奥の細道、食の細道


日の長い季節だ。4:00頃にはもう外が明るくなっていた。
目が覚めてしまったが、寒いので寝袋の中でまどろむ。 5:00頃起床。
マルタイの味噌ラーメンにウインナーをぶち込んだ朝食を食べて撤収開始。
テントが広いのが嬉しくて荷物を広げてしまった分、撤収に時間が掛かってしまった。
撤収中に近所の飼い犬なのか首輪をした犬が広場にやってきた。
ウインナーの残りを放り投げたらハグハグ食ってた。そのくせビクビクしてるので駄目犬と決定。
トイレに寄って6:00出発。40数キロ先のむつを目指した。

マルタイ味噌ラーメン+ウインナー 手抜きです

マルタイ味噌ラーメン+ウインナー 手抜きです

毛の生え変わりの時期なのでみすぼらしく見える

毛の生え変わりの時期なのでみすぼらしく見える

雨は降ってないが寒い寒い。気温は8度くらいだろうか?
まだ東北に来てから、まともに太陽を見ていない。今日こそはお天道様の顔を拝みたいものだが…。

荒波が下北の海岸に打ち寄せる

荒波が下北の海岸に打ち寄せる

7:00、むつに到着。そのまま太平洋側へ抜けるR338に。
100km先の八戸を目指す。(こっちは距離の感覚がどうも狂う…)
下北半島内陸の原野を経て、太平洋岸を南下。
海が見える区間はほんのわずかで、あとはずっと山中の快走路。
80kmで走っていても、地元の軽トラにビュンビュン抜かれてしまう…。
下北半島の太平洋側は、ほんと~~~~~に何にも無い…。。
あるのは原発関連や自衛隊の施設か、小さな漁港のみ。
8:30。六ヶ所村の役所付近でようやく見つけたミニストップで休憩。
あまりに寒いのでカレーパンと午後の紅茶ミルクティーであたたm(略

下北半島太平洋岸 かなり荒れてます

下北半島太平洋岸 かなり荒れてます

内陸部はほとんど手付かずの原野でした

内陸部はほとんど手付かずの原野でした

沼や湿地の多い区域を抜け、三沢市内へ。
ようやく下北半島のエリア外だ。広かった。
八戸の市街が近づくにつれ、車も増えてきた。
太陽も顔を覗かせ気温も急上昇。9:30ごろ、八戸市内に到着。
八戸からは高速道路に乗る予定なのだが、その前に八食センターに立ち寄った。
八戸の海の幸が集う一大ショッピングスポットだ。
ここでのお目当てはいちご煮。ウニとアワビを使った高級なお吸い物である。
この辺りの名物で、スーパーなどで缶詰になって売られているらしい。
とりあえず、お土産用にそれらを買って東京に発送。
だがここまで来て缶詰だけとはいかないだろう。やはり現地で直接食わねばなるまい。
というわけで、かなり早いが昼食。(我ながら、あきれるほどよく食べてるよなぁ…)
で、食べたのが田舎というお店の八戸定食!3,000円の大奮発!!
最初、生うに丼2,000円といちご煮1,000円をそれぞれ単品で頼もうとしたら、こっちの方がお得ですよと薦められたのだ。
同じ値段で、生うに丼・いちご煮・イカとイクラの御造り・メカブの小鉢に香の物。確かにお得!
いやはや、いちご煮も勿論だが、生うに丼がメチャクチャ美味かった!
最高っす! 満足っす!!

八戸定食 メチャ(゚Д゚)ウマー

八戸定食 メチャ(゚Д゚)ウマー

八食センター むちゃくちゃ広くて安いっす

八食センター むちゃくちゃ広くて安いっす

10:30過ぎ。食事を終えて、八戸自動車道の八戸ICへ。
かんかん照りで今朝までが嘘の様な暑さだ。
ここから次の目的地まで一気に高速道路で進む。
向かった先は東北自動車道、岩手の松尾八幡平IC。距離にして100km弱。高速代2000円。
青森・岩手の県境の奥深い山並みを越えて、12:00に松尾八幡平IC到着。
給油を済ませてから岩手を代表するツーリングスポット、八幡平アスピーテラインへ向かった。
晴天の下、岩手山が眼前に迫ってくる。

岩手山 別名・岩手富士

岩手山 別名・岩手富士

八幡平アスピーテラインは通行止めでした(涙

八幡平アスピーテラインは通行止めでした(涙

残念ながら、アスピーテラインは土砂崩れで通行止め。
代わりに八幡平樹海ラインで八幡平を目指すことに。
森林の中を走る快走路、ところどころ視界が開けて素晴らしい景観が。
途中の駐車スペースからは、岩手山の裾野を俯瞰する大パノラマを眺めることが出来た。

八幡平樹海ラインより岩手山を望む

八幡平樹海ラインより岩手山を望む

標高が高くなるに連れて路肩の雪も目立ち始めた。
その癖、雪の合間からは要所要所で温泉の湯気が立ち上っている。
ある場所では卵を温泉でゆでて、すぐ脇を流れる雪解け水で冷却…なんてこともやっていた。
厚い雪に覆われた凍てついた大地の下で沸々と湧き上がる地熱…東北人の気質にも通じるのかも知れない。
13:00、岩手と秋田の県境でもある最高所・見返り峠に到着。
付近の雪原を見ると山岳スキーを楽しんでいる人もちらほら。
雪との付き合い方は静岡生まれの僕には到底真似できそうにない。

左の熱泉で卵を茹でて、右の雪解け水で冷やします

左の熱泉で卵を茹でて、右の雪解け水で冷やします

北東北屈指のツーリングコース・八幡平樹海ライン

北東北屈指のツーリングコース・八幡平樹海ライン

見返り峠からは通行止め区間を過ぎたアスピーテラインに合流して、秋田県内を西走。
ワインディングを下って、R341を左折、田沢湖方面へ長い下り坂を下っていった。
強力な酸性の湯で有名な玉川温泉を過ぎ、ブナの原生林を縫うように快走。
…と、道端にカラフルなパラソルがっ! 秋田の隠れ名物・ばばへらアイス発見!!
道端にポツンと立つばばぁが、ヘラを使ってドラム缶から盛るので『ばばへら』と呼ばれている秋田近辺だけに存在するアイス。
盛岡の福田パンや高知のアイスクリンと同ジャンルのローカル・グルメである。
東京で調べて、ぜひ食べたいと思っていたのだ。これも食わねば!
あわててウインカーを出して駐車スペースに停車。喜び勇んで一つ注文。
おばちゃんに写真を一枚撮ってもいいかと聞いたら、「あ、赤いとこ盛ってからね(秋田弁趣意)」とヘラでペタペタ。
「こんなおばちゃんの写真でいいのかしら(秋田弁趣意)」と照れている。
「いやいや、秋田美人っすよ(笑)♪」と言ったら素直に喜んでくれた。
東京からわざわざ食べに来たと聞いて、おばちゃんも嬉しそうだ。
どうやらおばちゃん暇らしく、結構な長話に。観光地だと200円だが、普通の道端だと150円だそうだ。
甘みが押さえ気味でシャーベット状のシャリシャリした食感。
人工甘味料・着色料たっぷりのような気がするが、そんなこと気にしちゃいられない。
暑さで火照った体を冷すには丁度よかった♪(←今度は暑いのが食べる言い訳になってる)

ばばへら …って『ばばぁ』はちと失礼でねが?

ばばへら …って『ばばぁ』はちと失礼でねが?

北東北はブナの森林が実に豊富だ

北東北はブナの森林が実に豊富だ

「気ぃつけてね~」
おばちゃんの見送りを背に受けて、ルートに戻る。
やがて道はダム湖に出て、開けた涼しげな景観が広がる。
道も平坦になって、しばらく進み途中で右折。15:00少し前、田沢湖の東岸に到着した。
かなり暑い日曜日だけあって、涼しさを求めてカップルや家族連れの行楽客が多い。
ウェットスーツを着てジェットスキーを楽しんでる人たちもかなりいた。
と思ったら珍走団の集団までやって来た。あぁやだやだ。
湖の眺めを楽しみつつ、グルリと湖畔を時計回りに半周して田沢湖のシンボル・辰子像へ。
八郎太郎の伝説とも密接に関わっているヒロインなのだが、金ピカはちょっと趣味が悪かろう。

田沢湖 日本一の水深で湖底が海面より低いらしい

田沢湖 日本一の水深で湖底が海面より低いらしい

田沢湖を背にした辰子像 …派手過ぎじゃない?

田沢湖を背にした辰子像 …派手過ぎじゃない?

田沢湖の西岸を離れ、R105に合流。南下して角館を目指す。
田植えを終えたばかりの水田が両側に広がる直線路を快走。
空を映した水鏡の光景は、まさに日本の風景といった趣き。
15:30、角館に到着。二日目に素通りしたが、昔ながらの武家屋敷が立ち並ぶ観光スポットだ。
木造の武家屋敷と街路樹の落ち着いた町並みをほんの少しだけ散策。若い女性が目立つ。
角館からは県道11号線を南下。水田と旧街道の町並みが繰り返される渋いルートである。

角館の武家屋敷 美しい町並みが散策に向いてます

角館の武家屋敷 美しい町並みが散策に向いてます

なぜか水田は心安らぐ

なぜか水田は心安らぐ

六郷でR13に合流し、さらに南下。このあたりから小雨がパラパラ降り出した。
まぁカッパを着るほどではないか、とそのまましばらく進んで横手の町へ。
横手に来たなら食う以外なかろう、横手焼きそば!! (←まだ食うのかよ)
16:30、市街地へ向かい駅付近で富士宮焼きそばを髣髴とさせる幟を発見。
バイクを留めて入ったお店は通りから少し入ったとこにある「やや」というお店。
カウンターに座って横手焼きそばを注文。
「大と小がありますけど?」
「んじゃ、大で」(←ォィォィ)
富士宮と正反対とも言える、太目のもちもちした麺に、目玉焼き・キャベツの千切り・福神漬け・青海苔。
「お箸で全部グチャグチャにかき混ぜて、ソースで好みの味付けにして食べてね」と食べ方もレクチャーしてもらった。
正直、大盛りはさすがに苦しかったが、福神漬けの甘みや生キャベツの食感が面白く、とても美味しい焼そばだった。

横手焼きそば かなり(゚Д゚)ウマー

横手焼きそば かなり(゚Д゚)ウマー

横手駅のすぐ脇にある「やや」 学生が多いみたいです

横手駅のすぐ脇にある「やや」 学生が多いみたいです

17:00。焼きそばを食べ終わって外に出ると空がどうも嫌な雰囲気だ。
カッパを来て走り始めると雨は本格的に降り始めた。
「今日も降られたか…」
南下するに連れて雨脚は強くなり、徐々に体温が奪われつつも進み続けた。
明日は東京まで帰らねばならないのだが、その前に秋田と山形の県境にある鳥海山に寄りたかった。
それもあって、今日の宿は秋田県の南端に位置する雄勝という町のキャンプ場を予定していたのだ。
暗くなる前に着けるか距離的に微妙な場所なので、ちょっとあせっていた。
「この雨で暗くなってから到着だと、テントの設営はちと難しいかな…」
正直、温泉宿に泊まることも考えつつ、R13=羽州街道をひたすら南下した。
十文字・湯沢を過ぎ、18:00ちょっと前に道の駅・おがちに到着。
ここからはキャンプ場は目と鼻の先だ。

道の駅・おがち 結構酷い雨だった

道の駅・おがち 結構酷い雨だった

見つけにくい看板にしたがって、橋の手前の信号で左折。
数kmの山道を登って、ようやく東山森林公園に到着。
雨に加えて林間の公園なので、あたりはもうだいぶ暗くなっていた。
途中の山道は民家はあるが、それ以外の気配なし。
翌日が月曜日で天気は雨、そんな夜にキャンプしてる物好きなんているわきゃない。
「( ̄へ ̄|||) ウーム…どうしよう…この雨だし、宿に泊まろうかなぁ…」
悩みつつ、バイクでキャンプサイトに近づくと…おっ、焚き火!? 炊事場に男女二名発見っ!!
少し離れた平地にテントも張ってある!
バイクを二台屋根の下に留めて、一斗缶で焚き火を炊き、手を振って僕を手招きしているようだ。
「ひどい雨ですね~」と、とりあえず挨拶をぶつけてみると、
「うわ~、人が来た~、嬉しぃ~♪」
「今日は二人だけかと諦めてたんだよ、ここに泊まるんだよね?」
仲間がイタ━━━(T∀T)━━━!!!!!
岩手からバイクでお越しのウメネコさん夫妻。(←名前聞きそびれたので、掲示板に書き込んでいただいた時のHNです)
カワサキ党で、バイクは確かゼファーとZRX1200Rだったかな?
月曜休みの仕事で、こうして二人でテント泊するのが趣味とのこと。
見知らぬ土地の雨の夜には心強すぎる味方である。
二人でいるとこを邪魔したのではないかと恐縮すると、笑って否定してくれた。
「寒かったら遠慮なく焚き火に当たってね」
「管理人さん帰っちゃったから、好きなとこにテント張っていいんじゃない?」
「国道を渡って、次の交差点を左に行くとスーパーがあって、お酒も何でも置いてあるよ」
「オフ車乗りはキャンプ場に来るの遅めなんだよねーw」
あぁ…焚き火以上に人の温もりが身にしみる…。
テントを設営して、とりあえず買出しと温泉に。
「のんびり温まってきてね~(^^」
「はーい(*´∀`)」
温泉はスーパーのすぐ隣にあった紫雲閣
高級そうな温泉宿で、日帰り湯の料金などどこにも掲載されてなかった。
雨でグショ濡れだが、林道で泥まみれよりはましだろう、と気後れしながらエントランスホールに。
だめもとでフロントに聞いてみたら、入浴のみなら400円で、とのこと。ラッキー♪
檜風呂でのんびり温まった。極楽極楽。
焼きそばを食べたばかりで満腹なので、スーパーでの買出しは控えめに。
ビールとジュース、つまみはミニトマトにチーズ。(←って食うのか…)
雨の中、真っ暗な山道をヘッドライトの明かりだけを頼りにキャンプサイトへ戻った。
「おかえり~♪」
「こっちは食事済ませちゃったけど気にしないでやってね(^^」
三人で焚き火を囲んで、ビールをちびちびやりながら取りとめもない談笑。
福田パンやババヘラなど、B級ならぬC級グルメの話題で盛り上がった。
また、東北の温泉や地元岩手の北上方面のスポットなどの情報も得られた。
そして北海道の話。いつかは行かねば。。
「明日は鳥海山かー」
「晴れるといいねー」
夜通し話もしたかったが、明日のこともある。
後ろ髪引かれる思いで先に寝させていただいた。
テントのフライシートに雨粒が落ちる音に包まれながら寝袋に潜り込んで目を閉じる。
「東北の人たちは暖かいなぁ…」
若干、胃もたれ気味の状況でそんなことをつぶやきつつ、北東北最後の夜は更けていったのである…。



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