熟睡できずに朝を迎えた。
朝食は卵を落とした味噌ラーメン。あと単品の納豆。
3パック一組で買ったから納豆がどうしても続いてしまうのだ。
朝ごはんを食べ終わったら、ちゃっちゃと撤収。
6:50、バイクに荷物をくくりつけて出発。
展望台は早朝にも関わらずアマチュアカメラマンが何人も訪れていた。

高ボッチ高原の稜線を快走

高ボッチ高原の稜線を快走

朝まだき霞たなびく北アルプスを望む

朝まだき霞みたなびく北アルプスを望む

まず向かったのは林道方丘線。
昨日、塩尻峠から高ボッチ高原まで来る途中に偶然見つけた林道だ。
分岐地点に簡単な地図があり、松本方面に抜けられるらしいので行ってみる事にした。
復員はやや狭いが路面は走りやすい約5kmの林間の未舗装路。
今回は本線のみだったが、支線があちこちにあった。
全てチェックしたら、結構時間がかかりそうだ。また来よう。

林道方丘線 穴場の完抜林道です

林道方丘線 穴場です

塩尻市街を遠望

塩尻の市街が遠くに見える

林道の出口は崖の湯温泉の近くの舗装路だった。
さぁ、これで今回の林道は終了、あとは糸魚川を目指すのみ。
山麓を市街地方面に下り、奈良井川を渡って松本空港を横目に見つつ、西から北へ方向転換。
松本から穂高まで国道の混雑を避けるために選んだのは安曇広域農道。
左手に穂高連峰の山壁の威圧感を感じながら一路快走。
8:20、道の駅・ほりがねの里でトイレ休憩。

道の駅・ほりがねの里

道の駅・ほりがねの里

残念、名峰・穂高は雲の中

残念、名峰・穂高は雲の中

順調に広域農道を北上し、穂高を過ぎた辺りで右折。
しばらく東に進んで、北アルプスパノラマラインに合流。
信濃川水系の高瀬川沿い、やや上り勾配のまっすぐな道を北上。
高瀬川は水源で大雨でもあったのだろう、かなりの濁流だった。

高瀬川 濁流、迫力あります

高瀬川 濁流、迫力あります

快走路 北アルプスパノラマライン

北アルプスパノラマライン

帰路を考えてもどうも時間的に余裕がありそうだ。寄り道しながらのんびり行こう。
8:50、道の駅・まつかわで小休止。さすがにだいぶ暑くなってきた。
自動販売機で売っていた「信州・安曇野の手摘みトマトジュース」で喉を潤す。

道の駅・寄って停まつかわ

道の駅・寄って亭まつかわ

変なキャラ、また見つけました

変なキャラ、また見つけました

国道147号線=糸魚川街道に合流。
大町市街を抜け、仁科三湖の脇を通り、信濃川水系からいよいよ糸魚川水系に…
ん?
そうだ、昨夜地図を確認して判明した驚愕の事実を忘れてはならない!
「糸魚川」という川は無いのだ。
新潟県糸魚川市で日本海に注いでいる川は姫川という川である。
恥ずかしながら一日目の※5の認識が甚だしく間違っていたことをここに明らかにせねばなるまい。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※5間違い!
というわけで、トンネルを潜って信濃川水系から姫川水系へと分水嶺を越えた。

仁科三湖のひとつ木崎湖

仁科三湖のひとつ木崎湖

もひとつ青木湖 ここもバスに汚染されてるらしい

もひとつ青木湖 ここもバスに汚染されてるらしい

9:30、峠を下ったところで、右手に姫川源流湧水の看板を発見。
バイクを道端に停めて空のペットボトル片手に水源の森を散策。
雨が降った直後のようで、森の中は湿気が充満してマイナスイオンたっぷり。
冷気溢れる源流のせせらぎに癒されつつ、ペットボトルを冷た~い銘水で満たした。

姫川源流湧水 川底まで透けて見えます

姫川源流湧水 川底まで透けて見えます

この流れとともに日本海を目指します

この流れとともに日本海を目指します

で、少し北上して道の駅・はくばでまた休憩。
かなり暑くなってきたので、ブルーベリーのソフトクリームで一服。
駐車場にはキャンプ道具を積んだバイクもちらほら。
やっぱ夏だなぁ~。

道の駅はくば

道の駅はくば

ブルーベリー・ソフト 冷たくて(゚Д゚)ウマー

ブルーベリー・ソフト 冷たくて(゚Д゚)ウマー

白馬から先は車の量もやや多くなってきた。
姫川沿いを車列に紛れてR148を一路北上。

白馬岳の大雪渓も雲の中…

白馬岳…も雲の中…

小谷付近の姫川 大地の溝に沿って流れてます

小谷付近の姫川 大地の溝に沿って流れてます

小谷のトンネルをいくつか抜けて…またまた道の駅へ寄り道!?
大型車の後ろで詰まってしまい、排気ガスとノロノロ運転で暑くてたまらなくなってしまったのだ。
それをやりすごそうと、道の駅・小谷に逃げ込んだ。
ついでにお土産を少し購入。
名物の蕎麦も半盛が注文可能だったので冷たいやつを軽く胃に流し込んだ。

道の駅・小谷 温泉もあります

道の駅・小谷 温泉もあります

冷たい蕎麦 半盛も可

冷たい蕎麦 半盛も可

国道をさらに進むと姫川温泉の標識が。この辺りはもう新潟県内だ。
国道を離れて川に面した集落へ降りてみた。
1995年に大水害が襲ったせいか、心寂しい温泉街である。
轟音を立てて流れる濁流が少し痛々しい。

姫川温泉付近 9年前の水害の被害が偲ばれます

姫川温泉付近 9年前の水害の被害が偲ばれます

姫川渓谷 構造線の荒々しさが剥き出し

姫川渓谷 構造線の荒々しさが剥き出し

国道に戻って先を進むと、長い長い連続する雪よけの洞門(シェルター)が。
地図によると延々数キロ続いているらしい。
右手を流れる姫川も柱の隙間から垣間見えるのみ。
圧迫感を覚えつつ走り続けて、ようやく太陽の下へ!!…って暑いよ…。
11:40、糸魚川市のフォッサマグナ・パークに到着。
フォッサマグナの地質の違いを、散策しながら実際に見て学べる公園らしい。
いよいよフォッサマグナ探訪の旅も佳境に入って来た!

フォッサマグナ・パーク入口

フォッサマグナ・パーク入口

真夏の真昼に歩くには、つらすぎる散策路

真夏の真昼に歩くには、つらすぎる散策路

歩道沿いに剥き出しの岩盤がちらほら。
丁寧な解説のパネルもついていて分かりやすい。
数100mほど歩いて右手の階段をフウフウ言いながら降りると、糸魚川-静岡構造線の断層露頭があった。

糸魚川-静岡構造線 断層露頭

糸魚川-静岡構造線 断層露頭

涼しげな根知川 鮎狙いの釣り人もいました

涼しげな根知川 鮎狙いの釣り人もいました

この公園のパネルで分かったこと…それは
中央構造線はフォッサマグナではない、というさらなる事実だ。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※4間違い!
一般にフォッサマグナとして知られているのは正確には「糸魚川-静岡構造線」とのこと。
僕が通ってきた中央構造線は三河湾方面に折れ、伊勢を抜け西日本を横断する断層であり、
天竜川は途中から分岐する赤石構造線沿いに太平洋へ注いでいる。
つまり昭文社ツーリングマップルのコメントのように中央構造線をフォッサマグナと呼ぶのは文字通り筋違いだったのだ!!
( ゚Д゚)ノ ハイ、※3間違い!
では「糸魚川-静岡構造線」とは?
姫川から高瀬川~諏訪湖までは僕の理解で正しかったが、その先が違う。
小淵沢から鳳凰山の東を通り富士川水系の早川を経て安倍川を南下し駿河湾へ抜けるのが正しい経路である。
事実、山梨県内の何箇所かで断層露頭が見られるらしい。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※2も間違い!
なんということだ…自分の無知がこうも白日の下に晒されようとは。_| ̄|○
フォッサマグナについて、僕はまるで何も知らなかったと言えよう…。
駐車場に戻り、ベンチに座って汗を拭きつつ、姫川水源湧水を飲んで頭を冷やした。

公園そばの看板 ユーモラスですな

公園そばの看板 ユーモラスですな

(゚ロ゚; グハッ!! 一瞬読み間違えちゃうよ!!

(゚ロ゚; グハッ!! 一瞬読み間違えちゃうよ!!

さらに続いて訪れたのは糸魚川市郊外のフォッサマグナ・ミュージアム。時刻は12:30過ぎ。
上に書いた事実の確認のためにやってきたのだが、ヒスイや化石・鉱物の展示が多い。
フォッサマグナそのものについてのものは思ったより少なかったが、それでも新たな事実を知った。
フォッサマグナは線ではない。面なのだ。
糸魚川-静岡構造線はフォッサマグナの西端の境界線に過ぎない。
新発田ー小出構造線と柏崎ー千葉構造線を東の境界線として、挟まれた区域をフォッサマグナと呼ぶのが正しい。
大地溝帯と訳される通り、まさにというわけだ。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※1も大間違い!
これは知らなかった人が多いだろう。
僕もここに来るまでは「フォッサマグナ=線」と疑いもしなかった。
この誤解を改めることができただけでも、今回のツーリングは価値があったのだ。
たとえ、結果的にフォッサマグナを辿ってなかったとしてもさ…(ノд・、)開き直らせてよ…

フォッサマグナ・ミュージアム バブリー!

フォッサマグナ・ミュージアム バブリー!

何となくルパンが狙いそう

ルパンが狙いそう

博物館の係員に直接話を聞いてみたかったが、今日は休みで不在とのこと。
残念だが、もろもろの疑問は解消できた。よしとしよう。
最後に旅のけじめとして、姫川の河口へ。
濁流がそのまま青い日本海に豪快に飲み込まれていく様は空恐ろしくもあった。
先日の新潟・福島の水害を思い出してしまう。
日本という大地が生きていることをまざまざと見せ付ける血潮のようだ。

姫川河口 白濁した流れが日本海へ注ぐ

姫川河口 白濁した流れが日本海へ注ぐ

越後の山も恥ずかしがって雲隠れ…

越後の山も恥ずかしがって雲隠れ…

帰路に着く前に昼食。銭形というお店で豚重1250円を食す。
往路の東名で食べた吉野家の豚丼280円を思い出し、ニヤニヤしながらその違いを噛み締めた。

糸魚川・銭形の豚重

糸魚川・銭形の豚丼

たら汁やとんかつがメインのお店らしいです

 
念のため、糸魚川市街の自転車屋でオイルを交換してもらってから北陸自動車道・糸魚川ICへ。
東京まで300kmという距離だったが、それほど苦痛も感じることなく19:00には帰宅できた。
いやはや、予想外の結果に終わった今回のツーリング。
フォッサマグナの何たるかを知ることが出来て結果的には満足である。
そして何より、本(地図)に書かれたことを鵜呑みにしちゃあ駄目、ってことを実感できたのが最大の収穫だ。
って、林道情報とかでも前から散々思い知らされてたな。
鵜呑みにしちゃ駄目だって。

お暑いのがお好き

夜半からポツポツと降り始めた雨は、夜が更けるに従って激しさを増した。
昼の暑さが嘘のように気温もどんどん低下。
寝袋の中でまどろみながら憂鬱な気分に浸っていると、
フラッシュを焚いたような閃光の数瞬後に雷鳴が轟いた。
頭上ではなく地面と同じ高さで響く雷というのは、この標高で無ければ味わえまい。
にしても、落雷したらどうしよう…ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
いつものことだが、まともに眠れるのは3泊目から。
この夜も結局、ほとんど熟睡できずに夜が明けてしまった。
雷は止んだが、雨は相変わらず降っている。

テントで迎える雨の朝ってのは実に憂鬱です

テントで迎える雨の朝ってのは実に憂鬱です

ハイランドしらびそ 豪華な宿舎でした

ハイランドしらびそ 豪華な宿舎でした

とりあえず朝食。テントの中でガソリンストーブを使って炊飯だ。
以前使ってた一人用テントじゃ無理だっただろうなぁ。
一晩水に浸した米を火事に気をつけてじっくり炊き、しばらく蒸らして完璧な炊き上がり。
熱々ご飯に生卵・納豆・おかか・醤油をぶっ掛けてかき混ぜて出来上がり。

生卵&納豆掛けご飯(゚Д゚)ウマー

生卵&納豆掛けご飯(゚Д゚)ウマー

朝食を食べ終わって、二度寝。
一時間半ほどして起きてみたが一向に雨が止む気配は無い。
仕方なく撤収開始。雨の中の撤収ってのは嫌なものだ。
なるべく荷物を濡らさないように荷物をまとめて、テントを畳んだ。
バイク用のレインコートでフードが無いので、撤収作業で頭はずぶ濡れ。
もう、どうにでもなれ。
9:15、出発。
宿舎に泊まっていたらしい4人組のバイクの後をついていったら、
途中の分岐を見逃して勢い余ってふもとまで降りてしまった。
少し北上して気が付いてUターン。なにやってんだか、自分。
蛇洞林道を大鹿村方面に進み、地蔵峠を越えて再び国道152号線・秋葉街道に合流。

上村側 川は北から南に流れてます

上村側 川は北から南に流れてます

大鹿村川 川は南から北に流れてます

大鹿村川 川は南から北に流れてます

峠道のワインディングを抜けるとすぐに中央構造線・安康露頭の入口があった。
バイクを停め細い道を歩いて河原に下りると、まだら模様の岩壁が渓流沿いに見えた。
異なる地盤がぶつかりあう中央構造線の断層を直接見られる貴重なスポットらしい。

安康露頭入口 一度見逃してしまった

安康露頭入口 一度見逃してしまった

綺麗な渓流です 野宿した後もありました

綺麗な渓流です 野宿した後もありました

大鹿村 中央構造線・安康露頭

大鹿村 中央構造線・安康露頭

パノラマでどうぞ!

さらに国道を北上。15分ほど走って到着したのが大鹿村中央構造線博物館
中央構造線の真上に立つ博物館である。
日本各地の岩石を地質ごとに分類して展示してある庭を抜け、
こじんまりした建物の中に入ると、中央構造線に関する展示がいろいろあった。
…フォッサマグナについての記述がほとんどないのはなぜ…(;´Д`)?
わずかに見つかったのが、中央構造線の説明パネル。
日本地図に糸魚川-静岡構造線という線が引かれ、諏訪湖で中央構造線が分岐している。
その糸魚川-静岡構造線の東側に「フォッサマグナ」と説明書きがある…。
むぅ。中央構造線とフォッサマグナって別物なのか…?
しかしツーリングマップルには明確に書かれてるし…。
展示では中央構造線は天竜川の途中で西へ折れ曲がってるようだが、これは一体…?
博物館の係員らしき人は、別の来館者への解説で忙しそうだ。
質問したかったが、付け入る隙が無い。
「そういえば、糸魚川にも博物館があったな。そこで聞いてみるか」
もやもやした疑問を抱きつつ、そそくさとその場を立ち去った。
結論は明日に持ち越して、ツーリングを楽しむことにした。

大鹿村 中央構造線博物館

大鹿村 中央構造線博物館

外へ出たら雨はいつしか止んでいた。青空がちらほら見え始めてはいるが、まだ気温は低い。
11:00、再出発。ここからは周辺の林道探索をしながらの北上になる。
10分ほど北上して松川IC方面に左折、小渋ダムで右折し陣馬山・折草峠方面に峠道を登る。
11:40、林道・黒牛折草峠線の起点に到着した。
未舗装の区間はわずかだったが、山頂付近を越えた下り勾配のヘアピンカーブに絶景スポットが。
眼下遥かに見下ろせば、風に漂う白い雲が伊那谷を美しく彩っていた。

林道・黒牛折草峠線 起点

林道・黒牛折草峠線 起点

陣馬山麓より伊那谷を望む

陣馬山麓より伊那谷を望む

峠道を下りきったT字路を左折し、GPSを頼りにしばらく進むと、今度は広域基幹林道・陣馬形線に到着。
基本的にはフラットなダートだが、軽いマディや多少ガレ気味のセクションもある。
12.5kmの未舗装林道をたっぷり堪能。

広域基幹林道・陣馬形線

広域基幹林道・陣馬形線

支線も多いけど案内板が充実してます

支線も多いけど案内板が充実してます

走り終えて舗装路を右折し、次に向かったのは林道新山線。
未舗装部分は6.5kmとのことだったが、開削中の支線もピストンで楽しめた。

林道新山線 渓流沿いの涼しい道

林道新山線 渓流沿いの涼しい道

工事中の支線から南アルプスを望む

工事中の支線から南アルプスを望む

渓流沿いに本線を下ってR152に合流したのが13:50。
もう日差しは完全な真夏モード。
美和湖のほとりで、ジャケットの下に着ていた長袖シャツを脱いだ。
ちなみにこの辺は、去年M氏と来たことがある。
ここから戸台口バス停を北東に進めば黒河内林道だが今回はパス。
腹が減ったので昼食を取ろうと、伊那へ向かうことにした。目当てはもちろんローメンである。
R152を高遠の手前で北上して左折、三峰川沿いの快走路を西へ。
ゴチャゴチャした伊那市街で新潟屋という店でローメンの幟を見つけ、そこに決定。
羊肉ならぬ豚肉を使ったソースたっぷり太目の焼きそば風で、暑い日にぴったりの濃い目の味付け。
強面のマスターは以前ハーレーに乗っていたライダーとのこと。
食後にはわざわざ店の前まで出て見送ってくれた。

伊那ローメン(゚Д゚)ウマー この新潟屋は豚肉でした

伊那ローメン この新潟屋は豚肉でした

伊那と高遠を結ぶ三峰川沿いの快走路

伊那と高遠を結ぶ三峰川沿いの快走路

さて、食後。
来た道を戻って、以前も利用したスーパーで買出しを済ませた。
高遠市街を抜け、ガソリンを補給してから向かった先は町道高峰線。
去年、分岐を間違えて走りそびれたが、今回は慎重にGPSポイントをたどって15:30、入り口到着。
急勾配のワインディングの先は、ところどころややガレ気味の尾根道、約15km。

高遠町 町道高峰線

高遠町 町道高峰線

千代田湖側分岐 去年はここが通行止めだった

千代田湖側分岐 去年はここが通行止めだった

16:00過ぎ、走行を完了。舗装された峠道を千代田湖まで下った。
こじんまりした池のような千代田湖のほとりで杖突峠方面に右折。
ゴルフ場の脇を抜け、杖突峠で国道152号線に合流。
諏訪方面に少し進んだとこにある茶店でしばし休憩。
懲りもせず、展望台で八ヶ岳から諏訪湖までの展望を眺めた。いいねぇ。
峠を降りきって左折。諏訪大社・上社前宮を経て諏訪湖の南西岸を走り抜けて塩尻峠へと向かう。

諏訪湖 構造線の交差点

諏訪湖 構造線の交差点

諏訪大社・上社前宮 住宅地に何気なくあった

諏訪大社・上社前宮 住宅地に何気なくあった

国道20号線を岡谷から塩尻に抜ける塩尻峠は天竜川水系と信濃川水系の分水稜でもある。
ここから先は日本海側のエリアというわけだ。
急勾配を登りきった塩尻峠。そこからさらに北に斜面を登る道がある。
国道の車列を離れそちらへ曲がり、鉢伏山方面にワインディングを9kmほど登ってやってきたのは高ボッチ高原
美ヶ原や霧ヶ峰に比べてマイナーな穴場の高原だ。
アルプス展望台を過ぎて、17:50、今日の野営地・高ボッチ山荘へ到着。
飛び込みで受付を済ませ、キャンプ代400円+風呂代500円を支払った。
荷物を持ってキャンプサイトへ…せ…狭い!!
重たい荷物を持ち汗だくで急斜面の小道を降りていくと、先客のテントが途中と終点に二張り。
他にテントを張れる場所が見つからない!
戻って、途中にあったテントの主に声を掛けて尋ねてみたら、その上段に二つテントサイト発見。
ひーひー言いながら登って、ようやくスペース確保。
それにしても4張り分しかスペース無いのか…?
今朝の雨で濡れたままのテントをなるべく乾くように日に向けて張った。
ビールを一本飲んでから風呂に入ったが、完全な内風呂でくつろぐのは無理。
6kmほど離れた場所にある崖の湯温泉まで行った方がよかったなぁ。

高ボッチ山荘 キャンプ代400円は妥当です

高ボッチ山荘 キャンプ代400円は妥当です

テントサイトからの眺めは最高 諏訪湖の夜景が美しい!!

テントサイトからの眺めは最高 諏訪湖の夜景が美しい!!

入浴後の夕食はカレーライス。
ご飯を炊いてレトルトの具を掛け、余っている生卵と納豆をトッピングして出来上がり。
標高1600mだけあって、今夜も肌寒い。
食後、寝袋に包まって地図を見ながら明日の行程を再確認しつつ就寝。
そう。いよいよ明日、フォッサマグナの結末が明らかになるのだ。
にしても高ボッチのキツネ!
ギャーギャーうるせーんだよっ!!!
…今夜も眠れないじゃんか…(つД`)

ドラゴンクエスト

静岡の天竜川から長野の諏訪まで南北に走る国道152号線・秋葉街道。
愛用している昭文社のツーリングマップルではこうコメントしてある。

きれいに南北に走るフォッサマグナ沿いの道

きれいに南北に走るフォッサマグナ沿いの道

フォッサマグナって日本を東西に分断する線だったよな。(※1)
子供の頃、糸魚川と富士川を結ぶ線と聞いたような気もするが、天竜川だったのか…?(※2)
いや、最新の地図に間違いなどあるまい。恐らくは長年の研究でこういう結論に達したのだろう。(※3)
事実、152号線には中央構造線=フォッサマグナ関連のスポットもいくつかあるようだし。(※4)
海の日を含んだ3連休、何でもいいから達成感のあるツーリングをしたいなぁ…と思ってた僕は、このコメントで行く先を決めた。
「そうだ、天竜川の河口から糸魚川の河口まで三日間でフォッサマグナを走りきろう!」(※5)
に似た日本列島を分断する天川に沿った大断層。
断層のことを風水で「脈」と呼ぶことを考えると、まさに竜・竜・竜
三日間のフォッサマグナ…大竜脈探求の旅はこうして始まった。
意外な…あまりにも意外な結論が最後に待っているとも知らずに…。
荷造りをして7:30出発。
連休の朝だからだろうか、環八がえらく渋滞。
東名の東京ICに到着するまで一時間もかかってしまった。
海老名SAの吉野家で豚丼の朝食。
あとは静岡の磐田ICまでひたすら西走。
日差しが段々強くなってきた。
正午過ぎ、磐田ICを降りて天竜川の西岸に渡り、まずは河口を目指す。
市街地を抜け、30分ほどで到着。時刻は12:30。
草むらと砂浜の向こうで、幅広の大河がドドーンと遠州灘に流れ込んでいた。
自宅の掛川からはそれほど離れていないのだが、天竜の河口を見るのは初めてだ。

天竜川河口 遠州灘へと注いでいます

天竜川河口 遠州灘へと注いでいます

さぁ、ここがスタート地点。東岸に渡ってガソリンを補給し、いよいよ北上開始。
川岸の舗装路を行くつもりだったが、河原にまっすぐなフラットダートがあったのでそちらを進むことに。
メインルートをガシガシ進めば丸一日で糸魚川まで走れるとは思うがそれじゃ面白くない。
周辺の林道探索を交えて楽しもう。今日中に果たしてどこまで進めるのやら。

河川敷のフラットダート 走りやすい!

河川敷のフラットダート 走りやすい!

脇を涼しげに流れる天竜川

脇を涼しげに流れる天竜川

河川敷のダート走行は、支流を避けながら上野部の手前まで約20kmも続いた。
しょっぱなからかなり楽しめていい感じ!
13:30、二俣本町の市街地でスーパーを発見。
この先、大きな集落は無さそうなので少し早いが食料買出し。
それにしてもとにかく暑い。ほんの少しバイクを離れただけでも、火傷するほどシートが熱くなっている。
この辺りは日本全国でも毎年猛暑でランクインするような土地なのだ。
買い物を済ませてスーパーから少し北上。
14:00、ダム湖のほとりにあった道の駅・花桃の里で遅めの昼食。

道の駅・花桃の里

道の駅・花桃の里

軽めにざるそば 暑さで食欲があまり無い

軽めにざるそば 暑さで食欲があまり無い

食事を済ませてさらに秋葉街道を進む。
っと、秋葉神社参道を示す大きな燈篭が右手に。
天竜スーパー林道の目印だ。ここで右折。

秋葉神社の大燈篭

秋葉神社の大燈篭

ここで天竜川の本流とお別れです

ここで天竜川の本流とお別れです

14:40、天竜スーパー林道の起点に到着。
っと、林道へ突入する前に起点の脇にある酒屋でビールを購入。
さっきのスーパーで買えなかったのだが、これで一安心♪
冷凍枝豆と一緒にクーラーバッグに入れておけば冷えたまま夕食まで持つだろう。

天竜スーパー林道 起点

天竜スーパー林道 起点

何だ、このキャラは? キジか?

何だ、このキャラは? キジか?

秋葉神社から山住峠を経て水窪ダムへ抜ける天竜スーパー林道は、
天竜川と並行して聳える赤石山系を満喫できる総延長53kmの尾根道である。
以前はオフロードの定番コースだったらしいが完全に舗装されてしまった。
しかし、まぁオフ車乗りなら一度くらいは走っておかねばなるまい。
沢沿いに徐々に高度を稼ぎ、ゆるやかなワインディングを経て展望の開けた尾根に出た。
連休ということもあり、家族連れのドライブやオンロードのキャンプツアラーをよく見かける。
サイクリングのチャリダーもちらほら。

秋葉神社 防火の神様らしいっす

秋葉神社 防火の神様らしいっす

天竜市方面の眺望

天竜市方面の眺望

さすがに標高が高いだけあって、下界とは一線を画す格別の涼しさである。
爽快なスカイライン。これで未舗装だったら文句ないのだが、惜しいなぁ。
途中で湧き水があったのでペットボトルに汲んだ。
これで飲み水もOK。いつでもどこでも野宿できるぞー。

湧き水って冷たくて気持ちいいのだ!

湧き水って冷たくて気持ちいいのだ!

佐久間ダムからの送電線かな?

佐久間ダムからの送電線かな?

平日通行止めの区間が本日のみ通行可

平日通行止めの区間が本日のみ通行可

たまには、こんなこともあるのね…♪

山住峠 変な鹿の像がありました

山住峠 変な鹿の像がありました

山住峠から先、林道野鳥の森線の区間も全て舗装済み。残念。
やがて下り勾配の果てしないワインディングを走りぬけ、水窪ダムへ。
16:30、天竜スーパー林道53kmの走行を完了した。

天竜川の支流 水窪川

天竜川の支流 水窪川

国道152号線=秋葉街道に出て、天竜川の支流・翁川沿いに信州方面に北上する。
さて、この国道。実は静岡と長野の県境の青崩峠という難所で完全に分断されているのだ。
普通は迂回路を使い兵越峠という峠を越えて長野に抜けるのだが、僕としては興味があったので国道を行けるとこまで行ってみる事に。
未舗装・急勾配の国道をうきうきしながら登っていくと、深い森の中で行き止まり。
そこから先は徒歩で段を上って峠を越えるしかなさそうだ。
さすが日本随一の断層地帯。最新の土木技術でもここに道を作るのが難しいのだ。
Uターンして素直に迂回路の兵越林道を進み、17:30、長野県へ突入。
ちなみに長野・静岡県境の兵越峠。
峠を挟む水窪町と南信濃村の間で領土を掛け、有志による綱引きが毎年行われている。
その名も国盗り合戦。こういうイベントってアイデア勝ちでいいなぁ。

青崩峠 歩くのしんどいからここで諦めた

青崩峠 歩くのしんどいからここで諦めた

兵越峠 毎年綱引きで県境が移動してます

迂回路の兵越峠 毎年綱引きで県境が移動してます

さて。そろそろ野営地を決めねばならないのだが、どうも空模様が怪しくなってきた。
当初、河原でのキャンプを考えていたのだが、新潟・福島で記録的な豪雨があった直後でもあり、洪水が怖い。
結局、ちゃんとしたキャンプ場まで行くことにした。
峠道を降りて和田の集落でガソリンを補給。さらに秋葉街道を北上。
国道が再び分断されている地点を避け、迂回路の蛇洞林道へ入り、
そのまましらびそ高原を目指す。
上り勾配の坂道を15kmほど進んで、18:40、ようやくしらびそ峠に到着。
赤石岳・聖岳などの南アルプスの峻険を一望できるビュースポットだが、
あいにく山頂は雲に覆われてしまっていた。残念。

しらびそ峠 標高1833m

しらびそ峠 標高1833m

その先にあるキャンプ場を備えた宿舎・ハイランドしらびそで、飛び込みでキャンプできるかどうかを訪ねてみた。
「オートキャンプ場は予約で一杯ですが、駐車場前の広場でよければテントを張れますよ」
「料金はおいくらですか?」
「2000円です」
Σ(゚口゚;
2000円なんて別に惜しくも無いのだが、提供するサービスに見合う値段じゃないよな、と思って一旦は断った。
しかし、よく考えると標高1800mでテント泊できる機会もなかなかあるまい。
料金はこのシチュエーション代と思って、結局ここでキャンプすることにした。
まぁ、他の野営場を探す余裕がないのも確かだったのだが。
ついでに500円払って、お風呂も借りることに。
「お風呂はエレベーターで3Fへ上がって下さい、八時半までにお願いします」
…エレベーター付きかよ。なんだかなぁ。
夕闇の迫る中、広場の隅にテントを設営。
ひとっ風呂浴びて、ビールで晩酌。枝豆の量が多すぎて腹一杯になってしまった。

冷凍枝豆のおかげでビールは冷え冷え

冷凍枝豆のおかげでビールは冷え冷え

ともかくも、第一日目は無事終了。
…といきたいところだが。
竜ってのは昔から、雨とか雷とかと関係が深いんだよね…。

ABC

個人的にショッキングなニュースが飛び込んできた。
青山ブックセンター閉店 破産申し立て受け
青山ブックセンター、略してABC。
ずいぶん前、絵本の出版社に勤めていた頃、お世話になった書店です。
うちの本をいろいろ置かせていただきました。
センスのいい品揃えで青山・六本木を中心に店舗を展開していたのですが…。
たぶん顧客は広告代理店やデザイナーがメインだったことと思います。
不況のあおりをモロに食らったんだろうなぁ…。
あのお店が倒産ということは、デザイン・絵本・美術書などの小出版社はかなり厳しいはず。
( ̄へ ̄|||) ウーム WEBへ逃げて来られる人はごくわずかなのだろうか…。
ひとごとですが心配です。。

厳選素材をふんだんに使用した犬の餌

最近、読み直したT.R.Yというコン・ゲーム(詐欺師)小説。
読むのは二回目だったのだが、プロットも登場人物も魅力的で面白い。
そういえば織田裕二主演で映画化されてたっけなぁ、とビデオを借りて来て鑑賞。
_| ̄|○ 最悪ですた。
…とくに脚本。
あの原作をどうすればここまで駄目駄目にできるのやら…。
中国人役者の日本語は激しく聞き取りづらいし…。
原作を知ってるから粗筋は分かるのだが初見の人はわかりっこない。
10分で見るのが苦痛になったよ、ママン。
一応、最後まで見たけど、時間の無駄でした。ストレスが溜まりまくり。
軍服姿の渡辺謙だけが印象に残りました。
みんなのシネマレビューワースト24位は伊達じゃないなぁ。

サイトを引越しました

暫定的に公開していたWeblogですが、先日MovableTypeのβ2が公開され、
公開の制限もなくなったので、完全に引っ越すことにしました。
これからも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
って、ほとんど常連の方々はこっち見てくれてたみたいですがw

掲示板設置しました

Blogに掲示板が必要か迷ってましたが、やはり掲示板の方が
書き込みやすいって人も多いでしょう。
で結局設置することにしたのですが、なかなか条件にあう
CGIがなくて、設置まで時間が掛かってしまいました。
探した条件というのは以下の通り。
・携帯電話から閲覧・投稿できる
・スレッド&レス型
・キーワード検索できる
・アイコン・文字色など投稿時に指定可
・できればログはDBで
最後の条件はかないませんでしたが、それ以外はOKなやつを見つけることが出来ました。
このサイトに違和感無い様に改造も済んだので、ようやくお披露目。
これで完全移行もいよいよ万全ですな。

ウェブログについて

このサイトはWeblog(ウェブログ、略してBlog=ブログとも呼ばれる)の形式をとってますが、
よく聞かれるのが「ウェブログって、何なの?」という質問です。
ウェブログがどういうものなのか、それに関してはこちら『はじめてのウェブログ・ウェブログって?』に分かりやすい説明がございます。
これまでの日記ツールに近いのですが、トラックバックと呼ばれる参照している相手へのリンク機能や、
RSSと呼ばれる形式でデータを再利用できる機能などが特徴的です。
同じ趣味・話題を共有するサイト同士が互いにリンクしあい、
自然とネットワーク・コミュニティができていく…ってなるはずなのですが、
まだまだ黎明期でいろいろ試行錯誤されてる最中です。
ただ、たとえばこのサイトで使ってるMovableTypeってのは基本設計が実によく出来てまして、
こういったツールの発達に伴って、個人サイトのみならず、企業サイトもBlog中心へ移行しつつあります。
今後、この流れはしばらく進むんじゃないかなぁ…というか、このBlogってのは
WEBコンテンツの大きな節目になるかなと思います、個人的に。
まぁ、そんなわけで、大きな心でBlogにお付き合い下さいませ。

紀伊山地が世界遺産に

紀伊山地が世界遺産に登録されましたね。
春先にツーリングで行ったばかりなので嬉しいです。
いつまでも、あの大自然が残っていて欲しいものです。


ところで昨日、ボーナスが出まして。
「うーん、別に欲しいものないなぁ…」と思ってた矢先、アウトドア用品サイト・naturum
モバイルタックル特集ってやつで、物欲を刺激するモノを発見!
まずは仕舞寸法30cmの磯竿。いいなぁ。
280cmと全長は短いけど、これまで使ってきたボート用のやつよりも、
さすがにウキ釣りには向いているだろうなぁ…。
あと、タモ網
シャフト部分が仕舞寸法62cm。かなり小継、これもいいなぁ。
バイクでも運ぶの苦じゃなさそう。
Mさん、どお?

犯人は誰なのかなぁ…

今日はやたらにNetskyに感染したメールが送られてくるなぁ。
sio.myhome.cx と ocn の両方のメールアドレス宛てに…。
少しでも怪しいなあと思った人はシマンテック社の駆除ツールとか使ってね。
さて、感染したメールそのものよりもアフォらしいのがウイルス警告メール。
最近はVirusを防ぐFireWallを設置してるとこも多いんだろうが、その機能で送信元にわざわざ警告を送ってきてくれる。
「あなた、ウイルスに感染してる恐れがあるから注意してね」って。
しかし、最近のウイルスは送信元偽装するのがあたりまえなので、これが無意味なんだよねぇ。
インターネット全体のトラフィックを増やすだけなので、こんな機能、無い方がましなのに。
詳しくは↓で。
新・闘わないプログラマ No.323  だから警告されても…
それにしても、例のセキュリティホールの発表以来、まだWindowsUpdateで新しいパッチが出てないのが恐い。。

携帯からも閲覧可能になったです

このMovableTypeってやつはいろいろなプラグインとか
カスタマイズ用の便利なツール出てまして、
その中の一つ、mt4i.cgiってやつをこのたび組み込みました。
携帯機種に応じて画像のサイズも自動的に調節される優れもの。
アクセスは http://s-dog.net/i/ 。コメント投稿も出来ます。
よかったらパケ代に注意しながらご利用下さい。
あとは掲示板でいいのが見つかれば完璧なんだけどなぁ。

恋人同志

ツーリングレポートの第一回目で紹介した「ごもっともそば」。
その中で僕はこんなコメントを書いていた。
ちなみにうちの近所には、もっともっとリアルなメニューを置いてある店があります…
もう一年も前のことだから、覚えている人も少ないだろうが、僕は忘れたわけではない。
サイトリニューアルのこの機会に、ぜひともこの逸品をご紹介したいと思っていた。
実際、写真も撮って準備万端なのだ。
ただこの食べ物、そう、あくまでもただの食べ物なのだが、
実際にそれを紹介するにあたり、ちょっと読者に気を使ってしまう。
読み手を選ぶというか…なんというか…。。
まぁ、とりあえず注意書きを記載しておく。

※ ここから下のページには未成年が閲覧するにはふさわしくないと思われる内容が含まれているかも知れません。
未成年の方、および、そういったコンテンツに不快感をもたれる方は閲覧を中止して下さい。

さて、準備はよろしいかな?
うちの近所の飲み屋で出されているそのメニュー。
名づけて「恋人同志」。
とくとご賞味あれ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

珍メニュー 恋人同志

珍メニュー 恋人同志

…えー、とりあえず引いている方が大半だろう。
それが正常な反応と思われる。
よく見ると(見たくないかもしれないが)いろいろ芸は細かい。
比較用にタバコの箱も置いてみた。
それでは各素材を吟味してみよう。

ウインナーソーセージ

ウインナーソーセージ

この一皿の根幹をなす太目のウインナー。
単なる斜線や奇をてらっただけのタコさん型などとは一線を画す飾り切りに、まず目を奪われてしまう。
定番のケチャップソースと先端に施されたフレンチドレッシングが奏でる絶妙なハーモニー。
若い女性にはあえて丸ごと大胆に頬張っていただきたいものだ。

たこ焼き風ポテト

たこ焼き風ポテト

付け合せの野菜とウインナ-とを取り持つ珠玉の逸品。
散りばめられた刻み海苔の陰から、慎ましやかに顔を覗かせている。
中が熱いので歯を立てるときは気をつけて。

茹でムール貝

ムール貝

貝殻の割には肉は小さ目のムール貝。
黒ずんだ貝殻の奥で、豆ほどの大きさの肉片がフレンチドレッシングにまみれている。
赤貝を使わないのは、料理人のこだわりか。
 
 
…料理は見た目も重要ってことを教えてくれるメニューである。
ちなみに一緒に行った友達(♂)は一切手をつけようとしなかった。

恐るべし 恋人同志

恐るべし 恋人同志

突っ込みたい方はコメントからどぞ。。

長靴を履いた犬

GWに患った足首の怪我をきっかけに、ガエルネのオフロードブーツ・ED-PRO(黒)を思い切って購入した。
定価4万円弱。これまでの生涯で最も高価な履物である。
だが買って以来、玄関の飾りにしたまま、まだ一度もツーリングに履いてない。
東北やらイワナやら、キャンプツーリングばかりだったせいもある。
野営には不向きだろうし、終日使ってみて靴ズレとかが酷かったりしたら翌日が困る。
やはり最初は日帰りの林道ツーリングで試してみなければ。
ってなわけで、ブーツの評価がてら、ひさびさに日帰りで奥多摩に行くことに。
10:00、遅めの出発。
梅雨&降水確率40%なので雨具を持ってく。後は工具にGPS。今日も雨男が来るのかなぁ…。
給油してから青梅街道を西走。阿佐ヶ谷の吉野家で豚キムチ丼の朝食。
道路の混雑は東伏見のあたりがピークだった。で、青梅に着いたのが11:45。
自宅から距離的には40kmちょっとだっていうのに一時間半以上も浪費してしまった。
山間部は気温が低めの予報が出ていたので、薄手のジャケットを着て来てしまったのだが、渋滞気味の区間が多かったので暑い暑い。
高速道路を使って三浦半島や群馬に行く方が精神的にも肉体的にも楽なんだよなぁ…。
青梅のセブンイレブンでちょっと休憩し水分補給。
これから行く日原方面の道順を確認しようとツーリングマップルを…
無い。。
なんてこった、地図を忘れてしまった…。( ̄へ ̄|||) ウーム
…まぁいっか。道は大体覚えているし、GPSあるし。
日原方面は林道も含めて全て袋小路の行き止まりのはずだ。
右手伝いに全ての分岐に入ってもピストン往復で元の道に戻ってくることになるだろう。
迷路を脱出する時の「右手(左手)の法則」である。
奥多摩駅を過ぎ、急角度の三叉路を右折して、日原街道に。
狭い一車線の道をジグザグ進み、一本目の川乗林道の分岐に到着。

林道 川乗線

林道 川乗線

厳重に封鎖されてます

厳重に封鎖されてます

残念、ゲートが厳重に封鎖されていた。
チェーンが南京錠と針金でガッチリ固定されている。
普通に開け閉めできる状態なら控えめにお邪魔させていただくのだが、これは当然NG。
日原街道を先へ進んだ。
ここまで走ってブーツにもだいぶ慣れてきた。
靴底が厚いため、リアブレーキを踏み込み過ぎてしまうが、シフトチェンジは思ったほど違和感はない。
停車時に足を着くとき、しばしば靴底のブロックパターンがフットレストに一瞬引っかかってしまうことが気になる。
フットレストから横にずらすというよりは、一度足を持ち上げる感覚が必要だ。
また、思うようにつま先を伸ばすことが出来ないのもつらい。
足が届く範囲が狭くなり、停車時に足を出す場所も真横に限られてしまう。
少し離れた位置に足を着こうとして、何度か赤信号でヨタっとなってしまった。危ない危ない。
そのうち、足首の部分が柔らかくなるのかなぁ…?
さて、倉沢橋を渡ってすぐ右手。
12:35、倉沢林道に到着した。
今度はゲートも無く、スムースに奥へ。

林道 倉沢線

林道 倉沢線

倉沢橋 目が眩むような高さ

倉沢橋 目が眩むような高さ

路面は角ばった石が大目のややガレ。水溜りも多い。
そんな悪路にも関わらず、釣り人だろうか、何台か車も駐車されていた。
新しそうなバイクのタイヤ跡もある。誰か先に走ってるのかな。
と、数km進んだとこで、沢を渡る橋の向こうが盛り土で塞がれていた。

倉沢林道の盛り土 結構高さがありますな

倉沢林道の盛り土 結構高さがありますな

右側の余地はバイクじゃとても通れない

右側の余地はバイクじゃとても通れない

(*’へ’*) ンー
さすがに先行者のバイクもそこから先へ進んだ形跡は無い。
どうしたものか少し躊躇したが、何か挑まれてる気がした。
よっしゃ行くか。
こないだの二の舞だけは踏むまい。
助走をつけて、フロント抜重。

なんとか無事通過できた。ほっと一息。
さすがセロー。こういうのが本当は得意なのだ。
こういう障害物があると、最近ちょっとニヤついてしまう。
その先はさすがに全く交通量もないらしく、かなりの悪路。
かなり大き目の石がゴロゴロしてる急勾配だ。
100mほど進んだが、その先はどうもやばそうな雰囲気がしたので、Uターンできるうちに引き返すことに。
狭い幅員でどうにか切りかえして、盛り土も無事クリア。
ブーツも林道走行に影響はなさそうだ。

盛り土の先はかなりの悪路だった(ピンボケ)

盛り土の先はかなりの悪路だった(ピンボケ)

倉沢の小さな滝つぼ

倉沢の小さな滝つぼ

日原街道まで戻り、日原トンネルをくぐって少し進むと日原林道との分岐が。
ツーレポ二回目に訪れて以来だ。懐かしい。
とりあえず右手伝いに日原鍾乳洞方面に進む。
だが、鍾乳洞そのものは無視!
こんなブーツであの中を歩き回るなんてごめんこうむる!!
死んじゃう!!
日原街道を終点まで進むと、そこからは小谷川林道が延びていた。
入口の写真を撮ってるとエンジン音が聞こえ始め、奥からオフロードバイク二台がやって来た。
さっきの倉沢のタイヤ跡の主だろうか。会釈してすれ違う。

林道 小谷川線

林道 小谷川線

石を固く平らに敷き詰めてある

石を固く平らに敷き詰めてある

小谷川林道はかなり走りやすいフラットな路面だった。
時折、視界も開け、開放感がある。
車やハイカーに気を使いながら奥へ奥へ。
二箇所、通行止めの表示があったが自己責任で先へ進み、13:30、終点に到着。
終点付近は大き目の落石があるので、より注意が必要だった。

小谷川林道 終点

小谷川林道 終点

林道入口まで戻り、鍾乳洞をやりすごし、日原林道の分岐へ。
免許を取ったばかりの頃、カモシカに出会った思い出の林道だ。
前回は落石がもっと多かったような気がするが、随分綺麗になっていた。

林道 日原線 入口

林道 日原線 入口

走りやすくなったのは一年間の経験のおかげ?

走りやすくなったのは一年間の経験のおかげ?

途中、孫忽谷林道の分岐で停車。
以前来た時はゲートがあるのを見て端から諦めていたが、よく見れば鍵は特に無い。
普通に上に跳ね上げて下をくぐってゲートの内側へ。
その先も随分フラットな路面。結構交通量も多そうだ。
ちなみに「孫忽谷」は「まぐそだに」と読むらしい。
難読にしても、馬糞ってのはいかがなものか。

林道 孫忽谷線 入口

林道 孫忽谷線 入口

足元には日原渓谷の清流が

足元には日原渓谷の清流が

ずんずん進んだらプレハブの小屋があっておばちゃんがいたので挨拶。
さらに進んだら現場監督っぽいお兄ちゃんともすれ違った。
ダム工事でもやってるのかなと思ったら、どん詰まりが鉱山の採掘現場になっていた。
なるほど、この林道は鉱山関連の作業道なのね。道理で電線が通ってるはずだ。
それにしても何を掘ってるのだろう。
日原林道の白い岩塊を見る限り、このあたりは石灰岩が多そうな気がするが、それかな?
ゲートは開いていて道も続いてはいたが、発破作業注意みたいな表示を見つけてビビッてUターン。

林道の最後は鉱山でした

林道の最後は鉱山でした

あのトンネルは坑道かな?

あのトンネルは坑道かな?

分岐まで戻り、日原林道の本線をさらに進む。
雲取山へのアプローチや渓流釣りのためか、途中四輪が何台か駐車していた。
14:30、終点に到着。残念ながら今回はカモシカとの出会いは無かった。
休憩しながら足元のブーツを見ると、見るも無残な状態。

ガエルネED-PRO・黒…でした(←過去形)

ガエルネED-PRO・黒…でした(←過去形)

日原林道終点 以前はさらに続いていたらしい

日原林道終点 以前はさらに続いていたらしい

休憩を終え、日原街道の分岐まで戻って本日の林道探索は終了。
来た道を辿ってR411=青梅街道へ出て、奥多摩湖方面に左折。
15:30、奥多摩湖畔の丹下堂というお店で遅めの昼食をとることに。
注文したのはとろろめし定食800円。
けんちん汁・刺身コンニャク・山芋の揚げ物が付いていて、とてもお得な定食だった。

丹下堂 とろろめし定食 (゚Д゚)ウマー

丹下堂 とろろめし定食 (゚Д゚)ウマー

奥多摩湖

奥多摩湖

栗の花に深い意味はありません…

「今日は道空いてるでしょう、天気予報じゃ雨って言ってたからねぇ」
とおばちゃんに言われて、ふと気づく。
そういえば、雲は出ているが雨には降られていない。
雨男は別コースに行ったのだろうか? いいことだ。
丹下堂には日帰り温泉もあったが、この後もどうせ汗をかくだろうから今日はやめといた。
R411を少し進んで、都民の森方面に左折。
ひさびさに奥多摩周遊道を走ってから帰ることに。
相変わらずサーキットと勘違いしてレーサーレプリカで膝擦りしている連中がちらほら。
やはりここの雰囲気はなじめないなぁ。。

その後、霧が出てきました

その後、霧が出てきました

桧原村から武蔵五日市に抜けて、福生経由で新青梅街道へ。
ここから帰路の混雑具合も相変わらず…。。ふぅ。
まぁ何はともあれオフブーツでも走行には支障無し。(当たり前か)
次はキャンプ…あの足首の固さじゃ、さすがにNGSはきつそうだなぁ…。

このサイトについて

このサイトはSaltyDogという30男が管理している個人サイトです。
メインコンテンツはツーリングレポートですが、その他に駄文や備忘録も置いてあります。
もちろんリンクフリーです。WEBってそういうものですから。
以下、サイトの変遷について。


犬小屋小史

2000年
高校時代の同窓生向けのサイトをInterQの個人スペースで開設。
仕事で勉強していたHTMLの練習用。
2001年
旧友たちと遊んでいたインターネット麻雀・東南荘にはまる。
ゲームを通じて交友関係が広がったので、一般向けのサイト「SaltyDogの犬小屋」を開設。
その後、余ったPCを利用してLinuxで自宅サーバー(塩鯖と命名)を構築。
サイトを引っ越してsio.myhome.cxに。
2002年
日記を書き始めたが三日坊主。
そのうちにβテスト中だったMMORPG・ラグナロクオンラインにはまる。
それ関連の情報サイトにしようかなぁと思っていた。
2003年
バイクの免許を取って以降、ラグナロクへの熱が冷めてしまった。
そのうちに林道キャンプツーリングにはまって、それがメインのサイトに。
秋にデザインを一新。女性受けを狙ったがいかがなものか。
2004年
高校時代の友達とLinuxサーバを共有しようという話が持ち上がる。
丁度、それまでの塩鯖のHDDが逝ったので渡りに船とお引越し。
一方、昨年よりWEBのメインストリームとしてBlogが台頭。
MovableTypeというツールがツーレポの更新によさげだったので導入してみることに。
ついでにドメインも取得してs-dog.netに。
そして現在に至るってわけです。はい。

ワイルドで行こう・後編

イワナか、塩飯か。それが問題だ。
塩以外にご飯の味付けになりそうなのは鰹節や五目寿司の素(これはお手軽な朝飯用)、醤油、味噌…。
オカズを買いに人里まで戻るにはあの林道を往復せねばならないがそれだけは避けたい。。
ここは何としてもイワナを数尾は欲しいところ…。
イワナ狙いにしては広めの川だが、攻めるべきポイントは比較的はっきりしていた。
ミャク釣りで瀬に沈んだ石陰を丹念に探る。

いつになく真剣なM氏

いつになく真剣なM氏

三重泉沢の目印 二段の堰堤

三重泉沢の目印 二段の堰堤

竿を出して10分ほどだろうか。
下流の方でM氏が一匹ヒットさせたようだ。
「おっ。ちゃんと魚いるのね」
と期待を膨らませて数分。こっちにもキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
手元にまで感触が伝わるアタリにアワセて、一気に抜け上げて見れば待望のイワナだ。
15~16cmと小柄だが充分キープサイズ。
イワナは環境に寄って色が違う魚なのだが、ここで釣れたのは白斑が判別しにくい銀色の魚体。
鱗が太陽の光を照り返しキラキラと輝く。日本の渓流魚は本当に美しいなぁ…・。

食べちゃいたいほど綺麗な魚体

食べちゃいたいほど綺麗な魚体

それから日が暮れるまで数時間。
釣り場が限られているため、時々休ませながら二人で糸を垂らし続けて…

ツマミ&オカズ 十分確保!!

ツマミ&オカズ 十分確保!!

キャンプの王道!焚火DEイワナ

キャンプの王道!焚火DEイワナ

15~20cm前後のサイズで丁度食べごろ♪
手馴れた手付きでハラワタ・エラ・血合いを取って下ごしらえ完了。
岩手のウメネコ夫妻に教えてもらったBBQ用着火剤で焚火も簡単に起こせた。
早速、乾杯! ビールはM氏が半分分けてくれた。ありがたや~(つ∀T)
薪とイワナの面倒をみながらチビチビ飲む。
日が暮れてから、さすがに冷えて来たので焚火が嬉しい。
昼の間に集めておいた薪が途中でなくなったが、周りにいくらでも枯れ枝・流木が落ちてるので無問題。
少し歩き回れば、追加分を簡単に補給できた。

遠火でじっくりあぶりましょう

遠火でじっくりあぶりましょう

釣りたてイワナの塩焼き (゚Д゚)ウマー

釣りたてイワナの塩焼き (゚Д゚)ウマー

焼きあがった岩魚は塩加減も丁度よく、ツマミに持って来いだった。
小柄なので骨も柔らかく気にせずに食べられる。美味い美味い。
ついでに米も焚火で炊いたのだが、こっちは失敗。
えらいゴワ飯になってしまって喉をなかなか通らない。
M氏「頭痛い…」
むむ。M氏の持病の頭痛らしい。疲労か風邪か、とにかく早く休むに限る。
いつの間にか周りの気温も下がって、吐く息が白くなっていた。
日本酒も用意していたのだが、僕もすでにかなり眠かったのでご飯を食べ終わったとこで宴はお開き。
余ったイワナは塩をまぶしてジップロックに入れて保存。朝までなら持つだろう。
焚火もヘッドライトも消して空を見上げると、満天の星々に圧倒される。
NGSして21:30就寝。
…23:00過ぎ、尿意を催して目が覚めてしまった。
外に出たらものすごく明るい満月。月明かりだけで周りの様子が十分分かる。
トイレを済ませてシュラフに戻ったが、野鳥だろうか、周囲のキューンキューンとうるさい鳴き声でなかなか寝付けず。


翌朝。朝マズメを狙うなら暗いうちに起き出さねばならないのだが、二人とも疲れていた。
昨日の釣りでかなり満足していたので、わざわざ早起きすることもないだろう。
4:00くらいにはすでに外は明るくなっていたが、テントから出たのは5:30くらい。
M氏は焚火を起こしてからちょっとだけ釣り。僕は少し片付けをしてから朝食の支度。
昨夜の失敗を反省し、ガソリンストーブで炊飯。完璧には程遠かったが昨夜よりはましに炊けた。
M氏の方はどうやらアタリすら無かったようだ。五目寿司の素を混ぜて、塩イワナを焚火で焼く。
ちなみに飲み水は沢の水をペットボトルに入れてがぶ飲み。ワイルドだけど危険だから真似しないように。

朝食の様子 炊いた御飯を取り分けてます

朝食の様子 炊いた御飯を取り分けてます

一晩置いたイワナは、いい感じに塩が染みてこれまた美味しかった。
イワナの胃袋を炒めたやつは、一緒に保存していた魚体のヌメリが残ってしまい、生臭すぎて失敗。
食後、テントをたたんで荷物をまとめ、いつでも帰れる状態にしてから最後の釣り。
一時間ほど竿を出し、二人ともに一匹ずつ釣り上げて納竿。ちょうどいいお土産になった。
今回の釣果…M氏:イワナ10匹+ハヤ3匹、塩犬:イワナ5匹
M氏はさすがに年季が違う。僕は5匹でも十分満足。いい釣りだった。
さて、撤収。天気予報は曇りのち雨なので降られる前に東京に帰りたい。
荷物を持ってバイクへ向かう。…ん? M氏がなんか見つけたようだ。

肉食動物の糞…??

肉食動物の糞…??

カモシカの体毛とか混じってるから肉食動物に違いない。。熊だろうか…??
もしや、その縄張りでテントを張っていたということに…ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
9:00。荷物を積んで、あの悪路を戻る。
日曜日なので登山者や釣師を時々見かける。物好きが多いなぁ。
一人の登山者を徐行で追い抜いたところで例のゲートに到着。
「今度は失敗しないぞ」と脇を駆け上がって無事クリア。
振り返ってM氏の通過を写真に収めようとしたその時っ!!!
登山者が手でゲートを開けて通過してる…。。。
昨日の転倒はなんだったのだ…レバー折り損のくたびれ儲け…。
今度からはちゃんとゲートが開くかをチェックするようにせねば。。

実演するM氏 こともなく開くゲート…

実演するM氏 こともなく開くゲート…

ついでに例の難所をクリアするM氏

ついでに例の難所をクリアするM氏

転べーっ

その後も相変わらずの悪路だったが問題なく走行。
やがて林道は舗装路になり、R120へ合流。
沼田IC方面に進んで、最初にみつけたGSで給油。
ここで入れておけば東京まで十分持つ。
っと給油しているおじさんが話し掛けてきた。
GS「どこか走って来たの?」
塩犬「平川の林道を走って、上流でキャンプして釣りしてきました」
GS「へぇ~どの辺? トンネルいくつ超えた?」
塩犬「かくかくしかじか」
GS「あぁ~三重泉(さんじゅっせん)前だね、で釣れた?」
塩犬「自分がイワナ5匹、後ろの人が10匹(^^」
GS「えぇ~??あんなとこでそんなに?」
後から給油したM氏との会話もまとめてみると、あのキャンプした場所はまだまだイワナ釣りの入り口に過ぎないらしい。
自宅に戻ってWEBでも調べてみたところ、林道の先には廃村があって、そこから本格的に渓流遡上するのが一般的のようだ。
また三重泉沢も、あの堰堤の上流をずーっと遡ってからが、ようやく本当のポイントらしい。
WEB上の釣行記を読むと、みんなザイルで滝を登ったり、荷物を背負ってゴルジュを泳いだり…。。
林道ツーリングのレベルでは無理だっつーの。
いやはやイワナ狂への道は遠い。。
10:30。ちょっと早めの昼食だが、インターの手前で蕎麦&この辺の名物・焼き饅頭を食べてから関越道に。
ここまで来ればあとは東京まで走るだけ。
と思ったら、埼玉に入ったあたりから雨。
今回もまた、同じコースに雨男がいたようだ。困ったものである。
東京に近づくに連れ、かなり強く降ってきた…。
6月6日に雨ざぁ~ざぁ~降ってきて~♪
って、かわいいコックさんでも描くつもりかっ!!!
ちなみにその日、関東地方の梅雨入りが宣言された。
キャンプツーリングしにくいシーズンの到来。
まぁいつも雨に降られてるって人は、あんまり影響ないかも知れない。

ワイルドで行こう・前編

もう六月。入梅も間近だ。
梅雨、そしてその後にやってくる盛夏を考えると、快適にキャンプできるのは今週くらいまで。
M氏を誘って釣りメインのキャンプツーリングにでも出かけてみるか。
と電話を掛けてトントン拍子で釣行決定。行き先は海も考えたが時期的には渓流が最盛期。
相談の結果、獲物はイワナ、目的地は群馬の片品方面と決まった。
出発前夜。やっぱり今夜も眠れないので荷造りに時間を掛けてしまった。
いざとなったら荷物を背負って渓流遡行しなきゃならないかも、と思って今回はサイドバッグ無し。
林道メインでは無いので、いつも携行している工具も今回は置いていく。テントも小さい一人用。
その他装備を極力減らし、3WAYバッグに全て詰め込んで朝を迎えた。
午前7:00。自宅前にM氏登場。
荷物は背負うのには向いてなさそうな中くらいのダッフルバッグ。
「バイクのそばにテント張って中に荷物入れておきゃいいでしょ」
端から渓流遡上なんてするつもりないのね…。
そんなことならサイドバッグ使っていつもの装備にすりゃよかった。
給油して環七を北上、目白通りを経て、7:30、関越道練馬ICへ。
さてここからはひたすら新潟方面に進む。途中二箇所ほどで事故渋滞。
なんでもなさそうな直線での事故。不思議だ。
8:25、上里SA到着。日差しが結構強い。走っていると涼しいが、止まると暑い。
とりあえず朝食。私はかきあげそば、M氏は岩のりうどん。20分ほどして出発。
やがて左手に榛名山。さらに右手には赤城山。
特に渋滞もないまま一時間ほど走って、群馬の沼田ICで高速を降りた。
練馬から約123km。ほどほどの距離だ。そのままR120を沼田市街へ向かう。
釣具屋を探し、5分ほどで見つけた。
「ミミズ(小)二箱下さい。あと入漁券も」
ミミズは300円、渓流の入漁券は1000円だった。このあたりならどこでも使えるらしい。
ついでにM氏が必要な釣具を購入。そのお店の前でUターンして今度は片品村方面に転進。
おっと、この先ずっと買い物できる場所がないかもしれない。
インター脇のコンビニで昼食用のおにぎりを買い、県道64号との交差点を川場方面に左折。
その先で見つけた酒屋でビールとサワーを買って準備万端。
M氏「夕食、どうする?」
塩犬「米は持ってきてますよ。ってか米と調味料しかないです」
M氏「ツマミとかオカズは?」
塩犬「んー?イワナの塩焼き…」
M氏「釣れなかったら塩飯だな…」
塩犬「むぅ…サバイバルっすね…」
県道64号線を武尊山(ほたかさん)方面に北上。そのうち山間のワインディング路に。
しばらく進んで、武尊温泉を過ぎたとこで右折。赤倉林道の入口に到着した。
赤倉林道は赤倉渓谷に沿って作られた林道である。
一部分の路肩が崩壊しているため四輪の通行は完全に不可。
路面が幅50cm程度しか残ってないらしく、二輪でも危険なので交通量はほとんどない。
誰も行かない、ってことでそこに行くことにしたのだ。
入口から数分で問題の崩落箇所へ到着。ちょっと緊張しながらも無事通過。
ポイントと野営地を探しながら走ったが、どうにもよさげな場所がない。
ガレガレの岩盤を超えて三叉路があったと思ったら、その先はフラットな走りやすいダートだった。
脇に野営できそうな芝のスペースがあったので、とりあえずそこにバイクを停めて様子見がてら釣り開始。
道端を沢が流れてはいるが、ほとんど藪に包まれて竿を出すのも覚束ない。
入渓出来そうな場所を求めて徒歩で林道を進んだが、上流は見込みなさそうだ。
二人で釣りながら下流を戻る。どうもこの沢は駄目っぽいなぁ…。
林道脇で流れが少し弱くなってるポイントで、少し離れて二人で粘ってみる。
しばらくして、まずM氏が一匹。続いて僕も一匹。
合計二匹のイワナがヒット。どちらも10cmちょっとのリリースサイズ…。
うーん…ひとまず釣れたのは嬉しいが、オカズにするには物足りない。。
(といいつつ、本日最初で最後の釣果になるかも知れないのでキープしてしまった…)

赤倉林道 写真の陰影がきつい…

赤倉林道 写真の陰影がきつい…

赤倉渓谷で釣ったチビイワナ2匹

赤倉渓谷で釣ったチビイワナ2匹

M氏「この川ではこれが平均サイズなのかも知れないね」
塩犬「まだお昼で時間あるし、別の川に行って見ますか」
バイクまで戻り、昼飯のオニギリを食べて別の川へ移動開始。
赤倉林道を進み、峠を越えて片品村へ。

赤倉林道から片品方面を望む

赤倉林道から片品方面を望む

県道64号線を右折。平川の交差点でR120を右折し、すぐに左折。
利根川水系片品川の支流、泙川(たにかわ)沿いに走る平川林道を進む。
舗装路が続き、 ひとつ集落を超えて山道へ入った。
しばらく走ると川原へ降りれそうな未舗装路が分岐していたので、そちらへ進む。
やや荒れ気味のダートを下って、広い川原に出た。なるほど平らな川だ。

泙川 フライフィッシングに向いてそう

泙川 フライフィッシングに向いてそう

キャンプには問題なさそうだが、魚はどうだろう。
川の様子からすると、ハヤかヤマメのエリアかな。まぁ、釣ってみっか。
踝程度の深さの瀬を渡って徐々に川を遡りながら竿を出す。
二人とも本流用の長い竿ではないのでポイントを攻めづらい。
っと、こういった瀬での釣りには自信のあるM氏が早速ハヤをゲット。
30分ほどの間にM氏がハヤ3匹、私はゼロ…_| ̄|○
M氏「あれ?釣れてないの?」
塩犬「はは、ハヤなんていらないっす! イワナが目的っす!!」
M氏「そうね…(゚ー゚)ニヤニヤ」
塩犬「むぅ…」
M氏「ヤマメっぽいアタリもあったけど、このあたりじゃイワナはいないだろうね」
塩犬「地図によると林道をかなり遡ったところで、沢に降りれそうな場所がありますよ」
M氏「んじゃ、そこまで行ってみるか」
バイクの場所まで戻ってダートを上り林道へ復帰。
…ん?後続のM氏がなかなか来ない…?
どうしたのやら。 数分してようやく現れた。
M氏「川原でUターンするときにこけてしまった…」
塩犬「それは珍しい…(゚ー゚)ニヤニヤ」
M氏「むぅ…」
貴重なシャッターチャンスを逃してしまって残念である。
特に異常なさそうなのでそのまま出発。
ここまでの舗装路の様子から、この先の林道も走りやすいだろう。
不動滝を越えたあたりから路面は未舗装に。むむ、結構荒れてる…。
登山者だろうか、路肩に何台か4WD車が停めてあった。
っと向こうからやって来たバイクとすれ違った。
オフロードではなく50ccくらいの小柄なビジネスモデルである。
なるほど、ここらへんに車を停め、積んできたバイクや自転車でこの先を進む人が多いようだ。
しばらく進んでゲートにぶつかった。
脇に腰の辺りまで盛られた土があったが、そこに二輪の轍があった。
そっか、このゲートで四輪は進めないのか。脇を二輪で抜けるしかないのね。
微妙な角度の盛り土だ。M氏が先行して難なくクリア。続いて僕。
頂点の手前でちょっとビビって…ズルズル後退…あえなく転倒。。
M氏「(゚ー゚)ニヤニヤ」
塩犬「むぅ…」
くそーこっぱずかし~。左ハンドルを掴んで、あわててバイクを起こす。
…ん? 何か変な感触…?
よく見ると、ハンドルと間違えてクラッチレバーを掴んでた…。
全車重がかかったクラッチレバーはグニャリ。

平川林道 ゲートの右に問題の盛り土

平川林道 ゲートの右に問題の盛り土

クラッチレバーが?型に曲がってしまった?

クラッチレバーが?型に曲がってしまった?

いつも替えのレバーを持ち歩いてるのだが、今日に限って工具と一緒に置いてきてしまった。。
「起きてほしくない事ほど、良く起きる」 まさにマーフィーの法則である…。
まぁ指二本で握れるので問題ない。というか微妙に握りやすくなったかも知れない。
こんな時こそ、ポジティブシンキング。やや大回りでゲート脇をようやくクリア。
その先も落石・水溜りの多い道だった。予想以上の悪路だ。
山側は見上げるほどの断崖絶壁。川側は底知れぬ千尋の谷。久々に恐怖を感じた…。

土砂崩れ、落石が何箇所も

土砂崩れ、落石が何箇所も

落ちたくない…絶対…

落ちたくない…絶対…

そして極めつけ。
左から土砂崩れ、右は崖、頭上に倒木、路面はガレ。
四面楚歌の極悪セクションである。

そりゃ四輪が通れる訳無いわな

そりゃ四輪が通れる訳無いわな

果たして無事に帰れるのだろうか…。
一晩の間に新たな土砂崩れが起きて完全通行不可になったとしても、ちっとも不思議じゃない…。
そんな極悪林道を10kmほど走って、右手に二段の大きな堰堤がある橋に出た。
左手には野営できそうな広めの川原。橋を渡ると林道の標識があり「三重林道」と書いてある。
どうやらここから林道の名前が変わるらしい。
念のためその先の林道をちょっと進んでみたが、上り勾配になっていて再び山中に戻るようだ。
迷う時間も惜しかったので、ここを野営地に決定。時刻は15:00。
標識の脇にバイクを停め、荷物を手に川原までの斜面を降りた。
大きな石や流木がゴロゴロする河畔を避け、一段高くなった場所にテントを張る。
(後で二万五千分の一地図で調べたところ、三重泉沢という沢だった)

泙川支流 三重泉沢

泙川支流 三重泉沢

落ち葉のクッションの上にテント設営

落ち葉のクッションの上にテント設営

まずはビールを渓流で冷やしておこうと見てみたら、なんとビールの缶に穴が!?
ザックびしょ濡れ!? Σ(TロT)
さっきのゲートで転倒したときにやってしまったらしい。。
悲しい気分でサワーのみを冷やす。
それからお米が二合しか残ってなかったことも判明。
だがまぁ二人の夕食・朝食分で丁度いいくらいだろう。オカズさえ十分あれば。(今のとこ無いです)
一合をコッへルに入れ、水に浸して準備はOK。
あとはツマミ&オカズを調達するのみである。
気合を入れてM氏は下流へ、僕は上流へ。
っと、橋の下に何かある?

ニホンカモシカの白骨死体…?

ニホンカモシカの白骨死体…?

いきなりカモシカ…。どうしても、わが愛車セロー(カモシカの意)を連想してしまう…。
その白骨死体とは何とも不吉な…。。一緒に無事に帰ろうな、セロー君。
嫌な予感を払いのけ、晩餐を掛けて釣り開始っ!
イワナの塩焼きで満腹コース? それとも極貧・塩掛け御飯?
今夜のご注文は、どっち!?

なごり雪

夜半過ぎ。
尿意を催してテントから起き出すと、雨はすっかり上がっていた。
水洗トイレまで夜道を歩きながら、ふと見上げれば満天の星空。
晴れ晴れとした気持ちで用を足した。
…ついでに物音でウメネコ夫妻を起こしてしまったようで…すみません…。
翌朝も明るくなる頃に目覚めてしまった。
雨に濡れた荷物をテントの中でガサゴソとジップロックで密封しながら、モタモタ撤収。
朝食は昨日の残りのトマトとチーズとジュースのみで済ませた。
7:20。お休み中のウメネコ夫妻のテントに会釈して出発。
(物音・エンジン音ですでに起こしてしまってたような気もしますが…)

東山森林公園 雨を避けようと炊事場の脇で野営

東山森林公園 雨を避けようと炊事場の脇で野営

晴れるだけで、とにかく嬉しいのだ!!

晴れるだけで、とにかく嬉しいのだ!!

R13に出て、少し南下。
道なりに進んで、 R108との分岐を鳥海町方面に進んだ。
晴れてるとはいえ、朝はさすがに寒い。
長いトンネルをくぐって鳥海町に入ると、ちらちらと鳥海山の白い頂が時折垣間見えるようになった。
下り坂のワインディングを進み、県道50号=鳥海矢島線を左折。
鳥海山への登山口と名瀑・法体の滝への案内が目印だ。
鳥海山の山容もはっきりと見え始める。晴れてよかった~。
これまた出羽富士や秋田富士とよばれるだけあって実に美しいすり鉢状の名山だった。
大清水園地の案内に従って県道を外れ、水田を通る立派な舗装路をしばらく進み、何度か右左折。
8:15、手代林道の入り口に到着した。

鳥海山 別名・出羽富士または秋田富士

鳥海山 別名・出羽富士または秋田富士

手代林道入口 少々分かりにくいです

手代林道入口 少々分かりにくいです

この林道、鳥海山の登山口でもある大清水園地を経て山形側に抜ける東北屈指のロングダートなのだ。
峠を越えた山形県側は奥山林道と呼ばれ、あわせて奥山手代林道と呼ばれることもある。
このルートを使って山形の酒田に抜け、山形自動車道で帰路に着く、という寸法である。
しばらくは勾配のない林間の平坦な道が続く。
途中の分岐を右折し沢を渡ると、屈曲した登り勾配に。
登山客なのか山菜目的なのか、交通量が結構多い。
登坂路に入ってすぐ、前を行く4WD車に追いついてしまい、しばらく4輪のペースに合わせてマッタリ進んだ。
駐車スペースでハザードを出してくれたので、ありがたく追い越させていただく。

手代林道の途中にある分岐

手代林道の途中にある分岐

このあたりは名水源の宝庫 川も綺麗です

このあたりは名水源の宝庫 川も綺麗です

高度が上がるにつれて、路肩に雪の壁が現れ始める。
路面を除雪した分も含まれてるのだろうが、それを差し引いてもさすが豪雪地帯だ。
除雪作業をしてなかったら、この季節でもかなりの厚さの残雪なんだろうなぁ…。
8:40、大清水園地に到着。鳥海山の五合目の登山口でもあり、山頂が間近に見えた。
駐車場にバイクを止めてトイレ&名水目当てに少し歩く。
太陽もだいぶ高くなり、歩くと少し暑いくらい。
テントサイトもあったが夜は寒いだろうなぁ…。

鳥海山山頂がドーン!と眼前に

鳥海山山頂がドーン!と眼前に

名前の通り、清冽な湧き水が汲めます

名前の通り、清冽な湧き水が汲めます

水芭蕉がひっそりと日向ぼっこ

水芭蕉がひっそりと日向ぼっこ

フキノトウは隊列組んでました

フキノトウは隊列組んでました

さぁ、ここから少し進めば峠でその先は山形だ。
高速道路に乗るまで、残りの未舗装路を楽しむぞ~!!
っと、林道に戻ってしばらく進むと、

え?

え?

えぇぇぇっ!?

えぇぇぇっ!?

かなりの厚さの残雪が完全に道を覆っていた…_| ̄|○
なんということだ。除雪は登山口までしかやってなかったのだ。
「これはおいしいネタ…」とも思えたが、ちょっと、否、かなりやばすぎる。
轍が一歩あることはあるが…普通に考えてこれは走行不能だろう。
一応、バイクを降りて偵察してみたが、この先の区間は残雪が放置状態らしかった。
峠を越えたら下り勾配。勿論、ガードレールは期待出来ない。
チェーンも無く荷物満載で進むのは自殺行為に等しいよなぁ…。

偵察した先も当然のように残雪区間が…

偵察した先も当然のように残雪区間が…

「ここ行くの…?」と不安気なセロー君

「ここ行くの…?」と不安気なセロー君

無理っ!! 撤退ッ!!
明日は東京でいつも通り仕事だってのに、こんなとこで命掛けてられないっ!
ってか、ここ抜けても体力消耗して高速道路が危険過ぎ!!
ってことで残念だがUターン。時刻は9:10。
作業に来た営林署の方々とすれ違いつつ手代林道を下り、県道まで戻った。
轍を残していた勇者のように、いつか自分もああいった雪道を踏破したいものだ。
さて。このルートが使えないとなると、西へ進んで鳥海山を大きく迂回するか、東へ進んで宮城に出るか…。
バイクを止めてしばし検討すること数分。選んだのは前者。
地図を見た感じでは近そうだったのだが、実際は鳥海山の中腹をうねうね走る悪路を含めて、かなりの距離になってしまった。
県道70号を終点まで走って県道58号を左折。
そこからはまた鳥海山の登山道に向かって高度を上げるワインディング。
ブナの原生林を抜け、登山口の入口手前で県道に沿って左折。
このとき「全面通行止め」という看板もあったが、丁度向こうから来たドライバーに通行できることを確認した上で進んだ。
コブシ大の落石がちらほら邪魔する狭い悪路のつづら折り。
どうにも神経を使う道だったが、二つばかり峠を越えてようやく快走路と呼べる道に出た。
長かったー。

道端に咲いていた谷空木(タニウツギ)

道端に咲いていた谷空木(タニウツギ)

違う角度から見た鳥海山 雲が出始めた

違う角度から見た鳥海山 雲が出始めた

県道58号をそのまま西走。
オンロードのツーリングスポット・鳥海ブルーラインをあえて避け、R7に出て日本海岸を南下した。
山形と秋田の県境を超え、道の駅・鳥海に到着したのが11:30ごろ。
さすがにお腹が空いていたので、蕎麦を食す。とくに何の変哲もない蕎麦だった。
食事とトイレ休憩を済ませて出発。
R345を左折し、山形自動車道の酒田ICを目指して庄内平野を進んだ。
この角度からの鳥海山の景観を楽しみにしていたのだが、残念ながらは雲に覆われてしまっていた。
風が出て来たのも少し気になる。。

田んぼの向こうに鳥海山(の裾野)

田んぼの向こうに鳥海山(の裾野)

庄内平野 どこまでも広がる水田

庄内平野 どこまでも広がる水田

高速に乗る前に給油したいと思ってたのだが、GSがなかなか見つからなくてちょっとあせった。
遠くから発見したJAのGSで満タンにして、酒田みなみICから山形自動車道へ。
途中、迂回区間があるためか、何度も料金所が現れて、その区間ごとの料金を払わされた。
バイクにとってはわずらわしいことこの上ない。早く二輪用のETCが実用化されないものだろうか。
ちなみに酒田みなみICから埼玉の川口までは約473km。

出羽三山の一つ、月山を遠望 さらば東北!

出羽三山の一つ、月山を遠望 さらば東北!

どれくらい走ったろうか。月山をはじめとする出羽三山を過ぎ、宮城県内へ。
仙台の南、村田JCTで東北自動車道に合流。埼玉の川口までは約300km。
50km毎にSAで休憩しながらでも、数時間で問題なく到着できるだろう。
と思った矢先。福島県内に入り始めた頃から、雨が降り始めた。。
安達太良SAのあたりからは土砂降り!!(つД`)
脇を大型車が通ると水しぶきの壁が覆いかぶさってくる。
SAを見つけるごとに避難して、天気予報をチェックするが、東京までずっと雨の様子…。
栃木に入ったあたりで日が暮れたが、一向に降り止む気配は無い。
左手は雨に濡れたシールドを常時拭わなきゃならないので、ずーっと片手運転。
夜間、豪雨の高速道路…恐いよー。。
埼玉のあたりからようやく雨脚も弱まり、川口ICではもう止んでいた。
最後の最後まで雨に降られて、東京の自宅に到着したのは21:30。
楽しかったけど疲れたー。よくぞ無事で帰ってこれたものだ。
ってか、よく考えたらこの五日間、毎日雨に降られてたっ!!。・゚゚・(∩Д`)・゚゚・。
台風に始まり、雨・風・雪・霧・雲…( ̄-  ̄ ) ンー
同じコースに雨男でもいたのかなぁ?? だとしたら迷惑だよねぇ。
まぁ、今度行くときは、防寒装備と雪道用チェーン必携ってことで。。

奥の細道、食の細道

日の長い季節だ。4:00頃にはもう外が明るくなっていた。
目が覚めてしまったが、寒いので寝袋の中でまどろむ。 5:00頃起床。
マルタイの味噌ラーメンにウインナーをぶち込んだ朝食を食べて撤収開始。
テントが広いのが嬉しくて荷物を広げてしまった分、撤収に時間が掛かってしまった。
撤収中に近所の飼い犬なのか首輪をした犬が広場にやってきた。
ウインナーの残りを放り投げたらハグハグ食ってた。そのくせビクビクしてるので駄目犬と決定。
トイレに寄って6:00出発。40数キロ先のむつを目指した。

マルタイ味噌ラーメン+ウインナー 手抜きです

マルタイ味噌ラーメン+ウインナー 手抜きです

毛の生え変わりの時期なのでみすぼらしく見える

毛の生え変わりの時期なのでみすぼらしく見える

雨は降ってないが寒い寒い。気温は8度くらいだろうか?
まだ東北に来てから、まともに太陽を見ていない。今日こそはお天道様の顔を拝みたいものだが…。

荒波が下北の海岸に打ち寄せる

荒波が下北の海岸に打ち寄せる

7:00、むつに到着。そのまま太平洋側へ抜けるR338に。
100km先の八戸を目指す。(こっちは距離の感覚がどうも狂う…)
下北半島内陸の原野を経て、太平洋岸を南下。
海が見える区間はほんのわずかで、あとはずっと山中の快走路。
80kmで走っていても、地元の軽トラにビュンビュン抜かれてしまう…。
下北半島の太平洋側は、ほんと~~~~~に何にも無い…。。
あるのは原発関連や自衛隊の施設か、小さな漁港のみ。
8:30。六ヶ所村の役所付近でようやく見つけたミニストップで休憩。
あまりに寒いのでカレーパンと午後の紅茶ミルクティーであたたm(略

下北半島太平洋岸 かなり荒れてます

下北半島太平洋岸 かなり荒れてます

内陸部はほとんど手付かずの原野でした

内陸部はほとんど手付かずの原野でした

沼や湿地の多い区域を抜け、三沢市内へ。
ようやく下北半島のエリア外だ。広かった。
八戸の市街が近づくにつれ、車も増えてきた。
太陽も顔を覗かせ気温も急上昇。9:30ごろ、八戸市内に到着。
八戸からは高速道路に乗る予定なのだが、その前に八食センターに立ち寄った。
八戸の海の幸が集う一大ショッピングスポットだ。
ここでのお目当てはいちご煮。ウニとアワビを使った高級なお吸い物である。
この辺りの名物で、スーパーなどで缶詰になって売られているらしい。
とりあえず、お土産用にそれらを買って東京に発送。
だがここまで来て缶詰だけとはいかないだろう。やはり現地で直接食わねばなるまい。
というわけで、かなり早いが昼食。(我ながら、あきれるほどよく食べてるよなぁ…)
で、食べたのが田舎というお店の八戸定食!3,000円の大奮発!!
最初、生うに丼2,000円といちご煮1,000円をそれぞれ単品で頼もうとしたら、こっちの方がお得ですよと薦められたのだ。
同じ値段で、生うに丼・いちご煮・イカとイクラの御造り・メカブの小鉢に香の物。確かにお得!
いやはや、いちご煮も勿論だが、生うに丼がメチャクチャ美味かった!
最高っす! 満足っす!!

八戸定食 メチャ(゚Д゚)ウマー

八戸定食 メチャ(゚Д゚)ウマー

八食センター むちゃくちゃ広くて安いっす

八食センター むちゃくちゃ広くて安いっす

10:30過ぎ。食事を終えて、八戸自動車道の八戸ICへ。
かんかん照りで今朝までが嘘の様な暑さだ。
ここから次の目的地まで一気に高速道路で進む。
向かった先は東北自動車道、岩手の松尾八幡平IC。距離にして100km弱。高速代2000円。
青森・岩手の県境の奥深い山並みを越えて、12:00に松尾八幡平IC到着。
給油を済ませてから岩手を代表するツーリングスポット、八幡平アスピーテラインへ向かった。
晴天の下、岩手山が眼前に迫ってくる。

岩手山 別名・岩手富士

岩手山 別名・岩手富士

八幡平アスピーテラインは通行止めでした(涙

八幡平アスピーテラインは通行止めでした(涙

残念ながら、アスピーテラインは土砂崩れで通行止め。
代わりに八幡平樹海ラインで八幡平を目指すことに。
森林の中を走る快走路、ところどころ視界が開けて素晴らしい景観が。
途中の駐車スペースからは、岩手山の裾野を俯瞰する大パノラマを眺めることが出来た。

八幡平樹海ラインより岩手山を望む

八幡平樹海ラインより岩手山を望む

標高が高くなるに連れて路肩の雪も目立ち始めた。
その癖、雪の合間からは要所要所で温泉の湯気が立ち上っている。
ある場所では卵を温泉でゆでて、すぐ脇を流れる雪解け水で冷却…なんてこともやっていた。
厚い雪に覆われた凍てついた大地の下で沸々と湧き上がる地熱…東北人の気質にも通じるのかも知れない。
13:00、岩手と秋田の県境でもある最高所・見返り峠に到着。
付近の雪原を見ると山岳スキーを楽しんでいる人もちらほら。
雪との付き合い方は静岡生まれの僕には到底真似できそうにない。

左の熱泉で卵を茹でて、右の雪解け水で冷やします

左の熱泉で卵を茹でて、右の雪解け水で冷やします

北東北屈指のツーリングコース・八幡平樹海ライン

北東北屈指のツーリングコース・八幡平樹海ライン

見返り峠からは通行止め区間を過ぎたアスピーテラインに合流して、秋田県内を西走。
ワインディングを下って、R341を左折、田沢湖方面へ長い下り坂を下っていった。
強力な酸性の湯で有名な玉川温泉を過ぎ、ブナの原生林を縫うように快走。
…と、道端にカラフルなパラソルがっ! 秋田の隠れ名物・ばばへらアイス発見!!
道端にポツンと立つばばぁが、ヘラを使ってドラム缶から盛るので『ばばへら』と呼ばれている秋田近辺だけに存在するアイス。
盛岡の福田パンや高知のアイスクリンと同ジャンルのローカル・グルメである。
東京で調べて、ぜひ食べたいと思っていたのだ。これも食わねば!
あわててウインカーを出して駐車スペースに停車。喜び勇んで一つ注文。
おばちゃんに写真を一枚撮ってもいいかと聞いたら、「あ、赤いとこ盛ってからね(秋田弁趣意)」とヘラでペタペタ。
「こんなおばちゃんの写真でいいのかしら(秋田弁趣意)」と照れている。
「いやいや、秋田美人っすよ(笑)♪」と言ったら素直に喜んでくれた。
東京からわざわざ食べに来たと聞いて、おばちゃんも嬉しそうだ。
どうやらおばちゃん暇らしく、結構な長話に。観光地だと200円だが、普通の道端だと150円だそうだ。
甘みが押さえ気味でシャーベット状のシャリシャリした食感。
人工甘味料・着色料たっぷりのような気がするが、そんなこと気にしちゃいられない。
暑さで火照った体を冷すには丁度よかった♪(←今度は暑いのが食べる言い訳になってる)

ばばへら …って『ばばぁ』はちと失礼でねが?

ばばへら …って『ばばぁ』はちと失礼でねが?

北東北はブナの森林が実に豊富だ

北東北はブナの森林が実に豊富だ

「気ぃつけてね~」
おばちゃんの見送りを背に受けて、ルートに戻る。
やがて道はダム湖に出て、開けた涼しげな景観が広がる。
道も平坦になって、しばらく進み途中で右折。15:00少し前、田沢湖の東岸に到着した。
かなり暑い日曜日だけあって、涼しさを求めてカップルや家族連れの行楽客が多い。
ウェットスーツを着てジェットスキーを楽しんでる人たちもかなりいた。
と思ったら珍走団の集団までやって来た。あぁやだやだ。
湖の眺めを楽しみつつ、グルリと湖畔を時計回りに半周して田沢湖のシンボル・辰子像へ。
八郎太郎の伝説とも密接に関わっているヒロインなのだが、金ピカはちょっと趣味が悪かろう。

田沢湖 日本一の水深で湖底が海面より低いらしい

田沢湖 日本一の水深で湖底が海面より低いらしい

田沢湖を背にした辰子像 …派手過ぎじゃない?

田沢湖を背にした辰子像 …派手過ぎじゃない?

田沢湖の西岸を離れ、R105に合流。南下して角館を目指す。
田植えを終えたばかりの水田が両側に広がる直線路を快走。
空を映した水鏡の光景は、まさに日本の風景といった趣き。
15:30、角館に到着。二日目に素通りしたが、昔ながらの武家屋敷が立ち並ぶ観光スポットだ。
木造の武家屋敷と街路樹の落ち着いた町並みをほんの少しだけ散策。若い女性が目立つ。
角館からは県道11号線を南下。水田と旧街道の町並みが繰り返される渋いルートである。

角館の武家屋敷 美しい町並みが散策に向いてます

角館の武家屋敷 美しい町並みが散策に向いてます

なぜか水田は心安らぐ

なぜか水田は心安らぐ

六郷でR13に合流し、さらに南下。このあたりから小雨がパラパラ降り出した。
まぁカッパを着るほどではないか、とそのまましばらく進んで横手の町へ。
横手に来たなら食う以外なかろう、横手焼きそば!! (←まだ食うのかよ)
16:30、市街地へ向かい駅付近で富士宮焼きそばを髣髴とさせる幟を発見。
バイクを留めて入ったお店は通りから少し入ったとこにある「やや」というお店。
カウンターに座って横手焼きそばを注文。
「大と小がありますけど?」
「んじゃ、大で」(←ォィォィ)
富士宮と正反対とも言える、太目のもちもちした麺に、目玉焼き・キャベツの千切り・福神漬け・青海苔。
「お箸で全部グチャグチャにかき混ぜて、ソースで好みの味付けにして食べてね」と食べ方もレクチャーしてもらった。
正直、大盛りはさすがに苦しかったが、福神漬けの甘みや生キャベツの食感が面白く、とても美味しい焼そばだった。

横手焼きそば かなり(゚Д゚)ウマー

横手焼きそば かなり(゚Д゚)ウマー

横手駅のすぐ脇にある「やや」 学生が多いみたいです

横手駅のすぐ脇にある「やや」 学生が多いみたいです

17:00。焼きそばを食べ終わって外に出ると空がどうも嫌な雰囲気だ。
カッパを来て走り始めると雨は本格的に降り始めた。
「今日も降られたか…」
南下するに連れて雨脚は強くなり、徐々に体温が奪われつつも進み続けた。
明日は東京まで帰らねばならないのだが、その前に秋田と山形の県境にある鳥海山に寄りたかった。
それもあって、今日の宿は秋田県の南端に位置する雄勝という町のキャンプ場を予定していたのだ。
暗くなる前に着けるか距離的に微妙な場所なので、ちょっとあせっていた。
「この雨で暗くなってから到着だと、テントの設営はちと難しいかな…」
正直、温泉宿に泊まることも考えつつ、R13=羽州街道をひたすら南下した。
十文字・湯沢を過ぎ、18:00ちょっと前に道の駅・おがちに到着。
ここからはキャンプ場は目と鼻の先だ。

道の駅・おがち 結構酷い雨だった

道の駅・おがち 結構酷い雨だった

見つけにくい看板にしたがって、橋の手前の信号で左折。
数kmの山道を登って、ようやく東山森林公園に到着。
雨に加えて林間の公園なので、あたりはもうだいぶ暗くなっていた。
途中の山道は民家はあるが、それ以外の気配なし。
翌日が月曜日で天気は雨、そんな夜にキャンプしてる物好きなんているわきゃない。
「( ̄へ ̄|||) ウーム…どうしよう…この雨だし、宿に泊まろうかなぁ…」
悩みつつ、バイクでキャンプサイトに近づくと…おっ、焚き火!? 炊事場に男女二名発見っ!!
少し離れた平地にテントも張ってある!
バイクを二台屋根の下に留めて、一斗缶で焚き火を炊き、手を振って僕を手招きしているようだ。
「ひどい雨ですね~」と、とりあえず挨拶をぶつけてみると、
「うわ~、人が来た~、嬉しぃ~♪」
「今日は二人だけかと諦めてたんだよ、ここに泊まるんだよね?」
仲間がイタ━━━(T∀T)━━━!!!!!
岩手からバイクでお越しのウメネコさん夫妻。(←名前聞きそびれたので、掲示板に書き込んでいただいた時のHNです)
カワサキ党で、バイクは確かゼファーとZRX1200Rだったかな?
月曜休みの仕事で、こうして二人でテント泊するのが趣味とのこと。
見知らぬ土地の雨の夜には心強すぎる味方である。
二人でいるとこを邪魔したのではないかと恐縮すると、笑って否定してくれた。
「寒かったら遠慮なく焚き火に当たってね」
「管理人さん帰っちゃったから、好きなとこにテント張っていいんじゃない?」
「国道を渡って、次の交差点を左に行くとスーパーがあって、お酒も何でも置いてあるよ」
「オフ車乗りはキャンプ場に来るの遅めなんだよねーw」
あぁ…焚き火以上に人の温もりが身にしみる…。
テントを設営して、とりあえず買出しと温泉に。
「のんびり温まってきてね~(^^」
「はーい(*´∀`)」
温泉はスーパーのすぐ隣にあった紫雲閣
高級そうな温泉宿で、日帰り湯の料金などどこにも掲載されてなかった。
雨でグショ濡れだが、林道で泥まみれよりはましだろう、と気後れしながらエントランスホールに。
だめもとでフロントに聞いてみたら、入浴のみなら400円で、とのこと。ラッキー♪
檜風呂でのんびり温まった。極楽極楽。
焼きそばを食べたばかりで満腹なので、スーパーでの買出しは控えめに。
ビールとジュース、つまみはミニトマトにチーズ。(←って食うのか…)
雨の中、真っ暗な山道をヘッドライトの明かりだけを頼りにキャンプサイトへ戻った。
「おかえり~♪」
「こっちは食事済ませちゃったけど気にしないでやってね(^^」
三人で焚き火を囲んで、ビールをちびちびやりながら取りとめもない談笑。
福田パンやババヘラなど、B級ならぬC級グルメの話題で盛り上がった。
また、東北の温泉や地元岩手の北上方面のスポットなどの情報も得られた。
そして北海道の話。いつかは行かねば。。
「明日は鳥海山かー」
「晴れるといいねー」
夜通し話もしたかったが、明日のこともある。
後ろ髪引かれる思いで先に寝させていただいた。
テントのフライシートに雨粒が落ちる音に包まれながら寝袋に潜り込んで目を閉じる。
「東北の人たちは暖かいなぁ…」
若干、胃もたれ気味の状況でそんなことをつぶやきつつ、北東北最後の夜は更けていったのである…。

みちのくひとり旅

さて、北東北ツーリングの三日目。
6:00に起床。6:30、サービスの和風バイキングで朝食。
納豆・卵ご飯が嬉しい。 ちゃっちゃと着替えてチェックアウト。
7:00、出発。弘前の町を抜け、R102を十和田湖方面に進んだ。
雨は降っていなかったが、とにかく寒い。10度以下は確実だ。
山間部に入る手前で給油。山中に入ると気温はさらに下がり、霧も出始めた。
1時間ほど走ったあたりにあった駐車スペースで早くも休憩。寒いのでトイレが近くなる。
こちらの公衆トイレは入り口にドアの付いているところが多い。
寒風や雪を防ぐためなのだろう。
そういえば、自動車用の信号機も縦長のものばかりだ。雪の重さを減らすために違いない。
旅に出ると妙なところで感心してしまって面白い。

ここの公衆トイレは個室に暖房までありました

ここの公衆トイレは個室に暖房までありました

ガードレールも積雪で湾曲(秋田にて)

ガードレールも積雪で湾曲(秋田にて)

ついでに信号機の違い

関東     東北    
 ____________
||(○○○)
||
||

   ___
    ||○
    ||○
    ||○
    ||

8:00過ぎ。十和田湖まで到着したが、霧で景観はさっぱり。おまけに小雨まで降り出す始末。
途中、外気温が表示されていたが、なんと5.3℃!? もう5月も下旬だというのに寒いわけだ…。
湖畔の南側をぐるりと半時計回りに巡ったが、寒くて暗くてどうにも陰気。
静寂そのものの山上湖はなんとなく不気味だった。

十和田湖 南岸の展望台から中山半島を望む

十和田湖 南岸の展望台から中山半島を望む

こちらは御倉半島 雨雲が垂れ込めてます

こちらは御倉半島 雨雲が垂れ込めてます

子ノ口で十和田湖の東岸を離れ、R102沿いに流れる奥入瀬渓流を八甲田方面に北上。小雨は止んだが霧は相変わらず。
この区間は道路の脇を路面とほぼ同じ高さで美しい渓流が流れている、かなりお勧めのルートだ。
家族旅行の観光客もさすがに多い。僕も途中でバイクを留めて、しばし渓流美を堪能した。

奥入瀬川 十和田湖から太平洋へと流れ出ます

奥入瀬川 十和田湖から太平洋へと流れ出ます

溢れる水が五感全体を通して癒してくれる

溢れる水が五感全体を通して癒してくれる

奥入瀬川の本流を離れ、八甲田の山麓をうねうねと登り始めたら、ますます霧が濃くなってきた。
雨より霧が嫌なのはヘルメットのシールドの内側にまで水滴が付いてしまうこと。
時々停車してヘルメットを脱ぎ、内側を拭いながらノロノロ進んだ。
谷内湿原で右折してR394、さらに進んで左折、県道40号線へ。
道案内の標識も濃霧に遮られているため交差点の間近まで行かないと分岐が分からない。
本当なら北八甲田の山々の景観を楽しめるのだろうが、数十m先までしか見えない状況じゃ、楽しくもなんともない。

八甲田 濃霧に遮られて何も見えません

八甲田 濃霧に遮られて何も見えません

田代平湿原 霧というより雲の中ですね

田代平湿原 霧というより雲の中ですね

さて、八甲田山と言えば雪中行軍による遭難の悲劇が有名だ。
新田次郎原作の小説が映画化もされた。
その映画「八甲田山」で使われた軍歌「雪の進軍」そのままに、濃霧でどれが河やら道さえ知れずって状況である。
とりあえず、遭難の記念碑や銅像がある場所へ向かった。
10:30到着。寒い寒い。銅像まで歩いて見学。少し体がほぐれた。

銅像茶屋 って直球ストレートな名前!

銅像茶屋 って直球ストレートな名前!

歩兵第五連隊 後藤伍長銅像

歩兵第五連隊 後藤伍長銅像

さて。
八甲田の次は下北半島方面に向かうつもりだったが、ルートとして想定していた県道242号線が冬季閉鎖されていた。
未舗装路で楽しみにしていたのだが、残雪や霧が怖いのでここは素直に諦めて国道を使うことに。
っと、その前に体を暖めるため、また温泉に。県道の入り口にあった八甲田温泉・遊仙に立ち寄った。
500円払って入浴。硫黄臭が体によさげな雰囲気を醸す。
露天風呂がかなりぬるかったのは気温のせいだろうか。
風呂からあがって、ついでに昼食。
たのんだメニューは味噌カレーラーメン、700円。
温まりそうな名前で選んでしまった。
ゆですぎの麺をハフハフ食べて休憩終了。11:40出発。

八甲田温泉・遊仙 ひなびた秘湯って感じです

八甲田温泉・遊仙 ひなびた秘湯って感じです

県道242 5/24まで冬季閉鎖って…明後日じゃん!

県道242 5/24まで冬季閉鎖って…明後日じゃん!

R394に戻って七戸へ出て、R4に合流。
少し北の野辺地で分岐するR279をむつ方面に。
いよいよ下北半島だ。陸奥湾の海岸沿いをひたすら北上。
80km以上でほぼ直線の道をひたすら、ひたすら…。
下北半島はやはりでかい…。走ってるうちにまた体が冷えて来た。
菜の花畑の中にあった道の駅・よこはまで小休止。13:45。
名物のホタテを使ったホタテ汁300円でまた体を温めた。(←どうやら暖を取るってのが食べる言い訳らしい)

道の駅・よこはま 菜の花プラザ

道の駅・よこはま 菜の花プラザ

ホタテ汁 ちょっとだけHP回復

ホタテ汁 ちょっとだけHP回復

14:30、むつ市に到着。そのまま市街地を抜け恐山方面に県道を進む。
市街から4kmほど走ったところで小さな橋の脇の未舗装路を右折。
恐山の山麓を渓流沿いに走るドアノ沢林道という林道である。
雨上がりでたくさんある水溜りをなるべく避けながらも、セローを泥だらけにして進んだ。
途中から沢の脇(それがドアノ沢だろうか)を登り勾配で進み、30分強で恐山の外輪山を走る県道に出た。

ドアノ沢林道 入り口

ドアノ沢林道 入り口

出口でお地蔵さんがお出迎え…さすが恐山…

出口でお地蔵さんがお出迎え…さすが恐山…

そのまま県道を恐山の中心にあるカルデラ湖・宇曽利山湖方面に進んだ。
下りのワインディングを抜け視界が開けると、そこはもう黄泉の入り口。。
湖の波打ち際では硫黄臭の噴煙がもくもくと立ち昇り、三途の川の袂にあるお地蔵さんの前にはうずたかく石が詰まれ、風車が回っている。
霧も垂れ込めていて、この地を訪れるには絶好のコンディションだった。ここだけに限るが…。

三途の川 盛り上がってまいりました

三途の川 盛り上がってまいりました

宇曽利山湖 硫黄臭と噴煙とカラス…

宇曽利山湖 硫黄臭と噴煙とカラス…

湖畔を少し進んで恐山菩提寺に到着。15:30。
慈覚大師開山の古刹なのだが、もはや地獄をモチーフにしたテーマパークといった感じ。
観光客がちらほらいたが、さすがに寒い日なので名物の「霊場アイス恐山盛り」は売ってなかった。
入山料500円を払うのをケチり、山門前で雰囲気だけ味わった。

恐山菩提寺 平日で観光客はまばら

恐山菩提寺 平日で観光客はまばら

山門左手の風景 荒涼として不気味です

山門左手の風景 荒涼として不気味です

三途の川=正津川まで戻って左折し、川沿いを進む。
宇曽利山湖に源を発し津軽海峡に流れ出る正津川。
山上湖から海へ注ぐという点では奥入瀬川と同じなのだが、どうもその違いは大きい。
河岸の岩は黄色く滲み、煙がそこかしこから沸いていた。
しばらく進んで分岐を右折し正津川林道へ。
水溜りや渓谷美よりも林道脇の地蔵が気になった…。

正津川 癒されません…

正津川 癒されません…

正津川林道

正津川林道

いきなり林道に地蔵があるとびびります

大畑でR279に合流。右手に津軽海峡を見ながら北上。
いよいよ本州最北端が近づいてきた。台風の影響も残って海はやや荒れ模様だ。
そして16:30、本州最北端の大間崎へ到着。カモメがうじゃうじゃ飛んでいる。
最南端の潮岬とあわせての達成感は大きい。
日本の端々を目指すバイク乗りが増えるのがよく分かる気がする…。

本州最北端 大間崎

本州最北端 大間崎

津軽海峡 この向こうに北海道が…

津軽海峡 この向こうに北海道が…

最北端の碑の目の前には土産売りの店が沢山出ていた。
大間はマグロの一本釣りで有名な町で、マグロを中心にした海産物が多い。
一軒の店から演歌が聞こえてきた。旅情あふれるいい演出だ。
北のはずれには演歌が似合う。
さて、今夜の宿だが、このすぐそばにテントサイトがあるとの情報を事前に仕入れていた。
情報通り、案内の小さな看板にしたがって進むと、土産店の裏手に民家に囲まれた芝生の広場があった。
「えっ? ここ…?」
誰もいない。。
立派な炊事場の施設やトイレがあるが、あまりに民家が近くて仕切りもないので躊躇してしまった。
バイクの脇で地図と見比べながら悩んでいると、広場の脇でイカのぽんぽん焼きを売ってたおばちゃんが声をかけてきた。
「そこ自由に使っていいんだよ」(下北弁趣意)
「え、テント張っていいんですか?」
「うんうん、あっちの炊事場も使っていいから。100円入れればガスも使えるし」
ありがたや。
早速、こないだ新たに購入したテント・ムーンライト3を設営開始。
荷物を中に入れて、買出しに。まずはさっき声をかけてくれたおばちゃんの店へ。
タコの足を買ったら、ぽんぽん焼きもおまけしてくれた。かえって申し訳ないが、ありがたくいただく。
これと昨日スーパーで買った品々で今日の夕飯はOK。
次いで、一軒の土産屋に。適当にみつくろって、東京までの宅急便を手配。
テントサイトに戻り、炊事場で米を水に浸して準備万端。ついでに電子機器も充電。
タオルと手荷物だけ持って、近所の温泉に向かった。
向かった先は大間温泉・海峡保養センター
入りたいと思ったらすぐに温泉が見つかるのが東北のいいところだ。
道に迷いつつも数km走って到着。入浴料は370円。いろんなお風呂があって楽しめた。
夜食に甘いものが欲しくなるかも、と思い、南部せんべいの林檎チップスが入ったやつを購入。
(あまり甘くはなかったが、素朴な味で美味しかった)

大間崎テントサイト 民家の真っ只中

大間崎テントサイト 民家の真っ只中

大間温泉・海峡保養センター

大間温泉・海峡保養センター

風呂上りに、温泉の駐車場で、佐賀ナンバーのドライバーに声をかけられた。
あちこち転勤してる人で本当は新潟から今日来たらしい。
バイクも好きでオフ車(車種失念)に乗ってるそうだ。バイクの話題で盛り上がる。
しばし歓談してから、テントに戻った。
早速、タコの足を暖めなおして晩酌開始。ビールが美味い。イカのポンポン焼きも美味い。
炊事場にはテーブルとイスも用意されている。
全面ガラス張りで扉もあるので、外の様子を見ながら風を避けて食事が出来る。
まことに至れり尽くせりだ。遠くからたくさんの人に来てもらいたい一心で、こういう施設を作ったのだろうなぁ。
北海道行きのフェリーが出ているせいもあるのかもしれない。
飲みながらご飯も炊いた。しばらく蒸らしてから昨日買ったねぶた漬をガーッと豪快に乗せる。
即席ねぶた漬丼。竹のレンゲで数の子・昆布・大根をネバネバ・グチョグチョにかき混ぜて、胃の中にワシワシかっこんだ。ウメー。

のしたタコの足をブツ切りにして炙ったツマミ

のしたタコの足をブツ切りにして炙ったツマミ

ねぶた漬丼 (゚Д゚)ウマー

ねぶた漬丼 (゚Д゚)ウマー

食事の準備中に一人の男性が炊事場に入ってきた。
子供を連れて、津軽の方からやってきたそうだ。
今夜はここで車中泊するとのこと。
「ここ使ってもいいんですか?」
「いいみたいですよ、どうぞどうぞ」(←さっきまで躊躇してたくせに)
ってな感じで、 こちらが食事をちょうど終えた頃に、お子さん二人を連れてやってきた。
しばしビールを飲みながら歓談。一人さびしい夜がまぎれた。
子供たちに林檎せんべいをあげたが、あまり喜ばれていなかったような…。
それでもきゃっきゃ騒いでいるのを見るのは楽しい。(←子ども好き)
意外にいろんな人と話す機会の多い、みちのくひとり旅である。
夜も更けて、もろもろ片付けてテントに戻り就寝。
案の定、近所の車や人の往来が多くて、ちょっと安眠しにくかった。
それでもひさびさのテント泊。ようやくいつもの旅の感覚を取り戻す。
それにしても広いテントってば、下手なカプセルホテルよりも快適なんだなぁ、これが。

雨ニモマケズ風ニモマケズ

「盛岡市内の映像です。未明から降り始めた雨は徐々にその雨脚を増してます。
気象庁によりますと、太平洋上を時速30kmの速さで北東に進んでいる台風2号は、
今日の午後に関東に最接近したあと勢力を弱めながら東の海上へ抜けていくものと見られます。
東北地方では今夜から明日の朝にかけて、山間部や太平洋側を中心に強い雨と風が予想されます。
また、三陸沖の海上は大時化となります。船舶の運航には十分注意してください。
現在、各地の注意報・警報は…」
起き抜けにNHKニュースを見て、太平洋方面へ進むことは完全に諦めた。
日本海側は午後から晴れマークがちらほらある。
( ̄ヘ ̄)ウーン…秋田方面に抜けるとするか。
秋田は後回しにする予定だったが、台風じゃしゃーない。
福田パンを一つ食べて着替えてチェックアウト。
土砂降りの雨の中、ヘルメットをかぶり荷物を両手に持って駐輪場へ。
かなり寒い。雨具・フリースで完全武装して午前8:00出発。
盛岡市外を抜け、R46を西走。
雨がかなり強いが、地元の4輪はこともなくハイスピードで疾駆してゆく。
ヘルメットのシールドを左手で拭い続けながら、ゆわkmで走るのは辛い。。
雫石を過ぎると道は登り傾斜に。
岩手と秋田の県境、奥羽山脈の懐へと分け入っていく。
奥深い山中に進むにつれて、どんどん気温は低下。
仙岩トンネルを抜け秋田県内に入ると確かに雨脚は弱まってきたが、代わりに強風が加わった。
田沢湖を見たいと思っていたのだが、雨風で体が冷え切って景観を楽しむどころじゃない。
途中で給油して、とにかく雨のない地域まで進むことに専念した。
角館を過ぎた辺りでようやく雨が止んだが、風は相変わらず強い。
とにかく、このままじゃ風邪をひく。そんな予感がビシバシ来てた。こういう時は温泉に限る。
看板に気を付けながら進むと、すぐに温泉を発見。角館郊外にある立ち寄り湯・花葉館だった。
びしょ濡れの雨具をバイクの上に広げ、タオル一枚と手荷物だけ持って館内へ。
あまりに悲惨な状態の靴下は、下足と一緒に入り口で脱いで靴の中へ丸めてポイ。
入浴料400円を支払うのももどかしく、服を脱いで浴場へ。ざっと体を流してから湯船へざぶん。
ε-(ー∀ー;)ハァー
いつもカラスの行水なのだが、じっくりと長湯…。
地元の人と二言、三言会話しながら体の芯まで温まった。
それにしてもここのお風呂、湯加減が最高である。お湯に入ってる感覚がない空気のような湯加減。
成分などにこだわりはないので温泉ならどこでも、と思ってたが、こりゃええわ。
お湯から上がり、300円払って大広間へ。
残ってた福田パンを食べてから、しばし横になってさらに体力回復。
11:00、HP・MP満タンの状態で出発。

花葉館 ほんとに湯加減が絶妙でした

花葉館 ほんとに湯加減が絶妙でした

まだ朝なのにクタクタでした

まだ朝なのにクタクタでした

R46をしばらく進み、R13を右折して秋田市方面へ向かうと、さすがに交通量も多くなってきた。
車列に混じってのんびり進む。やがて日本海岸を新潟から青森まで貫くR7と秋田市内で合流。
市街地を抜けるとまたハイペースになった。
しばらく北上して、適当なとこで右折。海岸沿いを男鹿半島方面に向かう。
左手に見えてきたのは日本海だ。風が強いが波はそれほどでもない。
曇り空だがかすかに日の光が感じられるのが嬉しい。
っと、男鹿の町でバイク屋(自転車がメインぽい)を発見。
オイルをそろそろ交換したかったのでお願いした。
オイル交換中に会話したところ、今日はこの辺りのお祭りですぐそこに縁日が出てるとのこと。
代金1500円を支払ってから、ちょっとだけ覗きに行ってみた。
見知らぬ町の小さな縁日って、風情があって実に好ましい。

雰囲気を壊さないように遠くから見ただけですがw

雰囲気を壊さないように遠くから見ただけですがw

さて、男鹿半島巡りの続き。
平坦な海岸をしばらく進むと、だんだん急勾配に。
大きなナマハゲの像の脇を過ぎると、そこからは高所を抜けるワインディング路だった。
男鹿半島はナマハゲ・はたはた・西岸の断崖絶壁で有名なのだ。
崖崩れだろう、あちこちで工事中の片側通行の規制が行われていた。

男鹿半島 ハタハタは今回食べられなかった

男鹿半島 ハタハタは今回食べられなかった

断崖の彼方に丸みを帯びた水平線

断崖の彼方に丸みを帯びた水平線

うねうねと海岸線をどのくらい走ったろう。
男鹿半島の北端・入道崎まで回ってたら時間がかかりすぎる。
西岸をほぼ走り終えたとこで海岸から外れて東へ向うことにした。
比較的平坦な道をスイスイ進み、半島の付け根を過ぎると八郎潟は目の前だ。
14:30。水路を渡ると、どこまでも真っ直ぐな道が伸びていた。
交通速度が尋常じゃないので、脇道との出入りも気を使う。
街路樹のない農道を少し進むと、見渡す限りの水田が広がっていた。
遮るものがないからだろうか、かなり風が強い。
さすが、かつて日本第二の広さを誇った湖を干拓しただけあって広い広い。
八郎潟の由来、八郎太郎の伝説はスケールの大きな神話で、実に興味深いものだ。
このレポートを書いている最中に調べてみたら、十和田湖・田沢湖とも密接に関連してるようだ。
詳しくはこちら。ジブリで映画化とかされないかなぁ…。

八郎潟 八郎太郎の伝説が残る

八郎潟 八郎太郎の伝説が残る

平坦です…とにかく平坦です…

平坦です…とにかく平坦です…

八郎潟を北上して走り抜けたところで、スーパーで買出し。
雨がどうなるかわからないが、一応、今夜はキャンプの予定だ。
買い物を終えて海岸線をさらに北上。右手には白神山地が迫ってきた。
能代のあたりから風がさらに強烈になってきた。
寒いのは勿論、あやうく転びそうになるほど横風が酷い。
道路は直線なのにカーブを曲がっているかのようにバイクを傾けながら走らねばならなかった。
16:00少し前、能代市街を抜けたあたりにあった道の駅・みねはまで休憩。
駐車場へ駆け込んで来た4輪の運転手も口々に「風強すぎ」と愚痴っていた。
さて、福田パン以来、何も口にしてなかったのでお腹がペコペコだ。
この辺りの名物「石川そば」を食して温まった。

素朴な平麺の田舎そばで美味かった~

素朴な平麺の田舎そばで美味かった~

道の駅・みねはまポンポコ101

道の駅・みねはまポンポコ101

渋谷101とは多分無関係

青森との県境が近づき、山が右手に迫るに連れ、風も遮られて弱まってきた。
白神山地が海に落ち込んでいる難所を越えて、いよいよ青森県内へ。
そこから18kmほど進んで、16:40、世界遺産・白神山地を横断する白神ラインの入り口に到着した。
44kmの未舗装部分を含む山道だ。日が暮れる前には絶対に走り終えたいので急いで進んだ。

白神ライン入り口

白神ライン入り口

冷気漂うブナの原生林。その中を流れる渓流に沿った舗装路をしばらく進む。
やがて道は渓流を離れ登り勾配に。ワインディングを繰り返しながら徐々に高度を上げていく。
道はいつしか未舗装路になったが、自動車が普通に通ってる道なので走りやすい。
走り始めて10分くらいの間に自動車3、4台とすれ違ったが、さすがに夕暮れが近いのでそれきり誰とも会わなかった。
世界遺産に指定されて以来、交通量も増えたのだろう。舗装化が急ピッチで進められているようだ。
個人的には未舗装のまま残して欲しいのだが、土建国家相手には無理な話か…。
高度が上がるにつれ、道の両脇に残雪が目立ち始めた。
路面はきれいに除雪されているのだが、なんとも寒々しい…というか寒い。かなり寒い。
峠を上りきったところで白神岳の展望台があった。
名前の通り、白き神々の宿る峰といった趣き。近寄りがたい神々しさを感じる…。

左手前は白神山地の最高峰・向白神岳

左手前は白神山地の最高峰・向白神岳

白神ライン 標高の高いとこは残雪多し

白神ライン 標高の高いとこは残雪多し

いくつかの峠を越え、徐々にペースも上がってきた。
雪解け水が勢いよく流れ落ちる滝や、林間を流れるせせらぎが目を楽しませてくれる。

ブナの貯水量の役割は非情に大きいのです

ブナの貯水量の役割は非情に大きいのです

滝です 冷たいです

滝です 冷たいです

あー、のんびり釣りしたい…

あー、のんびり釣りしたい…

要所要所、案内があるので迷うことはないでしょう

要所要所、案内があるので迷うことはないでしょう

1時間半ほどで、無事完走。
出口にはキャンプ場があったが、ちょっと高めなので弘前に近い岩木山のふもとの無料キャンプ場までいくことに。
ギリギリ日暮れまでには間に合うだろう。
…と思ったのだが、ちょっと途中で道を間違えてしまった。。。
キャンプ場にようやく着いた頃には完全に夜。
そのうえ、さすがに誰もいない…( ̄へ ̄|||) ウーム
携帯電話で天気予報を確認したら、今夜も雨の確率が高いらしい。
ちょっと悩んで、結局 、弘前で今夜もカプセルホテルに泊まることにした。
岩木山を後にして弘前の町へ向かった。

夕暮れに撮影した岩木山 別名・津軽富士

夕暮れに撮影した岩木山 別名・津軽富士

20:00くらいにチェックインしただろうか。
着替えて荷物整理して風呂入って、ビールと焼きそばの軽い晩酌で夕食を済ませた。
明日は早く起きる予定なので、早々に就寝。
それにしてもカプセルホテルを泊まり歩いてると、絵本の出版社で営業をやってた頃を思い出すなぁ。
宮沢賢治の「雨ニモマケズ風ニモマケズ」を地でいってる気がしたが、
「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ」のフレーズはちょっと自分と違うかも。ちょっとだけね。

北北東に進路を取れ

GWのすぐ後に代休を取る予定だったのが、怪我でわざわざ延期してもらった。
で、北東北へのツーリングを計画し、ようやく訪れた5連休。
大型で非常に強い台風2号が接近中ですか、そうですか。。
出発を延ばそうか、目的地を変えようか、直前まで散々悩んだが行くことにした。
荷物を積んで、午前10:00出発。すぐ近所で給油。
練馬の大泉から外環自動車道に乗り、川口から東北自動車道へ。
後はひたすら北上するのみ。目指すは岩手の県庁所在地・盛岡。
川口から約500km…。まぁ休み休み行こう。
12:00に宇都宮を通り過ぎ、上白河SAで昼食。
宇都宮名物の餃子が入った水餃子ラーメン550円。
関東平野を抜けた辺りから、気温もだいぶ下がってきた。
那須高原SAでフリースとレインスーツをを引っ張り出して着用。ついでに給油。
福島県内に入る辺りから雨がところどころで降り始めた。
安達太良SAにてまた休憩。名物のずんだ団子100円を食す。
今回はいつにも増して名物を食い倒すつもりなのだ。

甘いもので体温を…って思って食べたずんだ団子

甘いもので体温を…って思って食べたずんだ団子

安達太良SA 雨がしとしと

安達太良SA 雨がしとしと

14:00、福島。15:30、仙台。あと180km…。
岩手県内に入り、一関を過ぎ前沢SAでトイレ休憩。
この辺りまで来ると雨はもうやんでいた。というか、まだ降ってないというべきか。
休憩毎に携帯電話やシグマリオンで天気図を確認して進んだ。
都道府県で北海道に次ぐ面積を誇る岩手県は、さすがに広い。
紫波SAで最後の休憩を取って、17:30、盛岡に到着~。
今夜は台風が怖いので、キャンプは無し。
そのまま駅前のカプセルホテルへチェックイン。
近所の駐輪場を紹介してもらってバイクを休ませ、ひと段落。
事前にネットで情報を仕入れておいた店へ夕食を食べに行った。

焼肉と冷麺の名店・三千里 盛岡大通店

焼肉と冷麺の名店・三千里 盛岡大通店

ビールと肉の晩酌セット 1,500円

ビールと肉の晩酌セット 1,500円

黒和牛の肉がめちゃくちゃ美味い。
ビールをおかわりして、シメは勿論、盛岡冷麺!!

盛岡冷麺 (゚Д゚)ウマー

盛岡冷麺 (゚Д゚)ウマー

情報によると、冷麺のおいしい店は「辛み別」で注文するのがよいそうだ。
いい出汁を楽しむためにも、辛さは自分の好みで調節するのがいいらしい。
東京で普段食べる冷麺よりも甘めのスープに、シコシコの麺。
噛み切れないのが心配だったが、短めに切ってあるのでツルツルと飲み込める。
食べ終わったらデザートにアイスキャンディをサービスしてくれて満足、満足。
で、食べ終わったばかりなのだが、そのままコンビニへ直行。
目当ては明日の朝食用のパンなのだが…あったあった、二件目のローソンで発見!
盛岡の隠れた名物、福田パンである!!

福田パン ついでに小岩井牛乳も

福田パン ついでに小岩井牛乳も

GWの同窓会で、大学時代に盛岡に住んでいた女性からこの福田パンの存在を教えてもらった。
盛岡市民なら誰でも知ってるパンらしい。
東北大学に出入りしていたパン業者(福田パンね)が学生の要望に応じて、
「これひとつ食べればお腹一杯♪」ってコンセプトで開発した大きなコッペパン。
本店に行けば好きな具を注文して間に挟んでくれるらしい。
また、盛岡市内のスーパー・コンビニにはあんバターをはじめとする定番が置いてある。
そんな話を聞いてぜひ食べてみたくなったのだ。
購入したのはあんバターとジャムバター。
翌朝食べたが、確かにひとつで十分だわ。でかいでかい。
さてと。ホテルに戻って狭いカプセルの中で横になりテレビの天気予報をチェック。
「今夜半から強い雨、明日は太平洋側を中心に大荒れの天気となるでしょう」
…とりあえず風呂入って寝ることに。明日は明日の風が吹くさ。

富士山麓にオレも泣く

今年のゴールデンウィーク。
帰省するつもりはなかったのだが 、5/2の日曜日に地元の静岡で同窓会が企画されてしまった。
翌日は東京で仕事というかなり慌しい日程ではあるが旧友は大事にせねば。んで帰省。
せっかく静岡方面に向かうのだから、4月27日に冬季閉鎖が解除されたばかりの富士スカイラインに寄ることにした。
大連休の渋滞を避けるため、まだ真っ暗な午前4:00に出発。
荷物は工具と防寒用のフリースのみ。環七からいつもの通りR246へ。
午前5:00過ぎ、厚木へ到着。
いつもはこのままR246沿いに松田・足柄を経て御殿場まで抜けるのだが今回は敢えて別ルートを行くことにした。
渋滞回避が理由その1。いつも同じ道で飽きたってのが理由その2。
んなわけで小田原厚木道路の脇を走るR271に沿って平塚へ。
そのまま県道62・77・78号とR246の裏道を進んだ。
基幹道路のR246に比べれば勿論復員は狭いが交通量は圧倒的に少ない。
相模平野を抜け金目川沿いを走り、酒匂川に架かる足柄大橋を超えて、やがて金時山を登る峠道に。
午前6:15、足柄峠に到着。

足柄峠 関所跡かな?

足柄峠  関所跡かな?

山伏がちょっと痛い

山伏がちょっと痛い

静岡県に入ると道は下り勾配に。
「金太郎富士見ライン」と名づけられているだけあって、真正面に美しい富士山が見える。
いつものR246では富士山を見ようとすると、どうしても脇見運転になってしまうのだが、このコースならかなり満足。
小癪なまでのシンメトリー(対称形)を誇る富嶽の雄姿が心行くまで堪能できた。

今日一日お付き合いいただきます富士さんです

今日一日お付き合いいただきます富士さんです

しばらく進むと「誓いの丘」とやらの看板が。
何だろ?

「誓いの丘」には「誓いの鐘」が設置されてます

「誓いの丘」には「誓いの鐘」が設置されてます

あー、これも痛いですねぇ…

あー、これも痛いですねぇ…

なんだかなぁ…。
もっと、こう、純和風な借景庭園とか作っちゃえばいいのになぁ。
とりあえず僕は何も誓わず、鐘も鳴らさず素通り。
何かしら誓いたい事ある人は行ってみるのもいいかも。
そのまま進んで午前6:40、御殿場の手前でR246へ合流した。
国道沿いにあったセルフのGSで給油したついでに、フリースをジャケットの下に着た。
この辺りの気温は多少涼しいという程度だが、これから向かうのは富士山の新五合目。
寒さ対策を念入りに行い、コンビニでちょっと食べ物を仕入れて出発。
富士スカイラインを目指し、県道23号線を一路西へ。
なだらかな富士の裾野を、それでも確実に標高をあげつつ真っ直ぐ進む。
富士山は前方やや右寄りにデ~ンっと聳えたまま泰然自若としている。
やがて道は自衛隊の東富士演習場の敷地内へ。
舗装路の両側は林に覆われ、ところどころ車両出入り口が開放されている。
大島の裏砂漠のような火山灰の路面だろうか。
とても走りやすそうな未舗装路が奥へ奥へと続いていた。

美味しそうなダート…

美味しそうなダート…

でも侵入するなら命懸け…

でも侵入するなら命懸け…

どんどん近づく富士山を眺めながら、気持ちよ~く走り続けて午前7:25。
富士山新五合目へ向かう分岐に到着。
かつては有料道路だった富士スカイラインだが、今は静かな無人ゲートのみ。

タダです! お得です!!

タダです! お得です!!

さぁ、ここからは新五合目まで、きつい勾配とRからなるワインディングを一気に駆け上がる。
冷たい風を切り裂きながらウネウネとひたすら富士山麓を登り続ける。
GPSに表示されている標高の数値も、スーパーサイヤ人の戦闘力をスカウターで眺めるような勢いでぐんぐん上昇。
ついつい盛り上がって気が急いてしまったのがいけなかった…。
それは三合目付近のヘアピンカーブでの出来事。
結構スピードを出した状態でカーブに侵入。(今、GPSで確認したら直線で60km/hくらい出してたみたい…)
かなりバイクを寝かせていたのだが、思った以上にカーブがきつく曲がりきれそうにない。
あせって、ついリアブレーキでスピードを下げながら、さらにバイクを寝かせてしまった。
(※ 教習所では「曲がってる最中のブレーキは厳禁」と口酸っぱく教わります)



左側を下にしてバイクは失速しステップが路面に接触して転倒。
僕はアスファルトに投げ出されて(o_д_)ゴロン(_Д_o)ゴロン(o_д_)ゴロン(_Д_o)ゴロン
バイクはステップとハンドルとタンデムバーを支点に、対向車線上を横に半回転してカーブ外側の路肩手前でストップ。
数秒間、アスファルトの冷たさをジャケット越しに感じながら茫然自失。
やべぇ…やっちゃった…と思いつつ、とりあえず生きてるってことを認識。
とにかく車両が来る前にバイクを起こして車線からどかさねば。
そう思って立ち上がった瞬間、左足首に激痛。
倒れた瞬間、バイクの下で変な具合に捻ってしまったのだ。
「骨までやられてなきゃいいが…」と、びっこを引きながら全力を振り絞り、何とかバイクを起こしてガードレールに寄せた。
キャブからあふれたガソリンが倒れていた場所に漏れていたが、まぁそれはすぐに乾くだろう。
一応の安全を確保したところでバイクの横に腰掛けて呼吸が落ち着くのを待ちつつ全身のダメージチェック。
ヘルメットを脱ぐと、今頃になって眩暈と吐き気が襲ってきた。確か頭は打たなかったはずだ。
勢い良く回転したために三半規管内のリンパ液が一方向にジャブジャブ流れているのだろう。
目の前を何台かの車が通過して行くのをぼうっと眺めているうちに、眩暈はどうやら治まった。
結局、痛みがひどいのは左足首と、ハンドルが引っかかって傷めた右手拇指の付け根間接、その二箇所だった。
あとは膝や肘などが軽い打撲や擦り傷程度。
対向車や後続車がいたら死んでいてもおかしくない事故だったが、幸いにも比較的軽症で済んだ。
バイクの方は左ステップが曲がったままだったがタイヤレバーを梃子にして修復。
左のハンドル周りも路面に接触して角度が変わっていただけだったのでそれも問題なし。
何度かセルを回して、エンジンも無事にかかった。

ゴア製ジャケットがズタボロ…いろんな意味で痛い…

ゴア製ジャケットがズタボロ…いろんな意味で痛い…

問題は左足。たぶん捻挫だろうけど、程度がひどそうだ。
左足はシフトチェンジで頻繁に使うし、バイクにまたがる時もサイドスタンドの位置関係でどうしても軸足になってしまう。
いつもガムテープを携行してるのだが、今日はたまたま忘れてしまったのでテーピングで間接固定の応急処置もできない。
通りがかった人に頼んで救急車を呼んでもらうことも考えたが、とりあえず自走可能か試してみることに。
痛みを我慢しながら慎重にバイクに乗って発進。せっかくここまで来たのだから、一応、新五合目を目指してみた。
左足首を動かすと痛いので、シフトアップは足首を動かさないように気をつけながら腿上げの要領でシフトペダルを蹴り上げた。
クラッチを握ってから一呼吸掛かるので、当然これまでのような加速は出来ないが、何とか走ることはできるようだ。
ただ蹴り上げる勢いが弱いため、気をつけないと一速から二速にあげる時にNに入ってしまうこともしばしば。
後続車が追いついたらすぐに左ウインカーを出して追い越させるようにしてのろのろ進むこと20分。
午前8:00。富士山新五合目駐車場に到着した。
見上げれば見慣れた姿とは似ても似つかぬ富士山がそこにあった。
いつも見ている末広がりの穏やかさとは違う、近寄りがたい高貴さと活火山の荒々しさを感じる。

富士山頂がすぐそこに!

富士山頂がすぐそこに!

朝早いのに登山客・山スキー客が沢山おりました

朝早いのに登山客・山スキー客が沢山おりました

写真を撮るためにバイクを降りて10m程度歩いたが予想以上に辛かった。
左足を一歩踏み出す毎に奥歯で痛みを噛み締めながら「いたたたた」とつぶやく。
運転が負担になるならバイクを置いて実家か東京に戻ることも思案していたのだが、
公共の交通機関を歩きながら使うよりもバイクを運転している方が全然楽だということを痛感。
今日一日の移動手段はバイクに決定。
そうと決まれば、周囲の散策などできるはずもないので早々に下山。
富士スカイライン本線に戻って富士宮方面に進んだ。

新五合目駐車場より愛鷹山を望む

新五合目駐車場より愛鷹山を望む

西臼塚PA 散り際の桜と富士山のコントラストが美しい

西臼塚PA 散り際の桜と富士山のコントラストが美しい

さて、予定ではここから林道探索なのだが、足がこの状態だしどうしよう…と迷ってるうちに、8:30、林道への分岐に到着。
まぁフラットな道なら速度出さなければ大丈夫だろう、と行けるとこまで行ってみる事に。

東からなら天照教入口の石柱が目印

東からなら天照教入口の石柱が目印

西からなら林道富士山麓線の道標が目印

西からなら林道富士山麓線の道標が目印

富士山の南麓を天照教から十里木高原に掛けて東南方向に走る広域基幹林道・富士山麓線。
この道自体は舗装された快走路なのだが、途中あちこちに未舗装の分岐があり、南方に小規模な林道が網の目のように伸びている。
とりあえず、そのうちの一つを適当に入ってしばらく進むと、別の林道との十字路。それを曲がってしばらくするとまた十字路。
舗装路に出てしまったら直前の分岐に戻って仕切りなおし。そんな迷走を繰り返しながら徐々に十里木方面に近づいて行く。
林に遮られて景観はあまりよくないが、道端の草花が目を楽しませてくれる。

大渕南林道

大渕南林道

境塚岩倉線分岐

境塚岩倉線分岐

どの道も基本的にはフラットで、走りやすい。路面は土(火山灰?)かそれに砂利を敷きつめた状態。
かつてアスファルトで舗装したのだろうが粉々に砕けている道もある。杉林の奥に伸びている作業道も多い。
面白そうだったので作業道の一つに入ったのだが、石が散乱するガレガレの急勾配で懲りてしまった。
いつものコンディションなら行けるとこまで前進するのだが、さすがに今日は無理。
左足をかばいながらUターンして、以後、本線っぽい林道のみ走ることにした。

林道横道下線

林道横道下線

大規模な産業廃棄物の最終埋立場がありました

大規模な産業廃棄物の最終埋立場がありました

それにしてもとにかく分岐・十字路が多い。林道名の看板もあまりない。
自分が現在走っている林道の名前を確認するのは、丹念にメモでも取りながらでないと無理だろう。
GPSがあったから自分の向かう方向が何とか分かったが、地図のみで走ったら間違いなく迷子になりそうだ。
天照教林道とか十里木林道とかいう名前の林道を事前にリサーチしてたのだが、それらは結局見つからなかった。
こんなMAPがあったことを後から知った…地図上の「天理教」は「天照教」の間違いですな)

林道教植線

林道教植線

林道丸火東線

林道丸火東線

丸火東線を走り終えると、真正面に富士山こどもの国の入口(裏口か?)がある舗装路に出た。
左折して十里木CC方面に進むこと数100mで広域林道・富士山麓線との交差点に。
正面に伸びていた未舗装路はすぐにゴルフ場にぶつかって途切れてしまった。
交差点まで戻って改めて南東の十里木方面に向かう。

林道丸火東線分岐

林道丸火東線分岐

富士山こどもの国 僕は大人なのでパス

富士山こどもの国 僕は大人なのでパス

しばらく進むとR469との交差点。正面の南に林道富士愛鷹線のゲートが見えた。
時刻は10:00ちょっと前。幸いゲートは開いているようなのでこのまま直進。
舗装寸前のフラットな砂利道を、スピードを出しすぎないように快走。

富士愛鷹林道の北側ゲート

富士愛鷹林道の北側ゲート

五月晴れと新緑と富士山 爽やか~

五月晴れと新緑と富士山 爽やか~

途中、アスファルトになる手前の分岐を少し登ったとこで休憩。
左足のせいでバイクから降りて腰掛けるのも一苦労だ。
暑くなってきたので、ジャケットの内側に着ていたフリースを脱いだのだが、袖のところがやはり少しほろこんでいた。
コンビニで買い出したオニギリとゆで卵の簡単な食事。
すぐそばに焚き火の跡があった。誰かがここで野宿でもしたのだろうか。
食事を済ませた後、その先を少し行ったとこで4WD車が二台で道を塞いでいた。その先は崩落で行けなそうなのでUターン。
分岐まで戻ってアスファルトを進んだら林道・愛鷹線のゲートがあった。
以前走った愛鷹林道…愛鷹山南麓のメジャーなあの林道へと続いているのだろうか??

おーいお茶が炭酸飲料のように泡立ってるし…

おーいお茶が炭酸飲料のように泡立ってるし…

林道愛鷹線 ゲートの脇に轍が…

林道愛鷹線 ゲートの脇に轍が…

とりあえず行ってみた。フラットで幅の広めなトラバースルートだ。
ガードレールがしっかり整備されている。あの愛鷹林道よりも走りやすかった。
富士山の絶景スポットもあって、ゲートが閉じられていることさえ除けば、お勧めのルートである。

愛鷹連山の西山麓を行く

愛鷹連山の西山麓を行く

裾野が見事…一幅の絵画のようでした

裾野が見事…一幅の絵画のようでした

どれくらい進んだろう、出口のゲートが現れた。そこも閉じていたが脇からモゴモゴ…。
ゲートの向こう側にXRとTTRのオフローダー二人組みがいたので挨拶を交わす。
ゲートの先にも未舗装路が伸びていた。愛鷹林道の続きだろうがゲートはない。
二人組「この先いけます?」
塩犬「行けますよ、問題なく。そちら側は?」
二人組「大丈夫ですよ、走りやすかったです(^^)」
塩犬「そうですか、では」
二人組「お気をつけて」
行ってみたら結構深めの砂利道だった。
4輪も頻繁に走っているらしく轍があって走りにくい…。
それでもこけずに進んで、須津渓谷へ到着。
写真は無いが建造されたばかりの綺麗な橋が架かっており、大棚の滝が遥か下に確認できた。
さらに進むといくつかの分岐を経て、いきなり茶畑の中の舗装路に出てしまった。
このまま、あの愛鷹林道へつながっているかと思ったが、途中の分岐を間違えてしまったのだろうか。
まぁとにかく、あの愛鷹林道の起点に近いことは確かだ。
繋げて走ればかなり楽しめるに違いない。(このMAPも後から見つけました、参照して見てください)

茶畑の遥か彼方に駿河湾の海岸線

茶畑の遥か彼方に駿河湾の海岸線

そこから少し南に進んで、東名高速道路の高架をくぐり、県道22号線に合流したのが11:30。
ここから西へ進んだのだが、懲りずにもう少し寄り道。
県道76号線を左折し、富士宮方面に向かった。目的はもちろん富士宮焼きそばである。
いきなり話が飛ぶが、東京の自宅から少し離れたとこに時々飲みに行く大和鳥という焼き鳥屋がある。
そこのマスターが富士宮出身で、その店で食べたのが富士宮焼きそばの初体験だった。
東京ではこの店しか食べられないとはマスターの弁。
決め手となる独特の固めの麺に、乾燥桜海老とキャベツと肉カスを混ぜてソースで炒め、
青海苔といわしの削り節粉を掛けて、その上に半熟目玉焼きを乗っけた逸品。
(目玉焼きはこの店オリジナルのトッピングらしい。秋田の横手焼きそばの影響か?)
それを食べて以来、機会があったら本場物をと思っていたのである。
ちなみにこの大和鳥。唐十郎や久本雅美が常連だったりして、何度かマスコミに紹介されてるお店なのだ。
味は美味い。けどいろんな意味でかなり癖がある店だ。
興味ある方・勇気ある方はメール下されば場所教えます。
閑話休題。
40分ほど走って富士宮近郊に到着。
しかし、幹線道路沿いにはそれらしき店があまりない。ラーメン屋やそば屋ばかりだ。
うろうろした挙句、富士宮駅まで行って交番で聞いてみることに。
塩犬「こんにちはー」
警官「はい、なんでしょうか?」
塩犬「あの、たいしたことじゃないんですけど、焼きそばを食べに来てですね…」
警官「あぁ、お待ちください!」
机の引き出しを開けて取り出したのは富士宮焼きそば学会謹製の富士宮焼きそばMAP!!
塩犬「おぉ~!! すげぇ~w」
警官「富士宮焼きそばが食べられる店は全て載ってます。オレンジの幟を目印にして下さい」
塩犬「ちなみにおまわりさんのお勧めとかあります?」
警官「うーん、味は人の好みですからねぇ…」
塩犬「定番の老舗とかは?」
警官「そうですねぇ、こことかこことか人気あるみたいですよ」
塩犬「そうですか、ありがとうございました(´∀`*)」
警官「頑張って食べ歩いてください!」
塩犬「いえ…何食も食べるのはさすがに無理かと…(´Д`;)歩くの辛いし…」
警官「それもそうですねw」
それから地図を頼りに走ったのだが、連休でやってる店が限られていた。
時刻は13:00を少し回ったところで、じねん坊という鉄板焼き屋に入ることにした。
左足を引きずりながら入った店内はなんと座敷席のみ!?
仕方なく超スローペースで何とか靴を脱いで、痛々しく着席。
お好み焼きがメインなのだろうか、あまり焼きそばに力を入れて売り出してるようには見えない…。
とりあえず富士宮焼きそば(ミックス)を注文。
( ´_ゝ`) < 普通の焼きそばより麺が固目なだけですがよろしいですか ああ、いいさ。こちとらそれを食べに来たんだってーの。 目の前の鉄板で焼いてくれている間も一切無言…。うーん、ちょっと嫌な感じ。

さすがに麺は(゚Д゚)ウマーでした

さすがに麺は(゚Д゚)ウマーでした

えびがお好み焼きに入れるためのプリプリのやつで、桜海老じゃなかったのは不満だったが、本場の富士宮焼きそばを味わうという目的はかなった。
すぐそばにある浅間大社にも寄りたかったが、足がこんな状態なので今回は諦めた。
県道76線を使って由比に出てR1に合流。
あとはひたすら掛川の実家を目指す。途中で湿布薬を購入。
翌日曜日、八高山周辺の林道へ行きたかったが、さすがにそれは取り止めた。
やはり安静にせねば…
とかいいつつ同窓会終わった後、深夜0:00から早朝4:00までかけて帰京したのはここだけの話。
無理しちゃ駄目だね。 今頃になって肋骨が痛む…。。

サイタ、サイタ、サクラガサイタマ

林道に関する情報ってのは結構入手しにくい。
僕は主な情報源として定番の昭文社ツーリングマップルを利用してるのだが、先月末2004年度版が出版された。
2003年度版と大して違わないだろうと思って何気なく立ち読みしたら、随分林道情報が増えてるじゃあーりませんか。
今回行った名栗や奥武蔵の林道なんか、2003年版には紹介すらされてなかったのに…。
即、関東版を衝動買い。早速携行して、埼玉方面にさくっと日帰りツーリングに行ってきた。
7:30、出発。新青梅街道を西へ向かう。朝はさすがに少し寒い。
東村山のあたりのコンビニで肉まんを買い食い。
春の交通安全週間なので普段以上に安全運転を心掛けて走行。
9:00、東青梅で新青梅街道を離れ、青梅秩父線を名栗方面へ。
まだ都内だが、段々と農村の風景に。日差しも暖かくなってきた。
埼玉との県境、小沢峠のトンネル内が少々凍結していたが、気温は確実に上がってきた。
9:30、名栗ラジウム温泉の看板を左折。大松閣の脇を抜けて大名栗林道に到着。
20kmのロングダートを誇る、東京近郊では貴重な未舗装林道である。
ワインディングで高度を稼ぎ、やがて視界が開けたトラバース路に。
路面はフラットで、ガードレールも整備されているが、ところどころ崩壊した石片で覆われている箇所もある。
リアタイヤを交換したばかりなので、少し気をつけて進んだ。

大名栗林道 いい眺めがあちこちあります

大名栗林道 いい眺めがあちこちあります

名栗湖 有馬ダムによる人造湖です

名栗湖 有馬ダムによる人造湖です

有馬林道との分岐で「工事中」のバリケードが脇に避けてあったが、土曜日で工事も休みだろうから、そのまま前進。
4WD車と擦れ違い、ハイキングの歩行者もちらほら。やはり春なんだなぁ。
ところで今回、デジカメの動画撮影機能を使って実験的に動画を撮影。
ヘタレな走りで申し訳ないが、未舗装林道の雰囲気が伝わるかも。

大名栗林道 動画ファイル(6MB弱)

※ 再生にはWindowsMediaPlayer9が必要です

※ 再生にはWindowsMediaPlayer9が必要です
10:30、大名栗林道走行終了。舗装路の広河原逆川林道に出て左折。
秩父に抜けられるかなぁ~と思ってウネウネと尾根道を登ったが、有馬峠で通行止め。
仕方なくUターン。素敵な眺望が眺められたのがせめてもの収穫。

大名栗林道終点 手前が広河原逆川林道

大名栗林道終点 手前が広河原逆川林道

有馬峠からの眺望 東京湾まで見えるらしいです

有馬峠からの眺望 東京湾まで見えるらしいです

大名栗を逆走して、分岐から有馬林道へ。
沢沿いを下り、名栗湖の脇を抜けて青梅秩父線に合流。
R299に出て秩父方面へ進む。芝桜見物の観光客が多いのか、激しく渋滞。
12:10、道の駅・果樹公園あしがくぼに到着。好転に恵まれたためか、バイクも多い。
かなり暑くなってきたので、シャツを一枚脱いだ。
昼食にめかぶそばを食す。冷たい麺の喉越しが心地いい。
お土産に名物の岩魚寿司とふき味噌を購入。

桜もいい感じで咲いてます

桜もいい感じで咲いてます

道の駅・果樹公園あしがくぼ 蕎麦が美味

道の駅・果樹公園あしがくぼ 蕎麦が美味

12:30、出発。堂平山・笠山周辺の林道群へ向かう。
道の駅からほんの少しだけR299を戻って、左折。
傾斜のきついワインディングを登る。沿道に植えられたソメイヨシノが満開で美しい。
分岐の多い舗装された林道だが、ハイキング用の案内板が多いので迷わずに済む。
大野峠で左折し白石峠へ。堂平山方面への分岐を進み、13:10、堂平山の駐車場に到着。
ここの眺望は素晴らしかった。

敷島の大和心を人問わば…

敷島の大和心を人問わば…

堂平山駐車場からの眺望 夜景は綺麗だろうなぁ

堂平山駐車場からの眺望 夜景は綺麗だろうなぁ

少し休憩して、駐車場の右奥の分岐から堂平山林道へ。
傾斜がきつめの未舗装林道で復員も狭い。
ハイキングの歩行者もいるため、のんびり進む。
きつそうに進むワゴン車を追い越して、工事箇所を過ぎた辺りから、舗装間近らしいフラットダートに。
浮いた砂利に注意して快走。(フラットダートは七重林道の区間だったかも知れない)
13:30、舗装路に出る。
左折して少し坂道を登ったとこに未舗装路の分岐発見。荻平笠山林道という名前らしい。
この辺り、林道がずいぶん複雑に入り組んでいるようだ。
とりあえず未舗装部分のみピストン往復。
ここも舗装間近なのか、整備されたダートだった。

細かな情報は現地の看板で収集

細かな情報は現地の看板で収集

荻平笠山林道 整備されて舗装間近か?

荻平笠山林道 整備されて舗装間近か?

14:00、白石峠へ戻ろうと進んでいるうちに、ちょっときつそうな登山道に迷い込む。
ガレガレの上り坂が目の前に現れて一旦停車。
坂の上まで徒歩で偵察したが、やばそうなので断念してUターン。
あの紀伊半島の体験を踏まえ、危険はなるべく避けるようにした。
14:20。白石キャンプ村を経由し、白石車庫手前の地点で幅広の県道11号線に合流。
キャンプ村の辺りは花がとても美しかった。

目を楽しませてくれる色とりどりの花々

目を楽しませてくれる色とりどりの花々

華やかな色彩のトンネル

華やかな色彩のトンネル

見てるだけで心浮き立つ気がします

見てるだけで心浮き立つ気がします

県道11号線を定峰峠で左折。
白石峠を経由し、大野峠へ戻り、奥武蔵グリーンラインを飯能方面に進む。
途中、道を確認するために見た案内板で、地元の珍走団の落書きに笑ってしまった。

気合を入れて「一級整備」!?

気合を入れて「一級整備」!?

15:00。刈場坂峠のりんどう茶屋でタンクにカメラを搭載したTL1000R乗り発見。
僕も動画撮影に興味があったので声を掛けてしばし歓談。
切ったダンボールを重ねて、高さ調節と振動対策か…なるほどなるほど…。
彼もサイトを運営していて、そこで動画を公開しているとのこと。
リンクフリーらしいので勝手にバナー張っちゃお。

べーやたさんのサイト Let’s Riding

べーやたさんのサイト Let

さて。
そこから奥武蔵グリーンラインを10分ほど走り、関八州展望台という看板を発見。
急勾配の細い上り坂が分岐して伸びている。興味があったのでバイクを降りて登ってみた。
…が数分で後悔…運動不足が祟ってどうにもきつい。
ヒーヒー言いながら展望台に到着したが期待していたほどの景色じゃなかった。残念。

秩父方面の山々

秩父方面の山々

東京方面の関東平野

東京方面の関東平野

そのまま 奥武蔵グリーンラインを東へ進み、R299に合流。
あとは東京に戻るだけ…って…あぁ!?
温泉に入るつもりだったのにすっかり忘れてた…(涙
そこから東京方面の渋滞がひどかった。
交通安全週間なので無理にすり抜けもできない。
暖かくなってツーリングにはいい季節になったが、休日の交通量が多くなるのも辛いものだ。
途中、所沢あたりの山田うどんで冷やしたぬきうどんを食す。
練馬のバイク屋に寄って19:20、ようやく帰宅。ふぅ疲れた。
埼玉の日帰りツーリングでも結構楽しめるものだなぁ、と妙に感心した今回のツーリングでした。

で、お土産は

で、お土産は

もちろん自分で食いました (゚Д゚)ウマー

もちろん自分で食いました (゚Д゚)ウマー

恐怖の東京ボロアパート2

これも昔住んでいたアパートの話。
高校を出て東京で一人暮らしを始めるにあたり、とにかく安い部屋をと思い、見つけたのがそのアパートだった。前回にも述べたが家賃は2万6千円。木造2階建ての2階西南角。6畳一間で共同トイレで風呂は勿論なし。地理的には西武新宿線野方駅から徒歩5分。新宿まで30分もあれば行けたので立地条件はよかった。とりあえず野郎一人住むには問題ない。夏の西日と冬の隙間風がちときつかったが住めば都。気楽に暮らしていた。
しかし。東京での一人暮らしはいろいろ事件が起こる。
まず最初は新聞拡張員との抗争。「俺は赤尾敏先生のとこの右翼だ」とわけのわからぬ脅しをされたこともある。
8割がたヤクザの身なりの拡張員とワヤワヤやり取りをした挙句に勧誘を断った時、「はやく引っ越したほうがいいぞ」とに捨て台詞を吐かれたりした。
さて、その夜。帰宅してドアを開けようとしたとき暗闇で何かを踏んだ。やわらかくて毛深い。生き物のようだが鳴き声もしないし動く気配もない。
「まさか猫の死体でも…」
緊張しながら電気をつけ恐る恐る確認すると、やはり猫だ。
「にゃあ♪」
生きている…。
なぜ踏まれたときには鳴かなかったのだ…? をい猫君。人間に踏まれたら鳴き給へ。呑気なやつめ。そのやうに気持ちよさせうに寝るものではなゐ。ものすごくドキドキしたんだぞ。いやはや東京というところはおっがねぇとこだなやぁ。と緊張をまぎらすためによくわからない独り言をゴニョゴニョ言ったりした。
またある日のこと。
便意をもよおしトイレへ駆け込んで絶句した。共同トイレの床一面にあろうことか大便が飛び散っていたのだ。あの光景は思い出したくない。文字通り飛び散り散乱していた。そのアパートは各部屋の扉に鍵がかけられるが、玄関から廊下までの出入りは自由という構造だ。共同トイレも廊下に面しており出入りは自由である。おそらく何者かが侵入したのか…。
ちなみに一階のトイレをのぞいたら二階のトイレを上回る惨状。ヒューズを隣から拝借した私の機転も今回は役に立たなかったのである。
また「腐れ酢だこ事件」というのもあった。
ある夏のこと。日に日にアパートが臭くなっていった。気のせいか蝿も多い。ある日我慢できなくなり、その臭いの元を探し始めた。どうやら玄関があやしい…。
「ぐわっ!」
床下に発見したのはパック詰めの酢だこであった。パックはとうに破れているらしく我慢できないほどのひどい臭いである。パックの中では無数の蛆虫が蠢き、とても正視できる状態ではない。今しも中から一匹の蝿が外界へ飛び出そうとしていた。ああ、思い出すのもいやになる。結局放っておくわけにもいかず、ゴム手袋・マスク・長袖ジャージで完全武装し、その物体をビニール袋で何重にも包み捨てた。
そして最後にある冬のこと。
帰宅したらパトカーが三台ほど路地を埋め、アパートの入り口にはロープが張られていた。聞けば一階の玄関に一番近い部屋の住人が、自室で死体で発見されたとのこと。
「三ヶ月ほど旅行に行くので」と同じ階の住人に留守をお願いし、それ以来姿を消した。そして約三ヶ月。そのお願いされた人、友達が部屋に遊びに来て「何か臭くない?」といわれたそうだ。臭いをたどっていくと例の部屋。鍵はかかっておらず開けてみたら死後三ヶ月の餓死した屍。結局第一発見者となった。自宅で餓死…世が世なら即身仏である。とりあえず季節が冬でよかった。夏だったらあの酢だこの何倍も…。ぐへぇ…。この事件の後、さすがに僕も引っ越した。 半年くらいして。
兎にも角にも、東京はかくも恐い土地なのである。

恐怖の東京ボロアパート1

東京へ出てきて初めての冬、風邪をひいて悲惨なめにあった。
その頃住んでいた部屋は家賃2万6千円、風呂なし・共同トイレの木造ボロアパートだった。いろいろいわくつきのアパートだったのだが今回はそれは割愛する。冬の最も寒い時期に、僕は風邪をひいて高熱を出し仕方なく大学を休んでいた。風邪でなくても大学へは行ってなかったのだが、それも割愛する。初めての一人暮らしで寝たきりだ。僕は当然銭湯などへ行けるはずもなく、布団に包まったまま既に一週間が過ぎてしまっていた。風邪でなくても一週間ぐらい風呂に入らないことはしょっちゅうだったが、勿論それも割愛だ。
さて。一週間高熱のまま布団で寝汗などたっぷりかいていると、さすがに自分の体臭が不快に思えてくる。特に髪の毛。現在のような坊主頭ならともかく、当時は頭の後ろでゴムで結わえられるほどの長髪であった。おっと、髪の毛の濃い・薄いの差についても断固割愛。とにかく髪の毛が臭いのだ。耐えられないほどに。
ある夜、なぜか午前2時くらいに、無性に髪の毛を洗いたくなり、いてもたってもいられなくなった。とはいえ銭湯はとうに閉店している。湯沸し器などその部屋には当然無い。意を決し水道水で洗うしかなかった。せめて暖房器具だけは総動員しよう。コタツも電気ストーブも目盛りを最高にした。
真冬の午前2時、風邪をこじらせた体調で凍えるような水道水で洗髪。かなりシュールなシチュエーションだ。洗い終わりガタガタ震えながらドライヤーで髪を乾かそうとした瞬間。
ぱちん。
…ブレイカーが落ちた。
暖房器具全開+ドライヤーがブレーカーの許容量を超えてしまったのだ。全く予想していなかった。真っ暗な部屋の中、まさに暗然たる思いで非常用のろうそくを灯し廊下へ出てブレーカーを探す。その部屋でブレーカーが落ちたのはその日が初めてなのでなかなか見つからない。その間にもどんどん体温が奪われる。
「これか」
多少時間を経て、やっとドアの上にそれらしい直方体を見つけた。が、しかし。ここで僕はこれまでの表現を改めざるを得ないことに気付く。
「ブレーカーが落ちた」のではない。 「ヒューズが飛んだ」のである。
僕がヒューズを見たのは寡聞にしてそれが始めてであったが、単純な構造なのですぐに理解できた。半田の様な太目の金属が熱で焼き切れている。なるほど。ブレーカーはあげればよいが、ヒューズは交換が必要なのだな。
…。
…で。どこに換えがある?
…。
このご時世、コンビニで売ってるほどメジャーな品とはとても思えないし、電気屋などは当然閉まってる。なにより濡れた頭で極寒の夜道を歩くのは自殺行為に等しい。考えろ考えろ…。高熱で湯だった脳みそをフル回転させて、助かる道を考えた。やがて僕はおもむろに右を向き、隣の部屋の入り口の上部、その部屋のヒューズボックスを眺めた。
「誰も住んでいなかったよな…」
緊急避難という法律用語は後で知ったが、僕は迷わず隣のヒューズを拝借した。我ながら名案である。廊下を照らす裸電球の下でなんとかヒューズを交換し、真っ白な安堵の息を吐きつつヒューズボックスを閉じた。僕の部屋に明かりが灯る。
「これで助かった…」
明かりと同時にドライヤーのぶぉぉぉ…という音。
「あっ、しまった!」
と思った瞬間。
ぱちん。
再び部屋は暗くなった…。
その後、もう一本のヒューズをどこから拝借したか、それは割愛。

ネットラット・レポート

先月、友人にこれを教えてもらい、そんなオイシイ話があるかい!と思ったのですが、
まあ4000円ぐらいだし騙されてみてもいいかなぁと思い、参加してみました。
しかしそれがマジでビックリ!一ヶ月で32万ぐらい口座に入ってました。
えっマジで?イイの?て感じでした。
そしてこの一週間ではナ、ナント28万です。
実際問題批判多々あるようですが、やっぱり金はある方がイイですよね。
それに今の所、お金を振込んでからの投稿の場合、違法ではありません。当方弁護士。参加方法は以下の通り。
1.まず、下記4人の口座に1000円ずつ振り込みます。必ずATM(振込機)で。
●北海道銀行 岩見沢支店    1160284
●UFJ銀行 大井町支店    3872537
●東日本銀行 蒲田支店      455539
●あさひ銀行 蒲田(カマタ)支店 1173849  
全て普通預金です。
2.同じような文章を作り、1で書いた4人の口座の一番上の人を削除します。
そして、リストの一番下にあなたの口座を加えて順位をくり上げます。
3.後は、できるだけインターネット上の掲示板に載せたり、メールで宣伝していけば、
それを受け取った人がどんどん同じように振り込んでくれます。
(一週間ぐらいして口座を確認してみてください。ビックリしますよ。)出来るだけ多く書き込みしましょう!!
それがあなたの収入ですから。ちりも積もればなんとやら...

こんにちわ。
インターネット上のねずみ講、ネットラット研究家のSaltyDogです。
この度ネットラット捕獲にご協力いただきました、某サイト掲示板の管理人さんにお礼申し上げます。
今回捕獲されたネットラットは「マネーゲーム型」の亜種に分類されるものです。振込先の先頭行にかかれている「北海道銀行 岩見沢支店 1160284」をGoogleで検索したところ44件がヒット。重複やリンク切れを取り除き15件の有効な書き込みが見つかりました。全てが「これはマネーゲームです」という書き出しで始まるもので、共通点として「DMで知った」「一ヶ月で25万」「この一週間で23万」などの内容が挙げられます。2002年以前は3箇所の振込先だったのですが、2002年以後発見される個体は4箇所に増えたものが目立ちます。不況の影響ではないかという学説が現在の主流です。以上が「マネーゲーム型」の特徴です。
今回捕獲された亜種は「友人」「32万」「28万」と、記述そのものがオリジナルと何箇所も異なっているのが特徴です。また「当方弁護士」という記述は他のネットラットの影響が伺え、大変興味深いものです。惜しむらくは下3行全てが「大井町」「蒲田」「蒲田」と近所であるため、強欲な同一人物による捏造ネットラットであることが懸念され、研究サンプルとしては残念ながら不適当なものであるといわざるを得ません。
インターネット上の情報流布経路の研究のため、今後もネットラットの捕獲にご協力ください。
来週は「ミントメール」についてレポートしたいと思います。

4月1日

今日は4月1日。今年もいよいよ新入社員を迎える季節である。
とはいえ小さな会社である。今年は専門学校卒の女子が一名だけ。奥菜恵に似た小柄で明るい娘さんである。聞けば戌年生まれとのこと。知らぬ間に一回りも違う人間と仕事をするような年になっていたのだ。感慨深いものがある。
とりあえず社長から簡単な訓示と自己紹介。すぐ済む。席は私の隣に決まった。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ」
ミントの香りがする。よい。なかなかよい。ファーストインプレッションはかなりの高評価である。 「あなたは磯野貴理子のようだ」と最大級の賛辞を贈ろうかとも思ったが、人によっては誉め言葉と捉えてくれない人もいるので黙っておいた。
さて新入社員の最初の仕事は自分のPCのセットアップである。PCはメーカー製の完成品だし慣れていれば簡単だ。彼女は自分でPCを所有しているらしく、ネットワークの接続も含めて午後には完了していた。その後はこれまで開発してきたシステムの資料などを眺めてもらった。
その途中、昼休みに食事に出かけた時のこと。
婦女子と親しくできるめったにない機会でもあり先輩としての第一印象をよくするためにもと思い、見栄をはり奢ることにした。
「Aランチふたつ、食後にコーヒー」
しめて1600円也。和風ハンバーグランチを食した後、珈琲を飲みながら簡単な会話を敢行した。
「いかなる趣味を持っているのか」
「なぜこの会社を選んだのか」
「どのような目標を抱いているのか」
これはしたり。まるで面接ではないか。「彼氏はいるの?」「バストのサイズいくつ?」などのようなセクハラ裁判への入り口になりかねない愚問は何とか避けたが、それほど打ち解ける会話には至っていない。思いのほか話題選びに悪戦苦闘した。その結果、事態は意外な展開を見せる。
私が麻雀を嗜む旨を伝えた時だ。
「あら、私もネット麻雀やってますよ、東風荘」
むむ。麻雀を打つのか。しかも東風荘。
寄らば大樹の陰という傾向の持ち主かもしれぬ。やはり巨人ファンで大鵬と卵焼きが好きなのだろうか。
ともかく私の興味は一点に収束する。
「ほぉ、それじゃ今度対局してみようか」
「ええ、ぜひ」
こうして東南と東風を舞台に、ホーム&アウェーでの対局を約した。素晴らしい。予想以上に後輩との親睦は深まったのだ。私は満足げにコーヒーを一口飲んだ。
しかし。
ここから事態はさらに意外な展開に! と、ガチンコとかいう番組なら煽っておいてコマーシャルなのだが、話はこのまま続く。
彼女も珈琲を啜り上目遣いに私の表情を見た。ふと彼女はニンマリと笑みを浮かべ、一言つぶやいた。
「ひっかかった…」
私は怪訝な表情を浮かべた。何のことだ。
「先輩、ひっかかりましたね」
「ん?」
「今日は何の日でしょう♪」
「…」
四月馬鹿というやつである。漫画などのネタ以外に実行する者がいようとは。目の当たりにしたのはこれが始めてである。
「…エイプリルフールというやつか?」
「ピンポーン♪」
あっけらかんと言ってのける。入社初日にしてこのような荒業を繰り出すとは、かなりの大物である。
「あなたは磯野貴理子のようだ」と言ってやろうかと思った。勿論悪い意味で。
「私、麻雀なんかしたこともないんです♪」
かなり悔しい。私も誰かを騙さなくては気が晴れぬ。それから一日中、私は嘘を考え、騙されそうな相手を探した。そして。
いました。
見つけました。
私の嘘でも騙されてくれる方。
それは。
ここまでの嘘を信じてくれたあなたです。
全部嘘ピョン♪

六都県横断500帰路

午前5:30、紀伊半島ツーリング最後の朝も快適な目覚め。のんびりテントを撤収。
荷造りの済んだバイクでサンクスに乗り付け、肉まんとレモンティーの朝食。
メニューが東京での日常生活に限りなく近い…。

早朝の吉野川

早朝の吉野川

誰にも邪魔されることなく一晩を過ごせた

誰にも邪魔されることなく一晩を過ごせた

食べ終えて6:30出発。まず目指したのは吉野山。
桜の名所として全国的に有名なので楽しみにしていた。
下千本から中千本・上千本と、日を追って下から順に数多の桜が山麓を飾るらしい。
まださすがに満開ではないだろうが、何本かは綺麗に咲いていることだろう。
南紀でも美しい桜をあちこちで見かけたが、ここの桜に期待して写真はあえて撮らずにおいた。
R169を少し西に進んで左折し、吉野大橋を渡る。
朝の寒気の中、山道のワインディングを登り、下千本に到着したのが7:00過ぎ。

吉野山・下千本…

吉野山・下千本…

かろうじて駐車場に枝垂桜がちらほら

かろうじて駐車場に枝垂桜がちらほら

肝心の白山桜が一本も咲いてない…(ノд・、)
咲いたときの壮観を想像しつつ、泣く泣くその場を後にした。
いつかまた満開の季節に再訪したいものだ。
さて、あとはいよいよ東京まで帰るのみ。
タイヤについては昨夜テントの中でいろいろ検討したが、伊勢あたりのバイク屋に電話で問い合わせてみようと思う。
無ければ浜松あたりでもう一度。それでもダメならこのまま慎重に帰るしかない。 いずれにしても今日は長旅になるだろう。
鳥羽~伊良湖間はフェリーで一時間程度休憩できるだろうが、とにかく集中力が切れないように走らなければ…。
とりあえずR169まで戻り、右折して東へ少し進んで、今度はR370を北上。
途中で給油とトイレを済ませ、道の駅・宇陀路大宇陀の交差点でR166を右折。三重県を目指して、一路東へ。
奈良県と三重県の県境に横たわる台高山脈、その奥深い山懐へ分け入るように吉野川の支流・高見川を遡る。
と、ここで最後の寄り道。
三重へ抜けるには高見トンネルを通ればいいのだが、旧道にある高見峠からの景観が素晴らしいとか。
旧道の峠道となると走りづらいだろうが、再訪する機会も無いだろうから寄ることにした。
ツーレポに掲載する写真も撮れることだろう。
トンネルの手前で右折し、狭い悪路をグネグネと登る。
8:40、高見峠に到着した。

西側には奥深い奈良の山々

目を閉じて、
幾重にも重なる美しい山々を
想像しましょう

東側には三重の山々

こちらも
素晴らしい山並みを

思い浮かべましょう

…この日、デジカメのSDカードをPDAで使ったら、高見峠での写真データが壊れてしまった。。
何のために行ったのやら …_| ̄|○
峠を越えて三重県に入った。ワインディングを下りR166に復帰。
櫛田川沿いにR166=和歌山街道を快走する。
9:00過ぎ、途中にあった道の駅・飯高駅でコーヒーブレイク。
なにわナンバーのCBR二人連れと挨拶を交わす。
ちなみに今日、ここまでの走行距離が約100km。
さて、このままR166を進むと松坂に出てしまう。
陸路を行くならいいのだが、フェリーを予定しているので伊勢経由で鳥羽へ行かねばならない。
バイク屋への問い合わせは伊勢についてからでいいだろう。
運よくタイヤの在庫があったら、交換作業の待ち時間中に伊勢名物の手こね寿司でも食べるとするか…。
ということで伊勢に向かうためR166からR368を折れ、R42を経て県道38号線へ。
伊勢市街目指して宮川沿いを下る。
山の姿は後方へ去り、広々とした伊勢平野が視界に広がる。
10:30、すでに川の向こうは市街地だ。
伊勢神宮・外宮へ向かう交差点を越えたとこで、宮川河畔にバイクを停めて携帯電話を取り出し、レッドバロンの伊勢店へ電話を掛けた。
大型チェーン店なら中古車両も大量に扱っているし期待できるだろう、という予想だったのだが…
「セローのフロントタイヤですか…ないですねぇ…」
「そうですか…」(´・ω・`)ショボーン
「一応、近所の店にも聞いてみましょうか?」
「あ、ぜひお願いします」
「では後で携帯に掛け直しますので、しばらくお待ちください」
こちらがツーリング中で困ってると聞いて店員さんが親切に対応してくれた。
YAMAHAの本拠地・浜松まで行ってしまう手もあったのだが、不安を抱えたまま走るのと楽しくない。
できればなるべく早く交換しておきたかった。
宮川のほとり、バイクの傍らに腰を下ろして、ボーっと待つ。
春の平日・月曜日の午前中…のどかだなぁ…。
土筆(つくし)を積む老夫婦の姿などがちらほら見えた。

宮川堤も桜百選に選ばれてるらしい

宮川堤も桜百選に選ばれてるらしい

「お待たせしました、鈴鹿店と四日市店にそれぞれ一本ずつありました」
Σ(゚口゚; 鈴鹿も四日市も、鳥羽とまるっきり逆方向じゃんかっ!?
近い方の鈴鹿でさえ、伊勢から約50km…。
そこまで行けば、鳥羽に戻ってフェリーを使うよりも、そのまま陸路を進む方が東京までは早いだろう。
そうなるとセローに乗って全行程を自力で帰ることになるのか…いったい何km…。
躊躇したが、フェリーを使っても浜松からは高速道路なのだ。
どのみち、フロントタイヤの不安はどこかで解消しとかなければならない。
なら、なるべく早目がいいだろう。結局、鈴鹿で交換することにした。
探してくれた店員さんに感謝。
R23に出て、松坂・津方面へ北上。
こんなことならR166を松坂まで走ればよかったなぁ…と思っても全ては後の祭り。
中京工業地帯の平日、昼時の幹線道路。大型のトラックやダンプでかなり混雑している。
タイヤの心配はいらないが、集中力と握力が消耗させられた。
このあたりは松坂牛の産地だけあって、国道沿いは焼肉屋がちらほら。
手こね寿司を諦めて、胃袋は牛肉モードに。
12:00、津のあたりにあったステーキハウスで昼食。ビフテキを食す。
もちろん豪州産の輸入肉なのだが気にしない気にしない。

東海のステーキチェーン ブロンコ・ビリー

東海のステーキチェーン ブロンコ・ビリー

レッドバロン鈴鹿店に到着したのが12:40くらい。
「こりゃだいぶ減ってますねー」と一言。
伊勢店が連絡してくれていたらしく、交換依頼書を記入してすぐに作業へ。
店内を見て時間を過ごすこと、約30分。無事にフロントタイヤの交換が完了した。
新品のタイヤは100kmほど慣らし運転が必要なのだが、東京まで戻れば十分過ぎる。

交換直前のフロントタイヤ

交換直前のフロントタイヤ

交換後 ピカピカの新品です

交換後 ピカピカの新品です

さぁ、これで後は一路東京を目指すだけ。
鈴鹿ICから東名阪自動車道経由で東名に乗る予定だったが、店員さんのアドバイスで変更。
もう少し国道を北上して伊勢湾岸道路を使い、名古屋市内を避けて対岸に渡るルートを行くことにした。
何の工場だろう、悪臭漂う四日市を抜け、みえ川越ICから伊勢湾岸自動車道へ。
真新しい片側三車線のガラガラ快走路を、セローなりに走る。
いくつもの巨大な橋を越え、終点・豊田南ICを降りたのが14:30。
ここでもう一度給油し、バイパス経由で豊田ICからようやく東名高速道路に合流した。
ちなみに、この時点で朝からの走行距離は250kmを超えていた。
そして、ここから東京までが約310km…まだ全行程の半分にも達してないのか…。
気が遠くなりそうだ…。
マイペースで走行車線を走り、愛知県から地元・静岡県へ。
15:30、浜名湖SAで小休止。タコのはんぺんを食す。

浜名湖 いい眺めです

浜名湖 いい眺めです

のどかだなぁ…

のどかだなぁ…

浜松を越え、掛川を過ぎ、牧の原SAは素通り。
焼津・静岡を経て、17:30、富士川SAに到着。
休憩がてら時間をかけて夕食&給油。外は暗くなり始めた…。
東京まであと130km弱。「100kmなんてすぐ」みたいな気がするが、気のせいか?
空いている高速道路、見かけるバイクはみな追い越し車線をかなりのスピードで走っている。
しかし、セローでは出せるスピードなどたかが知れてる。
無理をして急ぎ、辛い思いをして走っても危険なだけだ。
遅めの大型車両を見つけては、その後ろを80km~90kmの巡航速度でぴったりとついて行く…。
そんなコバンザメのような走り方で、長い長い道のりをやりすごした。
沼津を過ぎ、御殿場近辺の勾配をひたすら登って、19:00、ようやく神奈川県との県境にある足柄SAに到着。
「静岡県は横に長すぎ」 と以前聞いたことがあるが、今回はそれを痛感した。
刺激物が欲しくなりペプシコーラを一本摂取。後80km、もう少しだ。
大井松田から厚木、横浜港北を経て、東京ICを降りたのが20:30。
渋滞する環八から甲州街道へ。もう自宅は目の前だが敢えて行きつけのバイク屋へ向った。
閉店時間を過ぎてはいたが、店先に店員のお兄ちゃんが居た。
リアタイヤと、レッドバロンで指摘されていたフロントのブレーキパッドを注文。
これで本当に心残りは無い。あとは自宅へ。いやぁ、無事故で帰ってこれてよかったよかtt

バイク屋から自宅に戻る途中で転んで、左ミラーの付け根がポキっと折れました…・゜・(ノД`)・゜・。
荷物が多いためバイクの乗降はサイドスタンドを立ててからステップを使うようにしてたのは前述した通りなのだが、
自宅付近の一方通行路でバイクを押して行こうとバイクを降りた際、最後の最後で冷静な判断力が途切れてしまった。
何を血迷ったのかスタンドを出さないまま左足をステップに乗せ、四股を踏むように右足を高々と…。
何も支えの無いバイクは左に傾き、全体重を預けたまま転倒…そりゃ当前過ぎる結果だわな…。
そんなわけでミラー付け根の部品をバイク屋に追加発注したのは後日の話。
21:00過ぎ、ツーリングの大荷物を抱えて帰宅。
今日一日で、奈良・三重・愛知・静岡・神奈川・東京の六都県を横断。
まぁ五体満足で帰って来れたので、よしとしよう。
さて、帰宅後。
すぐにPCを立ち上げ、自分のサイトをはじめ、いつもの巡回サイトをちょこちょこ閲覧。
「へぇ~、六本木の回転ドアで死亡事故か…」
時間の流れに取り残されてしまった感がある。
そして 巨大掲示板2ちゃんねるで、いつもチェックしているスレッドを閲覧していたときだった。
(あそこが嫌いな人もいるだろうけど…)
バイク板林道スレッドで驚きの発見。
「なんと、あのオフ車集団は彼らだったのかっ!!」
(リンク先のキャッシュはこちら、レス番号155以降を参照)
いやはや、世間は広いようで意外と狭いらしい。
今の時代、 500kmなんて実は大した距離じゃないのかも知れないなぁ…。

紀伊半島凸凹巡礼・山の巻

この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる
迷わずにゆけよ ゆけばわかる
          - 一休禅師 「道」より -

猪笹林道のここの分岐を東の細い廃道へ…時刻は13:40くらいか。
しばらくはこれまでと同程度の悪路だったが、

↓本線と信じて進んでます

↓本線と信じて進んでます

崖側に足を着くスペースのない極悪な難所…しかも、通れそうな部分には頭大の落石…。。
とにかく行けるとこまで行ってみようじゃないかと、バイクを降りて汗だくになりながら石をどかして進路を確保。
本線だと信じていたため、このすぐ先にゴールがあると思っていたのだ。
下り勾配なため、低速でのマシンコントロールがしやすかったこともあり、とりあえず無事通過。
その先も何箇所か落石に進路を塞がれ、そのたびにバイクを降りての力仕事。
三月とは思えぬ昼過ぎの日差しに照り付けられ、じりじりと体力が奪われていく。
もうすぐ…もうすぐ…と信じて進んだが、今度は背の高いススキが路面を覆い始めた。
長距離ツーリングで限界だった握力が、ここまでの作業でさらに弱まったせいだろう。
根株にハンドルを取られてバイクをうまくコントロールできず、ススキに突っ込んであっけなく転倒。
ぜぇぜぇ言いながら必死でマシンを起こしたが、もう腕に力が入らない。
ここで、ようやく冷静に状況分析、肩で息をしながらGPSをじっくり確認した。
分岐からの直線距離は小さいため判りにくかったが、地図と見比べると本線から外れてるのは明らかだ。
この道がどこかに出る可能性に賭けてさらに進むか…それとも…あの道を戻るか…。。
…絶望感で一気に脱力し、その場にヘナヘナと座り込んだ。滝のように流れる汗が目にしみる。
二の腕も疲れきってピクピクと痙攣。体を酷使しすぎて胃の辺りがムカついてきた。
水分を補給し、とにかく呼吸が落ち着くまで小休止。
吹きすさぶ風の音しか聞こえない標高1000mの山道で、しばし呆然と目の前の山並みを眺める…。
空に手が届きそうだ…。やはり山は神々の住処なのか…。
どうしてこの時間、この場所に自分がいるのだろう…。まるで修験者だな…(笑)…。
時刻は14:00を過ぎていた。ここでボーっとしていても状況は改善されない。
誰かがやってきて助けてくれるわけもなし。このまま進むよりは分岐に戻る方が希望が持てる。
しゃーない…戻るか…。屠殺場に赴く獣のような気分で出発。
来た道をただ戻るだけ、なんて言われそうだが、ことは単純な状況ではない。
このように石がゴロゴロしてる路面の場合、障害物を避けるためにも通過ルートの瞬時の判断が重要だ。
下り勾配ならバイクは自然と前へ進んでくれるので、ブレーキで速度調整しながらルートを選んで進むだけで済む。
しかし上りはアクセルワークがそれに加わることになるのだが、なにしろこの握力…。
半クラッチで低速走行するとなると、ちょっとしたクラッチのつなぎ方で暴走したりエンストしてしまうのだが果たして…。

超悲惨…(ノд・、)
ハンドルはまっすぐ! ステップを使って重心移動!
…って基本を守りつつ進もうとするのだが、両腕がいうことを聞かずハンドルをまっすぐに支えきれない…。
で、傾斜のきつい登り坂で大きな石にフロントタイヤを乗り上げて、はい転倒。
リアキャリアに満載されたキャンプ用具の重量を恨みつつ、体重を預けるようにして車体を起こす…。
次は、片足しか着くことを許されない超隘路。
大きな石は往路で除けたが、握りこぶし程度の石が斜面を埋め尽くしている。
ここでだけはエンストしないでくれよ…とびびりながら、ガレガレ路面を登ったのだが、
一番狭い箇所で気が急いたため、ふっとクラッチをつないでしまい、エンスト。・゜・(ノД`)・゜・。
山側の右足だけ着き、セルスイッチでエンジンを始動するのだが、
グリップの聞きにくい路面に駆動力を奪われてしまい、なかなか前進できずに何度もその場でエンスト…。
左の足元には急斜面がどこまでもどこまでも…。
「死」をこれほど身近に感じたことは初めてだ…下の下の方から誰かに呼ばれている気が…。
半べそかきながらも着いた足を踏ん張ってなるべくリアを浮かせるようにし、この極悪な坂道発進に何度目かで成功。
逃げるようにそこから離れた。
離れたのだが、まだ難所は続く。
さっきよりましとはいえ、狭い狭いトラバースルートで再び石にハンドルを取られて、また転倒。
幸い山のある右側にバイクは倒れたのだが、崖側に余裕がない。
荷物が多いため、バイクにまたがるにはサイドスタンドを立てた状態でステップを使って乗車せねばならないのだが、
ここではスタンドが土砂に埋もれて崖側にバランスを崩してしまう危険がある。そうなったらおしまいだ。
やむなく、そのままの状態でバイクを起こし、自分は乗らずに右側から立ったままアクセルとクラッチを操作。
残された握力を駆使して微妙に速度を調整しつつ何とか脱出。
支線に迷い込んで一時間ちょっと。
ようやく分岐地点まで戻ったときには、疲労感よりも「生き延びた」という安堵感に包まれた。
足つきのよいトレール車のセローだったから無事だったと今でも思う。ありがとうセロー…。
(M氏曰く、「普通のオフ車なら最初から行けないって判断できるよ」…ごもっともです…)
本道のフラットダートが、これ以上ない快走路に感じられた。
その走りやすいこと。崖から落ちる心配をしなくて済むって何て素晴らしいんだろう…。
腕も足も力が入らないため、無理をせずにのんびりと、だが確実にゴールは近づいていた。
っと、バックミラーにバイクの陰。
脇に避けて片手を挙げ道を譲ると、4・5台のオフロードバイクがやはり挙手で応じながら颯爽と駆け抜けていった。
地元オフローダーのマスツーリングか? あっと言う間に見えなくなった。
さっきまで心細い思いをしていたため、人に出会えたことが無性に嬉しい。
無理しちゃいけないと思いつつも、人恋しさで速度を上げて追走。
がんばって追いついちゃうぞ~!
…すぐにカーブでズザーっと転倒… _| ̄|○
…全くごく普通のカーブなのに何故…
あーあ、やっちゃった…気力に体力が全くついていかないんだもんなぁ… (´・ω・`)ショボーン
でもさっきの人たちに無様な姿を見られなかったのは不幸中の幸い。よかったよかtt…
「大丈夫ですか?」
Σ(゚口゚;
背後で一台のDRZが停まった。。さっきの人たちの仲間だろうか。
「あ、あ、大丈夫です」(←全然大丈夫じゃない)
「手伝いますよ」
親切にも降りてきてセローを起こすのに手を貸してくれた。いい人だぁ…。
「ありがとうございました、あとは本当に大丈夫ですから、どぞお先に」
「では、お気をつけて(^^」
爽やかに去るDRZ。迷惑をかけてしまったことを反省。
いかんいかん、慎重に走らねばと思ってバイクを見ると右ステップが折れた状態のまま戻らない…(T▽T)
バイクにまたがって、右足の内側をステップの付け根にくっつければ一応足は落ち着くが、
ステップ荷重を使って微妙に左右のバランスを取ることができなくなった。
まぁ舗装路まであと少しだし、そんな必要もないだろう。

えっ?

えっ?

ええぇぇぇぇっっ??

ええぇぇぇぇっっ??

最後の最後で現れた残雪…誰かが仕掛けた罠としか思えない…。
写真を撮影した先には、深さ10cmはあるだろう、深い轍が刻まれた雪道が待っていた…。
いきなり現れた雪の轍にハンドルを取られいきなり転倒。もう何回目だろう…。
半ば切れつつ無理やりバイクを起こそうとするが、足元が雪でズルっとすべる。。
それでも何とか起こして出発するも、再びフロントタイヤが轍からはずれてしまい、大きくハンドルを取られてしまった。
なんとか転倒はしなかったものの、バイクは轍に対して垂直方向。
前後に揺すって脱出を試みたが、後輪が轍に垂直にはまってしまい、どうにもならない。
一旦バイクから降り、引きつった笑いを浮かべながらどうしたものか考えていると、今来た方角からエンジン音が…。
「あ、あ、あっ!?」
轍をトレースしてやって来たのはXR…。
進路は私のセローが完全に塞いでしまってる…。
「来ちゃだめーっ(;´Д`)X」
雪の上で急制動したXRは当然のように派手に転んで横になったまま数メートル滑走…。
あぁ…俺のせいで…(つД`)
ライダーの装備がしっかりしていたようで怪我はなさそうだが、しなくてもいい転倒をさせてしまった。。
その後ろからも二台ほどのオフ車がやって来て停車。
…このあたり普段からこんなに交通量多いのだろうか…。
とにかく進路を開けねばと、セローのリアキャリアを両手でつかみ「フヌッ」っと力尽くで持ち上げて無理やり方向転換。
「すみませんでしたー…」
と頭を下げつつ、3台をお見送り。本当に申し訳ない…。
はぁぁぁ、肉体的にも精神的にもヘトヘトに疲れた…。
そこから数分。今度はようやく本当にゴール。
紀伊半島最長の未舗装区間、川津今西林道・猪笹林道の約35km+α(支線)をともかくも完走。
15:20、龍神スカイラインの護摩壇山スカイタワーに到着した。

護摩壇山スカイタワー 残念ながら四月まで休業中

護摩壇山スカイタワー 残念ながら四月まで休業中

スカイタワーの駐車場には林道ですれ違ったオフ車の面々が勢ぞろい。
みんな同じグループだったのかと、その規模に驚きながら声をかけた。
「いやぁ、迷惑かけちゃってすみませんでした」
「いえいえ、キャンプツーリングですか? その荷物で林道ってすごいねぇ」
彼らのナンバーを見ると関西のあちこちから来てるようだ。
後からさらに2・3台到着。全部で10台ほどは居るだろうか。
東京から来たことや、これまでのツーリングのことなど、いろいろ話してるうちに話題は僕のセローに。
「うわ、フロントタイヤ減りすぎやん、すぐにでも交換したほうがええで」
「リアタイヤもやばない? よぉ、あの道走って来たなぁ」
「高速で帰るんなら空気圧も足りへんな」
(;´Д`)…言われてみれば…。。
特にフロントタイヤ。中央のブロックはほとんどなくなってしまっている。
東京を出たときには十分持つだろうと思って気にも留めていなかったが、確かにやばい。
そういえばオイル交換も予定していた走行距離をとっくに過ぎていた。
とたんに帰路が不安になってきた。
「この辺にバイク屋ありますかねぇ…」
自分の今日のキャンプ予定地を聞いたうえでいろいろ心配しながらアドバイスしてくれた。
とりあえずこれから目指す方向には大き目の町がいくつかあるので、幹線道路をバイク屋を探しながら行くことにする。
30分ほど休憩して、彼らは解散。またどこかで、と挨拶しつつ去っていった。
関西のオフローダー=いい人というイメージが自分の中に定着した。
彼らが去った後、右ステップの様子を確認。
転んだ衝撃で関節の部分に土が入り込んだのが戻らない原因のようだ。
土を取り除きつつ、タイヤレバーを梃子にして力を加えたら、すんなり元通り。
よかった。残り心配はフロントタイヤとオイルだけだ。
16:00、出発。龍神スカイラインを高野山方面に。
キャンプに備えて途中の休憩所で水をペットボトルに汲む。
16:20、国道へ出て左折。ちょっとだけ金剛峰寺に寄り道。
平安時代より皇室を始めとする日本中の人々が帰依してきた古刹としては建物の規模は小さめだが、
国道沿いの数多の宿坊や門前町がその繁栄の歴史を物語っていた。

真言宗の総本山 高野山金剛峰寺

真言宗の総本山 高野山金剛峰寺

本堂なのかな? 密教なので秘密かな?

本堂なのかな? 密教なので秘密かな?

駐車場で横浜から来たライダーと一言二言交わす。
片足をびっこひいてたので心配したら、長距離運転してきて硬直してしまったそうだ。
ひとごとじゃないよなぁ…。
さて、そこから吉野川(和歌山県内では紀ノ川)流域を目指しただが、道選びを失敗した。
地図で見て、近道に見えたR371を選んだのだが、ひどい山道。急いでるのにスピードが出せない…。
遠回りでも川沿いを走るR370を選ぶべきだったと、少し反省。まぁ20km程度で、たいした距離じゃないのだが。
吉野川沿いを走るR24に合流したのが17:00くらいか。
そのまま川の流れを遡るように橋本を経て五条へ。夕方ということもあり渋滞していた。
っと、 国道沿いでバイク屋を発見。喜び勇んですぐに駆け込んだ!
「すみません、ヤマハのセローなんですが、フロントタイヤって在庫あります?」
「ないねぇ…そのサイズ置いてあるとこ、この辺りじゃまず無いよ」
ガ━━━━(゚Д゚;)━━━━ン!
「では、オイル交換だけでもお願いします…」
「あいよ」
オイル交換の間、約20分。バイク屋さんとのいろいろな話を楽しみながらも気掛りは消えない。
フロントタイヤどうしよう…無理すれば東京まで持つか…それとも大きな町で探してでも交換するか…
…っていうか今夜の宿、まだキャンプ地すら確定していなかったっけ…。。
オイル代1000円を払って出発。とにかく野営地を探さねば。
今日のキャンプはもともと吉野川の川原を予定していた。
吉野川の河畔へ降りる道がR24にところどころ設けられていることは出発前に確認済み。
しかし、実際に走るとなかなかここと決められない。人目についたり、鉄道の近くでうるさすぎたり。
少しでも東京へ近づきたい気持ちがそう思わせるのか、もう少し先にもっといい場所があるだろうと、つい欲を出してしまう。
気付けば吉野山への分岐も過ぎて、もう18:00。薄暗くなってきた。さすがにやばい。
っと丁度サンクスのある交差点に川原へ降りる道があったので、そこを野営地に決めた。
国道から丸見えだが仕方ない。(確かこの辺り
ゴロゴロした石の川原だが、なるべく平らな場所を選び早速テントを張った。
張り終える頃には完全に夜。しかし月明かりで周囲は結構明るい。
米を水に浸してとりあえず夕飯の準備はOK。
まさか空き巣は来ないだろうが、念のためにテントの内側でLEDランタンをつけたまま、バイクで近所の温泉に向かう。
向かった先は津風呂湖温泉。真っ暗な山道が怖かったが10分ほどで到着。
入浴料900円と貸しタオル代200円を払い浴室へ。
備品の炭シャンプーで汗と土ぼこりを洗い落として、心身ともにサッパリ。
筋肉痛でパンパンの全身を揉み解しながら、露天風呂で夜風にあたる。
あ”ぁ”~、き”も”ち”い”い”~♪
β波出しまくりの状態で、あの廃道での出来事を思い出す…。
今朝入りそびれた白浜温泉が遠い昔に感じられた。
風呂上りにはマッサージ器でさらにリラックス。
温泉から戻り、野営地の目の前のサンクスで酒とツマミを購入。
東京でもサンクスはすぐ近所にあるのだが、ここまで近くじゃ無い。便利だ。さすがコンビニ。
旅の最後の夕食はキャンプの王道、カレーライスで〆た。
レトルトだったが、やっぱり外で食べると5割り増しで美味しい。
疲れと温泉で酒の巡りがいつもより早い。
重くなったまぶたに促されるように、寝袋へ体を潜り込ませ、目を閉じて大きく深呼吸。
東京の部屋が幹線道路に面しているせいだろうか、吉野川のせせらぎを時折掻き消す国道のエンジン音が妙に懐かしい。
明日は東京…無事に帰れるだろうか…そんな不安もあったが、あの経験に比べればたいしたことじゃないな、と心底思う。
紀伊の山々に住まう荒ぶる神々の息吹をすぐ傍らに感じた、あの経験に比べれば…。
さすがにもう二度と経験したくないけどね。

紀伊半島凸凹巡礼・森の巻

5:00過ぎ。今朝も自然な目覚め。
体調がキャンプツーリングに順応し始めたかな。
ジャケットを着込んでしばらく散歩。さすがに明け方はまだ肌寒い。
本州最南端の岬で、日の出を迎えた。 今日もどうやら快晴だ。

本州最南端の碑

本州最南端の碑

空の色が徐々に変わる貴重な数分間

空の色が徐々に変わる貴重な数分間

マルタイの棒ラーメン(ミソ)に納豆をぶち込んだやつと、菓子パンの朝飯。
我ながら、めちゃくちゃな取り合わせだなぁ…。
日が高くなるにつれて、早々に出発する人もちらほら。
僕もちゃっちゃとテントを撤収。猫が散らかしたゴミも片付けた。
7:00。昨日会話したライダーに挨拶して出発。
本日、最初の目的地は南紀の代名詞・白浜。
古くからある温泉で有名な町だ。昨日の続き、R42を海沿いに進む。
太陽が照っていても走ってみると結構寒い。
途中、道の駅・イノブターランドすさみでトイレ休憩。
潮岬から一時間ほど走ってR42を左折。
白浜空港の下を潜り抜けると、白浜温泉の巨大なホテルが立ち並んでいた。
途中、景勝地・三段壁千畳敷を見学。

三段壁 熊野水軍が洞窟を隠れ家にしていた

三段壁 熊野水軍が洞窟を隠れ家にしていた

千畳敷 夕日が美しいらしい

千畳敷 夕日が美しいらしい

バイクを停めて歩くと今度は暑い。
三段壁で食べた、和歌山名産の梅を使ったソフトクリームが美味かった。
白浜の代表的な立寄湯・崎の湯に到着したのが9:00。
日曜だけあって、朝なのにかなり混雑していた。
せっかくなので入浴したかったのだが温泉目的の旅ではない。
夕方、キャンプ地近くで入る予定なので、ここは雰囲気を味わうだけにして出発。
駐車場整理のおじさんに「はいらんの?」と聞かれたが、また今度ね。
今入っても、すぐに汗まみれになるだろうから…。

白浜温泉・崎の湯 いつかまた入浴しに行きます

白浜温泉・崎の湯 いつかまた入浴しに行きます

さて、ここからはひたすら内陸部を目指す。
海風に別れを告げ、JR白浜駅をかすめてR311へ。
このR331は中辺路と呼ばれる熊野古道の一つだ。
古来、熊野詣の際に使われてきた由緒ある道だが、現代はとても走りやすい快走路になっている。
冨田川流域をなだらかに登り、やがて奥深い紀ノ国の山の中へ。
昔は幾日もかけて参拝したのだろうが、今はトンネルと橋で峠も谷も簡単にパス。
あれよあれよと言う間に熊野川流域へ抜けて、10:00過ぎ、熊野本宮大社に到着した。

熊野本宮大社 鳥居をくぐる

熊野本宮大社 鳥居をくぐる

両側に幟がはためく参道

両側に幟がはためく参道

階段を上ると八咫烏の幟が出迎え

階段を上ると八咫烏の幟が出迎え

古色蒼然とした社が並んでます

古色蒼然とした社が並んでます

3枚目の写真を撮ってると、若い男女4・5人のグループがやってきた。
「ほら、あれ、サッカーの日本代表で使われてるやつや」
「あ、あのカラス…名前何やっけ…?度忘れしてもうた」
僕は思わずボソリと一言。「ヤタガラス」
「あぁ、そやそや、そうですわ、おおきに♪」
10:30、熊野大社を出発。紀伊半島を縦断するR168を北上。
日本で最も面積の広い村、奈良県十津川村を目指した。
この先に走る予定の林道も含めてガソリンが不安なので、
途中で給油を予定していたのだが、予定していたGSが休みだった。
仕方なく道の駅・奥熊野古道ほんぐうに寄り、近所でやってるGSについて聞いてみる。
「熊野本宮の先にあります」
今来た道を戻るのね…。10分ほどかけて来た道を戻って給油。
GSのおばちゃんの話によると、このあたりのスタンドは日曜日は休みになってて、当番で一軒だけ営業しているそうだ。
戻ってでも給油して正解だった。給油を終え、気を取り直して十津川村を目指す。
熊野川に沿って徐々に高度を上げるに従い、渓谷は深くなり、樹木が鬱蒼と茂った山々が周りを囲む。
和歌山県の古名、紀ノ国はもともと「木の国」が転じたものらしい。
熊野の主神・家都御子神(けつみこのかみ)も、樹木の神としての側面を持つ素戔鳴尊(すさのおのみこと)の別名とされている。(参照’
最高でも2000m未満という適度な標高の山々と、国内随一の降雨量がこの豊かな森を育んだのだろう。
林立する大樹の足元に立つだけで、原始の人々でなくとも畏怖の念を抱いてしまう。
伊勢神宮や熊野三社、大峰信仰に高野山…神・仏・修験の聖地がこの紀伊半島にあるのは歴史の必然なのかも知れない。
11:30、十津川村に到着。温泉の硫黄臭が漂っている。
現代では自然に恵まれた秘境の温泉郷として成り立っているが、実は歴史に何度も登場する由緒ある土地なのだ。
記紀の神武東征から始まって、壬申の乱に源平・保元の乱、南北朝時代にも幕末にも歴史の舞台に登場する。
また北海道・新十津川町の開拓団も有名らしい。僕の知り合いにもその町の出身者がいる。
(行ったらよろしくと言われたが、どうしたものか?)
とりあえず、ダムのほとりの食堂兼居酒屋で昼食。
カレイの煮付けに山菜の煮物をいろいろ添えた定食をあつらえてくれた。
1000円取られたが、大変おいしゅうございました。

十津川温泉郷と十津川ダム

十津川温泉郷と十津川ダム

さぁ、実はここからが今回のツーリングのメイン・イベント!
この秘境から、さらに山奥へ分け入っての長距離林道だ。
渓谷を縫うように走るR425をしばらく龍神方面に進み、川津今西林道へ。
分岐点を間違って民家の畑へ入り込んでしまったが気にしない。
川津今西林道の本線は舗装路だが、とにかく進む。
うねうねうねうねと狭苦しい登りのワインディングが続き、ようやく尾根道へ。
しばらく進んで、目的の未舗装路の分岐点に到着。時刻は12:30。

ここで左折 ドキドキ…

ここで左折 ドキドキ…

尾根の下を横切る筋を今から行くわけです

尾根の下を横切る筋を今から行くわけです

ここからの未舗装路。実はまだ正式名もないらしく、仮に護摩壇山今西林道とか、県営作業道とか呼ばれている。
奈良県と和歌山県の県境にある山々の尾根を結び、猪笹林道に合流して、護摩壇山へ抜けられるらしい。
(猪笹林道との分岐までを含めて川津今西林道と呼ぶのが地元では一般的、ってことが後に判明したのでその名称を採用します)
一応、地図でだいたいの行程は調べたが、登山道のような細い破線を結ぶルートしか確認できなかった。
まぁ行けると言ってる人間が複数いるし、進めなくなったら引き返せばいいさ。レッツらゴー。
路面は四輪のタイヤの後が目立つ。軽トラックが辛うじて通れるくらいの復員だ。
ガードレールなど勿論無い。道を外れたら谷底に真っ逆さま。
生きて帰ることが最優先なので、なるべく臆病にノロノロと進んだ。
尾根道なだけに景観はとにかく素晴らしい。
御荷鉾林道以上。剣山スーパー林道に匹敵するかもしれない。
開放感に満たされながら、紀伊半島の屋根を西へ進む。
三浦峠を越えたあたりから明らかに道の状況が悪化した。
ここで一度支線に迷い込み、石がゴロゴロして復員の狭い悪路を走らされたが、本線も負けてはいない。
土砂崩れと路肩崩落の挟み撃ちで、四輪じゃとても無理そうな難関が何箇所もあった。

白い縦線が崩れている部分ですね

白い縦線が崩れている部分ですね

祈るような気持ちで通過

祈るような気持ちで通過

このまま無事に抜けれるのか?
一人で崖に落ちないか?
落石や土砂に巻き込まれないか…?
いろんな不安がよぎりながらもとにかく前進。
崖に面したトラバースルートの途中で放置されたバイクを見つけた。
ライダーは無事なのかと気になって崖下をしばらく眺めたがいないようだ。
どうやらトラブルが発生したためにバイクを置いて下山したらしい。
ここじゃバイク屋を呼んでも絶対に来ないだろうなぁ…。

放置されたランツァ

放置されたランツァ

よく見るとスプロケットに荷ひもが絡まってました

よく見るとスプロケットに荷ひもが絡まってました

雄大な眺望と時々現れるフラットな区間に慰められつつ、崖又山鉾尖岳を越え、川津今西林道から猪笹林道の区間へ。
護摩壇山までもう少し…
ってとこで、なぜか道を間違えちゃった!!(てへ♪)
そして、ここからが悪夢の始まりだった…。

紀伊半島凸凹巡礼・海の巻

5:00過ぎ。自然と目が覚める。外がほのかに明るい。
風はほとんど止んでいた。とりあえず顔を洗って、納豆で朝飯。
食べ終わる頃にはすっかり日が昇っていた。撤収開始。

おもし代りに味噌汁乗っけてクツクツ炊飯

おもし代りに味噌汁乗っけてクツクツ炊飯

春はあけぼの やうやう白くなりゆく…

春はあけぼの やうやう白くなりゆく…

トイレもすませて、6:30出発。今日の最終目的地は本州最南端の潮岬。
とりあえず昨日走ったR260を鵜方まで戻る。丁度英慮湾を反時計回りに周る形だ。
鵜方からは県道を海沿いにひたすら西進。再びR260に合流し、南勢を経て、紀伊長島を目指す。

登茂山展望台から英慮湾の複雑な地形を眺める

登茂山展望台から英慮湾の複雑な地形を眺める

海面スレスレの高さを走り抜ける

海面スレスレの高さを走り抜ける

ずっと海沿いの道を進むつもりだったが、リアス式海岸でどうにも移動距離が稼げない。
途中で県道を内陸部へ折れてR42=熊野街道を進むことに。
川沿いの道で、さすがに勾配もカーブも緩やかだ。
快調に進んで10:00前に紀伊長島の道の駅・マンボウに到着。
この町はマンボウが名物らしく、道の駅ではなんと串焼きを売っている。
にわかに信じられなくて焼いていたおっちゃんに思わず「本当にあのマンボウなんですか?」と確認してしまった。
塩コショウで食べてみたが、鶏肉に似た食感で美味しい。見た目ユーモラスな魚なのだが意外な味だ。

紀伊長島の道の駅マンボウ

紀伊長島の道の駅マンボウ

マンボウの串焼き300円 美味いっす

マンボウの串焼き300円 美味いっす

普段口にしない海の幸と言えば、南紀の熊野は昔から鯨漁で有名だ。
今回の旅でも機会があれば食べてみたいものだ。
伊豆のあたりではイルカの肉が売られているという噂も聞くが、それにも少し興味がある。
哺乳類だから魚や鳥よりも牛や豚に似ているのだろうか…。
紀伊長島からさらにR42を南下。三重南部の大きな町、尾鷲に着いたのは10:40頃か。
ここから次の町、熊野へ行くには海沿いの県道と山中を行くR42との二通りある。
海沿いの道がツーリングマップルのおすすめルートになっているが、林道に行きたかったので敢えて山方面に。
ガソリンがだいぶ減っていたが、給油するにはちょっと早い。まぁ林道を走り終わるまで持つだろう。
矢の川トンネル、大又トンネルという二つの長いトンネルを抜けて、橋を渡って右折。
このツーリング初めての未舗装路、佐渡林道の入り口である。
しばらく進むとゲートがあった。開けて閉めて、さらに奥へ。
路面はフラットだが上り坂で結構傾斜がきつい。

佐渡林道入口

佐渡林道入口

勾配は急ですが走りやすい路面です

勾配は急ですが走りやすい路面です

峠を越えて今度は下り坂。沢沿いをのんびり進む。
柔らかな日差しに高所の木々も春の訪れを敏感に感じているようだ。

峠付近からの眺望

峠付近からの眺望

むき出しの岩盤を流れ落ちる沢水

むき出しの岩盤を流れ落ちる沢水

林道を進むにつれ、ガソリンの量が気になってきた。
思ったよりも佐渡林道が長い。国道まで持つだろうか…。
佐渡林道の終点は大又林道との分岐でもある。
そのまま大又林道へ。この林道を無事に通行できれば国道まで戻れるのだが…。
念のため、フュエルコックをリザーブにしておく。
大又林道はかなりハードな林道だった。
いきなり、長~い素掘りのトンネル。出口付近には落盤した岩塊のオマケ付。
路面も最近車両が通行した形跡がない様子。廃道寸前といった雰囲気。
っと思ったら、路肩崩壊。これじゃ四輪は通れないだろう。
「こりゃ、あぶねぇなぁ…」と慎重に進んだら、突然、首の高さにトラロープ!ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
端っこの方に赤い布は巻いてあるが、とても見えにくい。
路肩崩壊で危険箇所だから通過しないように張ってあるのだろうが、かえって危険じゃなかろうか。
全速で走っていたら首チョンパになるところだった。

エンストしてライト消えたりしたら泣けます

エンストしてライト消えたりしたら泣けます

轍の痕跡すらない大又林道

轍の痕跡すらない大又林道

それにしてもこの悪路、国道側の入り口が封鎖されていないか心配だ。果たして通り抜けできるのだろうか…。
二回遭遇した鹿も、どうも人間に慣れてない様子。やはり人跡稀れなのだろうと、かえって不安にさせる。
いざとなったら今来た行程を尾鷲の町まで戻らねばならないが、
リザーブとガソリンストーブのシグ缶の中身でどこまで走れるやら…。
なんて心配も空しく、すんなり通過しR42へ。
ほっとしつつ、すぐに見つけたGSで給油。ガソリンの残量もなんだか全然余裕だった。
林道走行距離は25kmくらい。ガス欠に気を使わずに済んでいたらもっと楽しめたろう。
やはり林道へ入る前には余裕を持って給油しておきたい。反省。
国道に出たら、熊野までひたすら下り道。
数分走って海へ出た。雄大な熊野灘が目の前に広がっている。
13:00。 国の天然記念物・獅子岩でちょっと休憩。
四人組でツーリングしてる方々が、丁度、入れ違いで出て行くとこだった。
スクーターで荷物をつめない女の子の分だろうか、
うち一人が125ccくらいのバイクのリアキャリアの両側に銀マットを無理やりくくりつけ、
さらに上に荷物をガシガシ積んでいた。真似できない過積載、さすがだなぁ…。

熊野灘だな(←しつこい)

熊野灘だな(←しつこい)

獅子岩 たいして感動もしないけど…

獅子岩 たいして感動もしないけど…

このまま真っ直ぐ海岸線を進めば、すんなり新宮に到着するのだが、それではちょっと物足りない。
R311を再び山中に分け入って、熊野川沿いを下ることにした。
ひと山越えて、熊野川支流の北山川へ。
煌きながらゆったりと流れる大河の向こう側、深緑のそこかしこに山桜の白が映える。
なんて素敵な風景…。 イイヨイイヨー。

とぼしい詩心を刺激させられちゃう

とぼしい詩心を刺激させられちゃう

慎ましく咲く山桜が美しい

慎ましく咲く山桜が美しい

やがて道はR169を経てR168へ合流。北山川も本流の熊野川に合流した。
14:00。熊野川沿いにある道の駅・瀞峡街道熊野川に到着。
かあちゃんの店でめはり寿司定食600円を食す。
高菜の茎を刻んで御飯に混ぜ、それをさらに高菜の葉で包んだ料理らしい。
そのことを会話して聞き出したところ、方言で関東とばれたのだろう。
会計のとき他の客には「おおきに~」って言ってたのに、僕にだけ「ありがとうございました」だって。
うーん。何か悔しい。

めはり寿司 素朴で美味しかった

めはり寿司 素朴で美味しかった

桜にバトンタッチして力尽きた梅の花

桜にバトンタッチして力尽きた梅の花

食事を終えてR168をさらに進み、新宮で再び海へ出た。
熊野三社のひとつ、新宮=熊野速玉神社は敢えてスルーして那智の滝へ向かう。
平家物語が好きな僕には、どちらも外したくない場所なのだが、時間が無いので仕方ない。
那智勝浦の町へ入り、看板にしたがって県道を右折。
内陸へ向かって進むと、やがてワインディングの続く峠道へ。
有名な観光スポットだけあって大型のバスも多く四輪は大変そうだ。
15:00、那智の滝に到着。バイクを停めると、後ろからついてきていたスクーターの青年が話しかけてきた。
見れば目黒ナンバーではないか。
ミラー越しにスクーターには気づいていたが、半帽ヘルメットに素手なのでてっきり地元の兄ちゃんだとばかり思っていた。
トラックで滋賀まで運んでもらってそこからここまで乗って来たらしい。いやはや大した根性だ。
帰りは那智勝浦からフェリーらしい。いろいろ話をしながら一緒に那智の滝見学。
さすが落差133mの大瀑布。圧倒される迫力だ。

那智の滝 神格化されて当然だわ

那智の滝 神格化されて当然だわ

一日中バイクに乗ってると階段きついっす

一日中バイクに乗ってると階段きついっす

30分ほど見学して出発。スクーターの彼はこの上の寺に用があるらしく、ここで分かれた。
僕はマップルおすすめの道、那智山スカイラインへ。通行料300円を払って、さらに登りのワインディング。
展望台の景色はたしかに素晴らしかったが、スカイラインを抜けて国道へ戻る際に迷い込んだ県道235号線が悲惨だった。
ひどい悪路で道幅も狭くガードレールもない。対向車が現れないことを祈りつつソロソロと進むこと数十分。
ようやく下里で国道に合流。今日のキャンプ地、潮岬まで海沿いを走り抜ける。
本州最南端の町・串本町に入り、橋杭岩にちょっとだけ立ち寄って、潮岬へ。

那智山スカイラインより熊野灘を遠望

那智山スカイラインより熊野灘を遠望

串本の奇岩 橋杭岩

串本の奇岩 橋杭岩

17:00、潮岬・望楼の芝生キャンプ場に到着。 土曜日の夕方だけあって、他にもバイクが数台。
すでにテントもいくつか張られている。広大な芝生の敷地。好きなだけ野営スペースがある。
しばし、そこにいたライダーと談笑。埼玉から青の92年式セローで来ていた男性も。
明日フェリーで徳島に渡る予定らしい。いいなぁ。
おっと、日暮れが近いのであんまりのんびりしていられない。
テントを張って、買出しと温泉目当てに、串本の町にひとっ走り。
とりあえず潮岬の付け根にあるAコープへ。
お夕飯のおかず、何にしようかしら…(主婦風)と迷いつつ鮮魚コーナーへ。
カツオは昨夜食べたしなぁ…お、鯨だ、でも切り身大きいなぁ、1000円もするし…。
なんて思いつつ眺めていると、な、な、なっ!?

イルカ発見 しかも格安

イルカ発見 しかも格安

【行動しなかったことを後悔するより、行動したことを後悔する方がまし】が私のモットー。 迷わず決定。
あとは地元のフルーツトマトとビール、おやつの菓子パンを購入。どんな味か楽しみだ。
買出しを終えたら今度は温泉。
串本温泉サンゴの湯というとこに入るつもりだったが、来る途中に見かけた天然温泉・串本に向かった。
入浴料500円。ホテルに併設された温泉だがこじんまりした地域密着型の銭湯風。
汗を流して体を洗い、湯船にザブン。ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
昨日入りそびれたせいもあるだろうが、むちゃくちゃ気持ち(・∀・)イイ!!。極楽極楽。
入浴を済ませ、給油してキャンプ地へ戻ったのが18:30。
さっそくビールを開けてゴキュゴキュ。とりあえずフルーツトマトをガブリ。うめ~。しみる~~。
一息ついたところで、本日のメインディッシュ、イルカの刺身。
白い皮と赤々とした肉が薄くスライスされている。
生姜醤油でまず一切れ口に放り込んでみた。
( ̄~ ̄;)ウーン
なんだ、この独特の匂いは…。イルカの皮下脂肪の匂いだろうか?
甘い香料のロウ細工をイメージさせる…一言で言うと、すごく不味い。
飲み込むことを躊躇しながら口の中でモグモグ噛んでみるが、皮がどうもゴムみたいで噛み切れない。
コリコリと硬い表皮に、甘い人工香料を使ったゴムのような皮下脂肪、そして血なまぐさい赤味。
米を炊きながら3切れほど食べたが、それ以上箸が進まない。とてもこのままではオカズにできない…。
とにかく、なんとか食おうと、醤油で炒めることにした。
七味と生にんにくでできるだけ臭みをごまかす。

イルカの醤油炒め南紀風

イルカの醤油炒め南紀風

( ̄ヘ ̄;)ウーン
何かの内臓系の肉だと思えば食べられないことはないなぁ、という程度。
なんとも食欲の減退するオカズのせいで御飯はあまりすすまない。が、鬱々と時間をかけて何とかイルカ完食。
半分ほど残った御飯をお茶漬けにしてサラサラ食べたが、その美味かったこと。(T▽T)
それにしてもM氏に食べさせてみたかった…。
さて、その日の深夜。
熟睡してると、頭上、枕もとのテントの外でなにやらガサガサと派手な音。
なんだなんだ?とあせって 電気をつけると気配は消えた。
入り口を開けて前室を見ると、ゴミ袋が荒らされている。
そういえば夕方、駐車場を猫が横切っていた。やつの仕業か…。
イルカの血の匂いが呼んでしまったんだろうなぁ…。
フライシートの隙間から必死に前肢を伸ばした様子が伺える。
どうしたものか。
荒らされるのは嫌だが、あの匂いが充満する中で寝るはもっと嫌なのでゴミ袋をテント内に仕舞うわけにもいかない。
厳重に縛って、フライシートからなるべく離れた位置に置いた。
「俺が寝付くまで頼むから静かにしてくれよ…」
そう思いつつ目を閉じた。
タタタタタタッ…
フギャッ!!
フォォォォォォォォッッ!!!
…。
だから喧嘩とか、するなってばさ…。。

東海道中鉄青毛

毎年、年度が替わるこの時期は、納期と受注の狭間でシステム開発がひと段落する。
で降って沸いた四連休。これだけまとまった休みはそうそう取れない。
遠くへ。なおかつ、この季節だ、なるべく温暖な場所へ。
そんなこんなで紀伊半島へキャンプツーリングに出かけることにした。
仕事や雨を考慮して一週間ずらした連休第一日目の朝は見事に雨。
気温も低めで気持ちが萎えそうになるが、天気予報は雨のち晴れなのだ。ここは意を決して出発。
午前6:00過ぎ、いつもの装備を積んでレインコートに身を包み、雨に濡れる環状七号線に乗り出した。
とりあえずの目的地は伊勢。遠い…ひたすら遠い。
7:30。R246から環八を経て東名高速道路の東京ICへ。
平日の朝なので下道は渋滞気味だったが、さすがに高速は空いている。
とはいえ雨の中の遠距離走行。エンジンオイルの具合も気になるのでスピードは控えめ。
80~90km程度の速度で巡航した。
大井松田から山北のあたりにさしかかると雨脚が強くなってきた。しかもかなり空気が冷たい。
涙ぐみながら足柄SAでトイレ休憩。まだまだ道のりは遠い。
下り勾配になり御殿場から沼津へ抜けたころには寒さも和らぎ、雨も小ぶりに。
静岡をすぎたあたりでようやく雨が止んだ。9:40、雨具を脱ぐついでに牧の原SAで朝食と給油。
朝食は桜海老のかき揚げそばと焼きおにぎり。実家のすぐ近くなのだが今回はスルー。
さて、江戸からの伊勢参りといえば「東海道中膝栗毛」が有名だが、膝栗毛ってなんじゃらほい?
栗毛は馬の毛色。「自分の膝が馬代わり」ってことで徒歩旅行のことらしい。なるほどねぇ。
さすがに弥次さん喜多さんのような徒歩旅行じゃないので膝栗毛とは呼べない。
さしずめ鉄青毛(青毛=黒色)といったところか。
今日も乗り手に苦労させられてる鉄馬である。
10:30、浜松ICを降りて浜名バイパスへ。
馬手に浜名湖、弓手に遠州灘。頭上を仰げば朝方の雨が嘘のような青空である。
ただし風は強い。

遠州灘だな

遠州灘だな

浜名バイパスから潮見バイパスを経てR42へ。
愛知県の東南から西に伸びる腕のような渥美半島の先端、伊良湖岬を目指す。
それにしても渥美半島。気にも留めていなかったが、かなり広大。というかだだっぴろい。
単調なくせに見通しがあまりよくなく大型車も多い。要は走っていてつまらない。
退屈な時間を経て12:00過ぎ、ようやく伊良湖港の伊勢湾フェリー乗り場に到着。
隣接された道の駅・クリスタルポルトで乗船券を購入。
何があるかわからないので往復はやめて片道のみ2,700円にしておいた。(この判断は正しかった)
それにしても伊勢湾フェリーのクルーたちは無愛想だ。
船が到着して乗船時間が迫っても、何のアナウンスもない。
車列の先頭に来て面倒くさそうに黙って指で「あっち」と指す程度である。
船に乗り入れても、停車位置やバイクのギアについては、こちらが聞くまで何の言葉も発しない。
船旅は好きだが、この船のクルーはマイナス評価。もうちょっと接客態度を学んで欲しい。
12:45、予定通り出港。

この方々も放置状態で困ってる様子でした

この方々も放置状態で困ってる様子でした

伊良湖岬よ、さらばさらば

伊良湖岬よ、さらばさらば

船の中でのんびり休憩と行きたい所だが、そうもいかない。
キャンプ場の予約に、ルートの確認などなど。
一時間弱の伊勢湾横断クルーズはあっという間に終了。
いよいよ紀伊半島の鳥羽に到着である。

天気晴朗ナレド波高シ

天気晴朗ナレド波高シ

出撃を待つ戦闘機のようです

出撃を待つ戦闘機のようです

13:40。鳥羽に上陸してまず目指したのは伊勢志摩スカイライン
ツーリングマップルのおすすめルートである。
今日はオフロードなしで観光に徹するつもりだ。
R167を少し伊勢方面に進んで左折し、通行料金860円を支払う。
うねうねとワインディングが続くが走りやすい。
高度を稼いで、14:00過ぎ。頂上の朝熊山(あさまやま)展望台で到着。
いやはや、海・山、共にいい眺めである。。
まさにこれからの紀伊半島の旅を予感させてくれる。

東方、鳥羽方面には海に浮かぶ島々

東方、鳥羽方面には海に浮かぶ島々

西方、伊勢方面には大台山系の山々

西方、伊勢方面には大台山系の山々

それにしても風が強い。ちょっと寒いので何か食べることに。
休憩所でおばちゃんにサザエの串焼き250円を注文。
「それにしても今日は風強いですねぇ~」
「そやねぇ。こわない?」
「はっ?」
「こわない?風強いやろ?」
「あ、あぁ、怖いですね、風強いですもんね」
そうだった。思い出した。
三重県は中部地方に分類されることが多いが、都市部を除いてほとんど関西の文化圏だった。
この先の紀伊半島ももちろん関西弁。うーん困った。
似非関西弁を無理して使ってもボロがでるだろうなぁ。
しゃーない、あえてツーリング中は標準語で通そう。
休憩を終えて再出発。スカイラインを下り、有料道路終了。
次の目的地、伊勢神宮(内宮)は目と鼻の先である。
R42を経てものの数分で到着。14:30。
平日だというのに駐車場はえらい混みよう。
さすが現代でも伊勢参りは盛況らしい。
「伊勢参り、大神宮にもちょっと寄り」なんて川柳もあるが、なかなかどうして、かなりの参拝者数である。

神域と俗世を隔てる大鳥居をくぐり

神域と俗世を隔てる大鳥居をくぐり

五十鈴川を横目に宇治橋を渡る

五十鈴川を横目に宇治橋を渡る

参道の右手は見事な日本庭園

参道の右手は見事な日本庭園

杉の大木が聳える、太古の森

杉の大木が聳える、太古の森

いわゆる伊勢神宮は内宮と外宮があって、「外宮参らな片参り」と言われてるらしいが、この「片参り」という言葉、ちょっと怪しい。
上記の朝熊山では 「お伊勢参らば朝熊(あさま)をかけよ 朝熊かけねば片参り」 。
また、後日訪れた熊野大社では「伊勢に七度、熊野に三度、どちら欠けても片参り」。
北伊勢の多度大社でも「お伊勢まいらば、お多度もかけよ、お多度かけねば片参り」。
江戸時代に伊勢参りの人気に便乗した各地の商売人が言い始めたとしか思えねー。
ということで片参りだろうと何だろうと気にしない。内宮正殿だけで参拝終了。
門前町のおかげ横丁で遅い昼食。伊勢うどん525円を食す。
もちもちした太麺にみりん醤油の甘辛いタレと刻んだネギの単純な味だった。
まぁ江戸時代からの伊勢の名物だ。こんなものだろう。
松坂牛を使った牛丼屋もあったが、そっちの方がよかったか?

桜が一本だけ満開でした

桜が一本だけ満開でした

伊勢うどん シンプルな食べ物です

伊勢うどん シンプルな食べ物です

15:30。今日のキャンプ地のある志摩方面に向かう。
位置関係で言うと、紀伊半島の東端に、伊勢・鳥羽・志摩と北から並んでいる感じ。
R42からR167を経て二見~鳥羽へ。夫婦岩も見たかったが、急いでいたので無視。
キャンプ地まで、かなりの距離があるのが急いでいた理由なのだが、できれば手前で立ち寄り湯に入るつもりだった。
事前に調べておいたその温泉。マイナーで地元民が銭湯的に使ってるらしい。
ちょっと回り道になるが楽しみにしていた。
途中のスーパーがあったので夕食と酒の買出しを済ませる。
鳥羽で国道沿いに進み、船津のあたりで…伊勢鳥羽温泉・延命の湯の看板発見!

どう見ても普通の民家 しかも人気なし

どう見ても普通の民家 しかも人気なし

玄関が閉まっているので、どうにも困った。
裏手に人がいたのでたずねてみた。
「温泉、入りたいんですが…」
「あぁ、もうやってないわ」
「ありゃ、この時間にもう閉店ですか」
「ちゅうか、たぶんずっと営業してないはずやけど」
Σ(゚口゚;
仕方ない。たしかキャンプ場には温水シャワーがあったはず。それで我慢しよう…。
鳥羽まで戻り、そこから真珠の養殖が盛んな海沿いを走るパールロードを快走。
これもツーリングマップルのおすすめルートである。眺めもよくて走り易い。

養殖のいかだで海面はびっしり

養殖のいかだで海面はびっしり

太陽がもうかなり傾いて…

太陽がもうかなり傾いて…

志摩スペイン村を横目に、パールロードの有料部分を抜け、R260に合流した時点で17:00をだいぶまわっていた。
キャンプ場には18:00までには到着すると伝えてある。急がねば。温泉なんて入ってる暇無かった。
途中で給油も済ませ、R260をひたすら走る。
御座岬の先端、志摩観光農園キャンプ村に到着したのは18:00ジャストだった。
まずは受付。料金はオフシーズンの500円だとばかり思っていたが、ハイシーズン料金の1000円だった。
(あとで公式HP確認したが、オフシーズンのキャンプサイト500円+施設利用料500円=1000円という計算だったのかも)
まぁ500円くらいは許そう。許せないのは温水シャワーが使えないことである。(▼皿▼)ノ彡☆ バンバン!!
そりゃあ、この日の客は僕一人だったので、ボイラー使うのはコスト的にまるっきりあわないだろう。
だが強風で寒い中走って来たのだ。近所のホテルでの入浴チケットとかキャンプ代割引とか代替サービスがあってもよかろうに…。
なんてこと言いつつも、不満はそのくらいで、あとは愛想よくキャンプサイトを案内していただいた。
木陰で風を避けられ、水場も近い場所を進められ、そこに決定。
テントを張るのはひさびさだ。炊飯の手順なども含めて野宿の勘を忘れつつあった。
今日のおかず兼つまみはカツオの刺身にカニカマボコ。
ビールを二本あけてから米を炊く。強風のため時間がかかった。
火加減・水加減とも間違えたのかちょっとベチョベチョ。
カツオの刺身をガバっと乗っけて丼風にワシワシ食う。
うめぇ。なんだよ、うめぇじゃんか、カツオ丼。
食べ終わったら食器を洗い、翌朝用の米を水につけておく。
東京から一日走り通して疲れたので、そのまますぐ寝袋に。吹き付ける海風のうねりが気になる。
ラジオをつけ、地元の番組の周波数を探す。
テレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」が流れていた。
なぜか旅先にいることを強烈に意識させられる。
さぁ、明日はどこをどう走ろうか。
LEDランタンの下で地図を広げ、今日の疲れも一時忘れて翌日の旅程に思いを馳せた。

常州霞水周遊記

ホテルということでユニットバスのワンルームにベッドを予想していたのだが、意外にも和室だった。

ムチャクチャ殺風景な八畳間

ムチャクチャ殺風景な八畳間

四名はきついでしょ

四名はきついでしょ

外階段を下りて大浴場へ…(寒い)

外階段を下りて大浴場へ…(寒い)

3人で洗い場が一杯になる大浴場

3人で洗い場が一杯になる大浴場

キタワー.*:.。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。.:*!!☆
上記写真以外にも、いろいろポイントが高い。
・各部屋には内風呂・トイレやユニットバスなどは全く無い
・っていうか鍵がかかる普通の部屋
・建て増しのため廊下などは段差が多い
・二階のトイレに行くにも別の外階段へ一度出ねばならない
・トイレの洗面台は壊れていて手も洗えない
・お風呂は温泉ではなく「神秘」という不思議な石が入ってる(いろいろ効能があるらしい)
ホテルとは名ばかりの民宿だと思って泊まった方がよさげだ。
レストランも雰囲気はまさに食堂。
ただし期待していたよりも食事自体はまともだった。
ぶり大根の大根の皮が剥いてないのがちょっと気になったが、
きっと栄養を考えてのことだろう。ありがたいことである。
食べて寝るための場所、と割り切ってる僕には丁度いい宿である。
何にせよ、雨風しのげる一夜の宿を提供していただいたことには感謝せねばなるまい。

おひつでご飯が出ます 正直、かなり満足

おひつでご飯が出ます 正直、かなり満足

筑波山 部屋の窓から撮影

筑波山 部屋の窓から撮影

一日走った疲れも手伝って、その晩は完全熟睡。
翌朝は6時半起床。7時に朝食を取り8時、荷物を積んで出発。
いろんな意味で面白いホテルだった。
アミューズメント施設として考えると宿泊代金は妥当だと思う。
(ホテル名を知りたい方はメールで個別にお教えしますw)
さて、茨城ツーリング2日目。最初の目的地は筑波山。
ロープウェイで山頂まで登るため、昨夕通った道を再び登り、有料の筑波スカイラインをウネウネ進む。
で、8時半、ロープウェイの発着駅に到着。

ん?まさか…

ん?まさか…

運転休止期間中!?

運転休止期間中!?

・゚・(つД`)・゚・こんなんばっかり…
諦めてUターン。途中の景色で我慢するしかない。
ってか、帰宅後調べたら、離れた場所にあるケーブルカーは運行してたらしい…。_| ̄|○

一応、日本100名山のひとつです…

一応、日本100名山のひとつです…

筑波スカイラインから関東平野を望む

筑波スカイラインから関東平野を望む

気を取り直して目指したのは日本第二の広さを誇る湖・霞ヶ浦。
土浦を経て、湖畔に至ったのが午前9時半。
さぁ、ここから霞ヶ浦一周、約120kmの開始だ!
霞ヶ浦の湖畔の道路は未舗装の部分がかなりの割合を占めている。
ところどころ迂回が必要な箇所もあるが、湖の沿岸に沿ってほぼ一周が可能だ。
未舗装の部分はとても走りやすく、障害物もなく見通しもいいため思わずアクセルを開けてしまう。

霞ヶ浦越しに見える筑波山

霞ヶ浦越しに見える筑波山

霞ヶ浦湖畔は未舗装路がたっぷり

霞ヶ浦湖畔は未舗装路がたっぷり

今日は日曜。釣り人が多い。
ブラックバス狙いの若者にヘラブナ釣りのお爺さん。
鯉狙いだろうかセンサー付の竿を何本も出している人もいる。
鯉と言えば、昨年来鯉ヘルペス騒ぎで霞ヶ浦の養鯉業者は大変だろうなぁ…。
鯉、まだ食べたことないから食べてみたいなぁ…食べれるかなぁ…。
なんてことを考えつつ沿道の景色を眺めながら、ひたすら湖畔を進む。

野良牛!? いえいえ繋がれてます

野良牛!? いえいえ繋がれてます

これは珍しいタナゴ釣り 始めて見た

これは珍しいタナゴ釣り 始めて見た

霞ヶ浦は左岸・右岸・中岸で成り立ってます

霞ヶ浦は左岸・右岸・中岸で成り立ってます

ラジコンのモーターボートも疾走

ラジコンのモーターボートも疾走

ほぼ全面舗装済みの左岸の途中、霞ヶ関大橋のたもとに位置する道の駅・たまつくりに正午前に到着、トイレ休憩。
地元の方々による直売の露店を眺めてみると、鮎の塩焼き300円の隣に鯉甘煮450円を発見!
やれうれしや。お土産に即買い。
日が高くなってくるにつれて、だいぶ風が強くなってきた。

霞ヶ浦大橋と筑波山

霞ヶ浦大橋と筑波山

道の駅・たまつくり

道の駅・たまつくり

その後も、ひたすら湖畔を快走。 ぐるりと一周走行完了し土浦市街まで戻ってきたのは13:00。
ほとんど走ることに集中しても4時間半かかったが、結構楽しかった。

穏やかな日差しの下、煌く湖面

穏やかな日差しの下、煌く湖面

枯れた葦も霞ヶ浦っぽい風景です

枯れた葦も霞ヶ浦っぽい風景です

さて、腹が減った。せっかくなので昼食は川魚料理が食べたい。
うろうろ探しているうちに目に入ったのが「三浦柳」 。
高級な雰囲気の店だったが、表に出ていたランチメニューが手ごろだったのでそこに決めた。
道端にバイクを停めて店に入る。風が強いがまぁ大丈夫だろう。
小汚い格好で小奇麗な二階の個室に通された。仲居さんがわざわざ灯油ストーブを付けてくれる。
霞ヶ浦の眺めのいい部屋だった。で、注文したのはうな重(並)1600円。
鯉こくや鯉の洗いも注文したかったのだが、例の鯉ヘルペス騒ぎで注文が少なく、
その少ない注文に応じて鯉をつぶすことはできないので受け付けられないんです、と申し訳なさそうに断られた。
しゃーない。 事情を聞けば諦めるしかない。
並なのでうなぎの切り身は小さいが、老舗だけあってしっかりした味で美味しかった。
付け合せのレンコンも、霞ヶ浦の名産品らしい。満足満足。

川魚料理の老舗 三浦柳

川魚料理の老舗 三浦柳

うな重1600円 肝吸い付

うな重1600円 肝吸い付

食後、満腹になった腹を抱えてふと窓の外を見て愕然!
バイク倒れてる~!Σ(゚Д゚;)
あわてて支払いを済ませ、バイクの元へ。ヘルメットは坂を転げて数メートル先に。
あぁ~傷だらけ~。ヽ(TдT)ノ

駆け寄ってる最中の撮影なのでピンボケ

駆け寄ってる最中の撮影なのでピンボケ

この湖は野鳥の楽園でもあります

この湖は野鳥の楽園でもあります

午後2時半。そろそろ帰宅せねば。
せっかくなのでちょっと迂回して牛久大仏に寄ってみた。
ギネスにも認定されている最大の大仏らしい。
手のひらに奈良の大仏が乗る大きさだというから驚きである。

霞ヶ浦でかすかに見えた牛久大仏

霞ヶ浦でかすかに見えた牛久大仏

近くで見るとでかすぎ

近くで見るとでかすぎ

中へ入るほど酔狂ではないので外観だけ見てそのまま通過。
水戸街道へ出てあとは来た道を戻るだけ…渋滞気味で苦痛さが増した関東平野…
クラッチの握りすぎで左手の握力がなくなってきた…_| ̄|○
ようやく自宅へ到着したのが17:40。荷物を整理して、早速晩酌の準備。
つまみはもちろん、鯉甘煮。タッパーに移してレンジでチン。

鯉甘煮 見た目グロいけどめちゃくちゃ(゚Д゚)ウマー

鯉甘煮 見た目グロいけどめちゃくちゃ(゚Д゚)ウマー

卵の入った鯉をぶつ切りにして煮込んだだけだろうが、美味い!
鱗のゼラチン質やトロットロのハラミが絶品である。
鯉を食べたのは初めてだが、いやー、いいもの知った。
鯉ヘルペスのせいでこんなに美味いのかなぁ…もし、そうだとしたら…
初恋の味はカルピスだけど、初鯉の味はヘルペスってとこですか?
…こんな落ちでいいのかなぁ…?

犬も走れば棒にあたる

暦の上では3月5日が啓蟄(けいちつ)だった。
冬眠していた虫たちが起き出すという日である。
いよいよ春というわけだ。
啓蟄といえば冬眠。
冬眠といえばカエル。
カエルといえばガマ蛙。
ガマ蛙といえば「四六のガマ」。
「四六のガマ」と言えば筑波山!
(↑もちろん、後からでっち上げた理由です)
ってなわけで茨城県の筑波山へ行くことに。
もう春なんだからできればキャンプしたいのでテントなど一式持ってく。
雪は心配ないだろうからチェーンは不要。
午前8時30分、出発。環七を時計回りに進み、国道6号線=水戸街道を左折。
北東の方角を目指し、やがて都内から千葉県内へ。
9時半。街道筋の吉野家で朝食。鮭イクラ丼を注文。
20人くらいの少年野球の団体がいて20分くらい待たされた…。
待ち時間の何分の一かの時間で食べ終えて出発。
茨城県内へ入り、牛久沼が見えて、ようやく少しほっとした。
多少なりとも景観が変わると嬉しいものである。
房総半島へ行くときも感じたが、とにかく関東平野は広いのだ。
似たような町並みがどこまでも続く。 とにかく走っててつまらない。
ずっと都内を走ってる気がして、 ひたすら苦痛である。
土浦を過ぎ、石岡で左折。筑波山の北側を通っている県道7号線=石岡下館線を北西に進む。
筑波山…とくに南側は観光地として開発されすぎているため、未舗装の林道は筑波山自体にはなく、
その北に位置する加波山の周辺がメインになるらしい。(今回はここを参考にさせていただいた)
11時半、上曽峠を左折し、北筑波稜線林道(舗装路)を北上。
連続するワインディングの登り坂と時々開ける展望が楽しい。
だいぶ標高を稼いだところで端上林道との分岐に。
左折して今度は下りだ。剥き出しの岩盤の脇をうねうね下る。

端上林道 関東平野が眼下に広がる

端上林道 関東平野が眼下に広がる

裏側から見た筑波山

裏側から見た筑波山

県道41号線に出て、ちょっとコンビニへ寄り、北上。県道大塚真壁線を目指す。
この頃から洒落にならないほど風が強くなってきた。
吹きすさぶ風の音でバイクのエンジン音でさえ、かき消されてしまう。
中国大陸から飛んでくる本物の黄砂とは違うのかもしれないが、
黄色い砂塵が舞い上がり、景色が全て黄色く霞んでしまったほどだ。

ほれ、この通り凄まじい強風

ほれ、この通り凄まじい強風

上の写真と比べてみてね

上の写真と比べてみてね

さて、県道大塚真壁線。県道なのに結構ハードな未舗装路である。
特に西側は泥ヌタとややガレで面白い。
登りきった一本杉峠で北筑波稜線林道と交差し、そのまま県道大塚真壁線の東半分を下る。
東側は林間を抜ける穏やかなフラットダートだった。

一本杉峠 二本ありますが…

一本杉峠 二本ありますが…

県道大塚真壁線

県道大塚真壁線

さて、県道大塚真壁線を走り終えたら、予定では戻らねばならないのだが、
単純にUターンするのもつまらないので、ちょっと別のルート(この地図で言う名なし林道)を探してみることに。
ここかな~と思って幼稚園の脇を抜け、山道を進んで行ったのだが…

倒木…

倒木…

ここも…

ここも…

うわ、あんなに…

うわ、あんなに…

ただでさえ急勾配でむちゃくちゃハードなのに、倒木だらけ…。
ノコギリもナタも持ってきてないので、どかしたり、避けたりして通れる場所は通ったが、
どうにも通り抜けできない場所も。諦めてUターンし、一本杉峠まで戻った。
この時点で午後2時過ぎ。そろそろ日の傾きが顕著になる。
次に目指したのは林道丸山線。 加波山神社への案内通りに進む。
途中、凍っている沢などもあったが、難なくピストン走行完了。
復路で レプリカや大型が混じった雑多なバイクのマス林道ツーリング集団と遭遇しあいさつを交わす。
さて、残る予定は東飯田林道支線のみ。
迂回のため三度一本杉峠へ戻り、県道大塚真壁線を西へ。
前を行く5人ほどのMTBの後ろを、車間距離を開けつつノソノソ下る。
迷惑かなぁ…まぁ追い越して欲しかったらサインするだろうから、気にしないでおこう。
下りきったところで追い越して、舗装路をいつものペースで進み県道41号線へ。
北上したところで右折。ちょっと迷いつつも、東飯田林道支線に到着。

車輌通行止めでしたがモゴモゴ…

車輌通行止めでしたがモゴモゴ…

東飯田林道支線 加波山山頂付近

東飯田林道支線 加波山山頂付近

今日の走行予定はこの林道で終了なのだが、まだ宿泊地が決まっていない。
強風と寒さでテント泊には覚悟がいるが、よさげな場所が見つかったらそこに決めるつもりだった。
テン場候補を探しつつ、結構な距離のフラットダートを往復。
平らなスペースを見つけるたびに、バイクを止めてシミュレートしてみる。
…が、この風…どこも落石・倒木が恐い…。
二往復(!)してみたが、どうにもいい場所が見つからない。
分岐していた支線にも期待して入ってみたが、

またかよ!

またかよ!

今日は倒木デーらしい。
冷静に考えてみると、手袋を外すと10秒でかじかんでくる寒さである。
しかも、強風で山火事が恐いので焚き火は出来ない。
うーむ。
決めた!宿、探そう!
だって寒いんだもん!(←チキン)
日暮れ時、薄暗くなりゆく県道を、筑波山の表側目指して車列に混じりひた走ること40分。
県道42号線を左折し、筑波山麓をウネウネ登り、観光ホテル街へ到着。
よさげな温泉ホテルに飛び込みで泊まれるか聞いてみたが、
「すみません。今日は一杯で…」
まぁそうだよなぁ…しゃーない、土浦あたりのビジネスホテル探すか…。
っと来た道を下っていく最中、何度も目にする看板が。
「筑波○○ホテル 一泊二食付き 5500円 大浴場でひとっ風呂!」
ほぉ、安いなぁ。
ユニットバス覚悟してたが、大浴場は魅力的だなぁ…ダメ元で行ってみるか…っと目指してみた。
県道をしばらく南下して、すぐに発見!
むぅ…なんか妙な建物…建て増しなのかあちこちくっついてるような…という第一印象。
駐車場から見て正面にレストラン、左手にあるのがおそらく旧館なのだろう。
二つの建物をつなぐスペースにもガラスドアが面取りをするように斜めにしつらえられている。
駐車場にバイクを停めてすぐそばにあった旧館に向かったが、
オフシーズンは使っていないのだろうか、電気が消されて真っ暗だ。
ガラス越しに闇の中で木彫りの恵比寿像がにんまりと笑っている。
なんか不気味な…と思っていると、建物の間のガラスドアから愛想のいい主人が声をかけて来た。
「お泊りですか?(ニコニコ)」
何となく、さっきの恵比寿像を連想させる笑顔である。
「ええ、部屋空いてます?」
「お一人様ですと6000円になりますがよろしいですか?」(二人以上だと5500円ね)
「はい」
案内されてガラスドアをくぐったそのスペースは、建て増しされたホールと階段だった。
すぐ右にあるレストランのレジが受け付けも兼ねているらしい。
レジの奥にある洗い場では、小学生くらいの子供二人が騒いでいる。
雰囲気が「ホテル」という語感にどうにもそぐわない…むむぅ…これはネタの予感…。
否が応でも期待と不安が膨らんでしまう。
宿帳(宿泊者シート)に名前・住所を書いて、料金を払い、早速二階の部屋に案内してもらった。

バイクへのシガーライターソケット設置

GPSの電源としてセローに付けたシガーライターソケット。キャンプツーリングでも携帯電話やPDAの充電に大変役立っております。要望があったので設置方法をまとめてみました。シガーライターソケットの固定方法やヘッドライトから電源を取る方法など、やり方は人それぞれだと思います。あくまでも一例として参考程度に思ってください。
なお、これらの作業は感電とかショートの危険がありますので自己責任でおながいします。
※ 新セローでの改訂版も作成しました。よかったらこちらもどうぞ。(2005.12.16)
用意したもの

A.電源取り出しコード

A.電源取り出しコード
これです。イエローハットで購入。ヒューズ付き。

B.シガーライターソケット

B.シガーライターソケット
ここの商品コードNo.227326の品。WEB注文で購入。船舶用でラバーキャップと水抜きの穴が付いてる防水仕様ということで、ちょっと高いけどこれを選びました。

C.25mm水道管用取付金具・片サドル

C.25mm水道管用取付金具・片サドル
近所のホームセンターにて購入。直径25mmの水道管取付金具・片サドル(アルミ製)があつらえたようにBのシガーソケットにピッタリでした。WEB注文の際、ソケットと一緒に「マウンティングブラケットL型」も購入したのですが、セローは取り付ける場所が限られているため、このような何の変哲もないシンプルな金具に落ち着きました。200円くらいだったか…?


取り付け作業

1.電源取り出し

1.電源取り出し
エンジンOFFの状態でも電源が欲しかったのでバッテリーから直接電源を取ることにしました。
んでAの電源コード。 シガーソケットにつなぐ方に最初から付いている端子は、この作業では不要なので切り落としておきます。 でセローの右側のサイドカバーを外して、剥き出しになったバッテリーに端子をつなげるわけですが、作業中に電流が流れると大変危険です。 この段階では位置やコードの長さを確認するだけにとどめて、実際に端子を接続するのは全ての作業が終わってからがいいかと思います。
※ バッテリーからケーブルを外すときはマイナス端子から、つけるときはプラス端子から。これ基本ですね。

2.配線

2.配線
ハンドルを左一杯に切って配線周りを撮影。
赤いコードがシガーソケット用に取り出した電源コードです。バッテリーからメーター周りの配線に沿って、タンクの下のあたりを手探りでハンドルまで通しました。コードが長すぎて邪魔なので、必要十分な長さでバッサリ切断。

3.シガーソケットにコードを接続

3.シガーソケットにコードを接続
撮影用にシガーソケットをはずして端子部分を撮影。
ハンドルまで通した電源コードの+と-の先端のラバーを剥き、そこにシガーソケットに付属されている純正の接続端子を専用工具でギュッっと固定。ここでシガーソケットを固定するための付属リングにコードに通した後、シガーソケットにカチっと端子をはめます。後からリングを通すことはソケットの頭部が邪魔をするため不可能なので注意してください。それから僕のマウント方法だと端子が外に剥き出しになります。せめて金属部分だけは隠れるように念入りにビニールテープを巻きました。でも、錆が出てますね…。今のとこ実害はないですが、シリコンなどで完全に密閉した方がいいかもしれません。ここで一度バッテリーにコードの端子をつないで、シガーソケットまでの通電を確認しましょう。確認が終わり次第バッテリーから端子を外すのを忘れずに。

4.マウント用の金具の処置

4.マウント用の金具の処置
さて、最終的にCの金具でソケットをバイクに固定するわけですが、僕はチョークのステーの上ボルトを利用しました。でも、そのボルトが太すぎて金具の穴に通らないことをこの段階で確認済みだったので、今のうちに金具に処置を施しておきます。なめてもいい粗悪格安ドライバーを使ってグリグリと金具の穴をこじ広げました。
アルミなのでわりと簡単にボルトが通るまでに広がりました。

5.シガーソケットを金具にハメハメ

5.シガーソケットを金具にハメハメ
撮影用にステーから金具を外した状態で撮影。
金具の紹介で述べたように、このソケットの側面の平らに削られた部分が、直径25mmの水道管取り付け金具にピッタリなのです。横から平行に差込み、リングを締めて金具にシガーソケットを固定します。12Vと書かれた蓋の向きにも注意。写真で見ると外れないか不安ですが、実際はかなりしっかりと固定されてます。また、U字の開いた側を内側にして固定するので、万が一リングがゆるくなって脱落してもシガーソケットまでもが脱落することはないでしょう。

6.チョークのステーの上のボルトに金具を固定

6.チョークのステーの上のボルトに金具を固定

真横から見たとこ

真上から見たとこ

7.バッテリーに端子をつなぎ、サイドカバーをはめて完成!!

+と-の端子を間違えないように気をつけましょう。


以上、GPS=eTrex Vista-J の電源はこうやって確保しました。

以上、GPS=eTrex Vista-J の電源はこうやって確保しました。

GPS以外にも、携帯電話・デジカメ・PDAなどの充電にも利用してます。
まだバッテリーがあがってしまったことはありません。

管理人・SaltyDogについて

自己紹介考えるの面倒なので、「ライダーに100の質問」に答えてみました。
■Q1 あなたのお名前とお住まいを教えてください。
HNはSaltyDogです。塩犬(しおいぬ)と名乗ることも多いです。
戌年生まれで苗字に「塩」の字があるから「SaltyDog」。
東京に住んでます。静岡出身。
■Q2 誕生日とか教えてくれます?
昭和45年10月6日っす。おっさんです。
■Q3 できれば身長も教えてくれるとうれしいです。
167cmくらいです。ちょい低いっす。
■Q4 ご職業は?
WEBプログラマですね。この道に入ったの遅いのでこの年でもシコシコやってます。
■Q5 所有している免許は?
普通自動車と普通二輪車。オフロードにしか乗らないつもりなので大型は考えてないっす。
■Q6 バイク歴はどのくらいですか?
原付スクーターは20代に乗ってましたが、普通二輪はこれ書いてる時点ではまだ一年もたってないですね…。
■Q7 バイクに乗ったきっかけとかあったら教えてください。
子供の頃、親父のカブの後ろに乗っけられてあちこち行った事が原体験になってるのかなぁ。
酔っ払い運転してこけたときに道連れにされたことを思い出した…。
実際に免許を取ろうと思ったのは母が亡くなったからですね。いらぬ心配掛けたくなかったから。
■Q8 免許取得する時に苦労とかエピソードとかありました?
初日から卒検まで雨に祟られまくりました。その後ツーリングでも祟られまくってます(つД`)
■Q9 初めてのバイクはどんなバイクでした?
原付スクーターはスズキのセピアってやつでした。
■Q10 現在乗ってらっしゃるバイクは?(メーカーとバイク名)
YAMAHA SEROW225WEです。
■Q11 もしカスタムとかしていたら教えてください。
シガーライターソケット付けましたね。
あと、サイドバッグが使えるようにリアウインカーを移設してマフラーにヒートガード付けました。
■Q12 今乗っているバイクのここが好き!
どこでもUターンできるから、廃道でも気軽に入って行けるとこ。
■Q13 逆にここが嫌い~というところは?
やはりスピード出すためのバイクじゃないので高速道路がつらい…。
■Q14 あなたは新車派?中古派?
「最初のバイクは癖のない新車がいいよ。変な癖があるとバイクが嫌いになるかもしれないから」
と行きつけのバイク屋さんがいってました。2台目以降はとくにこだわらないと思います。
つーか、いまのセローを大事に乗りたいですね。
■Q15 過去に何台乗っていました?できれば車種も。
上に述べたセピアとセローの二台だけっす。
■Q16 ちょっと気になるバイクとかあります?
農業用バイクAG200。
■Q17 愛用のヘルメットメーカーは?
最近はアライのこれ使ってますが、OGKのこれも気に入ってます。
■Q18 ヘルメットのシールドはクリア?スモーク?それともミラー?
クリアですね。太陽が正面だとまぶしいです。
■Q19 グローブはどちらのものをお使いでしょうか?
GWだったかな?
■Q20 お気に入りのウェアメーカー教えて頂けないでしょうか?
林道キャンプツーリングがメインなので風魔プラスワンと、そのベースになってるモンベルですかね。
ちなみにモンベルはアウトドア製品でいろいろお世話になってます。
■Q21 お勧めのブーツ(シューズ)メーカーってあります?
オフローダーならガエルネとか答えるべきなんだろうけど、今履いてるのはELFのライディングシューズです。
歩き回ることも多いのでブーツはちょっとつらい。
■Q22 どこのカッパを使っています?
ラフ&ロードのGORE-TEXハードレインスーツってやつです。
高かったけどめちゃくちゃ快適。雨の多い日本で雨具をけちるとろくな目にあいません。
■Q23 毎月読んでいる雑誌とか教えてください。
ないっすねー。バイク関連に限らずないっすねー。
■Q24 愛用の工具メーカーは?
特にないです。
■Q25 自分で整備していて失敗したこととかあります?
クラッチレバーの加減かな?すぐ直しましたが。
■Q26 メンテナンスはお店任せ?それとも自分でやる?
ほとんど店任せです。時々見学させてもらってます。
■Q27 洗車はどのくらいの割合でします?
3ヶ月に一回くらいかな?どうせすぐ汚れるので…。
■Q28 もしカスタムするとしたらまずどこから?
んー…乗ってる分にはノーマルで満足してます…もともとこういうバイクだからと…
■Q29 愛用のオイルメーカーとかあります?
ないっす。
■Q30 お勧めのブレーキパッドは?
ないっす。純正でいいのでは?
■Q31 タイヤは何が好きですか?
人の足元で健気にがんばってるとこ…かな?(質問の趣旨が違うだろうけど…)
■Q32 いつもいくバイク用品店は?
Naps練馬店と世田谷の風魔プラスワン。
■Q33 お気に入りのスタンドってあります?
気に入ってるわけじゃないけど、近所のJomo。
まぁたいしてガソリン入らないから価格とかどうでもいいっす。
■Q34 用品店で思わず衝動買いして後で後悔したこととかあります?
ハンドルにマジックテープで止める地図入れ。使えんかった。
■Q35 カギを無くして大慌てしたエピソードとかありますか?
バイクの鍵をなくしたことはないですねぇ。
飯食い終わって戻ったら鍵が刺しっぱなしだったてことはありましたが。
■Q36 どのくらいの割合で乗っていますか?
ツーリングは月に2・3回。 近所へは2・3日に一度は乗ってると思います。
■Q37 ホームコースは?
奥多摩と三浦半島。三浦へはスクーター時代から何度も行ってました。
■Q38 初めてのツーリングでどこへ行きましたか?
セローでは三浦半島かな。林道は中津川林道ですが。
■Q39 そのときのエピソードとかあったらどーぞ。
ガソリンの残量がわからなくてあせりました。予備タンクあって助かった。
■Q40 今までで一番遠くへいったのはどこですか?
四国ですね。足摺岬。
■Q41 ツーリングとかの集合時、あなたは時間より早くくるタイプ?それとも遅刻するタイプ?
早く来るタイプ。でも家を出る直前に忘れ物に気づいたり、実際に忘れ物したりするタイプ。
■Q42 「あ~、ツーリング行きたい!」と思う瞬間は?
平日、天気のいい朝に出勤してる時。
■Q43 あまりにもいい天気なのでおもわず会社や学校を休んじゃったことあります?
さすがにないです。
■Q44 お勧めのスポットはどこですか?
伊豆大島の裏砂漠。
■Q45 逆にどうも好きになれない場所とかあります?
房総半島…。
■Q46 ツーリングへ行くと必ず食べてしまうものとかあります?
その土地の麺類ですねぇ。そば・うどん・ほうとう…。でもラーメンは東京で食べ飽きてます。
今後征服したいのは富士吉田うどん・富士宮焼きそば・伊那ろーめん。
■Q47 ここの食べ物は美味しい!!!というものを教えてください。
讃岐うどんでしょ。山越の釜玉。
■Q48 一番思い出に残っているツーリングは?
やっぱ四国かな。剣山スーパー林道での一人野宿。
■Q49 逆に一番辛かったツーリングは?
辛いといえば、仕事で呼び戻された乗鞍日帰りツーリングですね…。
■Q50 ツーリングするならこの季節が好き!!
まだ春を経験してないですから、秋と答えておきます。
■Q51 逆に嫌いな季節は?
お盆。キャンプ場に人が来すぎ。渋滞するし。
■Q52 カッパをきて走り出した瞬間に雨が止んで悔しい思いをしたことがありますか?
普段から雨に備えた格好してるので、悔しくないです。
■Q53 逆に「まだ大丈夫だろう」と思っていたら大雨になったことは?
上に同じ。慣れました。準備万端です。かなり予測できます。
■Q54 ツーリングはしっかり計画してから行くタイプ?それとも目的地のみきめてあとは行き当たりばったり?
しっかりとまでは行かないけど、一応計画はしますね。
計画をこなすことには全くこだわりませんが。ってか、それを行き当たりばったりというのか?
■Q55 ツーリングに行くときに欠かせないものといえば?
雨具とツーリングマップルとGPSとデジカメ。
■Q56 お気に入りの地図は?
昭文社ツーリングマップル。GPSのマップソース詳細地図は使い勝手が気に入らない。
■Q57 もし道に迷ったらどうしますか?地図を開く?人に聞く?それとも?
GPSで座標調べる。
■Q58 写真はカメラ(一眼レフとか)派?それともデジカメ派?
デジカメ派。その場で確認できますから。
■Q59 荷物はウェストポーチ派?タンクバック派?それとも?
ずっとウェストポーチでしたが、最近タンクバックも買いました。まだどっちにするか決めかねてます。
ケースバイケースじゃないかな?
■Q60 結構忘れ物するタイプでしょうか?
えぇ、そりゃもう。
■Q61 料金所等ですばやく通過できる技とかあったら教えてください。
釣銭はウェストポーチに放り込む。って誰でもやってるかな。
■Q62 あなたは雨男(雨女)でしょうか?
違うと思いますよ。日本に雨が多いのだよ。とにかく俺は違うから。
■Q63 メットの中で思わず歌っちゃうことってあります?
しょっちゅうです。
■Q64 走行中に落としてしまったものがあったら教えてください。
んー、ないなぁ。
■Q65 冷や汗もののトラブルを経験したことあります?
伊豆の山中でテント張ったら野犬の群れが周りで遠吠え大会。
■Q66 乗っていてドキッとした瞬間は?
濡れたマンホールの蓋でリアタイヤがずるっとすべるとき。
■Q67 思わず緊張する瞬間とは?
通行止めの林道で人を見かけた時。
■Q68 走行中、むかついたことがあったら教えてください。
車線の真ん中を流れに乗って走っていたら、じじぃの運転する車が左側から無理やり抜こうとしてきた。
「バイクは左に寄って走れ」と信じて疑わないドライバーにむかつきます。 あと、うるさいバイクもむかつきます。
■Q69 走行中に思わず寝てしまった経験ってあります?
原付のころはありましたが、最近はないっすね。
■Q70 白バイによく似たバイクを白バイだと勘違いしてドキドキしたことがある。
あるよ。
■Q71 初めての転倒はいつでしたか?
転倒らしい転倒は金沢林道ですな。立ちゴケは初ツーリングの三浦半島でした。
■Q72 転倒した瞬間、頭によぎったものは?
後続のM氏が、絶対笑う…。
■Q73 怪我とかはしませんでしたか?
しましたが擦り傷程度で済みました。
■Q74 転倒してから何か気をつけることとかあります?
未舗装路のカーブでは外側のステップに全体重を掛けるようにしてます。
■Q75 バイクを乗る上でこだわっているものありますか?
できるだけ野宿かな…。
■Q76 バイクに乗る上で必需品なものは?
落ち着いた心。
■Q77 思わずふらっと立ち寄る場所とかありますか?
絶景の見れるビュースポット。
■Q78 思い出いっぱいのバイクはあります?
今乗ってるセローが思い出いっぱいになる予定です。
■Q79 バイクに乗っていてよかったと思うこと。
人生って楽しいなぁ、って実感できること。
■Q80 逆にバイクに乗っていて嫌なこと。
楽しんでないやつ多すぎ、って気づいたこと。
■Q81 タンデムってしたことあります?
昔、M氏の後ろに乗っけてもらったなぁ。
自分の運転では、練習でちょこっと乗せたくらいです。
■Q82 もしなにかエピソードとかあったら教えてください。
M氏の後ろで完全熟睡してました。後ろのクーラーボックスがなかったら何回落ちていたことか…。
■Q83 タンデムするバイクをみていいなーと思ったことがある。
あぁ、そりゃもう、ふくよかな女性の胸を見れば。。。
■Q84 バイク乗りの彼女や彼氏が欲しい(または既にいる)と思いますか?
バイクにこだわりませんが、欲しいです。
■Q85 結婚するならバイク乗り?
相手が乗るのは問わないが、自分が乗り続けるのは認めてもらいたいです。
■Q86 バイクに乗っているときに異性に間違われたこととかあります?
ないない。
■Q87 自分と同じバイクが視界に入ったら思わず見ちゃうタイプですか?
見ます。オフ車に自然と目が行きます。
■Q88 信号とかで他のバイクと並ぶと必然とシグナルGPをやってしまう自分がいる。
やらないです。ってか、バイクの性能でほぼ決着は見えてますし。
■Q89 同じ排気量や自分より下の排気量に抜かれると思わず追っかけてしまうタイプ?
いえ、マイペースです。マイペースで抜き返します。
■Q90 好きなライダーいますか?
いや、特にいないです。強いて言えばV3。
■Q91 こんなバイクがあったら絶対に買う!
250のセロー…かな…。
■Q92 ぜひ復活して欲しいバイクは?
うーん、車種に細かいこだわりはないのでとくには…。
■Q93 絶対にいつかバイクで行きたい場所とかあります?
やっぱ北海道。
■Q94 バイクに乗っている事を周りにいうとなにか言われます?
事故だけには気をつけてね、と。
こっちが気をつけても事故る時は事故りますけどね。
■Q95 バイクをやめようと考えたことありますか?
ないです。
■Q96 あなたがバイクを選ぶ基準とかあったら教えてください。
いや、特にないです。定評のあるツーリング向けのオフ車なら、たぶんなんでもOK。
バイク自体への興味は一般ライダーより薄いと思います…
■Q97 何歳までバイクに乗っていたいですか?
死ぬまで。
■Q98 あなたのなかのベスト・オブ・バイクは?
どのバイクも長所と短所ありますから、今気に入って乗ってるのがベストです。
■Q99 ありきたりの質問ですがあなたにとってバイクとは?
小学生にとっての自転車という存在。これさえあればどこまでも行ける!って思える道具。
■Q100 お疲れ様でした。最後に一言。
俺、ライダーなのかな…(;´Д`)…

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冬来たりなば春遠からじ

どうも、最近ついてない。
年末に携帯をバケツに落として以来、5万円入った財布なくすわ、
たまってた健康保険料で47万円払うわ、ヤフオクで落札したPC17万円が詐欺だわ、
Yahoo!は全く補償してくれないわ、区民税未払い13万円で差し押さえの予告が来るわ、
塩鯖のハードディスクが逝ってしまうわ、ちょっと最近なんだかなぁーって感じである。
細木数子なら「今年は大殺界」とか教えてくれるだろうか。
まじで野宿道具だけ持って、プロキャンパー(ホームレスともいう)もいいかなぁ…と、やや自暴自棄である。
さて、そんな事情もいろいろ影響して、この約一ヶ月の間に、静岡は掛川の実家まで何だかんだバイクで3回往復した。
今回のレポートはその3回目の実家へ帰るまでのレポートである。
普段の生活でさんざんな目にあわされているため、ツーリングでも嫌な目に遭う予感もあったが、
たまった鬱憤を晴らしたくもあり、その日は富士近辺にある林道を予定に入れた。
出発は午前6:00。やはり今回も寝不足だった。
念のためサイドバッグに緊急用の工具を積み、まだ真っ暗な環状七号線へ。
R246で右折し一路西を目指す。世田谷を抜ける頃には空もだいぶ明るくなってきた。
多摩川やら相模川を渡り神奈川県をひたすら横断。厚木を過ぎ、大山をはじめとする丹沢山塊を右手に見ながら進む。
松田から山北に至り標高が高くなってくると、ヘルメットのシールド越しに感じる空気もずいぶん冷たくなってきた。
時折、前方に白雪を戴いた富士山が姿を現すようになる。

神奈川・山北周辺から富士山を望む

神奈川・山北周辺から富士山を望む

午前8時過ぎ、県境を超え、静岡県内に。 道は南に折れて御殿場市内を縦断。
右手の富士山が気になるが、見とれるわけにもいかない。
なだらかに下っている傾斜路を沼津方面にひたすら進む。
沼津市に入り、国道一号線と合流する方向とは逆方向に右折。
富士山の南東に聳える愛鷹山(あしたかやま・標高1,504m)へと続く上り坂へと進路を変える。
この辺りは首都圏からのアクセスもいいためゴルフ場が多く、
土曜日の早朝という時間帯だけに、それらへ向かう車ばかりだ。
バイクの私は、傍目に見たら寒そうで場違いに見えるだろうなぁ…。
多少そんなことを気にしつつ、午前9時過ぎ、目的地の愛鷹林道に到着した。

愛鷹林道 静岡県は雪が少ないのです

愛鷹林道 静岡県は雪が少ないのです

でも、さすがに水溜りはバリバリ凍ってます

でも、さすがに水溜りはバリバリ凍ってます

正月、実家から帰る途中で寄った時には通行止めの看板とロープにひるんで諦めたが、
その後、某所の情報でゲートの北側の草むらを抜けることが出来ることを知った。
林道自体は問題なく通過できるそうなので、今回再挑戦に来たのだ。
とはいえ、この季節、偶然通りかかる車もないだろう。
誤って転落でもしようものなら命にかかわる。
走りやすい林道だが飛ばしすぎには注意して、のんびり進んだ。

暖かい日差し…ほのかに春を感じます

暖かい日差し…ほのかに春を感じます

眼下、彼方に駿河湾が霞んで見える

眼下、彼方に駿河湾が霞んで見える

ところどころ瘤状の隆起はあるが、基本的に滑らかで走りやすい。
東の出口が近づいてくると、少し小石が目立ち始めたが、ガレ場と呼ぶほどではなかった。
ときどきエンジンを切って景色を眺め、真冬の静寂を楽しむ。
途中でまたもや鹿の群れに出会った。
6・7頭の鹿が林道の先にいたので、アクセルを戻し、スピードを下げて近づいた。
さすがにびびって左右の林間に逃げ込んだが、ある程度の距離を置いてじっとこちらを見つめている。
連中も厳しい冬を乗り越えるために懸命に生きてるのだろう。驚かしたことを申し訳なく感じてしまう。
( 「あしたか」と鹿で「もののけ姫」を連想してしまうのは私だけだろうか?)
12.4kmの未舗装路を走り終え、愛鷹山麓を下って、午前10時、国道一号線に合流。
製紙工場地帯の悪臭から逃げるように富士川を渡り、桜海老で有名な由比海岸を抜け、静岡市内へ。
あとは実家を目指すだけだったが、まだ時間がある。
ちょっと寄り道して行こう…そう思ったのがいけなかった。

美しい由比の海岸線 富士山があれば完璧

美しい由比の海岸線 富士山があれば完璧

桜海老の天ぷらそばは必ず食え!

桜海老の天ぷらそばは必ず食え!

(※ 上記写真2点は1/2に撮影したものです)

午前11時ごろ。
大井川源流部の本川根へ向かおうと、安倍川の手前で国道一号線の静清バイパスから降りて、国道362号線を北西に。
土曜の昼時とあって渋滞気味だったため、車列の左側をすり抜けつつ、10分ほど進んだあたり。
ふっと、タンクバッグの地図に視線を落として、すぐ前を見ると…左折車がっ!!
あわててブレーキを掛けたが間に合わず、左後部のドアに接触!!!!! _| ̄|○
「あぁ…やってしまった…」
(´・ω・`)ショボーンっとなりながら、その車と一緒にそこのスーパーの駐車場に入り ヘルメットを脱いで運転席に謝罪に向かう。
運転していたのは年配のご婦人だった。
ご婦人「あらもう、びっくりしちゃったわぁ…気をつけて下さいよ…ほんとに…」
塩犬「本当にすみませんでした」
完全にこっちが悪いので平謝り。
ご婦人「どちらからいらしたの?」
塩犬「東京です」
ご婦人「これからどちらへ?」
塩犬「実家に戻る途中で、本川根の方へ寄ろうかと」
ご婦人「おいくつなの?」
塩犬「…33です…」
ご婦人「結婚してらっしゃるの?」
塩犬「…いえ…(‘A`)…」
まぁこんな季節にバイクでうろうろしてるだけで、あやしい人なのだから仕方ない。どんな質問でも甘んじて受けねば…。
幸い、接触のダメージは思ったほどではなく、バイクの前フェンダー(やわらかめの樹脂製)が車のドアにこすった痕をつけただけで凹んでもいない。
警察を呼んでくれても構わないです、と私は言ったのだが、怪我も破損もないからと、不問に付してくれることになった。
塩犬「では、もし何かあった時のために連絡先をお教えします」
ご婦人「そうねぇ、気づかなかった後遺症なんかが出るといけませんからねぇ」
互いに免許証を交換して、住所をメモしている途中。
ふとご婦人が思い出したようにこう言った。
ご婦人「そういえば、わざと事故を起こして相手の住所を聞いて、後日、脅迫してお金を脅し取るグループがいるとか…、
そんなことをこないだ職場で注意されたのよね…」
塩犬「はぁ…」
ご婦人「(疑いのまなざし…)」
塩犬「 …物騒な世の中ですからねぇ…オレオレ詐欺とか(ヤフオク詐欺とか)…」
ご婦人「申し訳ありませんけど、免許証のメモ返して下さいます?」
塩犬「あ、はい…」
ご婦人「あなたがそういう人だとは思えないけど、一応、念のためね…」
塩犬「はぁ…では、私の連絡先だけお渡ししときますね…(‘A`)…」
つくづく怪しい人間に見られたのだろう。
車は逃げるように駐車場から姿を消した。
まぁ事故といっても互いに最小限の被害で済んだのが不幸中の幸い。
以後の道のりは無理しない運転を心がけた。
結局、本川根への道はチェーン規制されていたため、断念。
目的地を川根に変更し峠道へ。さすがに峠道、日陰には雪が残り、一部凍結していた。
頂上付近で休憩していたチャリダーに会釈しつつ峠を越え、大井川の本流へとワインディングを下る。

やっぱ峠は寒いです

やっぱ峠は寒いです

冬の川ってのも味わい深い

冬の川ってのも味わい深い

12:30、大井川のほとりにある温泉、川根温泉・ふれあいの湯へ到着。
ここから実家までは40分程度だが、 さっきの接触事故で精神的に疲れていたので、あえてたっぷり休憩をとることにした。
仮眠を交えて14:30までまったりゴロゴロ。冬は温泉に限るなぁ…。
温まりながらいろいろ考える…。
今回の件はよい教訓である。
ヤフオク詐欺もそうだが、人間、痛い目にあわなければ、なかなか自分を省みることはできない。
いろいろ嫌な目にあうことが最近多いが、やはり結局自分の責任に帰結するのだ。
ちょうどよいチャンスと思って、今後、安全運転を心がけることにしよう…。
立春を控えた、一番寒い季節。
この時期を耐えてこそ春を迎えることができるのだ。
林道の鹿だってそうなのだ。 そうなのだ。

川根温泉 ふれあいの湯

川根温泉 ふれあいの湯

正月2日の山中湖と富士山 人間かくあるべし(謎)

正月2日の山中湖と富士山 人間かくあるべし(謎)

で、東京に戻った私。
まず何をしたかというと…
バイク用の雪道用チェーンを購入しました!(`・ω・´)シャキーン

クリスマス大菩薩

午前10時。 遅く起きた土曜日の朝。
昨夜から漠然と、久々に林道ツーリングに行きたいなぁと思っていたが 寝坊したので今日も諦めようか。
そう思ってトイレに入り、何気なく窓から西の方角を見たら真っ白に雪化粧された富士山が見えた。

これは翌日屋上から取った写真

これは翌日屋上から取った写真

…やっぱ行こう!
明日は用事があるから今回は日帰りである。
日も短いので目的地は近場の奥多摩にした。
テントも炊事道具も置いていく。
気になるのは寒さ。
最近ツーリングに出かけないのも当然寒くなってきたからである。
必要十分な寒さ対策というのはなかなか難しい。
ヘルメットはいつもジェット型だが今回はフルフェイスにした。
被る時、眼鏡をいちいちはずさねばならないが背に腹は代えられない。
グローブは秋に買った防寒用のやつ。
それにいつものジャケットとフリースとサルマタで大丈夫だろう。たぶん。
念のため雨具と工具・パンク修理セットを持って出発。
環七から早稲田通り、青梅街道を一路西へ。
何事もなく青梅を越え、古里のセブンイレブンで休憩。 丁度12:00。
起きてから何も食べてなかったのでオニギリを一個買って食べた。
12:30。奥多摩湖の大駐車場に到着。

12月の奥多摩湖 冷たそう

12月の奥多摩湖  冷たそう

完全に冬です

完全に冬です

さすがに行楽客は少ない。バイクに至っては2・3台程度しかない。
ペットボトル入りのあたたか~いお茶を一本買ったが、すぐにトイレに行きたくなるだろうから飲まないで置いた。
バイクを停めたあたりに、ゴールデンレトリーバーを連れておでんを食べていたおじさんがいた。
かしこまってお座りしながらも、大根を物欲しそうにじっと見ていた犬が、僕を見つけてじゃれてきた。
「ごめんね、こいつ、ひとなつっこくてね」
「いえいえ、利口そうな犬ですねぇ」
ツーリング先ではろくな犬に出会ってないのでそんな言葉が口をつく。
「バイクは寒いだろ」「ですねぇ」としばらく会話。
「奥のほうは路面凍結してるとこもあったよ」
ハフハフおでんを食べながら気楽に大胆発言。
「あちゃー、やっぱそうですか」 まぁ予想はしていた。
「徐行運転で気をつけます」と返事して出発。
進むに連れて「路面凍結・注意!!」の表示が目立つようになったが、特に危険な目にはあわなかった。
奥多摩湖畔を過ぎ、のめこい湯でトイレ休憩してから、R411をさらに塩山方面に。
しばらく行ったとこで後山林道入り口に到着。
入り口付近で工事していたが、警備員のおっちゃんが通行可能と言うので前進。
水溜りが多いが、凍ってはいない。
ひさしぶりの未舗装路なので慎重に進む。
この林道は三条の湯という温泉に通じているらしく交通量が多い。
林道のどん詰まりに車を置いて歩いて行かねばならないらしく、
終点は50ccのスクーターを含む10台ほどの乗用車が駐車していた。

後山林道

後山林道

静寂の中、せせらぎの音だけが響く

静寂の中、せせらぎの音だけが響く

後山林道を往復し終え、再び青梅街道へ。
めさこい湯を過ぎ、R411=大菩薩ラインをさらに西走。
14:00。次の林道、 泉水谷横手山線との分岐に到着。
舗装工事のため通り抜けは不可らしいが、中ほどまでは行けるようだ。
せっかくなので行けるとこまで行ってみた。

泉水谷横手山林道

泉水谷横手山林道

寂として眠るがごとき冬の深山

寂として眠るがごとき冬の深山

少しガレてはいるが、路面は平らかで走りやすい。
水溜りが多少凍っているところもあるが、工事車両が出入りしているためか、氷自体は割れている。
渓流沿いを15分ほど走ったとこで工事現場に着いた。
現場のおっちゃんが黙って大きく×を出したので、Uターン。
再び国道に戻って、西へ進む。
このあたりから路面のアスファルトのところどころで白い部分が目に付き始める。
ワインディングを登り、高度を稼ぐ。
峠の手前で、泉水谷横手山林道の塩山側の分岐に到着。
こちらからも、さっきの工事現場のあたりまでは走れるようだ。
すでに14:40。一年で最も日が短いシーズンだけに太陽の位置もだいぶ低い。
ちょっと急ぎ気味で走行した。
渓流沿いに登っていった東京側とは対照的に、こちらは見晴らしのいい稜線を下って行く。
雲取山だろうか、すでに一部積雪している山も遠くに見えた。
舗装化寸前なのか路面の状態は最高なのだが、あちこち凍結が目立つ。
山の北側なのと、高度が高いためだろう。

高いとこから冬は来るような

高いとこから冬は来るような

おいおい、完全に凍ってるよ!

おいおい、完全に凍ってるよ!

なにしろ今年の春に免許を取ったばかりである。
凍結した道は初めてなので慎重に走った。
30分ほどで往復完了、国道へ戻った。
戻って少し進んだとこで、今度は大ダル林道の分岐だ。
ここも通り抜けできないピストン林道。
凍結に気をつけて一気に終点まで行ってUターン。
一度、リアタイヤが横滑りしたが足を着いてなんとか転倒せずにすんだ。
これが完全なアイスバーンだと、着いた足がすべるらしい。くわばらくわばら。

大ダル林道入り口

大ダル林道入り口

そして終点

そして終点

15:45。国道に戻り、林道走行終了。
行き止まりのピストン林道ばかりだが、なんだかんだ結構走った。
夕方になるとさすがに寒い。防寒グローブをしていても、指先がかじかんでしまう。
大菩薩ラインの続きを少し走って峠を越えると、富士山のビューポイントが。
朝見た富士山より、さすがに間近に見えた。
山頂が雲に覆われていたのがちょっと残念。

柳沢峠から富士を望む

柳沢峠から富士を望む

その後、長い下りのワインディングを抜け、大菩薩の湯という温泉で一ッ風呂。600円。
冷え切った体が一気にほぐれる。
温泉なのにロビーにはクリスマスツリーが飾られていた。
「大菩薩」という響きとクリスマスツリーという組み合わせが、なんともミスマッチで面白い。

大菩薩峠のふもとにある公共の温泉

大菩薩峠のふもとにある公共の温泉

どうにも場違いなクリスマスツリー

どうにも場違いなクリスマスツリー

17:00。温泉を発ち、塩山を抜け、勝沼ICへ。
いつもの中央道で東京へ戻る。
冬とはいえ、雪が積もる前なら林道は普通に走行可能ということが分かった。
だがしかし、さすがにソロでキャンプはしたくないなぁ…。
ネタとしては面白いだろうが、死と隣り合わせのような…。
誰か道連れいませんかね?

東京砂漠

午前6時起床。
のつもりだったが、朝寝坊。すでに日はかなり高かった…。
さあ、あまりのんびりしてはいられない。
午後3時の船を予約しているため、今日の予定はできるだけ前倒しにしたいところなのだ。
二人分の米を炊いてお茶漬けの朝食。
トイレを済ませて、さっさとテントを撤収。
8:30過ぎ。トウシキキャンプ場を後にした。

とても暑い一日でした

とても暑い一日でした

展望台から波浮港を望む

展望台から波浮港を望む

そして、向かったのは昨日断念した「とある場所」…、
裏砂漠と呼ばれる荒野である。
三原山の東方山麓に広がる、火山灰の積もった荒涼とした一帯、それが裏砂漠だ。
日本離れした風景は、映画のロケでも何度か使われたそうである。
僕的には今回の大島ツーリングの一番の楽しみだった。
昨日、少しだけ走った場所は、メインルートではなかったらしい。
何しろ林道と違って公道ではないので、正確な情報が乏しいのだ。
GPSの目印になりそうなポイントすらないのだが、あの後調べなおしてメインルートの見当をつけておいた。
そして、どんぴしゃ。
9:00。裏砂漠到着。

伊豆大島の奇観 裏砂漠

伊豆大島の奇観 裏砂漠

見渡す限りの荒涼たる風景

見渡す限りの荒涼たる風景

昨日の場所に比べて轍が鮮明だ。
踏み固められて走りやすい。これまでに走ってきた林道とは全く違う。
視界を遮るものがない、まさに砂漠の中を、
あなたの傍で~ ああ暮らせるならば~♪
つらくはないわ~ この東京砂漠~♪

と口ずさみつつ結構なスピードで疾走した。

火山灰の砂礫 砂浜に比べて走りやすい

火山灰の砂礫 砂浜に比べて走りやすい

M氏が実に生き生きと…

M氏が実に生き生きと…

三原山の山頂だろうか。車が見えた。4WD車のようだ。
ジムニーなら楽勝だろうが、それよりは大きそうだ。
あんなとこまで行けるのか、とM氏。
オフロード・バイク乗りとしてはちょっと悔しいので、早速、高所を目指す。
まず、 左手方面から勾配のきつい斜面を登ろうとしたが、 砂礫がフカフカに浮いた状態だった。
僕はつい一度途中で止まってしまったため、 リアタイヤがすべってしまい、駆動力が得られずこのルートは断念。
今来た斜面を一旦下り、裾野を迂回して右手から攻めることにした。
一見なだらかな裾野だったが、実際に横切ると起伏が結構激しい。
M氏もスピードを出しすぎて一度ジャンプしまったらしく、以後多少慎重な走りになっていた。
やがて轍は左カーブを描いて、尾根道に。さっきよりは随分ましな勾配で走りやすい。
三原山火口の西の出っ張り、櫛形山の山頂までを一気に登った。

櫛形山山頂より裏砂漠を望む

櫛形山山頂より裏砂漠を望む

かすかに水の流れた後が…

かすかに水の流れた後が…

山頂で小さな溶岩をお土産に一つ拾って再出発。
三原山と外輪山の間に広がるなだらかな谷間に駆け下りて、時計回りに進む。
ゴツゴツした拳大の溶岩が転がるガレ場を抜けると、草むらの中を通る砂浜のようなサラサラとした砂地が現れた。
ここが表砂漠だろうか。
轍は深く、油断をするとフロントタイヤがすぐに取られてしまう。
M氏は慣れたもので、スピードを緩めずに走り抜けて、もう見えない。
僕は2回、転倒しますた…_| ̄|○
柔らかい砂地なので幸い怪我はしなかったが、半分埋もれたバイクを起こすのに、クタクタになってしまった。
9:50。ようやく舗装路に出て裏砂漠の走破終了。約10kmの行程だった。

外輪山より三原山を望む

外輪山より三原山を望む

ん? この車…山頂にいた車か?

ん? この車…山頂にいた車か?

さて。
その後、元町港に向かった我々二人。
すぐに一台の後続車に呼び止められた。
それは三原山山頂付近にいた、あの車…
4WDのパトカーでした…(;´Д`)
幸い丁寧な口調の物腰の低いおまわりさんだった。
宿泊地といつまで島にいるのかを聞かれた後、こう言われた。
警官「砂漠でバイクを二台見かけたって通報があってね。 申し訳ないんだけど、あそこ立ち入り禁止になってるんで…」
塩犬「あ、そうだったんですか…すみませんでした…」
警官「今度から気をつけてね」
塩犬「はい」

こんな看板もあったが、走ってる人結構多いのだ…

こんな看板もあったが、走ってる人結構多いのだ…

それにしても、4WDのパトカーってのも珍しい。
山登りの怪我人を運んだり、砂漠での事故を救助したりするために、こんなのを乗り回しているとのこと。
この後、元町港の釣り人から聞いた話によると、三原山山頂のあのおまわりさんも釣りが趣味らしい。
大島はおまわりさんまで親しみに溢れているようだ。
その後は、割れ目噴火口をチラッと見学してから、登山道を下り元町へ。
10:30。元町港に到着。今日の船は14:50にこの港から出航することを確認。
それまで桟橋で予定通り釣りをすることにした。
ここまで来れば、もうバイクに乗る必要もない。
この時点でバイクは手荷物として預けてしまった。
桟橋の先端で、のんびりと海釣り開始。
僕はアジの切り身を餌に、ぶっこみ釣りで根魚狙い。
M氏はオキアミを餌に浮き釣りで中層魚狙い。

元町港 大島の海の玄関口です

元町港 大島の海の玄関口です

午前中は全く釣れず。
僕が小さな小さなオオスジイシモチを釣ったくらい。
周りではタカノハダイやウツボが上がっていた。
とりあえず昼飯。港のそばの食堂で磯定職2000円を注文。
イサキとカツオの刺身に、アジの醤油漬け。タカベの塩焼きに明日葉のおひたし。
伊豆大島の幸がてんこ盛りで満腹。

大変美味しゅうございました

大変美味しゅうございました

食堂にいた猫 暖かいので日向ぼっこか?

食堂にいた猫 暖かいので日向ぼっこか?

食事も終えて午後も少しだけ釣り。
一度僕の竿に大きめのアタリがあったが、根にもぐられてしまった。ウツボだろうか。
結局、M氏が20cmほどのブダイを二匹釣り上げたとこで、丁度客船が到着して納竿。
隣の地元のおっちゃんが「煮付けにすると美味いよ」とか言ってたけど、クーラーがないので仕方なしに放流。
出航まで少しだけ買い物をして、14:50、予定通り大島を出発。

ブダイ 粘膜で寝床を作ることで有名な魚

ブダイ 粘膜で寝床を作ることで有名な魚

寝床狭すぎ、かめりあ丸 ブダイの寝床の方がましかも

寝床狭すぎ、かめりあ丸 ブダイの寝床の方がましかも

帰りの船は二等和室だった。畳ではないが、靴を脱いで横になれる部屋である。
昨日雨に濡れたのと、今日火山灰が靴に入ってしまったのとで、靴下が強烈な匂いを発している。
和室で過ごす間、靴下はクサヤと一緒にザックの奥にしまいこんだ。
竹芝に着く20:00まで、基本的に二人ともぐったりと寝て過ごす。
M氏は持病の頭痛がうずきだして苦しそうだが、まぁ、何はともあれ無事に終わって何よりだ。
東京砂漠の歌詞では、都会での人情の乾ききった様が歌われているが、
伊豆大島のそれは、優しい人々の心のオアシスに囲まれた、いまどき貴重な場所なのであった。

珍説弓張月

今回は都内で済ませた。
伊豆大島一泊二日キャンプツーリング。一応、都内だ。
大島の「とある場所」に行きたかったのだが、一人では不安だったためM氏を誘った。
「釣りできますよ、大漁ですよ」と誘ったら即OK。釣れた釣れた。
10/30、金曜日の19:30にM氏宅で待ち合わせ。
互いに 荷物を満載したバイクで、竹芝の客船ターミナルを目指す。
20:30到着。
東海汽船で予約していたチケットを買い、手荷物受付所にバイクを預けた。
運賃は東京~大島まで大人片道3810円。バイクは250ccが一台6810円。
往復で一人 20020円。都内なのに普段の高速料金以上かかる。ま、しゃーないな。
缶ビールを飲んで出航を待つ。
予定通り22:00、客船かめりあ丸出航。
ビールと軽食を摂取してすぐに寝ようとしたのだが、
騒がしい学生のダイビング・サークルと、窮屈なリクライニング席のせいでほとんど眠れず。
寝不足ツーリングはいつものことなので (゚ε゚)キニシナイ!!

3連休前夜なので船は満席 乗船客多すぎ

3連休前夜なので船は満席 乗船客多すぎ

なぜか靴下の左右を履き間違えて来た…嫌な予感

なぜか靴下の左右を履き間違えて来た…嫌な予感

午前6:00。
岡田港に到着。まだ明け方なので暗い。
と思って下船してみたら雨が降ってて霧の中。夜が明けても暗いままだ。
天気予報は晴れのはずなのに…。
僕は防水ジャケット&パンツだからまだしも、M氏は雨具すら持っていかなかった。
そのうちやむだろうということで、仕方なくずぶ濡れ覚悟で走り出す。

岡田港 コンテナにバイクが入ってます

岡田港 コンテナにバイクが入ってます

さて。
いきなり今回最大の目的地「とある場所」に向かったのだが、 雨と濃霧と悪路ですぐに断念。
明日、再挑戦することにして三原山に向かった。
なんやかやで一時間ほどロスしたが、二時間もあれば一周出来るほどの島なので(゚ε゚)キニシナイ!!
大島一周道路を反時計回りに元町方面へ。
三分の一周ほど島を巡って、三原山登山道を左折。
ワインディングの激しい登り道、登山口を目指す。
標高が高くなるにつれ、雨は激しく、霧は深くなっていく。
7:20。三原山の登山口に到着。
展望台に登ったら、丁度霧の晴れ間だったのですかさず撮影。
1986年の大噴火だろう、火口から流れ出た火砕流の跡が生々しい。

三原山 御神火(ごじんか)と呼ばれてます

三原山 御神火(ごじんか)と呼ばれてます

数分後 山頂部は霧に覆われてしまいました

数分後 山頂部は霧に覆われてしまいました

それにしても腹が減った。昨夜軽く食べたきりなので二人とも空腹である。
登山口には何軒か茶屋があるのだが、まだ早朝なのでどこも開いていない。
二件だけ開いていた土産物屋で、M氏が買い物。ついでに食事できる場所を聞いてみる。
「あそこの茶屋は他所より早いよ」
なるほど、そういえばその店のあたりで人を見かけた。
無理を承知で訪ねてみると、出てきたのは一見無愛想な店主。
「この辺はお昼時目処にして仕込みやってるんだけどね…蕎麦でいいかい?」
嬉しい…。
開店前なのに、ずぶ濡れの薄汚い二人に、暖かい明日葉茶を勧めてくれた。
やがて出てきた明日葉の天ぷら入り蕎麦。
柔らかい麺が空きっ腹に優しく、とても美味しい。
蕎麦だけでは申し訳なかったので土産にくさやの瓶詰めを買った。

大島名産・明日葉の天ぷら入り蕎麦

大島名産・明日葉の天ぷら入り蕎麦

長居して仕込みの邪魔をしては申し訳ないので、食事が終わったらすぐに店を出た。
…かなり土砂降り…_| ̄|○
時刻は8:30。
携帯電話で天気予報を確かめたら午前中は雨との予報。
とにかく屋根のある場所で休憩がしたい。
港町・元町まで下りて、温泉で時間をつぶすことにした。
9:00、元町港到着。
当初予定していた浜の湯は13:00からだったが、すぐそばにあった御神火温泉が丁度9時から入浴可能だった。
入浴料金1000円のスパ温泉だが、もう何だっていい。
濡れた服と臭い色違いの靴下を脱いで温泉に飛び込む。
たっぷり温まった後、荷物と上着をロッカーに残して休憩。
どうせ午前中は雨なのでビールを飲んで畳の部屋で座布団を枕に仮眠。
まだ時間が早いので客はほとんどいなかった。
肩と背中と腰が凝ってた僕は、マッサージを頼もうと受付に行ってみたが、 コインで動く マッサージ機しかないとのこと。
「あ、アンメルツでよければ私のありますよ」
伊豆大島の人たち、優しすぎっ!(*´∀`)
さすがにアンメルツはお断りしたが、何か感動してしまった。
翌日、島を離れるまでに出会ったこの島の人たちは、例外なく暖かかった。
観光で成り立つ島なので、観光客をもてなすのは当たり前なのかもしれないが、普通の観光地とは違うような気がした。

御神火温泉 愛らんどセンター

御神火温泉 愛らんどセンター

雨に濡れてレンズが曇ってる…

12時。雨はようやくあがった。
靴下もだいぶ乾いている。
気を取り直して出発。
島の丁度反対側、南西にあるトウシキ・キャンプ場を目指した。
道路はあちこち工事中だった。
地図だと海沿いの道のようだが、実際は結構山の中を走っている。
海と山との距離が短く、伊豆半島の周遊道路に近い印象である。

バウムクーヘン状の地層切断面

バウムクーヘン状の地層切断面

溶岩が海に流れ込んだ様子が伺える

溶岩が海に流れ込んだ様子が伺える

13時過ぎ、トウシキ・キャンプ場に到着。
広々とした芝の無料キャンプ場を貸切状態。
トイレに上水道があることを確認し、そこから近い場所にテントを張った。
13:40。テントに荷物を置いて、再出発。 今度は釣りが目的だ。

トウシキ・キャンプ場 地元の散歩コースらしい

トウシキ・キャンプ場 地元の散歩コースらしい

ジョロウグモ キャンプ場で出迎えてくれた

ジョロウグモ キャンプ場で出迎えてくれた

波浮港へ一旦赴き、何が釣れているのか、獲物を確認。
15cmくらいのアジが入れ食いのようだが、港が何やら慌しい雰囲気。
聞けば、行方不明者が出たらしく、漁船が総出で捜索に出かけているとのこと。
船宿も釣り客どころではなさそうだ。
やはり、離島。過酷な状況で生活していることを思い知らされる。
この生活環境が島民の優しさの一因なのだろうか。
道路を少し戻り、小さなスーパーで食料を買い出し、釣具屋で餌を仕入れて再び波浮港へ。
14:20。アミコマセを詰めてのサビキ釣りを開始。
M氏がすぐに小型のアジを釣りあげた。
少し遅れて僕の竿にもかかり始める。
本当に入れ食い状態。
時折、サバも掛かってくる。
地元の人に聞いたら、10年に一度くらいの規模の群れらしい。

波浮港 小アジが入れ食い

波浮港 小アジが入れ食い

トンカツ弁当と大島牛乳で遅い昼食

トンカツ弁当と大島牛乳で遅い昼食

あまり釣り過ぎても困るので16時に納竿。
キャンプ場へ戻り、数えてみたら26匹だった。
地元で650匹釣った人もいるらしいが…限度ってものがあると思う…。

大漁 これでも魚が多すぎるので

大漁 これでも魚が多すぎるので

背開きにして一夜干しに

背開きにして一夜干しに

比較的大きめの魚の処置を終えたとこで、島の焼酎で乾杯。飲み始めた。
二人とも弁当を食べたばかりで腹が一杯だったため、これ以上アジをさばく気力が沸かない。
僕がかろうじて一匹を切り身にしたが、小骨と皮の口当たりが悪くてどうにも美味くない。
バターで炒めたらかなり美味しくなったが、もともと食欲がないので追加オーダーには至らなかった。
相談した結果、残ったアジは翌日の釣り餌にすることに。
切り身にすれば根魚くらい狙えるだろう。
また、買ったクサヤをつまみにしようとしたが、焼き網もなく、ガソリンストーブで直接焼くわけにもいかない。
フライパンであぶったが、生焼け状態。仕方なくクサヤは全てお土産にした。
そうこうしているうちに日が暮れて夜に。

キャンプ場の夕暮れ

キャンプ場の夕暮れ

弓張月

弓張月

この日の月齢は6.6の上弦の月、古語で言う「弓張月」だった。
鎮西八郎・源為朝を主人公にした滝沢馬琴の「椿説弓張月」は、僕が大好きな古典小説の傑作である。
綿密な取材と巧みなプロット、勧善懲悪の爽快なストーリーに鬼才・葛飾北斎の挿絵。
現代でも色褪せない、痛快娯楽小説である。
平安時代末期、源為朝が流罪に処せられたここ伊豆大島も勿論物語の重要な舞台の一つ。
偶然にも、その場所で美しい弓張月を眺められるとは、個人的にとても感慨深いものがある。
閑話休題。
日が暮れて、酒も一段落。
M氏のくだらない駄洒落もとうに飽き、棒ラーメンで軽く食事を済ませて20::00には各テントにもぐりこんだ。
LEDランタンの下でなぜか太宰治の「人間失格」を読んで暇つぶし。
熊の心配がいらないのは実にありがたい。
海風は強いが、11月にしては暖かい夜だった。

あゝ野麦峠 – あるSE哀史 –

ツーリングの前の晩はいつだって寝不足だ。
遠足を控えた子供のように興奮してなかなか寝付けない。
前日も遅くまで残業し頑張って仕事にけりをつけたというのに早く床に就いた意味がない。
1時には布団にもぐり中で目を閉じてはみたが、午前5時頃に起き出すまで全く熟睡できなかった。
まぁその代わり今夜はよく眠れるだろう…そう信じてキャンプ道具を準備した。
今回の行く先は長野と岐阜の県境にある乗鞍岳周辺。
紅葉最盛期のこの季節に行きそびれたら来春まで行けないだろう。
初雪が観測されたとかいう話も聞く。
というわけで午前6時30分出発。
こないだビーナスラインを走ったときと同じ耐寒装備で、早朝の環七に乗り出した。
首都高から中央道へ。このルートもだんだん慣れてきたが、やはりセローで高速は辛い。
辛い時間を早く終わらせたいがために、 アクセルほぼ全開で走る。
フロントタイヤも想定されている限界のスピードで回転させられて癇に障るのだろうか、ちょっとした横風でも「イヤイヤ」と首を振りたがる。
それを押さえつけるこっちも必死だ。エンジンの強烈な震動がハンドルまで伝わり、手がしびれて腱鞘炎になってしまいそうである。
途中、談合坂と諏訪湖のサービスエリアで休憩。
日が高くなるにつれて暖かくなってきた。
厚着してる分、停まっていると暑いくらいだ。

諏訪湖SA サービスエリア内に温泉がある

諏訪湖SA サービスエリア内に温泉がある

諏訪湖 天竜川水系なんだね~

諏訪湖 天竜川水系なんだね~

午前10時、岡谷ICで高速を降りた。
まず目指したのは林道・王城枝垂栗(おうじょうしだれくり)線。GPSですんなり到着。
このあたりの標高は1200m前後なので、まだ完全に紅葉してるわけではないが、林道には落ち葉の絨毯が敷き詰められていた。
道自体は走りやすいが、落ち葉でのスリップには注意が必要だ。
四輪の対向車も含め、林道にしては交通量が多かった。
この季節はとくに茸目当ての入山者が多いのだろう。
林道の道沿いにビニール紐が張り巡らされ、入山禁止・キノコ採集絶対禁止の張り紙があちこちにある。

王城枝垂栗(おうじょうしだれくり)線 難読です

王城枝垂栗(おうじょうしだれくり)線 難読です

森の中から稜線に抜ける

森の中から稜線に抜ける

やがて道は尾根道になり、日本中心の標に到着。
ほんまに中心なのか知らないが、とりあえず休憩。(どうやら本州の中心らしい)
螺旋階段で登れる展望台があり、さすがに眺めは素晴らしかった。

日本中心の標 これがなければただの山です

日本中心の標 これがなければただの山です

展望台 風で揺れるので怖い

展望台 風で揺れるので怖い

展望台より三州街道方面を望む

展望台より三州街道方面を望む

突き抜けるような秋晴れ 爽快な尾根道を走る

突き抜けるような秋晴れ 爽快な尾根道を走る

11時、林道を抜け、国道153号線=三州街道に出た。そのまま北上し、小野下町の交差点を左折。
牛首峠を越え、林道桑崎線に出る道を進んだ。
地図では牛首峠も林道も通行止めになってるが、行けるとこまで行ってみよう。

林道桑崎線入口

林道桑崎線入口

ここも交通量が多かった

ここも交通量が多かった

地図上での林道終点が目の前に迫ったところで通行止めのロープが張られていた。
直前の分岐から脇道を進んだが、やはり草に埋もれて進めなくなった。
分岐にもどると、ここの作業員の方々が丁度現れたので聞いてみたが、やはり通り抜けはできないようだ。

ここから左に行ってみたけどダメでした

ここから左に行ってみたけどダメでした

一度廃道を走ると、その後の林道が楽になります

一度廃道を走ると、その後の林道が楽になります

Uターンして林道を戻り、舗装路の続きを走る。こっちの通行止めは解除されていたので助かった。
国道19号=中山道に出、奈良井川沿いを南下。
木曾街道の旧い宿場町が点々と続く。
その中の一つ、奈良井宿で旧道への分岐を曲がった。

宿場町の雰囲気を醸すJR奈良井駅

宿場町の雰囲気を醸すJR奈良井駅

紅葉か新蕎麦が目当てだろうか、行楽客が多かった

紅葉か新蕎麦が目当てだろうか、行楽客が多かった

時刻は12:30。ここらで昼食を摂ろうと駅の隣の蕎麦屋に入ったが、えらく混んでたので断念。
メインストリートをはさんだ向かい側にある急勾配の脇道を登り、次の目的地鳥居峠林道に入った。
ハイキングをしている歩行者が多いので紅葉を眺めながらのんびり走る。

紅葉に枯れススキ 秋です

紅葉に枯れススキ 秋です

鳥居峠付近からの展望

鳥居峠付近からの展望

峠を越え、山を下るにつれてハイキングの行楽客がどんどん増えて行く。
林道を抜けて薮原駅付近では歩行者の脇を会釈しながら徐行運転。
人ごみを避けて山奥に来たつもりなのに、これじゃ東京の繁華街と変わらない。
逃げるように駅周辺を離れ、県道沿いにあったみやげ物センターみたいなとこ(名前失念)で昼食。

そば定食 870円 品数豊富でお得でした♪

そば定食 870円 品数豊富でお得でした♪

食べ終わって時刻は13:30。
今日の宿泊場所は新穂高野営場でのキャンプを予定している。
まだ日は高いが、そこまでの道のりを考えると、いまから向かった方がよさそうだ。
野麦峠(※)や月夜沢林道、開田高原の蕎麦なども予定していたが、翌日にまわして、
上高地乗鞍スーパー林道を目指し、県道26号線を一路北上することにした。
この季節、キャンプ場に早く着くに越したことはない。
※ 一応解説。山本実の作品「あゝ野麦峠」で有名な峠。
富国強兵政策の陰で過酷な労働に苦しめられた悲劇の女工たちを描いた。とはいえ僕もまだ読んだことない。

県道沿いに紅葉が美しく燃える

県道沿いに紅葉が美しく燃える

14:30、上高地乗鞍スーパー林道に到着。
林道とはいえ、舗装路でしかも有料である。
有料区間がいくつかに分かれているため、何度も料金を支払い、その度にもたついてしまった。
振り向けば順番待ちの車が。ここも紅葉目当てのドライブで交通量がとても多い。
しかしさすが人が大勢訪れるだけのことはある、見事な紅葉が目を楽しませてくれた。

樹木の名前を知らないのが悲しい…

樹木の名前を知らないのが悲しい…

白樺峠から乗鞍岳を望む

白樺峠から乗鞍岳を望む

見事に色づいた山

見事に色づいた山

一枚一枚の葉が点描でキャンパスを埋める

一枚一枚の葉が点描でキャンパスを埋める

日本有数のドライブコース・乗鞍スカイラインは去年から一般車両通行禁止になり、
このスーパー林道が乗鞍周辺随一のドライブコースとなってしまった。
免許取得が今年の春だったので、残念だが如何ともしがたい。
それでも景色は素晴らしかった。 乗鞍高原を越え、白骨温泉を抜け、上高地方面を目指す。

乗鞍高原の独特な風景

乗鞍高原の独特な風景

厚い雪に覆われる前にたくさん太陽を浴びよう

厚い雪に覆われる前にたくさん太陽を浴びよう

林道を抜けたのが15:30。
途中で道を間違えて一区間飛ばしてしまったが、明日、野麦峠に行くときに通ればいいか。
国道158号線を高山方面に進み、安房トンネル手前で旧道に入り、峠道をウネウネ登る。
安房峠の標高は1790m。日も西に傾き、だいぶ寒くなってきた。

日照時間と紅葉の速度は反比例するのかな

日照時間と紅葉の速度は反比例するのかな

安房峠付近から穂高連峰を望む

安房峠付近から穂高連峰を望む

峠道を下り、平湯の温泉街に出たのが16:00。
長野との県境とはいえ、ここは岐阜県。地続きのツーリングでは最も遠くに来た。
さすがに一日中走り回って、かなり眠い。
予定していたキャンプ場はさらに先だが、疲れたので平湯キャンプ場に予定を変更した。
事前に調べて、そこも候補の一つだったので問題なし。
買出しをして、さっさとチェックインして、温泉にでも入ろう…。


買出しを終えたとこで、電話の不在着信に気がついた。
15:00頃、会社からだ…。至急電話をくれと留守電に入ってたので早速電話してみた…。
塩犬「もしもし? 連絡遅くなってすみません」
社長「あぁ、お休みのとこ申し訳ない」
塩犬「何か不具合とか発生したんですか?」
社長「あのね、XXシステムのね、」
塩犬「はい…(やな予感…)」
社長「サーバーのハードディスクがとんじゃった」
塩犬「(゚ロ゚; グハッ!!」
社長「異音が聞こえたので直前にデータベースのバックアップは取ったけど、
直後に死んで立ち上がらなくなった。ハードウェアの問題…たぶん不良セクタが原因らしい」
塩犬「あら…まぁ…そうですか…」
考えうる最悪の事態だ。
多少の不具合なら手持ちのPDAでここからでも修正できるが、
サーバーの復旧はさすがに事務所まで戻らねばならない。が…しかし…。
社長「で、今どこにいるの?」
塩犬「…岐阜です…奥飛騨の山奥…」
社長「゚(ロ゚; グハッ!!」
社長の気持ちが痛いほど分かる。
システム停止が月曜まで伸びたら、クライアントとの信頼関係にひびが入る。
そのシステムの成否は次の仕事の受注にかかわるものであり、それがうちの会社で現在見込まれてる最大の案件なのだ。
小さいシステム開発会社である。その一員としても、まさに生活に直結する事態なのだ。
…しゃーない。
社長は言いにくいだろうから、自分から切り出した。
塩犬「いまから戻りますよ、東京に」
社長「おぉ!!」
塩犬「たぶん順調に急いでも4・5時間かかりますけど」
社長「本当に申し訳ないね~(T▽T」
おくやまに 紅葉ふみわけ泣く塩の
 声きく時ぞ 秋は悲しき (読み人知らず)

セローよ、酷使して済まぬ…

セローよ、酷使して済まぬ…

平湯 魅力的な温泉街でした…

平湯 魅力的な温泉街でした…

時刻は16:30。
平湯から東京まで直線距離で200km。道のりにすると約250kmである。
疲れと眠気でフラフラになりながら国道158号線を松本に向かい、高速に乗った。
諏訪湖SAで温泉に入りたかったが、間違いなく爆睡モードになるのでやめといた。
21時、どうにか無事故で帰宅。
荷物を置いてすぐ事務所に。
翌日の日曜日も出社した。
とりあえず乗鞍まで日帰りツーリングできることが分かった。
それは今回の収穫としておこう。
そう、野麦峠はそれほど遠くないのだ。
その悲しい物語は現代の東京を舞台に連綿と続いているのである…。

回り道くねくね

季節柄、夜明けもだいぶ遅くなってきた。
まだ暗いうちに目が覚めて外へ出てみたが、寒さですぐに寝袋へ逃げ込んで二度寝。
午前7時。日が差してきたのを確認して、 ようやく起き出した。
登山に出発する車中泊夫妻に挨拶してから のろのろと食事の支度。
テントや荷物を片付け、飯を食って、午前8時半出発。
昨日の寒さが堪えたので、今日はフリースのパンツも下に着込んだ。
念のために持ってきて本当によかったぁ~。
まずは昨日も通ったビーナスラインを白樺湖まで戻ることにした。
昨日に比べて雲も少なく、澄み切った早朝の空気のお陰で景色も遠くまでよく見える。
途中の展望台で愛知から来たBMW乗りと会話。
ジーンズで来てしまって、予想外の寒さに凍えてた…可愛そうに…。

遥か北アルプスの峰々を望む

遥か北アルプスの峰々を望む

こちらは南アルプスの山々 左端に富士山がチラッ

こちらは南アルプスの山々 左端に富士山がチラッ

9:30。白樺湖に到着。そこから諏訪白樺湖小諸線を小諸方面に北上。
白樺林の中を快走。天気もよく、気温もだんだん上がってきて気持ちいい。

蓼科第二牧場では牛が馬を口説いてた

蓼科第二牧場では牛が馬を口説いてた

天高く馬肥ゆる秋とはよく言ったものだ

天高く馬肥ゆる秋とはよく言ったものだ

国道142号線にぶつかったとこで右折。佐久方面に進む。
日曜日の午前中。車も多く流れも遅くなり始めた。
途中の道の駅・ほっとぱーく浅科で休憩。
地元農家の方々が売っていたヨーグルトを食べた後、お土産用のおやきと、なぜか無性に美味しそうに見えたネギを買ったしまった。
青葉がシャキーンとした、ぶっとい下仁田ネギ4本100円。
以後、この日はずっとバイクの後ろにネギを結わえて走ることとなる。

屋根・壁のある休憩室があります 野宿にいいかも

屋根・壁のある休憩室があります 野宿にいいかも

10:30再出発。
国道142をさらに東に進み、中込に到着。
最初のツーリングレポートで宿泊したホテルがここにある。懐かしい。
回想に浸る暇もなく、国道254へ。愛称コスモス街道。
秋のこの時期は沿道がコスモスに美しく彩られる。
「私は花の子です~名前はルンルンです~♪」(花の子ルンルン主題歌)
と鼻歌を歌いながら、群馬方面に進んだ。

コスモス街道 この季節に走れて嬉しい

コスモス街道 この季節に走れて嬉しい

可憐に咲くコスモスの花 どれもみんな綺麗だね~♪

可憐に咲くコスモスの花 どれもみんな綺麗だね~♪

11時過ぎ。小腹が空いたので軽くそばを食べることに。
寄ったのは桜井さんち
はちみつとリンゴにも惹かれたが、お土産はネギだけで手一杯なのでもりそばだけ注文。
この頃にはだいぶ暖かくなっていたので、もりそばの冷たいのど越しにずいぶん癒された。

冷たいそばをツルツルいただく

冷たいそばをツルツルいただく

桜井さんち ハチの子買えばよかったなぁ…

桜井さんち ハチの子買えばよかったなぁ…

11:20出発。
コスモスの咲くエリアを抜けたあたり、内山トンネル手前で国道を外れて右折。
妙技荒船林道から軽井沢方面を目指す。
佐久高原を抜ける舗装された有料林道だが、軽井沢から先は未舗装路になってるらしい。
地図では通行止めになってるが、抜けられるかも知れないという淡い期待を抱いて進んだ。

妙義荒船林道より妙義山の奇観を望む

妙義荒船林道より妙義山の奇観を望む

北方に眼を転ずれば壮大な浅間山

北方に眼を転ずれば壮大な浅間山

で、やっぱ通行止め

で、やっぱ通行止め

12:00過ぎ。ようやく着いた未舗装区間はやっぱり通行止め。
仕方なく次の目的地、御荷鉾スーパー林道を目指すことにした。
御荷鉾スーパー林道は埼玉と群馬の県境付近を走る、関東でも有数の長距離林道だ。
やはりここも年々舗装化が進んでおり、常にどこかしら工事中とのこと。
事前に仕入れた情報では9月一杯工事中の区間があって、こないだまではほとんど通れなかったらしい。
今もどこか通行止めになってるかもしれないが、とにかく一度行ってみたかった。
てなわけで県道43号~国道254号を下仁田方面に進む。
下仁田が近づくにつれ、特産品のこんにゃくを使った味噌おでんと下仁田ネギの看板が目立ち始める。
12:40。まだそれほどお腹は減ってなかったが、せっかくなので休憩。おでんとかけそばを注文した。
関西人が見たら卒倒するであろう真っ黒なそばつゆが忘れられない。

さすがにこんにゃくは絶品

さすがにこんにゃくは絶品

おかた茶屋 国道沿いの目立つ店です

おかた茶屋 国道沿いの目立つ店です

食べ終わって午後1時。再び国道を走り始める。
下仁田の交差点を曲がり、今度は県道45号で南牧村方面に。
やがて県道93号になり、しばらく進んだとこを曲がっていよいよ急勾配の上り坂だ。
御荷鉾スーパー林道は秩父山塊稜線近くの高い場所を走っているため、入り口まで登り続けなければならない。
13:30。ようやく御荷鉾スーパー林道の入り口の大仁田ダムに到着。
できたばかりのダムで併設されたトイレもすこぶる立派。
小用を済ませていよいよ林道へ突撃!
林道に入るとすぐに未舗装路になった。
思ったより荒れている。たしかこの区間が先日まで通行止めだったはず。

タイヤの後を見る限り、普通に通行してるらしい

タイヤの後を見る限り、普通に通行してるらしい

秋晴れの中たたずむ秩父の山々

秋晴れの中たたずむ秩父の山々

どのくらい進んだろうか。やがて道は舗装路に。
塩之沢峠を過ぎたあたりから「この先通行止め」の看板がちらほら…。
しかし今日の目標はこの林道の通行可能な区間の走破なので、ひるむことなく進んだ。
八倉峠の先の三差路から再びダート。

はいはい、通行止めでしょ? わかってますよ

はいはい、通行止めでしょ? わかってますよ

このあたりはずっとフラットでした

このあたりはずっとフラットでした

そこから3km進んだあたりで予告通りの通行止め。
ゲートががっちりしまっており、ご丁寧に両端もロープで通れないように塞いである。
丁度、オン車でやって来たライダーが一人。
話しかけてみると、通行止めの向こう側から迂回してきたとのこと。
あっちには監視員もいるらしい。
仕方ない、僕も迂回することにした。この時点で14:15。
さきほどの三叉路まで戻り、舗装林道を使ってウネウネと山道を降り、下仁田に。
再び国道~県道を経て山道を登り、御荷鉾スーパー林道の続きに戻れたのが…15:45…疲れた…。
さっそく通行止め地点目指してダートに突入。
こちらもフラットですこぶる走りやすい。
途中、件の管理人のおっちゃんと出会った。
丁度、軽トラで帰るとこらしい。
おっちゃん「この先行き止まりだよ」
塩犬「えぇ、そこまで行って戻って来ます」
おっちゃん「キャンプ? ネギ持ってるけど」
塩犬「いえ、下仁田ネギが美味しそうだったので東京へのお土産っす」
おっちゃん「がははは! 気ぃつけてな!」
って感じで9kmほど進んで無事通行止め区間に到着。

ここが出口

ここが出口

高崎方面を望む

高崎方面を望む

ちなみに帰宅後GPSのログを元に地図を確認してみた。
500mの迂回のために60km=1.5時間…
120倍の距離…
長い道のりだったが、無駄ではなかった。
わざわざ迂回してやってきたこの場所で、またある一匹の野生動物に会うことができたのである。
通行止め区間に向かって走っている最中、向こうから林道をやってくる小さめの犬ほどの大きさの生き物。
黒っぽい体毛と特徴的なとぼけた顔。
一目で狸と分かった。(最近はアライグマが現れる可能性もあるが)
バイクが近づいても逃げる様子もなく、やつは僕の来た方向へ林道を進んでいく。
名残惜しかったが僕も先を急いでいたので、そのまま通り過ぎた。
通行止めポイントでUターンし、さっきの地点からしばらく進んだ場所で再び狸を発見。
さっきのやつが、あのままトボトボ林道を歩いて水溜りで喉の渇きを癒していた。
一体、どこへ向かっているのだろう。
捨て犬ならぬ捨て狸が元の飼い主でも探してるのだろうか?
全ては謎のままである。

彼の背中には哀愁がただよっていた

彼の背中には哀愁がただよっていた

ここもやがて舗装されてしまうのだろう…残念…

ここもやがて舗装されてしまうのだろう…残念…

見かけに似合わずクールな狸で、写真を撮ってるのに全然こっちに構ってくれない。
仕方なく出発。バイクの音にはビクッと驚いてた。申し訳ない。
おわびにリアバッグにあったおやきをあげればよかったと、今でも悔やまれる。
時刻は16:30。そろそろ薄暗くなり始めた。
林道はさらに東へ延びているが未舗装路区間はこれでおしまい。
丁度いいので区切りにした。
南側へ山を下り、十石峠を本庄児玉方面に向かう。
この時間帯、まっすぐ東京を目指すと行楽帰りの大渋滞に巻き込まれる恐れがあるので、途中の温泉で時間をつぶすことに。
寄ったのは神流川温泉・白寿の湯。17:30着。
昨日も風呂へ入れなかったので丁度よかった。
ボイラー工事で露天風呂に入れなかったのは残念だが、料金が500円だったのでよしとしよう。
良心的な価格設定で家族連れでにぎわっていた。おすすめの温泉である。

夜12:00まで営業

夜12:00まで営業

こんな感じでネギ背負ってました

こんな感じでネギ背負ってました

のんびり温まって午後7時出発。
関越自動車道は特にひどい渋滞もなく、21時には帰宅できた。
早速ネギと竹輪で煮物を作り、軽く晩酌。
下仁田ネギは生だと辛いが熱を通すと甘くなるらしいが、まさにその通り。
青い葉っぱの部分も美味しくいただいた。
残ったネギは何に使おう…。やはり鍋物がいいなぁ~。
…タヌキ汁とか。。

しばれたプロメテウス

ついこないだまで暑い暑いと思っていたのに、あっというまに涼しくなった。
東京でさえ朝など肌寒いくらいだ。紅葉の便りも聞こえ始めた。
色づき始めた山々を見たいなら、なるべく標高の高い場所がいいだろう。
というわけで信州へ出かけることにした。
一応、防寒のためにユニクロで買ったフリースをジャケットの下に着込んで行った。

朝7時。自宅を出発。中央道に乗って山梨の須玉ICを降りたのが午前10:20。
高速を走っている最中からすでに、厚着してきてよかったと思った。 予想以上に寒いわ。

さて、そこからR141を八ヶ岳方面に北上。
途中、清里の「鉄道最高地点」で休憩。

清里 JR鉄道最高地点

清里 JR鉄道最高地点

11:00過ぎに、早めの昼食を食べたのだが、なぜか牛丼…。
(´ヘ`;) う~ん…

最初の目的地は八ヶ岳東山麓にある八ヶ岳林道。
ところが入り口がなかなか見つからない。
GPSを頼りに進んだが何しろ目印がないのだ。
「ここか?」と思って入る未舗装路は全て廃道だった。

草ぼーぼー

草ぼーぼー

道? どこよ?

道? どこよ?

やっと入り口にたどり着いたのが12:00。
通行止めの看板が立っていたが、ゲートは開いているのでとりあえず行けるとこまで行ってみる。
数分走ったとこで未舗装路になったが、少し進んだとこで工事中。
重機が道を塞いでいてとても通れないのでUターン。
地図でも通行止めと記載されてたので仕方ない。
迂回して、この先の区間を目指す。

通行止めしゃーないね

通行止めしゃーないね

一旦国道に出て、しばらく進み、また山麓を登る。
ゴルフ場脇の林道入り口に気付かず、ずいぶん迷った。
整地されたグリーンを横目に、林の中のダートを進む。

あやうくゴルフ場の中を走りそうに…

あやうくゴルフ場の中を走りそうに…

廃道を走った後なので、走りやすいこと

廃道を走った後なので、走りやすいこと

しばらく進んでさっきの通行止めの出口にぶつかった。
分岐を右に折れ、八ヶ岳林道の続きを走る。
この林道は八ヶ岳への登山口や温泉へ至る道なので四輪も多い。
やがてダートは舗装路になり、県道に出た。

標高2150mの本沢温泉へ至る分岐

標高2150mの本沢温泉へ至る分岐

八ヶ岳山頂は終日雲に覆われていた

八ヶ岳山頂は終日雲に覆われていた

県道を進み、国道299号線との交差点にあるレストハウスでトイレ休憩。
ただでさえ涼しい場所なのに、走っているので余計寒い。 トイレがどうしても近くなる。
5分ほどして、再出発。時刻は13:20。
次に目指したのは日石林道。少し県道を戻ってすぐ見つかった。
林を抜け、牧場の脇を通り、ゲートを開けて、すんなり終了。

日石林道から佐久方面を望む

日石林道から佐久方面を望む

牧場では遠足の小学生たちがワイワイやってた

牧場では遠足の小学生たちがワイワイやってた

そのまま舗装路を進み、迂回して茨沢林道へ。
かなり荒れた路面だが問題なく走行。
途中分岐を間違えて、立派なホテルの裏に出てしまったが気にしない。

茨沢林道入口 発砲禁止の看板が目印

茨沢林道入口 発砲禁止の看板が目印

緑と紅と黄色 色彩があふれる季節です

緑と紅と黄色 色彩があふれる季節です

林道を走り終えて再び県道に出たのは14:30すぎ。
八ヶ岳まで来ても、走破に数時間かかる長距離の未舗装路はないのだ…。
さて、次は国道299号線、愛称メルヒェン街道を西へ。
麦草峠を頂点にした標高2000mの高所を走る。
ワインディングの峠道走行に注意しながら紅葉の中を快走。

…っていうか寒い。

1000mで気温は6度変わるとか言われてるが、まじ寒い。
雲も多くなり、雨と言うほどではないが時々雫が落ちてくる。
防寒グローブをしていても指先がかじかんで来た。
いちいち記述してないが、そこかしこでトイレに寄った。

麦草峠 国道で2番目の高所らしい

麦草峠 国道で2番目の高所らしい

さすがに標高2000m 紅葉も最盛期

さすがに標高2000m 紅葉も最盛期

15:40。国道152号線の交差点で食料とガソリンを補給して、白樺湖方面へ。
目指すはビーナスライン。日本でも有数の快走路。今回のツーリングの目的でもある。
楽しみなのであまり予習してない。どの程度の時間がかかるのかも不明である。
今夜の宿泊ポイントが少し気になりつつ、午後4時、白樺湖に到着。
大門峠を左折したら、いよいよビーナスラインだ。

白樺湖 観光地化されてます

白樺湖 観光地化されてます

ビーナスライン 丘陵が女性的な曲線を描く

ビーナスライン 丘陵が女性的な曲線を描く

白樺湖俯瞰 美しい景観が続く

白樺湖俯瞰 美しい景観が続く

霧が峰の独特な地形 遮る木々すらない

霧が峰の独特な地形 遮る木々すらない

美しい展望と爽やかな高原がどこまでも続く。
雨が降ったのだろうか、路面がところどころぬれている。
西へ大きく傾いた太陽は、雲に隠れてもう見えなくなった。
寒い寒い。息が白い。
「これはかなり寒いですねー」
「そうですねー、気温は一桁でしょうねー」
などとヘルメットの中で独り言をしゃべりつつ、寒さを紛らわす。
紛らわしながら頭の片隅にあった不安がどんどん膨らむ。

今日の宿は…?

まじでもうすぐ日が暮れちゃうよっ!!(;´Д`)

今日、予定しているのは美ヶ原県民の森キャンプ場。
リンクさせたいが公式HPすらない無料のキャンプ場である。
キャンプ地までの正確な地図も手元にない。登山道らしき道があるようだが、バイクでどこまでいけるやら。
とにかく早めに到着したかったのだがビーナスラインが想像以上に長かった。
ビーナスラインを走り終え美ヶ原へ到着。目印の山荘を目指した。
そこからキャンプ場まで登山道があるらしいのだが…。

途中で食べたあったか~いキノコ汁

途中で食べたあったか~いキノコ汁

草食動物の腸のような美ヶ原の道

草食動物の腸のような美ヶ原の道

午後5時。山荘・山本小屋に到着。
えー、県民の森までの道。

車両通行禁止だってさ…_| ̄|○

さすがにもうしょうがない。
松本で健康ランドかビジネスホテル探すことにした。
途中、キャンプ場への登山道がもう一本あるようだが、あまり期待できない。

ビーナスラインを少し戻り、松本へ降りる県道を西走。
…っと、県民の森の看板を発見。
十分走れそうな林道が森の中に延びている!

ようやくキャンプ場に到着した。午後5時半過ぎ。まさに日が暮れる直前だ。
受付も管理事務所もないので、勝手に駐車場にバイクを停め、荷物を持ってキャンプ場へ降りた。
キャンプ場では若者のグループが一組焚き火をしていた。
テントはないようだが、他人を気にしてる暇はない。急いでテントを張る。
設営の簡便さに定評があるムーンライトを組み終えた頃には、すでにヘッドランプをつけなければならないほどの暗さになっていた。

食事の準備をしようか焚き火をしようか迷っていると、若者の一人が話しかけてきた。

「もう僕達帰るんで、よかったら焚き火使ってください」

∑o(*’o’*)o ウオオォォォォ!!

無茶苦茶嬉しい。薪もたっぷり残してくれていた。
テントを焚き火のそばに移動して、帰る彼らにお礼を言った。

一日中、バイクで走り体が冷え切ったためか、食欲があまりなかった。
米を炊くつもりだったが、とりあえずビールとつまみだけ。
焚き火にあたりながらチビチビ飲んだ。

焚き火とともに人類は生き延びてきたのだよ

焚き火とともに人類は生き延びてきたのだよ

長野名物「おやき」がビールのつまみ

長野名物「おやき」がビールのつまみ

焚き火の面倒を見つめていると、本当にいろいろなことに思いが至る。
赤く静かに燃焼を続ける熾火に息を吹きかけると、一気に温度が上がり炎が燃え立つ。
勢いよく燃える炎は、多少湿った木にもすぐに燃えうつる。
調子よく燃えていても、油断するとすぐに消えかけてしまう。
適切に薪を追加して、風向きを気にしながら配置しなければならない。

「地球上の生命も、こうやって誰かが一生懸命育んで来たんだろうな…」

揺らめく炎が生命そのものに思え、その面倒をみている自分が創造主かガイアを連想させて…思考はやがてとりとめもない方向へと進む。
プロメテウスが神々から盗み、罰を受けることを承知で人類にプレゼントしてくれた火…。
寒さに凍える人々に温もりと光を与えてくれる火…。
手に負えない激しさで全てを焼き尽くしてしまうほどの火…。

酒と焚き火で体が温かくなったためか、食欲が出てきた。
少しだけ米を炊いて、納豆・かつおぶし・海苔で素早く胃に押し込む。
丁度、薪もなくなった。夜9時過ぎ就寝。
炭水化物を摂取したお陰で暖かく眠れた。

ちなみに翌朝。

10月だというのに霜が降りてました。

美ヶ原県民の森キャンプ場は、標高約1600mの位置にある直火が許された無料キャンプ場である。
飲料水がないことと、ボッチャン式便所と、そして寒さを我慢できる人には超おすすめ♪

ザックカバーが真っ白

ザックカバーが真っ白

駐車場に車中泊の夫妻がいたので安心でした

駐車場に車中泊の夫妻がいたので安心でした

東京港へ帰れ

さぁ、いよいよ四国ともお別れだ。
目が覚めたのは午前7時。すぐにホテルの朝食を食べに。
焼き魚・味噌汁・漬物・味付け海苔。塩分多すぎ…。

徳島第一ホテル 一泊5千円しなかった

徳島第一ホテル 一泊5千円しなかった

徳島県庁 なんとなく写真とった

徳島県庁 なんとなく写真とった

ちょっと駅のほうへ寄るつもりで9:00にホテルを出たが、10:30までにフェリー乗り場に行かなければならない。
あまり時間がないことに気付き途中で引き返して、そのまま港へ向かう。
10:00前に到着。最後だけは余裕ができた。
10:30には乗船開始。11:30に出航。

おーしゃん・のーす号

おーしゃん・のーす号

セロー君、長旅おつかれさま

セロー君、長旅おつかれさま

帰りの船は相部屋だが寝台がついている。料金割り増しだがそれしか客席がないのだ。
僕の向かい側の寝台に来たのは、フェリー乗り場で見かけた自転車乗り。
声を掛けて、仲良くなった。彼も同業種らしい。(Perl・Javaプログラマ)
彼を誘って、ラウンジで波に揺られ海を見ながらビールを飲んだ。
…自転車って一日200kmも走るものなんだね…。
夕方。テレビではプロ野球の阪神戦。
今日にも優勝が決まるかと、大騒ぎ。
事実、この日の夜、ヤクルトが敗れて18年ぶりの優勝が決まった。
なんにせよ、思い出深い日になった。

阪神戦 この日、優勝が決まりました

阪神戦 この日、優勝が決まりました

そして今日も日が暮れる

そして今日も日が暮れる

ぐっすりと寝て、目覚ましのアナウンスが流れたのは4:30。
もうすぐ東京港だ。 下船の準備。着岸してセローにまたがり、スロープを降りる。
5:00。目の前には東京ビッグサイトと大観覧車。
こんどは迷わずにレインボーブリッジへ向かった。

フェリー埠頭はまだ暗かった

フェリー埠頭はまだ暗かった

明け方のレインボーブリッジ

明け方のレインボーブリッジ

薄闇のベールに包まれた東京の街が、自宅に近づくにつれ少しずついつもの風景を晒していく。
非日常から日常へ。 これから帰宅して10:00には出社しなければならない。
長い休み明けの出社だけど、なぜかいつもより少し足取りが軽かった。


お・ま・け 四国で見かけた変なもの

右側「スーパ林道」 最後までのばせって!

右側「スーパ林道」 最後までのばせって!

「自動販売機 販売中」 販売機を売ってんのか!?

「自動販売機 販売中」 販売機を売ってんのか!?

「アイスクリン」 微妙な商品名…美味しいけど

「アイスクリン」 微妙な商品名…美味しいけど

「龍馬とプリクラ」 小説のタイトルになりそう

「龍馬とプリクラ」 小説のタイトルになりそう

「龍馬のカトちゃん」 なんでもありだな、おいっ!

「龍馬のカトちゃん」 なんでもありだな、おいっ!

※ ドラスタ乗り・もんちゃん提供

四万十川の林道の看板 気合い違うわ…

四万十川の林道の看板 気合い違うわ…

四国さすらふ

目覚めたら、すでに夜は明けていた。
疲れていたのか、熟睡していたみたいだ。
川にもやはかかっているが、天気は快晴。
今日も暑い一日になりそうだ。
昨晩から水につけてある米を炊き、朝食。
シンプルに納豆と野菜ジュース。
ちゃっちゃと食って撤収開始。

こんな感じのキャンプ場

こんな感じのキャンプ場

最近、トマトジュースが飲めるようになった

最近、トマトジュースが飲めるようになった

8:30出発。まずは近所にある沈下橋を見に行った。15分ほどで到着。
四万十川には沈下橋と呼ばれる橋がいくつもある。
川面すれすれに掛けられた橋で、増水時には沈むようにできている。
流木などで橋が流されたり、水がせき止められて洪水が起きたりするのを防ぐのが目的だ。
ガードレールもないので、ちょっと怖い。

半家(はげ)沈下橋 撮影して駆け足で戻った

半家(はげ)沈下橋 撮影して駆け足で戻った

さらば四万十川よ、いつかまた!

さらば四万十川よ、いつかまた!

さて、いよいよ四万十川ともお別れだ。
次に目指すのは愛媛県の大洲。そこから松山自動車道で一気に高松まで行くつもりである。
本当は佐田岬や道後温泉に寄りたかったが、雨で一日つぶれたため今回は諦めた。
国道441号線を北上。曲がりくねった峠道が多かった。
大洲に着いたのが午前11時。
そういえば昨夜、 僕は高松の友達に電話をした。
ついこないだ東京から実家に引っ越したばかりなのだ。
高松に寄るついでに会おうと思ったのだが、仕事で出かけてしまうとのこと。
仕方ないから美味しいうどん屋だけでも紹介してくれと尋ねたら「恐るべきさぬきうどん」という本を紹介してくれた…。
うーん…友達甲斐があるのやら、ないのやら…。
以前、四国へ来たときは、その本の大ファンに引張られての「うどん屋めぐり」がメインだったので、その本の存在はよく知っていた。
律儀な僕は大洲の大き目の書店に入り、文庫版を購入。駐車場でパラパラ頁をめくる。
前回の「うどん屋めぐり」でそこに紹介されているうどん屋が格別美味しいことはよく知っている。
と同時に、見つけにくいうどん屋ばかりであることも知っている。
とりあえず一軒は食べたいので、高速から近そうなうどん屋に目星をつけた。
松山自動車道に乗り、とにかく東へ。
四国の高速道路はほとんど一車線で、中央分離帯すらないことも多い。
時速100kmで対向車とすれ違うのはスリルがあるが、それより気を使うのは渋滞である。
追い越し車線がないので、遅い車があるとすぐに後ろがつかえてしまう。
高速巡航が苦手なセローには申し訳ないが、必死でアクセルを開けて走り続けた。
丁度お昼時に石鎚山PAに到着したが、うどんが待っているので昼食はとらず、たこ焼きで我慢。

石鎚山パーキングエリア

石鎚山パーキングエリア

松山自動車道から高松自動車道に入り、
13:40、高松中央ICを降りた。料金は3550円。思ったより安い…。
さて、すぐにうどん屋を探し始めたのだが、ついつい高松市街へ入ってしまった。
無駄に時間を費やしたあげく、一度はうどん屋の前(のパチンコ屋)を通り過ぎてしまい、
グルグル周ったりするはめに。
ようやく目当てのうどん屋「あたりや」に到着したのが14:30。

さぁ、食うぞぉ…!

さぁ、食うぞぉ…!

えーっ!?

えーっ!?

目の前でオーダーストップ…_| ̄|○…
空いた腹を抱えたまま、しばらく立ち尽くしてしまった…。
過ぎた時間は取り戻せないので、素直に諦めて出発。
すぐ先にあった大衆セルフのうどん屋で昼食。
そこも美味しかったのでよしとしよう、と自分を納得させる。

代わりに入ったお店

代わりに入ったお店

ぶっ掛け&ゲソ天 涙の味が…

ぶっ掛け&ゲソ天 涙の味が…

食事が終わって15:00。そろそろ今夜の宿を探さねば…。
明日は東京行きのフェリーに乗らねばならないので、徳島に近い場所でなければならない。
高速があるから、高松と徳島の間ならどこでも守備範囲だろうが、やはり最後まで野宿にこだわりたかった。
大洲の書店で「四国の無料キャンプ場」という本をちらりと見て、一箇所見当をつけてある。
とりあえずそこを目指し、国道11号から県道10号線に入った。
途中、道の駅・みろくに立ち寄ったり、スーパーで買出ししたりして、目的地「とらまる公園」に到着したのが15:50。
…どうも予想と違う…家族連れのイベント会場ではないか…。
一応キャンプ場もあったが、管理棟で門前払い食わされた。
「今日はキャンプできませんし、できる日も予約を入れてください!」
理屈はわかるが態度が頭にきた…。
とりあえずM氏に電話を掛けて、WEBで徳島の野宿ポイントを検索してもらい、そこを目指すことにした。
途中にキャンプできそうな場所があるか探しつつ進む。
にしても。
どうも今日はタイミングが悪い。
いつも悪いが、悪すぎる。
…実際、この時、僕は房総半島での一夜を想起した。どうもやな予感がする…。
香川から徳島へ山を抜ける国道318号線でこんなことがあった。
僕はのんびり走ってる車の列の最後尾を走っていた。
すると、後ろにスクーターがやってきて、そいつが「ビービー」クラクションを鳴らして来た。
僕は「荷崩れでも注意してくれてるのかな?」と思い、スクーターを先に行かせてみる。
するとやつは後ろを振り返り、ヘラヘラ笑いながら蛇行運転。クラクションをあいかわらず鳴らしてる。
「あー、キチガイか」
煽ってるつもりだろうか。君子危うきに近寄らず。こういう相手にはかかわらないのが一番。
追い越し禁止区域だったが、スクーターごと車を追い抜き、見えなくなるまで距離を開けた。
その後も四国最後の日は、散々だった…。
318号線沿いの宮川内ダム公園は野宿できそうだったが、さっきのような輩が夜中にやって来かねないのでパス。
徳島の大河、四国三郎・吉野川の河原は農地と生臭いぬかるみばかりで、ここもダメ。一度は釣り人たちににらまれた。
せめて水を…と思って地図を頼りに行ってみた名水は、増水で汲めない状態だった…。

江川湧水源 名水100選のひとつ

江川湧水源 名水100選のひとつ

地元の人が「ついてないねー」と…

地元の人が「ついてないねー」と…

四国三郎・吉野川の沈下橋

四国三郎・吉野川の沈下橋

無情にも太陽は遠慮なく沈んで行く

無情にも太陽は遠慮なく沈んで行く

そんなこんなで否応なく、M氏に調べてもらった日峰公園に向かうことに…。
徳島市街を抜けたのが19:00ごろ。あたりはすっかり真っ暗に。
小松島港に向かう県道に入ったが、なぜかやたら混んでる。
わかりずらい道に、多少迷いつつ山道を登り、19:30、展望台へ到着…って、すごい人ごみ!? なにこれ!?
その辺にいたおばさんに尋ねてみると…
ふもとの港で20時から花火大会があるらしい…(;´Д`)マジカヨ…。
野宿には最適そうな、高床式で壁もある東屋は子供たちが占領していた…。
20時が近づくにつれ、ますます増える人・人・人…。
そして花火大会が始まった。

きれいですねー

きれいですねー

寝場所の心配なんか忘れたいですねー

寝場所の心配なんか忘れたいですねー

僕もやけ気味に、買っておいたビールを開けて花火見物。夕食用に買っておいたコンビニのオニギリを食べてふと思った。
旅先…花火…おにぎり…坊主頭…
ぼ…ぼ…僕って実は裸の大将っ!? Σ(゚口゚;
今日は全ての歯車がかみ合わない…。
花火大会が終わっても、カップルたちは夜景を見ながらいつまでも乳繰り合ってる。
一時間経っても減るどころか、他所から来たカップルが増える一方。
彼らに罪はない。
地方都市の貴重なイベント、カップルで大っぴらにイチャイチャできるチャンスに、こんな場所で寝ようって方が間違ってる。
そう、僕が全て悪いのだ。
22:20。諦めて徳島市街へビジネスホテルを探しに行った。
そして、 23:00。満室で紹介された姉妹店に到着…。
早朝の四万十川から、松山・高松を経て徳島へ。
一日で四国を半周する旅は、最後までかみ合わないまま、ようやく終わりを迎えた。
ここは死の国。暴走半島よりも怖い場所である…。

四万十鰻遊記

待ち遠しかった夜明けが、ようやく訪れた。
風はあるが、もう雨の心配はなさそうだ。
今日も日の出とともに準備開始し、 朝食に具なしのマルタイ棒ラーメンをすすり、ちょうど起きてきたドラスタ乗りに挨拶して出発!
時刻は午前7時。今日中にまわりたい場所が何箇所もあるので、どうしても気が急いてしまう。
まず、目指したのは鈴ヶ森林道。
四国カルストという高原の手前にある林道である。
県道から、ちょっと入り組んだ道に入ってかなければならないが、GPSに座標をしこんでおいたのですぐに入り口が分かった。
午前8時、到着。湿った未舗装路が森の中に続いている。
豪雨の一夜が開けたばかりなので、林道に入ってからは、さすがに誰とも会わない。
昨日の大雨で倒木や落石、崩落が怖かったので、僕も徐行運転で進んだ。

ただでさえ多い水量が、雨でさらに増水

ただでさえ多い水量が、雨でさらに増水

鈴ヶ森林道 朝もやと水滴で眩かった

鈴ヶ森林道 朝もやと水滴で眩かった

四万十川の源流に沿って、山ひだを縫うように走り、峠を超える。
ところどころ落石や倒木があったが、走行を妨げるほどではなかった。
それよりも分岐が多いために、しばしば迷わされた。
GPSと地図をにらめっこしながら進路を決めつつ前へ進む。

豊かな森が清流を生み出す

豊かな森が清流を生み出す

道の脇には数多くの滝

道の脇には数多くの滝

全長22.3km かなり長い

全長22.3km かなり長い

空へ飛び出してしまいそうなカーブ

空へ飛び出してしまいそうなカーブ

9:50。林道終点に到着。
国道197号線を少し東に進んでガソリンを補給し、今度は四国カルストのてっぺん、天狗高原に向かった。
この時点で、実はカルストって何なのか全然知らなかった。
地図には拡大図も載ってるくらいなので、どうも名所らしいけど、よくわからん。
どうも地形のことらしい。カルストのカル=カルシウムのカル=石灰岩と予想。
まぁ、行けば説明書きくらいはあるだろう。
国道を西進し、東津野城川林道を北に折れた。

鈴ヶ森林道終点

鈴ヶ森林道終点

天狗高原まで20km これでも林道っ!?

天狗高原まで20km これでも林道っ!?

ところどころ展望が開けた長い長い上り坂を快走。
結構なスピードで一気に天狗高原まで駆けぬけた。
高原が間近になると、周囲の景色は緑の草原と点在する白い岩塊に変化する。
10:30すぎ、天狗高原・展望台に到着。
まだ誰もいない展望台の駐車場にバイクをとめ、強い風の吹きつける中、今走ってきた方向を眺めた。
「おおー、すげー…」
思わず小さな歓声をあげてしまった。
絶景である。

天狗高原からの壮大な展望

天狗高原からの壮大な展望

誰もいない駐車場 強風注意

誰もいない駐車場 強風注意

その後、駐車場のそばにある「カルスト学習館」を見学。
カルストの成り立ちを勉強した。
やっぱ石灰岩が地表に露出した地形のことらしい。
大昔の海底火山とその上に出来たサンゴ礁がいったんプレートに沈み込んで、
さらに長い年月を経て隆起した地形とのこと。
ま、理屈はどうあれ、美しい地形である。
そこからしばらくカルストの高原を走る。
牛が放牧され、牧歌的な風景がしばらく続いた。

カルスト地形 大昔の海底火山

カルスト地形 大昔の海底火山

とても美しいドライブコースです

とても美しいドライブコースです

さて、次に目指すのは四万十川河口の町、中村。
山のてっぺんから四万十川に沿って、一気に海まで。
かなりの距離なので、寄り道しながらのんびり進んだ。

国道197号線沿いにある三嶋神社

国道197号線沿いにある三嶋神社

坂本龍馬 脱藩の道(維新の道)

坂本龍馬 脱藩の道(維新の道)

つり橋 それにしても川幅が広い

つり橋 それにしても川幅が広い

中流域なのにモーターボートまで…

中流域なのにモーターボートまで…

13:20。道の駅・四万十大正で遅い昼食。山菜そばセットを注文。
厨房の地元のおばちゃんたちが実に楽しそうに働いている。
女子中学生がそのまま年を取った感じで、素朴で可愛らしい。
美味しくそばを食べてたら「あんた、ゆず食べれるか?」という趣旨の質問を、分かりやすい土佐弁で聞いてきた。
食べられると答えると、「来年からメニューに加えようと思っている試作品である(土佐弁・趣意)」と言いつつ、冷蔵庫からゆずのシャーベットを出してくれた。
大きなゆずの角切りと甘い卵黄がアクセントになった、手作りの味わい深い美味しいシャーベットだった。
真夏日の太陽の下を走り続けて火照った体に、冷たい酸味が染み渡る。
後から入ってきた客にも「ゆず平気か?」と聞いてシャーベット出してた。
せっかくなので、東京へのお土産もそこで買うことにした。四万十川の川海苔。
最初、1パックだけ買おうとしたら、「東京まで送料が高いから、たくさん送った方が得だよ(土佐弁・趣意)」と言われ、3パック。
純朴そうに見えて、意外と商売上手である。ますます土佐のおばちゃんが好きになった。
13:50、出発。

道の駅・四万十大正 ライダーも多い

道の駅・四万十大正 ライダーも多い

平野が少ない分、段々畑が目立ちます

平野が少ない分、段々畑が目立ちます

国道439号線はヨサクという愛称で親しまれているらしい。
車線が狭く、きついカーブが連続するため、 酷道とも呼ばれる。
大型車も多く、バイクでもすれ違うのがきつい。
そんな道を40kmほど走って、午後3時。ようやく四万十川河口の町、中村市に到着。
一応ガソリンを補給して、 そのまま足摺岬を目指す。
土曜日なので観光客も多い中、山道を抜け、海へ出た。
そこからさらに狭い道を海岸沿いに走り、午後4時。足摺岬に到着。長かったー。

足摺岬 約80mの断崖に立つ灯台

足摺岬 約80mの断崖に立つ灯台

荒々しい岩と波 まさに土佐の海

荒々しい岩と波 まさに土佐の海

さてさて、そういえば今夜の宿。四万十川中流域の無料キャンプ場を予定していた。
しかし、すでに午後4時過ぎ。予定の場所はここから70km。
日暮れまでに間に合うか微妙だがとにかく行くことにした。
足摺岬の滞在時間は15分。ウーン…余裕のある計画が必要だな。
中村市へ戻ってスーパーで買出し、この時点で17:30。

四万十川河口付近 とにかく広い!!

四万十川河口付近 とにかく広い!!

愛媛方面に伸びる441号線を北上。
西へ傾く太陽が否応なく気持ちをあせらせる。
GSPの直線距離表示の具合ならどうやら間に合いそうだ。
18:20、そろそろ予定していたキャンプ地に到着…。

ショベルカーがたくさんあるのはなぜ??
「墓地・建設中」って何さっ!?
すべてが予定通り進む、そんな一日は無いのか?
もう、ヘッドライトを点けないと走れないほど暗い。
仕方ない。ライダーズイン・四万十がこの先にあるので、一応そこを目指すことにした。
目指しつつも、四万十川の川原に下りられる場所を探す。
大丈夫そうなら、キャンプしようかと…。
あった、あった!
そこは地元ボランティアが運営しているキャンプ場で、炊事場もトイレもあった。(この辺
すでに1グループ、テントを張っている。
ボランティアへの寄付金100円を炊事場の箱に入れて入場。
川原は丸い石がゴロゴロしていて、さすがにバイクで入ることはできないので手前に駐車。
必要な荷物を運び、素早くテントを張る。真っ暗になる前に寝場所を確保できて一安心。
米を一合、水に浸してから、近くの温泉に出かけることに。まさかこの辺りで盗むやつ、いないだろ。
向かった先は山村ヘルスセンター。バイクならキャンプ場からすぐの場所。19:20、到着。
一応、入浴時間を聞いたら20:30までとのこと。
料金315円(安っ!)を支払い、浴場へ。
小さな浴槽で、洗い場も3人で一杯に。
僕が行ったときは、地元の方が一人いただけだった。
「ボイラーが弱いから、お湯を目一杯出しといて、水で温度調節するといいよ(土佐弁・趣意)」と親切にレクチャーしれもらう。
一日中走り、肌にこびりついた汗とホコリを洗い流す。極楽極楽。
湯船に浸かり、四万十川の話をいろいろ聞かせてもらった。
「今日は雨で水が出ているから、残念だな。いつもはもっときれいなんだが。
もっとも、俺が子供の頃に比べると、きれいとはいえないな。
仁淀川(高知の川)の方が清流ランキングが上位じゃないか? 確か9位か?
四万十は40何位だったか…どうしても生活排水が流れ込むからなぁ…」(土佐弁・趣意)
んー、よそ者の目には清流に見えても、やっぱ汚くなってるのか…。
全く規模は小さいが、僕の地元の川も子供の頃とは比べられないくらい汚れてしまった。
まず水量が違う。山の木が伐採されたせいだろう。
そして護岸。小魚が隠れたり、水棲生物が繁殖する場所がなくなってしまった。
僕はどれほど川で遊ばせてもらったろうか。
毎日、ウグイやオイカワを釣りに行ってたこともある。
あんなに汚れた川では、今の子供たちはもう遊べまい。
ユネスコの世界遺産じゃないけど、小さな自然環境も心がけて保護して行かねばならないと、切に思う。
風呂を出て、キャンプ地に戻ったのが午後8時。
さっぱりしたとこで晩酌&夕食~♪
今日のオカズは地元・四万十産・ウナギの蒲焼!!
時間を掛けて水につけた米をまず炊いて、蒸らす。
その間にウナギの調理。そうそう、 こっちではウナギは丸ごと一匹しか売ってないのね。はみ出ちゃうので二つに切りました。
そのウナギの白焼きをフライパンに乗せ、出来合いのタレを掛けて、蓋をして温める。
程よく焦げ目が付いてきたとこでご飯の上に乗せて、タレも最後の一滴まで掛けて、蓋をしてしばらく蒸らして出来上がり。
炊き立てのご飯と、ホクホクのウナギ…冷えたビール…清流のせせらぎ…。
最高の夕食だぁー!!!

今回の旅で最も美味いメニューでした

今回の旅で最も美味いメニューでした

晴走雨読


結局ドラスタ乗りとは、期待していたような展開にはなりませんでした…(´・ω・`)ショボーン
ま、当然か。
さて、ツーリングを続けていると、夜明けとともに起きる癖が付いてしまう。
今日も起きたらちょうど夜明け。
ライダーズインの裏手の砂浜を朝焼けを見ながら散歩。
雲は多いが、晴れ間もある。
天気、持つかなと淡い期待。

宿の裏手の砂浜 微妙な空模様

宿の裏手の砂浜 微妙な空模様

妙ちきりんな建物ですよね

妙ちきりんな建物ですよね

朝食はカロリーメイト。
味気ないが、部屋の中でガソリンストーブで調理することに抵抗があった。
こないだ火事になり損ねたばかりだし。
8時。天気予報を確認したかったが、まだ管理棟が閉まってた。
とりあえず、このときはまだ晴れていたので、四国カルスト方面の林道を目指して出発することにした。
一応、レインスーツを着用。
途中、コンビニでおにぎりをひとつ買って食べた。四万十川海苔のやつ。
林道方面への分岐に向けて走ってるうちに、ポツポツ降り始めた。
分岐を曲がり、山間部に向かっていくにつれ、どんどん雨脚が強くなる。
そして、ある峠のトンネルを超えたら、ものすごい大雨。
峠をどれくらい下っただろうか。これは林道はまじで危険と判断した。
心残りだが、あきらめてUターン。
次に予定していた足摺岬に向かうことにした。
国道に戻っても時折筆舌に尽くしがたい大雨が降る。
しばらく進んだとこに道の駅があったので、緊急避難。雨が弱まるまで休むことにした。
降りしきる大雨を見ながら、そのうちやむだろうと思ってたのだが、
休憩中やってきたタンデムのカップルに天気の情報を聞いて愕然。
雨のピークは今夜とのこと。
台風は逸れたが、湿った空気の影響で大雨。
県中部には大雨洪水警報まで出されていた。
彼らが去ると今度はBajaに荷物満載したオフ車乗りがが登場。
僕が向かおうとしてる方向から来たので、どんな様子か聞いてみた。
「風が強いから足摺岬は危険かもしれない」
ガ━━━━(゚Д゚;)━━━━ン!
彼は、この雨で今日は走るのをあきらめて、
僕が泊まったライダーズインへ避難するつもりらしい。
今からチェックインできるかを電話で確認している。
『やばいな、どうしようかな、俺も避難しようかな…』
と迷ってたら、背中を思いっきり後押しするかのような、これまで以上のどえらい豪雨!!

雨の降り方も豪快です

雨の降り方も豪快です

これだけ降れば湧き水も多くなるわな

これだけ降れば湧き水も多くなるわな

決めた!
今日はひきこもろう。この雨、やばすぎ!
予定の足摺岬や四万十川は四国ツーリングのメインイベントである。
一日つぶしてでも良いコンディションで行かないと、きっと後悔するだろう。
というわけで、またまたUターン。
スーパーで酒とつまみを買いこんで、チェックイン。

中央にあるのは「にぎり天」

中央にあるのは「にぎり天」

魚肉すり身にタコとかゴボウとか入ってます

その日は酒を飲んで本や漫画を読みながら、一日中部屋の中で雨の音を聞いた。
夕食時に管理棟へ行ったらBaja乗りがいた。いろいろ話を聞かせてもらった。
彼は四国をまわったあと、しまなみ街道から中国地方を経て長崎へ行く予定らしい。
さらにその後、石垣島!? それで日本一周達成とのこと。すごい。
夜には昨日のドラスタ乗りが連泊でやってきて再会。なんでいるのかと驚かれてしまった。
さらに居合わせた大阪出身のライダーが、みんなに生ビールをおごってくれ、そのままテーブルを囲んで雑談。
みんな、結構いい年だ。親父ギャグを交えつつ会話が弾む。いやー、本当に楽しいひと時を過ごせました。
それぞれがソロ・ツーリングだったからこそ、仲間内で閉じこもらずに会話に参加できたのかも。
うん。 たまにはこんな日もいいね♪
「一日くらいゆっくり休め」と、お天道様が気遣ってくれたのかな?

バンビと野獣

雨は時折、パラパラとテントのフライシートを叩いた。中に音が響く。
念のため荷物をタープの下に移動し、バッグにはカバーをかけた。
どうしても目が冴えてしまう。
雨がやんだら、今度は猿だろうか、何か動物の鳴き声に起こされた。
ライトで木陰を照らしたり、石を投げたり、バイクのエンジン音で脅かしたりして追い払った。
何が来てもここで寝るしかないのだ! 一晩でいいから邪魔させてくれ!
鳴き声もなくなり月明かりも出てきて、ほっと一安心。
だんだん深い眠りに…落ちて…
午前二時過ぎ、ものすごい豪雨!
離れた場所で落石の音も響く。 こうなったら捨て鉢な気分で眠りに集中するしかない。
…やがて外が明るくなり…
夜が明けたらすっかり晴れてた。バイクも荷物もタープに守られ無事だった。
それにしても、やはり山中の野宿は緊張感がある。ぶっちゃけ怖いが、それが面白いんだろうな。
さて、朝飯は納豆ご飯とさんまの蒲焼きの缶詰。
ご飯を炊いて、さっさと食って片づけて。
のんびりしたいとこだが、いつまた雨が降り出すかわからない。
晴れてる間に 撤収を済ませるため、だいぶ急いだ。
顔を洗って髭を剃って水を汲んで出発。

なぜか梨がえらくまずかった…

なぜか梨がえらくまずかった…

山の天気は本当に変わりやすい

山の天気は本当に変わりやすい

そこからの林道も長かったが、走りにくくはない。
ところどころ展望も開けている。早朝の冷たい風を切り裂きつつ、雲海に埋もれた尾根道を爽快に駆け抜けた。

ヘソねぇ…

ヘソねぇ…

山はキャンバス、雲は絵の具、そして風は芸術家

山はキャンバス、雲は絵の具、そして風は芸術家

走っていると、そこかしこで路肩の崩落や落石がある。
ガードレールが根こそぎ倒れていたり、大きな落石でひしゃげてしまってたり。
一度だけ、小さめの石がヘルメットに当たったりもした。
とは言え、普通に気をつけて運転していれば、たいした危険はない。
カーブを曲がりきれなかったら谷底にまっさかさまなので、いやでも安全運転になる。

こういう道が続いてます

こういう道が続いてます

こんな場所を通ってます

こんな場所を通ってます

見下ろせば底知れぬ谷間

見下ろせば底知れぬ谷間

川成峠 道案内の看板

川成峠 道案内の看板

川も多かった。山襞に切り込んだ道の一番奥まった場所は大概滝になっていて、その度に見事な渓相に見とれてしまう。
川の近辺には四輪が駐車されてることも多かったが、おそらくアマゴかイワナ釣りだろう。
ここなら魚影も濃いに違いない。実にうらやましい。

滝はそのままで感動を与えてくれる

滝はそのままで感動を与えてくれる

きれいな水、それだけで十分

きれいな水、それだけで十分

なんとも美しい渓相です

なんとも美しい渓相です

尼子か岩魚がいるのかなぁ

尼子か岩魚がいるのかなぁ

そういえば鹿にも三回会った。昨日に続いて猿も見かけた。
四国は想像以上に動物が多い。
猟銃を持ち、犬を連れたハンターもちらほら。
いきなり黒い大型犬に出会ったときは、本気で熊かと思い、かなりびびった。
そうこうしてるうちに、ようやくスーパー林道も終わりに近づいた。

鹿 振り向きざま、シャッターで目が光った

鹿 振り向きざま、シャッターで目が光った

剣山トンネル ここまで来ればあとわずか

剣山トンネル ここまで来ればあとわずか

渓流があると、ぼーっと眺めてしまう…

渓流があると、ぼーっと眺めてしまう…

終点 長かったような短かったような

終点 長かったような短かったような

林道の全行程を走り終え、今度はいよいよ太平洋側を目指す。
地図を見ると、安芸市へ抜ける道がある。で、また林道。
峠にさしかかるあたりで、 ダートから舗装路に。そこで雨が本格的に降り出した。
トンネルを抜け、いよいよ高知県。
降りしきる雨の中、颯爽と海までの道のりを…

…あれ?

…あれ?

安芸に抜けるまでに3回転びますた…。_| ̄|○ 
四国に着いてからここまで、未舗装路をかなり走ってきて、まだ一度もこけてなかったのに舗装路で…。
一度目はカーブの小石。二度目は路肩の苔。三度目は坂道Uターンでたちごけ。
とくに二度目がひどく、アスファルトに火花を飛び散らせながら、五メートルくらい横滑り。
反対側の路肩で草刈りをしていた夫婦をよけるため、徐行したのにこのざまだ。
気持ちいいくらい滑走する僕とセローを見て、 夫婦が目をまん丸にして驚いてた。

右ステップが変な具合にねじれてません?

右ステップが変な具合にねじれてません?

何か、滑走したあともありますね…

何か、滑走したあともありますね…

右側のステップがグニャリとひしゃげてしまったものの、その他は力ずくで直せた。
曲がったステップも足を乗せる分には問題なく、タンデムステップを移設するまでもない。
体のほうも肘と膝にかなりの擦り傷を負ったが、 走れないほどの怪我がなかった。不幸中の幸いである。
悲しいのは レインスーツのひざに穴があいてしまったこと。
こないだ破れたのとは別のやつだったのに…。
防水パンツが次々と失われていく運命を嘆きつつ走行再開。
雨の日は滑りやすい…と… ”φ(・ェ・o)~メモメモ
以後、一層安全運転に気を使った。
太平洋が近づくにつれ、天気はどんどん回復。
海に着く頃には、抜けるような青空が頭上に広がっていた。
初めて見る土佐湾はとても美しい海だった。
深さを宿したエメラルドグリーンの水面を白い波頭が次々と駆け抜ける。
それにしても、むちゃくちゃ暑い。雨の心配も全くなさそうなので、ジャケットを脱ぎ半袖で海沿いを快走した。
そして午後二時。 四国の東南のはずれ、室戸岬に到着。大きな岩がごろごろしていた。

南国の海、歓迎ありがとう

南国の海、歓迎ありがとう

室戸岬 波が威勢良く岩にぶつかってた

室戸岬 波が威勢良く岩にぶつかってた

ほんの少し散策して、そそくさと室戸岬を後にし、今度は桂浜を目指す。
実は、ここに着くまで昼飯を食べてなかったため、とても空腹だったのだ。
地図で紹介されていた道の駅のレストランを予定していたのだが、行ったら休業だったのである。(そんなんばっか)
とりあえず 桂浜へ向かう途中の別の道の駅で冷やしうどんを食べて空腹を紛らわした。
土佐湾に沿って走る国道55線を西進し続けて、午後四時すぎ。ようやく桂浜に到着。
駐車場にバイクを停めてたら、後から見覚えのあるバイクが来た。
フェリーで乗り合わせたドラッグスター(ヤマハのアメリカンタイプのバイク)じゃないか!
声をかけたら、やはりそうだった。奇遇だ。とりあえず竜馬像を共に見学した。

「竜馬が行く」読んだ?

「竜馬が行く」読んだ?

桂浜 遊泳禁止です

桂浜 遊泳禁止です

散歩中の土佐犬 でっけー!

散歩中の土佐犬 でっけー!

砂浜に降りて「ここで野宿できるかな…」などと考えつつ、さっきのドラッグスター乗り(以下、ドラスタ乗り)に
今日の宿泊予定を聞いたら、ライザーズインに泊まるつもりとの返事。
高知県にはライダーズインという簡易宿泊施設が存在する。
三〇〇〇円程度で泊まれるが、設備はシャワーとトイレくらいしかない。
実は僕も、今日はいざとなったらそこに泊まろうかと思っていたのだ。
台風も近づいているし、豪雨は避けたかった。怪我の具合も気になるし。
で、結局一緒に向かうことにした。場所はライダーズイン・中土佐
黒潮街道を、お互い勝手に進んだが、それにしてもずいぶん遠い。
途中、須崎という町でスーパーによって酒と食材を買い出し。ガソリンも補給。
その後もグングン進んで、ライダーズインの看板を発見。
案内の看板に従ってさらに入り組んだ道に入り、ようやく到着したのが19:30。
なんとか間に合った。さっそくチェックイン。
とりあえず部屋のシャワーで汗を流した後、生ビールを飲みに管理棟へ。
ドラスタ乗りが酒を飲みつつ弁当を食べてたので、なんやかや駄弁った。
…フェリーで会ったドイツ人。
ドラスタ乗りとも仲良くなったらしいが、やつが 徳島へ降りた直後、交通事故にあって自転車が全損したらしい…。
幸い本人は無事だったらしいが、まったく日本語ができないため、ドラスタ乗りが英語で通訳して警察や病院とのやりとりなど手伝ってあげたそうだ。
そりゃ、お疲れ様でした。
…僕も事故だけは気をつけねば…。
管理棟は20:00で閉鎖。
なので、その後は僕の部屋へドラスタ乗りを招き、今度は日本酒。
僕の夕食は鰹のタタキのつもりだったのだが、買った切り身がでかすぎた。
酒でかなり腹がくちくなってたこともあり、食べきれずにほとんど捨ててしまった。
うーん、今でも悔やまれる。
その後、夜更けまでドラスタ乗りと飲みつつ二人きりで談笑。
そうそう。
そのドラッグスター乗り。
実は女性なのです♪

土佐の夜更け、ここにも動物が一匹。
…そう、女に飢えたオス犬が…

そして誰もいなかった

塩犬の道中にハプニングを期待してるあなた!
おめでとうございます!
沖縄に台風14号接近中です!
天気予報見ると、僕の休みの間、ほとんど雨マークがついてます!
あ”あ”あ”あ”っ!
何か僕に恨みでもあるんですか、お天道さん?
だいたい、このレポートの目的は
「ちっ、俺が働いてる最中、あそびまくりやがって!」
と、閲覧者を悔しがらせることにあるのですよ。
それがなぜ、「また痛いことやってるな」になるのかね。
うううう。
っと船の中でますますブルーになったが、
徳島に上陸したらちゃんと晴れてた。
日頃の行いである、そうに違いない。

朝ごはん ベーコンエッグ

朝ごはん ベーコンエッグ

昼ごはん かきあげうどん

昼ごはん かきあげうどん

自転車で日本を巡ってるドイツ人のおっちゃん

自転車で日本を巡ってるドイツ人のおっちゃん

徳島港はみごとな快晴でした

徳島港はみごとな快晴でした

上陸して最初の目的地は剣山スーパー林道
ダート87kmを誇る、日本一長い林道である。
上陸は13:30。HP更新なんかで14:00。
そこから林道入り口を目指した。
途中でガソリン・食料などを補給したら、林道入り口に到着したのは午後3時。
今日中に林道を抜けたとしても、山間の峠道に出てしまう。日はすぐに暮れるだろう。
初めての土地で、ガソリンスタンドの有無もおぼつかない状態では避けたい状況である。
幸い、林道途中に「ファガスの森」というキャンプ場がある。
予約無しでも、まぁ大丈夫だろう。そこに宿泊することにした。
日暮れまでには十分間に合う距離だ。
時間に余裕ができたので、のんびり景色を楽しみながら進んだ。

林道起点 長い旅のはじまり

林道起点 長い旅のはじまり

ダートがず~~~~~っと続きます

ダートがず~~~~~っと続きます

途中、ぎゃんぎゃん吠える声に立ち止まり、後ろを振り返ったら猿が横切っていた。
…本当に次は熊かもしれない…。

さすが霊場の島、雰囲気あります

さすが霊場の島、雰囲気あります

つい見とれてしまう、そんな展望があちこちに

つい見とれてしまう、そんな展望があちこちに

また、少し併走したオフローダーとわき水を飲みながら少し話し込んだ。
私のセローと全く同じ、黒の225WEに乗った、地元の方だった。
今日は平日の夕暮れだったが、何台かオフバイクを見かけた。
さすが、日本有数のオフロード天国である。

地元のセロー乗り 美味しい湧き水がとにかく多い!

地元のセロー乗り 美味しい湧き水がとにかく多い!

ん? だんだん微妙な空模様に…

ん? だんだん微妙な空模様に…

そうこうしてるうちに、目的地「ファガスの森」に到着。
…ん?
様子がおかしい?

管理棟に人の気配がない…?

管理棟に人の気配がない…?

それもそのはず、今日は水曜日

それもそのはず、今日は水曜日

ガ━━━━(゚Д゚;)━━━━ン!
ネタとしてはおいしいが… _| ̄|○ …
正直、あせった。かなり。
陸地だと思って足を乗せたら、水草が浮いてるだけだったような気分。
時刻はすでに16:30を周ってる。おまけにいつ雨が降り出してもおかしくない雲行き。
ファゴスの森の駐車場にテントを張ろうかと思ったが、バイク乗りの評判を落としたくないからやめといた。
ここまで林道を走ってきて、何カ所もキャンプによさげな場所があったことを思いだし、
この先にもきっとある、と信じて出発した。
少し進むと、すばらしいサイト発見。
高城山登山口の少し手前のあたりか。
車道の脇に十分な広さの平地があり、やわらかそうな草が生えている。
また、20mほど離れた場所にはきれいなわき水もあるではないか。
たき火の跡もあるので、きっと誰かキャンプした人間がいるに違いない。
ここに決定! 落石も洪水も心配なさそうだ! 
:*.;”.*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.”;.*: ワーイ♪
今回の旅には、米(無洗米)を2kg持ってきた。
まずは米一合を水に漬けといてから、諸々準備。
テントを設営し、タープを張り、荷物を整理して、必要に応じて電子機器を充電。
ガソリンストーブを点火し、米を火にかける。
じっくりと火加減と湯気の具合を見極め、これ以上ないほどの炊きあがり。
ひっくり返してしばらくむらす。その間にオカズ調理。
今日のおかずは、地元のスーパーで買った「小松島名産・○天蒲鉾」ってやつと、納豆。
○天蒲鉾なんて、初めて見た。
魚のすり身を丸くのばし、味付けしたパン粉まぶしてあげた食べ物である。
ハムかつの魚バージョンって感じ。
WEBで調べたら「フィッシュカツ」というジャンルで徳島の隠れた名物だった。
そいつを短冊状に切ってフライパンであぶり、醤油をたらしてハフハフ食べながらビールをグビッ!
飲み終わったら、あまりをおかずにして、納豆ご飯をガツガツ。まじうめー!!!

キャンプするには最高のロケーションでした

キャンプするには最高のロケーションでした

フィッシュカツ、ビールのつまみにおすすめ!!

フィッシュカツ、ビールのつまみにおすすめ!!

実は今回、自宅で鍋とガソリンストーブで少量の米を上手に炊く練習をしたのだが、そのとき危うく火事になりかけた。
ガソリンストーブに点火した後、部品の接続が甘かったためにガソリンが漏れ、それに着火。
火だるまになったストーブを消化しようと水をかけたら、ガソリンが飛び散って、ますます火の面積が増えた。
これはまじでやばいと思って、手近なシャツで火を覆ってその上から水をジャバジャバ。なんとか鎮火。
あれは本気で怖かった。んなわけで、すでに出発前からハプニングだったのだな、これが。
飯食って、片付けて、眠りに付く。
虫の声がうるさいくらいだが、酔いでうとうと…。
そして夜半すぎ。僕は雨の音で目を覚ました…。

いとしのフェリー

一ヶ月遅れの夏休み。
さて、どこへ行こうか、計画するだけでわくわくする。
与えられた時間は一週間。もちろんバイクでキャンプツーリング。それ以外、考えていなかった。
で、ようやく直前になって決めたのが四国。
こないだ床屋で坊主頭にしたついでに四十四カ所巡りを…
というわけでもないが、行きたい場所がたくさんある。
見所が豊富で一週間くらいかけて廻ると、かなり面白そうなのだ。
以前友達と車で廻ったが、日数が少なかったため、全然回りきれなかった。
その雪辱を晴らしたい。
今回は一週間ほどのツーリングなのでいろいろ装備も揃え直した。
中には無駄な買い物もあったが、まぁ仕方あるまい。
ちなみにこの文章も新装備「シグマリオン3」を使い、旅先で入力してる。
具体的な旅程だが、とりあえず四国まではフェリーを使うことにした。
下道で行くと、往復で大半の日程を使い果たしてしまうだろうし、
高速道路はセローではつらい。料金所でお金をやりとりするのも面倒くさい。
それにガソリン抜きの料金だけでも、フェリーとほとんど変わりないのだ。
いろいろ検討した結果、のんびり横になって目的地に着いたらすぐに元気一杯走れる、そっちを選んだ。
行きがあまりに楽だったので、帰りも結局フェリーにした。
出航は休み一日目の9/9 19:10 有明フェリー埠頭。
一時間前には乗船手続きをしてなくてはならない。
調べてみたが、うちから一番近いのは浜松町まで出て、レインボーブリッジ経由でお台場方面に向かうルートらしい。
日中はなにも予定はなかったので、最後の荷物整理や、掃除・洗濯をしてすごした。
午後四時、バイクに荷物を積む。が、あまりの重さに「こりゃいかん」とあわててしまった。
バッグの容量に余裕があるもんだから、「あると便利なもの」をあれも、これもと詰め込んでしまったのだ。
あたふたと取捨選択をしなおして、荷物を減らし、出発。
時間には余裕があるが、到着するまでは油断できない。
環七から青梅街道を東に折れ、西新宿・歌舞伎町を抜け、外苑東通りを南下。
信濃町・六本木・浜松町と前のめりで進んで、はたと我に返った。
「フェリー埠頭までの正確な道順を調べてない…」
以前、知人の車で行ったこともあるし、
近くまで行けばレインボーブリッジを目印にして案内を頼りに行けるだろうし、
いざとなればGPSもあるし、と多寡をくくっていたが、
全然、道案内の看板がない。
時間の余裕はわずかしかない。
東京では一本交差点を間違えると、一方通行地獄にはまり、延々と時間を費やすはめになる。
ここは軽率に動いてはならない。
竹柴の交差点脇の歩道にバイクを乗り上げて停車し、人もはばからずGPSを凝視する。
あらん限りの知識を総動員してレインボーブリッジまでの道順を調べた。
「レインボーブリッジを通過せよ!」である。
頭の中で踊る大走査線のテーマがループする。
織田裕二の声「レインボーブリッジ、通過できません!」
ええい、青島はだまってろ!
勘で首都高の下を通る道を西へ曲がったのが大正解。
無事レインボーブリッジを通過。いいながめ~。
やっぱ、GPSの詳細地図は便利である。
僕が持ってるGPSには、もともと二〇万分の一の日本地図が入ってるのだが、
地域を選んで二万五千分の一の詳細地図をインストールする事ができるのだ。
初めての道でも安心…
しまった!
四国の詳細地図をGPSにしこんどくの忘れた!!!(滝汗
普段、 関東地方を中心に使ってるので、四国など入ってる訳がない。
行くときには入れるつもりだったのだが、すっかり忘れていた…。
果たして、通常の地図で四国の林道は制覇できるのだろうか…?
いきなり、前途に暗雲が立ち込めてきた…。
埠頭についたのは17:45。時間的には余裕だが精神的にはちょっとブルー。
東九フェリーの窓口で乗船手続きを済ませ、3Fロビーでしばし待つ。
やがて乗船開始のアナウンス。バイクで乗船し固定を済ませて客室へ。
僕は、フェリーに乗り込むと、まっさきにアルコールの自販機を利用した。
四国・徳島への到着は翌日の13:30の予定である。
まずは飲もう。飲んで不安を紛らわそう…グビグビ…。

おーしゃん・うぇすと号

おーしゃん・うぇすと号

二等客室 毛布にくるまって雑魚寝

二等客室 毛布にくるまって雑魚寝

旅は道連れ

なかなか寝付けず、うとうとしたとこで時計を確かめたら午前0時。
隣のテントでM氏も起きてる様子だったので声をかけてみた。
「塩ちゃん、紙、貸して」
深夜のNGSかよ…。
木陰でしゃがむM氏のヘッドライトを横目に、夜空を見上げれば満天の星々。
標高も高く、空気も澄み、邪魔になる地上の明かりもない。
ちょうど月も出ていなかったので星の光が際立った。
これまで見たこともない天の川が、頭上に帯を描いている。
NGSから戻ってきたM氏と二人でしばし星空鑑賞。
ヘッドライトをOFFにしても、星明りだけで視界がある程度確保できた。
長野のような標高の高い地域でしか得られない貴重な経験である。
一服して、テントにもどり、今度こそ熟睡…。
さて、朝。起きたら早速M氏が釣りの支度をしていた。
朝食前に僕も竿を取り出して糸を垂れる。
釣れたらもちろん朝食のおかずに…。
なるはずだったが、またも釣果なし。ヽ(`Д´)ノウワァァン!!
仕方なく買っておいた食料を調理。
M氏は木立に生えていた山椒の実を齧りながら、足元のフキを摘み、川で洗って皮を剥いている。
僕も真似して山椒の実を齧る。鮮烈な香りが口に広がり、やがて舌先に心地よい痺れ。
フキはアクが面倒くさいだろうからやめといた。
僕の朝食はパックご飯(サトウのご飯の類ね)をほぐして、野沢菜茶漬けの元を混ぜて水をいれ煮込んだ、即席雑炊。
M氏は…「トムヤンメン」!? なんだそりゃ!?
なんだかよく分からないがトムヤンクン風スープに麺の入ったものに、さっきのフキを茹でたものを投入…。
なぜ、こんな状況でそういうものを選ぶかなー…。
昨日、彼がスーパーでそれを買うのを見たときに、僕は心中ひそかに「きっと後悔するだろうな」と思ってたのだが、まさに図星。
あの悪食のM氏が、アクたっぷりのフキ+癖のありすぎるスープを一口食べて、「二度と買わない」発言。(もっと早く気付けってば…)
なんのかんのいいつつスープを残して完食し、口直しといいつつ、デザートの梨にかぶりついていた。

小黒川 たしかに黒い岩盤が目立った

小黒川 たしかに黒い岩盤が目立った

僕は無難に雑炊 朝食に冒険は不要ですな

僕は無難に雑炊 朝食に冒険は不要ですな

のんびり片づけをして、ちょびっとバイクの調整をして、午前8:20出発!
とりあえず目指したのは道の駅・南アルプスむら長谷。近かったので、8:35到着。
ゴミを捨てさせていただいて(申し訳ないです、でもきちんと分別しました)、
トイレが掃除中だったので 、庭の散水栓で水を確保し少し休憩。
M氏はどこかに電話。僕は今日の目的地のGPSポイントを登録。

庭のテーブルにいたアマガエル

庭のテーブルにいたアマガエル

9:00、出発。
高遠市街を抜けて 町道高嶺線という未舗装路を目指す。
分かりにくい入り口で、何度か道を間違えそうになったが、GPSのお陰でそれほど迷わずに済んだ。
「全面的にフラットなダート17km」とツーリングマップルには記述されている。
よーし、気合入れてくぞー!
…と思ったら、ダートの途中の分岐を間違えたらしく、すぐに舗装路に出てしまった。
引き返そうかとも思ったが、M氏が面倒くさそうだ。
久々の長距離ツーリングで肩・背中・腰・尻・手のひらなどあちこち痛むと、昨夜からしきりに訴えている。
無理をして体を壊すのもあほらしい。それにこの舗装路はダートと平行して走っているので目的地も目指すのに都合がよい。
というわけでアスファルトをセカセカ走ることにした。いきあたりばったり。
で、ついたのが昨日走った金沢林道の一地点。
ここから千代田湖という小さな湖を経て国道に出る予定だったのだが、
あちこち道に迷ってしまった。「~方面」という看板がいたずらで向きを変えられていたのだろう。
湖とは正反対の峠に出たり、とんでもない悪路に入り込んでしまったり、いらぬ時間を費やした。
10:00過ぎ、ようやく千代田湖に到着。

金沢林道との交差点

金沢林道との交差点

千代田湖 こじんまりしてました

千代田湖 こじんまりしてました

ここから国道152線に出て、少し北へ行き、西へ折れ日影入林道に到着。
「工事中車両通行止」とか書いてあるゲートがあったようなないような…。
日曜は工事も休みなので、通り抜けさせてもらうことに。
砂利道だが工事のため平らにならされていて大変走りやすい。
M氏はあっというまに土ぼこりのかなたへ消えていった。
もう転びたくない僕はここでものんびり走る。
途中でBMWとぜルビス(たぶん)の二人組みが停車して地図とにらめっこしてた。
会釈して通過~♪
ダートを抜けると、もみじ湖というダム湖があらわれた。
釣り人が何人も見える。あとで調べたらブラックバスのポイントらしい。
こんな山上湖までブラックバスに汚染されてる状況は本当に問題だと思う。
釣ったら食え!

もみじ湖 もみじがたくさん植樹されてるそうです

もみじ湖 もみじがたくさん植樹されてるそうです

ここから諏訪箕輪線という一車線の県道をしばし北へ。
ツーリングマップルでは「廃村をつなぐ寂しいルート」と紹介されている。
廃村とまではいかないが廃屋がいくつもあり、舗装路なのに林道のような雰囲気だ。
行楽シーズンなので人はちらほら見かけるがすれ違う車は全くない。
っと、ここでびっくり!
前を行くM氏が停車してるな…と思ったら、
大きな鹿がM氏の前を横切り左手の斜面を駆け上がった!
あわてて写真を撮ろうとしたが、木立の奥に潜んでしまい、シャッターチャンスを逃してしまった。
M氏によると、道を走ってたら鹿がいて、しばらくにらめっこしてたらしい。
で、僕が後ろから来たので逃げてしまったとのこと。
立派な角を生やしたオスだったそうである。
貴重な経験ができた。
これまでにも渓流釣りで訪れた秩父の山中で、2・3頭の野生の鹿の群れを遠くから見かけたことはあるが、
接近遭遇は奈良でせんべいを餌に集めた経験ぐらいしかない。
野生のカモシカやシカを間近で見ると、日本の国土は人間だけのものじゃないんだなぁと実感できる。
あたりまえの話だが、東京に住んでいると大型哺乳類は人間しか見かけないためついつい錯覚してしまうのだ。
戒めのためにも、野生動物との出会いを大切にしたい。
…次は熊の予感…(;´Д`)
しばらく進んで、右に折れ、次のダートへ。
先ほど通過してきた工事中の平らな砂利道へ抜ける道である。
っとまたさっきのBMWとぜルビスのコンビが停車してる。
笑いながら会釈して通過~♪
国道へ抜け、次に目指したのは杖突峠の茶屋。
ここの展望台の眺めが素晴らしいらしいのだ。
11:40峠の茶屋に到着。
ツーリングマップルで紹介されてるポイントだけあってバイクが多い。
ここにもBMWの集団がいた。待ち合わせポイントにしてるらしく、彼らも我々と一緒に展望台へ。

左から諏訪湖~霧が峰~八ヶ岳 大パノラマの壮大な眺め(拡大画像はサイズでかいので気をつけて)

左から諏訪湖~霧が峰~八ヶ岳 大パノラマの壮大な眺め(拡大画像はサイズでかいので気をつけて)

のんびり眺めた後、展望台のある喫茶店でキウイアイスを食べつつ一服。
まだ早いが、M氏の体調が辛そうなのと、渋滞が心配だったので、市街地で昼飯を食べて帰ることにした。
表に出たら、今日、二度会ったBMW&ぜルビスが到着したとこだった。
BMWの集団が待ち合わせていたのは、どうやら彼ららしい。
「よく会いますね~」と互いに笑いあって別れた。11:00出発。
「やっぱ名物っぽい物を一度は食べないとねー」
といいつつ、諏訪の市街地で食い物屋を探してる最中、とある看板を見つけた。

よくある標語の看板に見えますが

よくある標語の看板に見えますが

ここに注目!

ここに注目!

お前は柳沢慎吾かよ!?(#゚Д゚)
とか突っ込みたくなるっしょ? ならない?
おれだけですか、そうですか。
さて、そんなどうでもいいことは置いといて昼飯。
結局、僕の希望もあって「小作」というほうとうの名店に決定した。
前回、山梨でほうとうをはじめて食べて以来、一番有名な小作という店で食べて見たかったのだ。
このあたりは長野でも山梨に近い地域でもあるので一応名物ともいえるし、
M氏もほうとうは好きなほう(たぶん何でも好き)らしいので、その店に落ち着いた。
僕はイノシシ肉入り、M氏は鴨肉入りのものをそれぞれ注文した。
味は…確かに美味しかったが、正直、先日食べた不動の方が好みである。
ま、後発の店のほうが客の好みに合わせてアレンジできるので、その分有利ともいえるだろう。
それよりむかついたのが受付のおばちゃんの接客態度。なんか、ぞんざいな客あしらいが鼻につく。
もう来ねーよ! ヽ(`Д´)ノウワァァン!! って感じです。

ダイエット中なので肉を食べたのはひさしぶり

ダイエット中なので肉を食べたのはひさしぶり

小作 諏訪インター前店

小作 諏訪インター前店

さてさて、食べ終わって13:20。一路東京に向かって出発。
高速に乗り、90km前後で巡航するも、東京に近づくにつれてだんだん車の量が増えて来た。
談合坂SAの先で17kmの渋滞という情報もある。
こりゃー帰宅は日没後かな、と覚悟。
すり抜けしつつ談合坂SAに到着したのは15:00前だった。
二人とも疲れと食べすぎで眠気が襲ってきていたので、渋滞をやり過ごすつもりで昼寝することに。
SAはずれの東屋の日陰へ逃げ込み、ベンチに横たわる。
時々片目を開けてちらりとSAの出口を見ると、だんご状態の車の量が徐々に増え続けていた。
しかし、あえて無視すること約2時間。
SAを出発したのは 17:00。ガソリンを補給して、これからの渋滞に挑むべく気合を入れた。
のだが。
M氏が先導してガンガンすり抜けたお陰で、すんなりと渋滞を抜けられた。
18:00過ぎには高速を抜け、甲州街道・環七を経て、18:23、あっけなく帰宅。
ヘロヘロ状態のM氏と別れ、部屋に荷物を運んで…
「あ、今日のうちにシグマリオン3用のAirH”を契約して来よ」
僕は再びバイクにまたがり、夕暮れの中、中野駅商店街を目指した。
東京でしか味わえない、圧倒的な人ごみの喧騒。
案外、それも好きなのかも知れない。
自分の気付かなかった意外な一面。
僕にとっては、東京にいては得られないものの貴重な一つである。

怪人M氏登場

夏も終わりに近づいて、ようやく暑さを思い出したようだ。
久々に晴れた週末。雨に祟られたお盆休みを取り戻そう、そんな家族連れも多いはず。
僕も平日夜中まで頑張って仕事に一区切りつけ、晴れ晴れとした気分でひさびさの林道へ出かけた。
今回は珍しく二人連れである。パートナーは腐れ縁のM氏。軽く紹介をしておこう。
M氏は都内のとある私立高校で生物の講師をしている。
自然科学の知識がすこぶる豊富で、昆虫の専門家。
またPC関連の知識もDOS時代から蓄積されており、僕もずいぶんお世話になった。
そのうえバイクは、かつて趣味でオフロードのエンデューロレースにも出場していたほどの腕前。
フラットな林道ならかなりやばいスピードを出してしまうそうだ。
キャンプツーリングもベテランでなんとも頼もしい存在である。
が、しかし!
この人、まれに見る悪食で何でも食う。
釣れても普通は捨てられるような雑魚や毒魚、昆虫や野草などとりあえず口に入れる。
「見た目が美味しそうだったから」とクモの卵を生食したこともあるらしい。
この人の「美味しい」は「食べても死なない」と同意義かと思う。
いろんな意味でディープな人である。

左:私のセロー 右:M氏のBAJA

左:私のセロー 右:M氏のBAJA

さて午前6時、塩犬宅前に集合し出発。
今回の目的地は長野県の入笠山周辺の林道である。
前回、山梨でキャンプをした場所の少し先にあたるのだが、今回はM氏の希望もあり高速道路を使用した。
高速は伊豆ツーリングで多少使ったことがあるが、 これほどの長距離移動は初めてだ。
中央フリーウェイ~♪
右に見える競馬場~♪ 左はビール工場~♪
この道は~♪ まるで滑走路~♪ 夜空に続く~♪
(JASRACほげほげ)
とユーミンを口ずさみながら中央高速を一路西へ。
セローはせいぜい100kmしか出ないので、嫌でも安全運転になってしまう。
途中、談合坂PAで朝食。七時を少し過ぎたくらいなのにずいぶん混雑してる。
なんとか席を確保して山菜そばを食す。ガソリンを補給して8時前に出発。
諏訪南ICを降りたのが9時15分。そこから多少迷いつつ、入笠山への道を探す。
このあたりの道は入り組んでいて分かりづらい。地元の人に道を聞いたが、言葉も分かりづらい。
で、どうにか金沢林道の入り口までたどり着いた。ジャンケンで僕が先に行くことに。

「よーし、いいとこ見せるぞー」
と、思ったのが間違いのもと。

っと、砂利の浮いた急カーブでバランスを崩し転倒。
転倒らしい転倒は,、バイクに乗り始めて今回が初めてである。
人間、調子に乗ってはしゃぐとろくなことが無い。

撮影M氏 嬉しそうにシャッターを押してた…

撮影M氏 嬉しそうにシャッターを押してた…

あぁ、太いさ!文句あっか!?(゚Д゚#)

金沢林道 自転車が非常に多い

金沢林道 自転車が非常に多い

ブレーキレバーが曲がり、フロントフォークがゆがんでしまったが、力ずくで元に戻す。
膝から血も流れてたけど、それ以上に痛かったのは、買ったばかりの1万5千円もした防水ライディングパンツが破れてしまったこと。
以後、M氏を先に行かせ、僕は安全第一で進むことにした。
砂利に気をつけてのんびり走れば何の障害も無いフラットなダートである。
難なく、目的地の入笠山山頂手前までついた。

入笠山の山頂手前にある山小屋

入笠山の山頂手前にある山小屋

これはクスサンという蛾の繭だそうです

これはクスサンという蛾の繭だそうです

「ここの山頂からの眺めは絶景」と社長の奥さんから聞いていた僕は、当然登るつもりでいた。
30分程度歩けば登れるらしいのだが、M氏が頑として拒否。40過ぎで最近運動不足だからに違いない。
仕方なく、散策は諦め林道ツーリングを続行。
結構、入り組んでいるため周辺全ての林道を走ろうとすると、
グルグルこま鼠のように同じ道を何度も通らねばならなかったりする。
途中、林に遮られた名ばかりの展望台で休憩。
正午近かったのでついでに昼食。
メニューはサラスパを使った明太子スパゲティ。

これなら失敗のしようがないか

これなら失敗のしようがないか

八ヶ岳がドーンとそびえてます

八ヶ岳がドーンとそびえてます

昼食を済ませて今後のコース計画会議。
「南アルプスの西側を南下する黒河内林道を抜け、長谷村で温泉&買出し」という僕の提案に、
地図も何も持ってきていないM氏は一も二も無く同意。12:30、出発。
さっきも通った山小屋でトイレ休憩などして、なんだかんだで13:20、黒河内林道に到着。
丁度、向こう側から大型バイクに乗ったライダーが来てゲートを開けようとしていた。
開けてる最中に、停車中の彼のバイクが転倒。BMW製の1150ccに荷物満載でさすがに重そうだ。
僕は 転倒のつらさを味わったばかりなので、迷わず手助け。 それにしてもBMWのバイクをよく見かける…。
さて、黒河内林道はカーブが少なくフラットでずいぶん走りやすかった。
先を行くM氏は、土ぼこりだけを残し、あっという間に見えなくなる。
僕はマッタリ景色を眺めつつのんびり巡行。
14.5kmのダートを抜け、南アルプス登山の玄関口・戸台口バス停を通り、国道152号線へ出たのは14:00。
そこから温泉に向かったのだが、ツーリングマップルの情報が少しずれていたため、しばし迷うことに。
14:20、 「南アルプス生涯学習センタ-・気の里・入野谷」という、なんとも長い名前の目的地にようやく到着。
名前は怪しげだが、こじんまりしたきれいな温泉だ。建物も建てられたばかりだろうか。
これで500円。かなりお得である。二人とも結構疲れて眠かったので、汗を流した後、休憩所で仮眠することに。

南アルプス生涯学習センタ-・気の里・入野谷

南アルプス生涯学習センタ-・気の里・入野谷

16:00。走り回る子供と甲子園決勝戦のせいで、休憩室はかなりうるさく、ほとんど眠れないまま出発。
野宿に備えて水を汲みたかったのだが、ペットボトルで売られてる商品しか見当たらない。
仕方ないので「薬を飲まなければならない」とフロントで嘘をついて、給湯室へ案内してもらった。
これで今夜の飲み水はOK。次は食料買出しである。
地図上ではこの辺にAコープがあるはずなのだが、フロントの女性に「土日は休み」という衝撃的な事実を伝えられた。
計画を変更し、国道を北上。この周辺でもっとも大きな都市であろう伊那市を目指す。
16:20。伊那市の手前の高遠という集落でかなり立派なスーパーを発見。ラッキー♪
M氏と塩犬、各自好き勝手に夕食と朝食の買出しを行う。
買い物を終えたら近くのスタンドでガソリンも満タン。これで万全。
17:00。いよいよ宿泊地の特定開始!
のんびり構えてるようだが、これまで走りながら候補地は何箇所か見つけてある。
どこもダメだったら、入笠山のキャンプ場(1人400円)もあるので気分的には楽だ。

このダム湖の湖畔も候補だったのですが

このダム湖の湖畔も候補だったのですが

この看板見て諦めました

この看板見て諦めました

結局、黒河内林道の脇を流れる小黒川の川原を野宿地に決定。17:30。
天気予報は晴れだし、上流にダムが無いことも確認済み。
バイクを止め、荷物を降ろし、テントを張って一安心。
M氏の買ってきたサワーで乾杯。
ほろ酔い気分で日没までのわずかな時間、二人で夕まずめの渓流釣りを楽しんだ。
釣れた魚はもちろん夕食に…
…なるはずだったが、釣果・なし。食料を買っておいて本当によかった。
車でも入りやすい川原だから、あらされてるのだろう。中州に 浮き輪まで落ちてる。
日も暮れた。さあ、宴会!
と言っても瓶の梅酒を一杯ずつ。二人とも大人だから、完全に酔っ払うほどは飲まないのだ。
地元産キノコの塩バター炒めやら、インゲン入りさつま揚げやら、トマトやら納豆やらをつまみながら、とりとめもない話をする。
M氏の昆虫に関する薀蓄は、こちらが質問するほど次々出てくるので面白い。
実生活では何の役にも立たないトリビアばかりだが…。

それなりに豪勢な宴♪

それなりに豪勢な宴♪

宴の〆はカップラーメン。お湯を沸かして注いで待つだけ。
キノコ炒めの余りを入れて、ズルズル・ハフハフ。
ただのカップメンだがこういうシチュエーションだと実に美味い。
片づけを終え、NGSを済ませて就寝。
山奥の夜。静かだと思い込みがちだが、そうでもない。
遠くの町から聞こえる打ち上げ花火の音。
テントの間近を流れる川のせせらぎ。
時折、林道を通り過ぎる車のエンジン音。
動物が踏んだのか、木立で枝が折れる音。
遥か上空を飛ぶ飛行機。
となりのテントでなにやらガサガサ…。
酒と疲れで確かに眠いのに、いろんな音が気になってなかなか寝付かれない。
キャンプって、たいていこうなのかも…。

一期一会

ともにキャンプ場に宿泊することになったT氏。
とりあえずテントを張り、寝る準備が整ったのを確認した上で、 一杯誘った。
寝酒用に買っておいた勝沼ワインの白をあけ、雪印6Pチーズをつまみに乾杯。
ファミリーキャンプの花火や嬌声を無視しつつ、 脇に置いたヘッドライトの明かりの元、野郎二人のささやかな宴が催された。
彼は偶然にも私と同い年だった。これまで北海道や屋久島へ長期ツーリングに行った経験の持ち主らしい。
今回は一週間ほどの日程で北九州から富士山を見るために下道を通って来たのだが、 地図は大雑把な日本地図しか持ってないとのこと。
一応今日の昼間に富士山を見てきたが、雲が被った状態だったらしく残念がっていた。
その後、特に目的地も無くフラフラ迷走してここまで来たとか。
「ところでここって山梨県ですよね?」
まさにいきあたりばったり。バイクの旅はかくありたいものだ。
仕事のこと、バイクのことなど話したが、互いに疲れていたので10時に就寝。
周囲はうるさく、何度も管理人さんによる注意のアナウンスがされていたが、耳栓を持ってきていたお陰で熟睡できた。
翌朝5時まで一度も目を覚ますことなく、これまでにない快眠をむさぼって大満足。
疲れも吹っ飛び、一日中思う存分走れそうだ。今回はキャンプ場を選んで正解だった。

左:T氏のバイクとテント 右:塩犬の(以下略)

左:T氏のバイクとテント 右:塩犬の(以下略)

早朝、森の中を散歩…最高です

早朝、森の中を散歩…最高です

6時にはT氏も起き出し、互いに撤収の準備を開始。バイクの旅は「夜明けとともに行動開始」が基本である。
まだ周りのテントはほとんど目覚めた気配もない中、7時のゲート・オープンにはすでに二人とも出発の準備ができていた。
T氏は長野方面に、私は甲府方面の林道に。7時半、国道とのT字路で片手を挙げ互いの道へ。
縁があれば、またどこかで出会うこともあるだろう…。さらばさらば。
さて、今日の最初の目的地は小武川林道。キャンプ場から甲州街道を甲府方面にしばらく進む。
途中、コンビニによりサンドイッチで朝食を済ました。
午前8時、小武川林道起点に到着。名前の通り、小武川という川にそって作られた林道だ。
ところどころ川原にはテントも張ってあり、釣りをしてる人もいた。キャンプ帰りなのか何台もの四輪とすれ違った。
林道の先に温泉があり、もともと交通量が多い林道らしい。バスやタクシーさえ行き来している。
当然、路面は走りやすく、それほど困難な場所もない。
ただ走ってるだけでは飽きるので、退避スペースにバイクを停めて、しばし川原で遊ぶことにした。
流れる水は全て南アルプス天然水(笑)。 素足を浸しても数十秒と耐えられないほどの冷たさだった。

白い花崗岩がゴロゴロしてる小武川

白い花崗岩がゴロゴロしてる小武川

サクッとアキアカネ?を捕獲 腕は衰えてなかった

サクッとアキアカネ?を捕獲 腕は衰えてなかった

30分ほどのんびりし、9時に再出発。林道の奥にある御座石鉱泉に行き着いた。
軽い気持ちで「ヒトッ風呂浴びるか」と入浴を申し出たら、何と1260円。高っ! おまけに風呂も汚っ!
登山客向けの山小屋なのでそのような値段と設備なのだろうが、日帰り湯としては×。後悔することしきり。
気を取り直して林道にもどったが、しばらく行くと完全に舗装路に。
峠道だからウネウネとしたワインディングはあるが、正直、拍子抜けさせられた。
11時すぎには林道を抜け、とりあえず韮崎の市街地へ向かった。
次の目的地は林道前山大明神線。っとその前にスーパーで昼食の買出し。
昨夜のスパゲティで懲りているので、今日は調理なしのメニューを選んだ。
日が頭上から照りつける中、県道から広域農道を経て林道入り口へ到着。
「深い砂利・ギャップあり ダート10.2km」とツーリング・マップルにコメントがある。かなり期待できそうだ。
気合を入れて出発! 出発直後、一台の4WD車と二台のオフロード・バイクとすれ違った。
バイクの二人からピースサインされ、あわてて返すことができた。 一瞬のできごとだが嬉しいものだ。
孤独を求めてやってきた林道で人に出会って嬉しがるのも変な話だが、
相手も孤独を求めていることが分かってるので、互いに程よい距離感が保てるのだ。
これは昨夜のT氏との出会いにも通じる。
ベタベタ世話を焼かれるのはゴメンこうむるが、さらりとした親切くらいなら受け入れる。
バイクで旅をしてる人は、そんな人が多いように思う。
さて林道に入ってまもなく、眺望のよい空き地を見つけた。 時刻は12時20分。
ここで昼食をとることにした。暑い暑いと言いながらジャケットを脱ぎ、シートを広げスーパーで仕入れた品々にかぶりついた。

ヘルシーなメニューでしょ?

ヘルシーなメニューでしょ?

林道前山大明神線 結構ハードでした

林道前山大明神線 結構ハードでした

食べ終わってから、ちょっと寝転んで午後一時。出発。
そこから先も砂利にギャップ、轍に窪み。いろいろあったが、こけはしなかった。
支線も往復して無事完走。朝から林道2連発でかなり満足できた。
というわけで今日は林道おしまい。あとはオンロードで観光スポットを巡ることにした。
で、とりあえず来たのが、風光明媚な観光地「昇仙峡」。時刻は午後二時。
ロープウェイがあったので「パノラマ台」と呼ばれる頂からの展望を楽しむことにした。

荒川ダム方面を望む

荒川ダム方面を望む

モズ? 一応、野鳥なので写真撮ったんですが…

モズ? 一応、野鳥なので写真撮ったんですが…

展望を楽しんでいたのですが、ふと見るとロープウェイの駅の脇に祠がありました。
夫婦円満の神…「男女和合神」…? 女陰と男根の混合した姿のナラの木が御神体らしい。
ごもっとも様もそうだったが、やはり多いな、生殖器信仰。
で写真はこちら。

男女和合神様の女陰部分に

男女和合神様の女陰部分に

ズーム・イン!!

ズーム・イン!!(モザイクいるか??)

3時半までのんびり観光を楽しんだ。さて、次はどこに行こうか。
昨夜はたっぷり寝たので体力に余裕がある。
また、いまから帰宅したところで大渋滞に巻き込まれるのが落ちだ。
ならば渋滞を避けるために帰宅時間を遅らせることを前提に考えて、 思い切って富士山を見に行くことにしよう。
目的地は河口湖に決めた。途中、甲府市街を抜けるついでにデジカメ用に128MBのSDカードを買った。
甲府を抜け、甲州街道をしばらく東へ移動し、国道137号を右折。
峠まで昇り続ける道を駆け上がる。反対車線にくらべずいぶん空いていた。
峠の長いトンネルを抜けると今度は下り。
一瞬だけ富士山と河口湖が見えたがすぐに視界を遮られた。
平地に至り、しばらく走ると河口湖畔。無料駐車場にバイクを停めたのが午後5時半。
すぐそばにカチカチ山ロープウェイというのがあった。見れば18時までの営業らしい。
急いで駆け乗った。名前の通り、このロープウェイのある天上山が童話カチカチ山の舞台なのだそうだ。
標高1104mから見た夕暮れ時の河口湖・富士山は美しかった。
短い時間だったが登ってみてよかったと思う。

夕暮れの河口湖

夕暮れの河口湖

お約束の富士山 頭を雲の上に出し~♪

お約束の富士山 頭を雲の上に出し~♪

頂上の展望台に白人の女の子のグループがいた。おしゃべりを聞いてみたが英語圏ではないらしい。
18時でロープウェイが営業終了してしまうことを知ってか知らずか、奥のポイントへ進もうとしていた。
気になって声をかけてみた。
おれ:Excuse me, can you speak English?
彼女たち :Yes?
おれ :Do you know the last ropeway in 6 o’clock?
たぶん、めちゃくちゃな文法と発音だっただろうが、どうにか通じたらしい。
Yeah,aha,とうなずいていた。分かってるなら、まぁいい。
きっとハイキングコースを歩いて降りるつもりなのだろう。あじさいの名所にもなってるコースらしいし。
結局最終便に彼女たちは乗ってこなかった。 日没前に降りたことを祈るばかりである。
さて腹もへったことだし、帰宅前に山梨名物「ほうとう」を食べていくことに。
実はまだ一度も食べたことが無く、実物がどんなものなのか知らなかったのだ。
走ってくる途中、ほうとう不動という名店っぽい店が混んでいたので、そこに決めた。
不動ほうとう、一人前1000円を注文。
色とりどりの野菜と、うどんとすいとんの中間のような麺(ほうとう)が白みそで煮込まれたヘルシーな料理である。
大して美味くないという声しかこれまで聞いたことがなかったが、どうしてどうして。
かなりの量で熱かったが全部たいらげた。期待以上に美味しかった。こんどは別の店のを食べてみたい。

ほうとう不動 河口湖北本店

ほうとう不動 河口湖北本店

ほうとう(゚д゚)ウマー そのうち、また食べに行きます

ほうとう(゚д゚)ウマー そのうち、また食べに行きます

食べ終わったのが午後7時。今から帰ればいくらか渋滞は解消されているだろう。
多少混んでいるようなら高速を使えばいいや♪
…と予想したが甘かった。抜け道を走っている間はよかったが、上野原で甲州街道に出たとたん大渋滞。
高速と立体交差する地点で確認したら、そちらもテールランプの長い列。動いている様子はない。
路肩が狭く、すり抜けも難しいが、できる限り前へ前へと急いだ。
しばらく進んだところで大型のバイクと併走。何kmかを互いにカバーしながら進む。
コンビニで休憩しようと左折したら、相手のバイクも付いてきた。
バイクを停めてジャケットを脱ぎ挨拶。
コンビニで買った缶コーヒーを飲みながら、しばし雑談。
年齢は私よりいくらか上だろうか。乗ってたバイクはBMWのR1150GSだった。
横浜からビーナスラインを走りに来たらしい。
オートバイは車と違い、自分の空間を閉ざすことができない。
だからこそ、 こういう何気ない出会いからも気軽な会話に発展できるのだろう。
一緒に走ってるというだけで、すでに同じ空間を共有し、通じ合うものが芽生えるのだ。
20分ほど休憩し「そろそろ行きますか」と走り出す。
少し進んだ相模湖畔の交差点で、神奈川方面との分岐があった。
後ろのBMWをちらりと振り返ると、目が合った彼がこくりとうなずいた。
自分もうなずき返して前を向く。バックミラーには停車して右折のウインカーを出してるBMWがいた。
また一人に戻った。自宅まであと50km。幸い道は空いてきた。
スピードを上げ、甲州街道をひたすら東へ。
今度はどんな出会いが待ち受けているのだろう…。

山があっても山梨県

今回は武田信玄公ゆかりの地、甲斐の国・山梨へ行ってきた。
出発は朝6時。天気予報は晴れ。行楽地は大混雑が予想される。
とにかく東京を早いとこ抜け出さないと…。
環七から甲州街道に入り、多少迷子になりつつ西へ。
調布・立川・八王子を過ぎ、相模湖のGSで給油。
3人連れのライダーに話しかけられてGPSの使い勝手など語る。
彼らは高速で塩尻へ行くそうだ。彼ら以外にもバイクをよく見かけた。
ひさびさに晴れた週末だからだろう。雨でツーリングしてる物好きは私も含めて少数派らしい。
山梨県内に入り、曲がりくねった道をトコトコ走る。
…だんだん眠くなってきた。 実は昨夜はプールで泳いだり、
「踊る大走査線2」のオールナイト上映を見たりしてほとんど寝てなかったのだ。
というわけで、勝沼の手前にあった道の駅「甲斐大和」で休憩。8時半。
首都圏は抜け出したので、渋滞はもうそれほど心配ないだろう。
農家のおばちゃんが売ってた桃を一個買い、その場でカッターナイフで皮を剥いて食べた。
甘い果汁が疲れた体に染み渡る。そのまま東屋で仮眠。
8月の日差しは強かったが、高原のさわやかな風が気持ちいい。
9時半。道の駅のトイレで水を汲んで出発。トイレの水といえども上水道だから気にしない。
最初の目的地は水ヶ森林道。
勝沼で甲州街道を離れ、GPSを頼りに北西へ向かう。
途中、ほったらかしの湯という温泉があったが、まだ入浴には早すぎる。
そこから道をまちがえて、えらい山道に入ってしまった。
これまで走ったどんな林道よりハード。何度も転倒しクタクタになりながら途中で引き返してきた。
何kカロリー消費したかなー、とかプラス?に考えつつ、進路修正。
時間のロスはあったものの、正午に水ヶ森林道の起点である太良峠に到着。
時間も丁度頃合なので昼食にした。こないだのマルタイ棒ラーメンの食べ残しを調理。

太良峠 甲府盆地を一望

太良峠 甲府盆地を一望

今回は生卵を落としました

今回は生卵を落としました

迷い込んだ山道 車が通った後はあるが…

迷い込んだ山道 車が通った後はあるが…

太良峠で見かけた不思議な植物(腐生植物か?)

太良峠で見かけた不思議な植物(腐生植物か?)

12:30出発。ダートが7.7km続く水ヶ森林道。ぬかるみやギャップはあったが、全体的にかなり走りやすい方だ。
さっきの山道とは比較にならないほど走りやすい。途中、アヤメの群生地があった。
アヤメ自体はほとんど咲いてなかったが、他のさまざまな花が咲き乱れた夢のお花畑だった。

花畑でデートしたら虫まみれになるだろう

花畑でデートしたら虫まみれになるだろう

クジャクチョウ

クジャクチョウ

全体的にフラットだった水ヶ森林道

全体的にフラットだった水ヶ森林道

何の花?? 誰か教えてー!

何の花?? 誰か教えてー!

一度もこけることなく林道を抜けアスファルトの道へ。
そのまま次の川上牧丘林道の起点まで走り、トイレ休憩。
林道手前の駐車場を見ると、家族連れが多かった。
林道に入っていく車両も多い。
そう、ここはドライブ観光の名所なのだ。
川上牧丘林道は長野の川上村と山梨の牧丘町を結ぶ、かなり荒れた路面の林道である。
その途中にあるのが大弛峠。標高2360m。
一般車両が通行できる日本でもっとも標高の高い地点である。
また、そこから奥秩父の最高峰・北奥千丈岳(2601m)へもかなり手軽に登れることもあり、
登山者と観光客の車で休日は混雑してしまうらしい。今日もひどかった。
峠までの途中、舗装工事してる所もあり、思ったより路面状態は悪い。
一度、ギャップに後輪がはまり、なかなか抜けられずにいたら、TTRに乗った方に声をかけられてしまった。
恥ずかしい限りである…。結局大弛峠に到着したのが午後2時過ぎ。
駐車スペースもないほどの大混雑だった。

大弛峠(2360m) ビッグスクーターもいます

大弛峠(2360m) ビッグスクーターもいます

登るつもりだったが、階段を見て引き返した

登るつもりだったが、階段を見て引き返した

当たり前のように雲の中です

当たり前のように雲の中です

長野側は砂利道 でも怖くはない

長野側は砂利道 でも怖くはない

長野側を下り、県道へでた。
中津川林道へ行ったときに通った道だ。
だが今回はすぐに山梨側へもどる。
信州峠経由で走り続け、午後4時前に増富ラジウム温泉郷へ到着した。
増富の湯という公共の立ち寄り湯で 700円を支払い入浴。
… さて、今日の宿だが、前回の房総で懲りたこともあり、今回はキャンプ場を予約した。
尾白の森キャンプ場というとこで、バイクで一泊なら800円。これで邪魔されずに眠れるなら安いものだ。
30分ほどで温泉を出てキャンプ場に向かった。途中、夕食の材料を仕入れる。
現在地からキャンプ場までかなり距離はあったが、午後6時くらいに到着した。

ぬるめの原湯が気持ちよかった

ぬるめの原湯が気持ちよかった

キャンプ場手前の道 正面には南アルプスの山々

キャンプ場手前の道 正面には南アルプスの山々

受付を済まし早速テントを張った。ひとりでは余るほどの広さのサイトだ。
周囲は家族連ればかりで、完全に浮いているが気にしないことにして食事の支度。
今日のメニューは「なんちゃってキノコクリームスパゲティ」!!
1.キノコをバターで炒め塩で味付け
2.粉末のコーンスープをお湯で溶かし、1のキノコとからめる
3.ポポロ・サラスパを茹でて水気を切り、2のソースとからめて出来上がり!!

どう? 僕ってアイデアマン!?

どう? 僕ってアイデアマン!?

おいしそうだけど、ちょっと作りすぎたかな?

おいしそうだけど、ちょっと作りすぎたかな?

…キノコが傷んでたらしく変な味がしたので、3口食べて捨てました。
デザート用に買っておいた、トマトとヨーグルトでとりあえず満腹になったので、よしとしよう。
さて、このキャンプ場の脇を流れる尾白川は名水100選にも選ばれたほどの水とのこと。
国道の分岐にあった道の駅「白州」でも名水を汲んでる人が列をなしていた。
9時にキャンプ場のゲートが閉められるので、その前に私も汲もうとペットボトルを持っていった。
のだが、…どこかの自己中家族が、いくつものポリタンクを台車で運んで汲んでいたため大行列。
待つのも馬鹿馬鹿しいや、と戻ろうとしたとき、自分のバイクの隣に休憩中のライダー発見!
野宿経験者の私にはわかる。ここを寝場所にするつもりだろう。
「ここで寝るんですか?」
と声をかけたら案の定。一日中走り続けて眠いのだが、ここでは熟睡できなさそうで悩んでる様子。
テントは積んでいるがキャンプ場どころか、ここがどこかもよくわかってないらしい。
私以上にアバウトだ。気に入った。
「よかったら、自分が泊まるキャンプ場に聞いてみましょうか?」
受付に電話してたずねたら、私のテントの余白でならOKとのこと。
800円かかるがここよりましと、隣で泊まることになった。
甲州のの真っ暗な夜道を、ミラーで後続のヘッドライトを確認しながら、私が彼をキャンプ場まで先導する。
袖触れ合うも他生の縁。吉と出るか凶と出るか?
時刻はまもなく午後9時になろうとしていた。

誰も寝てはならない

なんだかこんな声が聞こえたような気がした。
『もう眠れないぞ。マクベスは眠りを殺した。』
           - シェイクスピア 「マクベス」より -

すでに日付は変わっていた。私は件のベンチで深い眠りに落ちていた…。
…おい
…おい
熟睡してる私を揺り動かす声…
…誰だろう…おまわりさんか…?
「おい、あんた寝ちゃったのか…? こんなとこで寝たら風邪引くぞ」
仰向けのまま、街頭の明かりにまぶしい目をしばたかせつつ、相手の顔を確認した。
…お、おっちゃん!?
さっきの犬連れた、おっちゃんぢゃねーかっ!! ∑( ̄[] ̄;)!!
「あ、これ、さっきの犬の親。」(一日目の写真はこの親の方です)
「あ、そ…そうなんですか」
(…いや…あの、気持ちよく熟睡してたんですけど…ものすごく眠いんですけど…)
まいった。また身の上話のリピートだ。お人よしの私は(早く帰ってくれよ)と思いつつもフンフンうなづいている。
そのうちいなくなるだろうと思っている私に、おっちゃんは「家に泊まってけ」と言い始めた。
…どうしよう。 無論、見知らぬ他人を泊めるなんて、泊める方も泊まる方もそれなりの覚悟が必要だ。
それにしても、なぜか昔からこういう人に好かれやすいんだよなぁ…。
さすがにしばし躊躇したが、【行動しなかったことを後悔するより、行動したことを後悔する方がまし】が私のモットー。
おまけにここの愛読者である。良くも悪くも思い出にはなるだろう。行くっきゃない。決断。
いつまでも帰りそうにないなら、大人しくおっちゃんの家で寝させてもらった方がいいし。
「では、お言葉に甘えて、お世話になります」とお邪魔させてもらうことにした。
すぐそこだからと言われ、寝静まった民家の間を縫うように走る細い路地を、えっちらおっちらバイクを押して歩いた。
… かなり遠かった。おまけに坂道だった。汗だくになった。だんだんどうでもよくなった。
ようやくおっちゃんの家に着き、バイクを庭先に置かせてもらい、茶の間に上がらせていただいた。
木造平屋建て。築40年だそうだ。
たしかに古めかしいが,、いかにも漁村の民家という風情のお宅である。ちなみにボッチャン式便所。
外では、さっきの犬が自分を差し置いて家に入れてもらう私を見て、嫉妬からかギャンギャン鳴いている。
静寂に包まれた住宅街に、狂ったようにリーの声が響く。かなり痛い。
戸棚の上の時計をみたら午前1時だった。
まぁ一杯と缶サワーをいただき、 またおっちゃんの身の上話。
お世話になるのだからと、多少の義務感にかられ、しばし拝聴。
話し相手を確保して上機嫌なおっちゃんは、より饒舌になり、これまで以上にディープなお話をして披露くれた。


…刑務所に2年半入ってたらしい。(;´Д`)初耳だよ…
酔っ払って知り合いを殴って、取調べでちょっとごねたそうだ。んで傷害と公務執行妨害。
初犯だとしても実刑2年半って、相当やヴぁい殴り方だったのでは…?ガクガク((((;゚Д゚)))ブルブル
正直、それを先に聞いていたら来てなかっただろう。酒乱相手に煮え湯を飲まされた経験があるし。
ここは早めに寝て、さっさと退散するに越したことは無い…。というわけで早々に寝させてもらうことにした。
おっちゃんとしては 話し相手が欲しくて私を呼んだのだろうが、こっちも睡眠時間と命が惜しい。
翌朝は日が昇り次第出発したい。遅くとも5時には起きるつもりなので、今から寝なおしても4時間しか眠れない。
おっちゃんには申し訳ないが、その旨を話し、先に休ませてもらった。
「おう、俺もいつも5時に起きてっから、起こしてやるよ」
期待せずに携帯電話のアラームをセット。とにかく朝になったらすぐお暇しよう…。
ベッドの上でおっちゃんの匂いのする布団にくるまり、目を瞑り眠ることに集中する。
耳障りな犬のヒステリックな鳴き声と、「おっちゃんに寝込みを襲われないだろうか?」という恐怖を押し殺し、
ひたすら眠ることに集中する…。そしてようやく…

…おい
…おい
熟睡してる私を揺り動かす声…
…デジャヴ…!?
「おい、起きなよ、もう時間だよ」
嘘だろ!? (´Д`;)
外を見れば真っ暗。枕元の時計を見れば、何とまだ午前2時半じゃないか。
時計が狂ってないとするなら、床についてからまだ一時間しか経っていない。
酔っ払いには何を言っても無駄だろう…。
「朝飯、食ってけ」
ちゃぶ台にはご丁寧にもご飯と味噌汁と生卵。ありがた迷惑とはよく言ったものだ。
私の今のプライオリティは食事より睡眠。眠るには、とにかくこの場所から離れねば。
「いえ、本当に結構ですから…お世話になりましたっ!!」
お礼を言いつつバイクにまたがり、逃げるようにおっちゃんの家を出発した。
お邪魔した際に渡した名刺が気になるが、たぶん酔いからさめたら私を家に入れたことすら忘れてるだろう。
国道に出たが、さっきのベンチではまたおっちゃんが来かねない。
夕方同様、寝床を探しての南下が再び始まった。まさかこんな時間にこんな目にあうとは…。
さすがに深夜は道が空いている。15分ほど走り、何個めかの道の駅でよさそうな場所を見つけた。
海べりの広場の真ん中に屋根付ベンチ。風は強いが眠れないことはなさそうだ。
一刻も惜しい私はバイクを横付けにし、早速横たわる。
夜明けまで時間がないが、ここなら誰にも邪魔されずに眠れ…

バカっプルが花火しに来ましたっ!!(つД`)
こんな時間に何してんだよ。(人のこと言えないが)
嬌声で気が散りなかなか眠れない。そのうち夜明けが近づくにつれ風も強くなって来た。
道の駅内で場所移動しているうちに東の空から少しずつ明るくなって…。
結局ここでは一睡もできなかった。昨日から累計して2・3時間しか寝ていない。
これはマジでやヴぁい。こんな状態で一日中運転していたら確実に事故る。
計画を大幅に省略し、今日はなるべく帰宅を急ぐことにした。
房総一周という目標は死守したかったので、早速出発。空いてるうちに距離を稼がねば。

朝焼けが寝不足の目にまぶしかった

朝焼けが寝不足の目にまぶしかった

花咲き誇るフラワーラインに目もくれず、とにかく先を急ぐ

花咲き誇るフラワーラインに目もくれず、とにかく先を急ぐ

南房から太平洋に飛び出ている須崎をぐるりと巡り、東に進路を取る。
姿をのぞかせ始めた太陽を真正面ににらみつけ、目を細めながらもアクセルを緩めることはない。

こういう日に限って晴れるのはなぜ?

こういう日に限って晴れるのはなぜ?

ロープウェイで上りたかった鋸山。
小説「千里眼」を読んで以来、一度来てみたかった東京観音像。
温泉に林道。館山の海の幸。
内房に散らばる観光ポイントに再訪を誓いながら、大慌てで通り過ぎてゆく。

鋸山の崖で猫が馬鹿にしてました

鋸山の崖で猫が馬鹿にしてました

小説「千里眼」のキーポイント 東京観音

小説「千里眼」のキーポイント 東京観音

そして、内房の北の終点、富津岬にようやく到着。
三浦半島の観音崎と向かいあい、東京湾を囲む細長く西に伸びた岬である。
先端は公園になっていて、潮干狩りもできる砂浜と手入れの行き届いた芝生がある。
時刻は午前7時。 テントを張って一夜を明かしたらしい家族連れもちらほらいる。
東京湾の向こうには都心の高層ビル郡も眺望できた。

東京湾なのでさすがに誰も海水浴はしてない

東京湾なのでさすがに誰も海水浴はしてない

ちょっと日本ぽくない風景である

ちょっと日本ぽくない風景である

さて、ここまで来れば、あとは多少混雑しても自宅までそうかからないだろう。東京アクアラインを使う予定だし。
ということで東京に戻る前に仮眠を取ることにした。2・3時間でも眠れば、かなり体力回復するだろう。
手ごろな芝生にマットを敷き、眠る。さすがにすぐ寝付いた…

…ガヤガヤ…
…きゃはは あはは
うるさいっ!!!(゚Д゚#)
一時間も経たないうちに家族連れの団体さんがすぐ隣に来て騒ぎ始めた。
私から2、3歩しか離れてない場所で落ち着くつもりらしく、シートなど広げている。
意地でも眠ろうとしたが話し声が気になり、どんなやつらだろうかと目を開けて見ると、複数の家族連れの団体だった。
ん? 観光バスを貸しきりで? 何か変じゃない? 普通の家族連れと違うんじゃない??
話し声に耳を澄ますと

「兄貴ー、こっちあいてますぜーっ!!」
「塾長も、ここ座って飲んで下さいよ!!」
そしてバスには「○和会 御一行様」。
右翼(ヤクザ?)の家族連れ親睦旅行かよっ!! ガクガク((((;゚Д゚)))ブルブル
そのまま無理して寝ようかとも思ったが、ダンボールで山積みされたアルコールを見て断念。
酔って、からまれたらシャレにならん。
眠るのを諦め、出発。まだ午前8時…。
睡眠よ…あぁ…愛しい安息のひとときよ…
安眠は僕にいつもたらされるのだ…
それとも何かに呪われてるのかっ!? 。・゚゚・(つД`)・゚゚・。
木更津経由で東京アクアラインに乗り、海ほたるで朝食。

海ほたる 地下にショーグンと呼ばれる男が…(嘘

海ほたる

東京湾に浮くバブルの象徴 アクアライン

東京湾に浮くバブルの象徴 アクアライン

川崎に出て環七をぐいーっと来て、自宅に到着したのが午前10時40分…。
そのまま畳の上で爆睡!!
教訓:野犬より酔っ払いの方が怖い

思い出の九十九里浜

房総半島を一言で表すなら、「とにかく、だだっ広い」と僕は答える。
出発は午前8時。今回も小雨だ。
日本の梅雨明けが遅れてるのは自分のせいじゃないだろうか…。
本当はもっと早く家を出たかったが、明け方はかなりの土砂降りだったために、躊躇してしまったのだ。
思えば、失敗はここから始まっていた。
今回予定しているルートは、都内から成田経由で銚子・犬吠埼へ出て、そこから房総半島を南下し一周してくること。
二日間で回るため、どの程度時間に余裕ができるかわからないが、可能なら内陸部の林道もいくつもりだった。
が、予想以上に犬吠埼は遠かった…。
東京から銚子を目指し まっすぐ東へ進んでだが、はっきり言って都下の街中と変わらぬつまらない道である。
距離の長さよりも、道のりの変化のなさが退屈で耐えられない。
ようやく 犬吠埼へ到着したのは午後1時。
海に近づくにつれ、雨に加えてものすごい強風が陸から海に吹き付けてきた。
関東平野のなだらかな地形と、広大な太平洋の間に、風を遮る山はない。
横風にこれでもかと煽られながら、這々の体でたどり着いた。
こんな天気でも海水浴客はいるかなと 砂浜や磯場を見たが、身を縮ませた長袖の観光客しかいなかった。

犬吠埼灯台 でも塩犬は吠えませんでした

犬吠埼灯台 でも塩犬は吠えませんでした

8月も間近だというのに寒々しい海

8月も間近だというのに寒々しい海

犬吠埼灯台では土産物屋や鹿島港で水揚げされた海の幸を売る店が並んでいた。
お昼時ということもあって必死で客を呼び込んでいる。本来書き入れ時のはずだろうが、どの店も閑古鳥が鳴いている。
これほどの冷夏では、観光地・海水浴場は商売あがったりだろうなぁ…。同情を禁じえない。
普段の私ならこのタイミングで食事するのだが、往路でついつい空腹に負けてラーメンなど食べてしまったため満腹だった。
残念。内心、激しく後悔。仕方なく 30分ほど散策した後、いよいよ外房をめぐるコースへ。

釣り人は天気も場所も気にしない

釣り人は天気も場所も気にしない

飯岡港遠景 犬吠埼から少し南に位置する

飯岡港遠景 犬吠埼から少し南に位置する

延々50km続く砂浜・九十九里海岸。それに沿って走るほぼ直線の国道を、ときどき砂浜へ寄り道しながら南下した。
平年のこの時期なら海水浴客で大混雑するはずなのだが、どこも閑散としている。
ここまで肌寒いとさすがに完全武装のサーファーで無い限り泳ぐ気にはならないだろう。さびしい限りである。
水着のおねーちゃんを見たかったのに…。

視界の果てまで続く砂浜

視界の果てまで続く砂浜

ライフセイバーが海水浴客より多かった

ライフセイバーが海水浴客より多かった

どのくらい走っただろうか。雨の中、朝から走ってることもあり、疲れと眠気と寒さからそろそろ温泉に入りたくなった。
道中見つけた オーシャンスパ・太陽の里という看板の「仮眠室あり」との文言に惹かれ、そこで休憩することに。
入館料は2000円と、日帰り温泉にしては高めだが、雨風をしのげてのんびり眠れるのなら安いものだ。
温泉に入って仮眠室で横になる…。このとき、時計を全く気にしてなかったのが仇になった。

二輪駐車場で餌を待つツバクロの子ら

二輪駐車場で餌を待つツバクロの子ら

すでに雰囲気はシーズンオフ

すでに雰囲気はシーズンオフ

ぼちぼち起きるか…と時計を見てびっくり。すでに午後5時すぎ! なぜかまだ3時くらいに思っていたのだが、この勘違いは痛い。
今日中に外房を周るつもりだったが、時間的にかなりきつくなった。
それどころか、今日の野宿ポイントすら決めてない。あわてて出発。(あとで、このスパで宿泊すればよかったと後悔したが…)
幸い、雨は上がっていた。テントを張れる場所、もしくは屋根のあるベンチを探しながら国道を走る。
すでに九十九里の砂浜地帯を抜け、南房の磯が目立つようになってきた。
しかし、いいロケーションが見つからない。道の駅・公園・砂浜・漁港…。だめだ。どこもまだ人がいる。
いまさらながら房総半島は人家が多いと思う。伊豆や三浦半島と比べても、海岸沿いの町は皆ある程度の規模を誇る。国鉄時代から鉄道があるからだろうか…。
そんなことを思う間にも、夕闇は無情に行く手を覆い尽くす。せっかくのシーサイドラインも海が見えなければ無粋なアスファルトでしかない。
できるだけ海を眺めるために時計回りのコースを計画したというのに…。
午後8時過ぎ。ようやく海岸沿いの公衆トイレに併設された東屋を見つけた。
屋根に木のベンチ。迷わず今日の野宿ポイントに決定!
場所を後で調べたところ、千倉という漁港のそばだった。
落ち着ける場所を得た安堵感に包まれつつ、ボーっと波の音を聞いていると、
近所の民宿の宿泊客だろうか、親子やカップルが花火をしにやってきた。
やかましい子供たちの声や花火の爆発音が耳に入っても、今日はなぜか優しい気持ちにさせられる。
そのうちワゴンで家族連れがやってきて、バーベキューの準備など始めた。 さすがにそれはどうかと…。
とかいいつつ、「それならこっちも」と、私も遅い夕食の準備をすることにした。
今日のメニューは、貝のバター炒めライス。
通りがかりのスーパーでボイルしたサザエやホタテが串に刺さったやつを3本ほど仕入れ、具を串から抜いてバター炒め。
そこにサトウのごはんを暖めもせずにドバッと投入。ガンガン炒めてほぐしつつ、醤油で味付けて出来上がり。
貝がたっぷりのバターライスである。栄養バランスとか考えない。けっ。 食えりゃ何でもいいのよ。
調理中に犬を連れた地元のおっちゃんがやってきた。
晩酌を済ませたところなのか、 酔った様子でおっちゃんは私に話しかけてきた。
私が寝床にしようとしてるベンチが、その犬のいつもの指定席だったらしい。
おっちゃんの身の上話は波と花火の音で掻き消されがちだったが、私はできるだけ相槌を打ちつつ聞いてあげた。
つい実家に一人残したままの父親を思い浮かべてしまう。旅先での出会いは大切にしたい。
僕が食事の片づけを始めるまで、おっちゃんは犬の頭を叩きながら話を続けた。

後片付けはちゃんとしようね♪

後片付けはちゃんとしようね♪

左端がおっちゃん 中央は愛犬・リー

左端がおっちゃん 中央は愛犬・リー

後片付けも済まし、花火も終わった。
風雨に打たれ、時間に追われた今日の旅路を思い返しつつ、リュックを枕にベンチに横たわる。
太古からDNAに刻まれ続けてきた波のリズムを子守唄に、私はまぶたを閉じ、安息の闇へ落ちていった。
「長くてつらい一日だったなぁ…」
否!
それはまだ翌日の狂気の序章に過ぎなかったのである!

作戦名『べほま』報告書

作戦名『べほま』 -ある夏の日の海水浴について-
七月廿六日未明、幕僚本部ニ於ヰテ立案サル。
近日、戦闘力・機動力ガ著シク損傷シ、
且ツ戦闘意欲ノ芳シカラザル鹹狗部隊ニ対シ、
全軍ヲ挙ゲテ慰安・督励ヲ実行シ、
完全ナル戦力回復ヲ成就セシムルノガ本作戦ノ目的也。
費ヤス軍資金・兵站・物資ニツイテハ制限無シ。
能ウ限リ速ヤカニ作戦ヲ実行セヨ。
但シ急ヲ要スル作戦ノ為、単独ニテ行動サレタシ。
要ハ一人デ海水浴ニ行クコトニナッタノダヨ。
七月廿七日 ○七○○ 東京都中野区野方某所・鹹狗部隊本営ニテ作戦開始。万全ノ準備ヲ期ス。
同日 ○七二○ 気象庁ヨリ「曇天ナレド降水確率ハ零割零分」トノ情報ヲ得ル。
同日 ○七三○ 西武新宿線野方駅ヲ出立。品川マデ参百六拾円也。
同日 ○七五○ 山手線高田馬場駅着。
同日 ○八二○ 山手線品川駅着。朝食トシテ「天玉蕎麦」ヲ食ス。四百壱拾円也。
同日 ○八二七 京浜急行快速線ヘ速ヤカニ転進。蕎麦ノ汁ヲ飲ム時間無シ。
同日 ○九三六 三崎口駅ニ到着。品川ヨリ三崎口マデノ運賃九百円也。
同日 ○九五〇 乗合バスニテ油壺へ向カフ。運賃弐百六拾円也。
同日 一〇〇〇 油壺着。徒歩ニテ荒井浜海水浴場ヘ進軍。海ノ家ニ作戦協力ヲ依頼。出費壱千円也。
作戦ノ実施地点トシテ荒井浜海水浴場ヲ選択シタノハ以下ノ理由ニヨル。
一、鹹狗部隊ガ嘗テ別作戦ニテ来訪済デアル。
一、「全国水浴場八拾八選」ニ選バレ、水質ガ極メテ良好デアル。
一、要ハ思イツキデアル。
「砂浜ハ予想以上ニ漂流物ガ多ク汚イ。作戦展開ニ影響スル恐レアリ。」トノ報告。
直後、沖磯場ヲ斥候中ノ者ヨリ「此処ハ頗ル水質ヨシ」トノ報告ニヨリ、作戦ヲ続行。
三時間程、鹹狗部隊ハ「しゅのーけりんぐ」及ビ日光浴ヲ実行セリ。
作戦監視本部ニ「回復ノ兆候アリ」ト打電。
同日 一一〇〇 海ノ家ニテ「かれーらいす」ヲ食ス。七百円也。「所詮海ノ家、味ナンテ」トノ報告ヲ受電。
同日 一三〇〇 荒井浜海水浴場撤退。海ノ家関係者ヨリ「本年四月ニ公衆便所ヲ修繕シ清潔ニナッタ」トノ報告アリ。
同日 一三一〇 三浦沖海洋深層水露天風呂ニ移動。入浴。貸手拭込デ壱千参百円也。
同日 一三四〇 入浴完了ト同時ニ「まっさーじ」ヲ依頼。重点ハ肩・背中・腰ト打電。参拾分デ参千円也。
同日 一四一〇 「まっさーじ」完了。続ケテ「生びーる」「特製鮪丼」ヲ注文ス。合計壱千六百五拾円也。
同日 一四四〇 摂取完了。作戦監視本部ニ「回復著シ」ト打電。
同日 一五○○ 油壺・城ヶ島快速観光船ニ乗船。海ノ男ノ雰囲気ヲ醸ス。乗船料壱千参百円也。
同日 一五三○ 城ヶ島着。徒歩ニテ散策ノ後、三崎港ヘばすニテ移動。弐百六拾円也。
同日 一六〇〇 三崎港着。釣具店ニテ状況ヲ聞キ、青磯目・ちょい投仕掛・ソノ他物資ヲ購入。壱千弐百円也。
同日 一六一〇 三崎港花暮岸壁ニテ釣リ開始。隣ノ家族連レト情報交換等セリ。
同日 一七四五 釣リ終了。釣果ハ白ギス弐、ハゼ参、ベラ壱ナルモ輸送困難ナ為、隣ノ家族ニ譲渡ス。
同日 一八〇〇 作戦完了。完全撤退開始。「作戦ノ目的ハ果タセリ」ト打電。
同日 一八〇三 三崎港ヨリ三崎口駅ニバスニテ移動。弐百九拾円也。
同日 一八三〇 三崎口駅ヨリ往路ヲ辿リツツ帰宅。壱千弐百六拾円也。
同日 二〇三〇 西武新宿線野方駅ニ到着。鹹戌部隊ヨリ体調悪シトノ報告アリ。
同日 二〇四〇 野方薬局ニテ体躯ヲ冷却セルすぷれーヲ購入。
同日 二二三〇 作戦完了報告。内容ハ以下ノ通リ。
現状、鹹戌部隊ハ日焼ケニヨル体力消耗著シ。
体温ハ参拾八度七分トノ情報モアリ。
但シ鹹戌部隊ノ慰安・督励ハ自体ハ成功セリ。
次期作戦決行ノ際ハ輜重兵ニ「日焼ケ止メおいる」ヲ携行セシムベシ。
以上。

箱根の山は天下の険

今回の旅のテーマは野宿である。
別に金がないわけではないが、ツーリングの基本スタイルは野宿ではないかと思うのだ。
そんなわけで、二日目の夜は熱海駅に泊まった。
最初は港にある公園で寝ていたが、花火はうるさいわ、夜釣りで人が多いわ、おまけにまた雨まで降るわ。
仕方なく夜中12時くらいに、事前にチェックしておいた屋根付のバス停へ移動したのである。
バス停はいくつも路線があるため、私以外にも数人旅行者がベンチで雑魚寝していた。
実際、寝やすい。最高。これなら毎晩でも…って、それじゃ完全にホームレスか…。
そして迎えた三日目の朝。午前5時。そして、やっぱり雨…。
今日は箱根峠には行こうと思ってるが、他に特に目的地はない。
それよりも早めに東京へ向かわなければ、連休帰りの大渋滞に巻き込まれてしまう。
駅前のコンビニで買ったオニギリを食べ、早速出発。
峠を目指し、上れば上るほどすごい霧である。富士山も芦ノ湖もなにも見えない…。
40分ほどで箱根峠に到着したが、やはり全てが霧で包まれていた。

何も見えません

何も見えません

道の駅ですが…

道の駅ですが…

御殿場に抜け、R246で東京へ帰ろうかとも思っていたが、この分では山中を走るR246は濃霧が予想される。
国道1号線で戻ることにする。数分で芦ノ湖へ到着。
旧道をうねうねと下り小田原へ抜ける。

芦ノ湖 霧の中、釣り人がちらほら

芦ノ湖 霧の中、釣り人がちらほら

カモたちが朝の行水

カモたちが朝の行水

小田原からはスムーズに…といいたいところだが、間違って横浜新道へ乗ってしまった…。
ゆっくり走りたかったので下道を行くつもりだったのに…と思ってるうちに第三京浜にまで乗ってる!?
あわてて適当な出口で降りた。高速道路がまだ怖いのだ。
その後、 うろうろしつつも午前9時、無事自宅に到着。ほっ。
一眠りして、午後にセローの泥を洗い落として、今回の旅は終了。

お疲れ、セロー君

お疲れ、セロー君

天城越え

午前5時。目を覚ますと今朝も小雨が降っていた。 もう慣れた。
行楽客が動き出す前に移動せねば。雨具を着こみ、早速出発。
伊豆半島の最南端、石廊崎を目指す。
途中、コンビニでサンドイッチとあったかい缶コーヒーを買い朝食を済ませる。

やはり今日も雨

やはり今日も雨

草花は嬉しそうです

草花は嬉しそうです

午前5時半。石廊崎に到着。早朝にもかかわらず観光客がちらほら。
かなりの勾配の坂道をえっちらおっちら登る。雨は止んでいたが汗でびしょ濡れ。
登りきったら「大駐車場」とやらがそこにあった…。ちっ。

伊豆最南端 石廊崎

伊豆最南端 石廊崎

漁師さんの朝は早い

漁師さんの朝は早い

一時間ほど観光して6時半。今度は西伊豆の海岸線を北上。
ほどなくして太陽が現れ、暖かな日差しが海面を照らす。
美しい駿河湾の眺めを楽しみながら、のんびりと走る。
松崎で針路変更。林道を目指し、川沿いに内陸を進む。

海から少し遡ると

海から少し遡ると

すぐに渓流

すぐに渓流

滝も多いです

滝も多いです

暗くて見えにくいけど左端にも滝

暗くて見えにくいけど左端にも滝

途中、名水・天城深層水とやらを汲めるわさびの駅なる場所があったのでちょっと寄り道。
水を一口飲んだ。 たしかに美味い! ありがたくペットボトルに水を汲む。
…と、その少し先で通行止めだ。路肩崩壊とのこと。
仕方なくUターンして海まで戻り回り道。
とりあえずの休憩地点、西天城高原・牧場の家に到着したのは10時半だった。
おやつに牛乳とみそ田楽を注文した。

おいしい牛乳ありがとう!

おいしい牛乳ありがとう!

なんだ、なんだ?と寄ってくる…

なんだ、なんだ?と寄ってくる…

20分ほど休憩して、牧場を後に。
西天城高原線を経てR136を西に。今日の目的地の一つ、土肥中央林道に到着した。
林道のほとんどが舗装されていたが、 その分未舗装部分はぬかるみと轍がひどかった。
無理な運転はしないように巡航。一番奥まった場所に広場を発見。
丁度正午なので、そこで昼食をとることにした。
さっき汲んだ深層水を使ってのアウトドア・クッキングである。
って、それほど大層なものでもないが。(笑)
メニューはアウトドアの定番・マルタイの棒ラーメンに、昨日買っておいたチャーシューをドバッと。
そして食後のドリップコーヒー。ある意味、贅沢。

土肥中央林道 バイクの通った跡がかなりある

土肥中央林道 バイクの通った跡がかなりある

外で食うと何でも美味いのかも

外で食うと何でも美味いのかも

コーヒーを飲んでると雲行きが怪しくなってきた。山の天気は変わりやすい。
ゴクリとコーヒーを一気に飲み干して出発。林道を抜け、国道を走り、今度は天城方面を目指す。
一時間半ほど走った後、仮眠も兼ねて天城峠手前の温泉で15:30までのんびり休憩。

1000円ですが畳の上で寝られます

1000円ですが畳の上で寝られます

浄蓮の滝のわさびソフト 素人にはおすすめできない

浄蓮の滝のわさびソフト 素人にはおすすめできない

休憩後、滑沢林道・旧国道・天城トンネルなどのダートを楽しみ、3回転のループ橋をぐるぐる回り、そんなこんなでR414を南下。
昨日も通った東伊豆の町、河津に出た。時刻は午後5時半。

滑沢林道 樹齢400年の太郎杉

滑沢林道 樹齢400年の太郎杉

不気味な天城トンネル でも野犬ほど怖くはない

不気味な天城トンネル でも野犬ほど怖くはない

昨夜の教訓もあり、今夜は伊東か熱海くらいの大き目の町で寝ようと決めていた。
が、 国道の登り方面は予想通りの大混雑である。
すり抜けたり、抜け道を通ったり、夕食をとり時間をずらしたりしながら、熱海に到着。20時。
途中、仕事の電話がなる。休みの電話はろくな要件ではない…。
案の定、プログラム不具合。作った自分が悪いのだが気が重くなる。携帯電話を投げ捨てたくなった。

X匹わんちゃん大行進

「将来は伊豆に住みたい」
それが僕の口癖だ。
伊豆には山と海と温泉があるからだ。それしかないとも言えるが。
ともかく、7/19・20・21の三連休を利用して伊豆半島を巡って来た。

通常、海と山の間にはある程度の平地がある

通常、海と山の間にはある程度の平地がある

しかし、伊豆半島はこんな感じ

しかし、伊豆半島はこんな感じ

今回は野宿用のテントや海水浴・釣りの準備もしたため、荷物が多い。
それを見越して、先日バイク屋に頼んでリア・ウインカーを移設し、振り分けバッグをつけられるようにした。
それと大き目のダッフルバッグにいつものザックにウエストバッグ。…すまぬセロー君、ただでさえ重いのに…。
午前4時。混雑を避けるため、早朝出発した。
途中、上馬の丸金ラーメンで博多ラーメンを朝飯に食うつもりが、4時までで閉店だと。
泣く泣く吉野家で並・ギョクを食う。
R246~小田原厚木道路~西湘バイパス経由で熱海着。時刻は午前7時。
そのまま伊豆スカイラインへ乗り、終点の天城高原ICを目指す。
小雨と霧の中、高原を快走。晴れていればきっと素晴らしい眺望なのだろうが…。

伊豆でも付きまとう霧と雨

伊豆でも付きまとう霧と雨

まだまだ新車でしょうか?

まだまだ新車でしょうか?

ツーリングマップルで調べると。伊豆には林道がたくさんあるが通行止めが多く、一般車両が走れる林道は実は少ない。
その数少ない通行可の林道の一つ、伊東の奥野林道がとりあえずの目的地だ。
途中ガス欠になりあせった。早朝で開店しているGSが見つからない。
料金所で聞いたGSまで、何とかリザーブタンクでたどり着いた。ほっ。
奥野林道は松川湖から渓流沿いに大室山方面に抜ける林道である。
2.5kmのダートは鮮やかな赤土。全体的にフラットで走りやすかった。

赤土とクロアゲハ

赤土とクロアゲハ

水…命の源だが雨はうざい

水…命の源だが雨はうざい

さて林道内でのんびり休憩して10時過ぎ。林道を出たとこでハプニング。
ダートが思ったより短くて欲求不満だった私が、なにげなく「なんちゃって前輪ジャンプ」やったら、やっぱこけまして…
エンジンかからねーっ!(;´Д`)
セルスイッチを押しても、うんともすんとも。どっと冷や汗。あせりまくり。ソロはこれが怖い。
荷物を降ろしてサイドカバーを取ってバッテリーを見たり、押し掛けしたり。
十数分格闘してようやくエンジンかかり、ほっとした。
サイドスタンド・スイッチが倒れた際にON状態になってしまったのが原因のようだった…。

あまり山奥で壊れるのは勘弁してくれ

あまり山奥で壊れるのは勘弁してくれ

奥野林道 赤土が特徴的です

奥野林道 赤土が特徴的です

ハプニングでビビッタ私は、東伊豆の海岸沿いをまったりと南下。
城ヶ崎で観光し、熱川で温泉に漬かった。

城ヶ崎 もろ火曜サスペンス劇場っぽい

城ヶ崎 もろ火曜サスペンス劇場っぽい

温泉は独り占めでした

温泉は独り占めでした

午後三時。南伊豆最大の町、下田に到着。
野宿に備えて東急ストアで買出し。食料・着替え。
駅で水を汲み、薬屋で虫除けスプレーも買う。準備万端。

東伊豆海岸線はずっとこんな感じ

東伊豆海岸線はずっとこんな感じ

下田港 ペリー記念碑とかある

下田港 ペリー記念碑とかある

伊豆半島は基本的にキャンプ・焚き火が禁止らしいので、テントの設営はゲリラ的に行わねばならない。
というわけで人里からある程度離れた、道路から目に付かない場所を探した。
午後4時。夜間は通行止めになる山道の脇に広場を見つけてテントを設営。

ひっそり

ひっそり

中はゴチャゴチャ

中はゴチャゴチャ

さて。
荷物を整理し、疲れた体を横たえる。
クマゼミ がやかましいほど鳴いている。キツツキが木をつつく音も聞こえる。
日は西に傾き、山道を通る車のエンジン音もまばらだ。
「来てよかったなー…」
メッシュの出入り口から吹き込む涼風に癒されつつ、うとうとと目を閉じてその日のツーリングを終えた…


はずだったがっ!
午後7時。仮眠から起き出して夕食の「うなぎの蒲焼弁当」を食べ始めた、まさにその時。犬の遠吠えが聞こえて来た。
と思ったら、それに呼応するめちゃめちゃ多い犬の声。
…野犬の群れっ!?
二桁はいそうな犬たちが狂ったように吼えている。
弁当を食う箸が止まる。背筋に寒気。
匂いか? うなぎの匂いが刺激したのか?
心霊現象は全然平気なのだが、野犬の群れは洒落にならない。
「やぁ、ぼく塩犬。(^・(I)・^)人(^・(I)・^)トモダチダワン」 …いや絶対、通じない。
おまけに雨までぱらついてきて、ここが水溜りになる心配も出てきた。気分が暗くなる。
幸い、遠吠えも雨もすぐに止んだ。 急いで飯を済ませ、寝ることに集中する。
…しかし、どうもテントの周囲に野生動物の気配を感じる。
「ギョエギョエッ!!」と訳の分からぬ鳴き声や、ガサガサという足音が気になってしょうがない。
外は完全に真っ暗。 自分がこんなに臆病だとは思わなかった…。
そして、ようやく眠りに落ちかけたとき。
闇夜で再び、野犬の遠吠え大会!!
やばい、やばい、やヴぁい!! もう無理ぽ。
撤収決定。恥も外聞もない。 山奥で素手の人間が野犬の群れに襲われるよりまし。
こんなに素早く片付けられるのか?ってくらい素早くテントをたたみ、荷造りし、バイクで逃げ出す。
こんなにワインディングを巧みに運転できるのか?ってくらい巧みなアクセルワークで下田を目指す。
人灯を目にした時には心底安堵した。(涙
結局、その夜は昼間訪れたペリー記念碑広場の屋根付ベンチで寝ることにしたのである。

夜の下田港 たどり着いたのは21:30

夜の下田港 たどり着いたのは21:30

雨の谷のカモシカ

興奮しているためか、ほとんど眠れずに迎えた朝。
ホテルの窓から眺めた佐久の町は、重苦しい雲に包まれていた。
午前6時。曇天。今日も天気予報は降水確率50%。
昨日と同じ降水確率だがやばそうな予感がした。
ホテルをチェックアウトして近所のコンビニでオニギリを頬張り覚悟を決めた。
とりあえず向かうのは群馬方面。行ってみて晴れていれば林道へ。
雨なら埼玉に抜けて帰途に着くつもりだった。
少し走って、群馬との県境にある山々をちらりと見たが、山頂は雨雲に覆われて見えない…。
山の手前からポツポツと降り出し、山道を少し登ったところで雨具を装着した。
その先ずっと霧雨、いや雨雲の中を走ることになろうとは…。
不幸中の幸いはゴアテックスの雨具とGPSの存在である。まさに文明の利器。

ずっとこんな感じ…

ずっとこんな感じ…

GPSのおかげで視界が悪くても迷わないのだ

GPSのおかげで視界が悪くても迷わないのだ

早朝の山奥。 ほとんど誰とも出会わないままいくつもの峠を越えた。
深い霧に覆われたトンネルや森林に、なんともいえない不気味さを感じる。
(さすがに林道はやばいな…)
僕のビビリミッターが作動した。群馬の林道中止っ! だって怖いんだもん。
舗装路でさえ「土石流注意」「この先崩落のため通行止め」なんて看板がちらほらあるのだ。無理はしないに限る。
南の空の方が、ここよりは雲が薄い。素直に埼玉・東京を目指すことにした。

雨川ダム 雨のダム湖って不気味

雨のダム湖も不気味です

沿道から声援を送る紫陽花たち

沿道から声援を送る紫陽花たち

えっちらおっちら国道を通り、秩父へ到着。
すでに雨は上がっていた。雨具を脱ぎ、街中のジョナサンで飯。
この時点でまだ午前10時半。このまま帰宅じゃ物足りない。
ドリンクバーの「からだ想い」を啜りながら、 ツーリングマップとにらめっこ…。
迷った挙句、名栗経由で奥多摩・日原林道へ行くことにした。
(林道といっても東京都内だし、奥多摩なら多少土地勘もあるから平気だろ)
また飽きもせず、うねうね峠道を上って下り奥多摩へ。
時々思い出したように雨が降るので、奥多摩駅前で雨具を再び着た。(この後、帰宅まで脱ぐことはなかった…)
国道から分岐した日原街道…とても都内とは思えない。
ガードレールはほとんど無く、大型車とすれ違うのも一杯一杯。
林道も推して知るべし。昨日の中津川林道とは比べようないほどの悪路だった。
道路のあちこちに大きな窪みがあり、水溜りを縫うように走らねばならない。
大人の頭ほどの落石もゴロゴロ転がっている。
楽しいことは楽しいが、気を抜くと思いっきり転倒してしまうだろう。
足元もリアキャリアの荷物も泥だらけだ。
ん?
行く先を一瞥すると、道路の下の断崖に子馬のような銅像が…と思ったらカモシカだっ!!
バイクを置いて崖を覗き込むと、向こうもこっちを見上げてた。

迷惑そうなニホンカモシカ (ピンボケ)

迷惑そうなニホンカモシカ (ピンボケ)

ニホンカモシカ:Japanese Serow。
そう。僕のバイク「セロー」はカモシカに由来するのだ。(ヒマラヤにすむカモシカだけどね)
初めての林道ツーリングで、愛車ゆかりの特別天然記念物に会えた事に感動。
親しげに手を振ると、向こうはそっぽを向き谷間を眺め考え事を始めた。
…むぅ。確かに都内じゃ人間などたいして珍しくもなかろう…。別れを惜しみつつ先を急ぐ。
午後1時。日原林道の終点に到着。ゆっくり休憩。
…と思ったが先客が。ランドクルーザーに乗った家族連れだ。
小雨の降る中、ご丁寧にもテーブルと椅子を出してランチの準備中らしい。
挨拶しても迷惑そうな沈黙しか帰ってこない…。やっぱ都内だわ、ここ。
早々に来た道を戻ることに。帰途、件の断崖を覗いたが、既にカモシカは消えていた。
さて、その後はふらふらと観光名所でもある日原鍾乳洞へ。時刻は午後2時半。
中で外国人に「水琴窟」について聞かれ、解説など。(日本語で)
ってか、 中の階段がきつすぎっ!! へとへと。まじで。
鍾乳洞から青梅街道まで、 バイクに寄りかかるように運転して来た。

日原鍾乳洞入口 (ピンボケ)

日原鍾乳洞入口 (ピンボケ)

帰路は日曜夕方の青梅街道名物・渋滞だった。
もう覚悟してたから愚痴も出ない。慣れてるし…。
午後7時前にようやく帰宅。無事で何より。
疲れたが、実に楽しめた二日間だった。
さて、次はどこに行こう。

はじめての林道

春に二輪免許をとりバイクを買って以来、ずっと行ってみたかった林道ツーリング。
奥多摩や三浦半島へ慣らし運転には行ったが、どこもアスファルトでしかない。
土の道を走りたい…と愛車セローが嘆いている気がしてた。
今週末こそ林道ツーリングに行こう…そして迎えた当日。
午前6時。曇天。天気予報は降水確率50%。
今日こそは、と覚悟を決めてたのに、雨じゃさすがに諦めるしかないか…。
布団の中でボーッと考えていたら、だんだん外が明るくなって来た。見ればいつの間にかピーカン晴れ。
( だめもとで行ってしまえっ!!)
行動しなかったことを後悔するより、行動したことを後悔する方がまし。
それが信条なので、迷わず行くことにした。ただし無理はしないように。
もって行くものは 雨具・ツーリングマップル・デジカメ・GPS。
キャンプ道具はなし。 土砂降りに会うが怖いので、一応日帰りの予定だ。
午前9時。出発。新青梅街道を一路西へ。
途中、はじめて使うGPSの評価も兼ねて、少々寄り道などしつつ、のんびりと走行。
東村山~飯能~秩父。シールド越しの風景から灰色が減り、徐々に緑色が増えていく。
天気も上々。来てよかった!

途中、道の駅・荒川村でSLと遭遇

途中、道の駅・荒川村でSLと遭遇

美しい渓流は見ているだけで安らぐ

美しい渓流は見ているだけで安らぐ

さて、その後も国道140号線をずんずん進み、午後1時。
道の駅・大滝温泉で休憩。ちょっと遅めの昼食である。
頼んだメニューは「ごもっともざるそば」。
おすすめの名物っぽいので、とりあえずその変な名前のメニューを注文した。
だが、その直後メニューの脇に解説を見つけてしまった。ふむふむ…。
地元の祭事で祭られる「ごもっとも様」と呼ばれる御神体が由来…か。
原始的な信仰にありがちな男根をかたどったものらしい。…嫌な予感…。

道の駅・大滝温泉名物 ごもっともざるそば

道の駅・大滝温泉名物 ごもっともざるそば

ごもっとも様 ズームアップ!!

ごもっとも様 ズームアップ!!

はちきれんばかりに反り返ってます

ざるそばなのにウインナー…山奥なのに海草…。ごもっとも…って納得するしかないのかっ!?
運んできたウエイトレスさんが心なしかちょっと恥ずかしげだった。
そば自体は素直に美味しいかったが、ウインナーをかじるときにちょっと抵抗を感じるのは自分が男だからか?
(ちなみにうちの近所には、もっともっとリアルなメニューを置いてある店があります…)
食後、温泉でひとっ風呂浴びて足裏マッサージ。まったりとした時間。ふふふふふ。
午後2時。休憩終了、出発!
右側は「落石注意」と書かれた断崖断崖。
左側は「路肩注意」と書かれた底知れぬ渓谷。
国道を走りつつ、GPSを頼りに林道への入り口を探す。
多少迷いつつも中津川沿道の入り口を発見。
美しい渓相に沿って、時々ダム工事のダンプと擦れ違いつつ、
午後3時過ぎ、ようやっと中津川林道へ到着。

フラットなダートがたっぷり17km

フラットなダートがたっぷり17km

セロー君も喜んでます

セロー君も喜んでます

梅雨時なので悪路を覚悟してたのだが、ひどい水溜りはなさそうだ。
路面はしっとり、走りはマッタリ。そんな感じ。
天気予報の影響か、他の二輪は2・3台だけしか見かけなかった。
ちらほら渓流釣りしてる人々を見かけ、次回から釣り道具を持ち歩くことを決意。
やがて道は上り坂へ。埼玉と長野の県境・三国峠へ向かう勾配は結構きつかったが、
中低速トルクに定評のあるセローが、なんなくクリアしてくれた。

三国峠付近からの眺望

三国峠付近からの眺望

君、すごいのねっ!

君、すごいのねっ!

さて、三国峠から先の長野側は舗装路だ。
20代の頃訪れたことのある小海近辺が懐かしいのでそちらへ向かう。
千曲川流域。 高原の風が気持ちいい…。
結局その日は佐久のホテルに泊まることにした。
明日も晴れる予感がしたので、早朝から林道を目指そうと目論んだのだが…。