四国さすらふ


目覚めたら、すでに夜は明けていた。
疲れていたのか、熟睡していたみたいだ。
川にもやはかかっているが、天気は快晴。
今日も暑い一日になりそうだ。
昨晩から水につけてある米を炊き、朝食。
シンプルに納豆と野菜ジュース。
ちゃっちゃと食って撤収開始。

こんな感じのキャンプ場

こんな感じのキャンプ場

最近、トマトジュースが飲めるようになった

最近、トマトジュースが飲めるようになった

8:30出発。まずは近所にある沈下橋を見に行った。15分ほどで到着。
四万十川には沈下橋と呼ばれる橋がいくつもある。
川面すれすれに掛けられた橋で、増水時には沈むようにできている。
流木などで橋が流されたり、水がせき止められて洪水が起きたりするのを防ぐのが目的だ。
ガードレールもないので、ちょっと怖い。

半家(はげ)沈下橋 撮影して駆け足で戻った

半家(はげ)沈下橋 撮影して駆け足で戻った

さらば四万十川よ、いつかまた!

さらば四万十川よ、いつかまた!

さて、いよいよ四万十川ともお別れだ。
次に目指すのは愛媛県の大洲。そこから松山自動車道で一気に高松まで行くつもりである。
本当は佐田岬や道後温泉に寄りたかったが、雨で一日つぶれたため今回は諦めた。
国道441号線を北上。曲がりくねった峠道が多かった。
大洲に着いたのが午前11時。
そういえば昨夜、 僕は高松の友達に電話をした。
ついこないだ東京から実家に引っ越したばかりなのだ。
高松に寄るついでに会おうと思ったのだが、仕事で出かけてしまうとのこと。
仕方ないから美味しいうどん屋だけでも紹介してくれと尋ねたら「恐るべきさぬきうどん」という本を紹介してくれた…。
うーん…友達甲斐があるのやら、ないのやら…。
以前、四国へ来たときは、その本の大ファンに引張られての「うどん屋めぐり」がメインだったので、その本の存在はよく知っていた。
律儀な僕は大洲の大き目の書店に入り、文庫版を購入。駐車場でパラパラ頁をめくる。
前回の「うどん屋めぐり」でそこに紹介されているうどん屋が格別美味しいことはよく知っている。
と同時に、見つけにくいうどん屋ばかりであることも知っている。
とりあえず一軒は食べたいので、高速から近そうなうどん屋に目星をつけた。
松山自動車道に乗り、とにかく東へ。
四国の高速道路はほとんど一車線で、中央分離帯すらないことも多い。
時速100kmで対向車とすれ違うのはスリルがあるが、それより気を使うのは渋滞である。
追い越し車線がないので、遅い車があるとすぐに後ろがつかえてしまう。
高速巡航が苦手なセローには申し訳ないが、必死でアクセルを開けて走り続けた。
丁度お昼時に石鎚山PAに到着したが、うどんが待っているので昼食はとらず、たこ焼きで我慢。

石鎚山パーキングエリア

石鎚山パーキングエリア

松山自動車道から高松自動車道に入り、
13:40、高松中央ICを降りた。料金は3550円。思ったより安い…。
さて、すぐにうどん屋を探し始めたのだが、ついつい高松市街へ入ってしまった。
無駄に時間を費やしたあげく、一度はうどん屋の前(のパチンコ屋)を通り過ぎてしまい、
グルグル周ったりするはめに。
ようやく目当てのうどん屋「あたりや」に到着したのが14:30。

さぁ、食うぞぉ…!

さぁ、食うぞぉ…!

えーっ!?

えーっ!?

目の前でオーダーストップ…_| ̄|○…
空いた腹を抱えたまま、しばらく立ち尽くしてしまった…。
過ぎた時間は取り戻せないので、素直に諦めて出発。
すぐ先にあった大衆セルフのうどん屋で昼食。
そこも美味しかったのでよしとしよう、と自分を納得させる。

代わりに入ったお店

代わりに入ったお店

ぶっ掛け&ゲソ天 涙の味が…

ぶっ掛け&ゲソ天 涙の味が…

食事が終わって15:00。そろそろ今夜の宿を探さねば…。
明日は東京行きのフェリーに乗らねばならないので、徳島に近い場所でなければならない。
高速があるから、高松と徳島の間ならどこでも守備範囲だろうが、やはり最後まで野宿にこだわりたかった。
大洲の書店で「四国の無料キャンプ場」という本をちらりと見て、一箇所見当をつけてある。
とりあえずそこを目指し、国道11号から県道10号線に入った。
途中、道の駅・みろくに立ち寄ったり、スーパーで買出ししたりして、目的地「とらまる公園」に到着したのが15:50。
…どうも予想と違う…家族連れのイベント会場ではないか…。
一応キャンプ場もあったが、管理棟で門前払い食わされた。
「今日はキャンプできませんし、できる日も予約を入れてください!」
理屈はわかるが態度が頭にきた…。
とりあえずM氏に電話を掛けて、WEBで徳島の野宿ポイントを検索してもらい、そこを目指すことにした。
途中にキャンプできそうな場所があるか探しつつ進む。
にしても。
どうも今日はタイミングが悪い。
いつも悪いが、悪すぎる。
…実際、この時、僕は房総半島での一夜を想起した。どうもやな予感がする…。
香川から徳島へ山を抜ける国道318号線でこんなことがあった。
僕はのんびり走ってる車の列の最後尾を走っていた。
すると、後ろにスクーターがやってきて、そいつが「ビービー」クラクションを鳴らして来た。
僕は「荷崩れでも注意してくれてるのかな?」と思い、スクーターを先に行かせてみる。
するとやつは後ろを振り返り、ヘラヘラ笑いながら蛇行運転。クラクションをあいかわらず鳴らしてる。
「あー、キチガイか」
煽ってるつもりだろうか。君子危うきに近寄らず。こういう相手にはかかわらないのが一番。
追い越し禁止区域だったが、スクーターごと車を追い抜き、見えなくなるまで距離を開けた。
その後も四国最後の日は、散々だった…。
318号線沿いの宮川内ダム公園は野宿できそうだったが、さっきのような輩が夜中にやって来かねないのでパス。
徳島の大河、四国三郎・吉野川の河原は農地と生臭いぬかるみばかりで、ここもダメ。一度は釣り人たちににらまれた。
せめて水を…と思って地図を頼りに行ってみた名水は、増水で汲めない状態だった…。

江川湧水源 名水100選のひとつ

江川湧水源 名水100選のひとつ

地元の人が「ついてないねー」と…

地元の人が「ついてないねー」と…

四国三郎・吉野川の沈下橋

四国三郎・吉野川の沈下橋

無情にも太陽は遠慮なく沈んで行く

無情にも太陽は遠慮なく沈んで行く

そんなこんなで否応なく、M氏に調べてもらった日峰公園に向かうことに…。
徳島市街を抜けたのが19:00ごろ。あたりはすっかり真っ暗に。
小松島港に向かう県道に入ったが、なぜかやたら混んでる。
わかりずらい道に、多少迷いつつ山道を登り、19:30、展望台へ到着…って、すごい人ごみ!? なにこれ!?
その辺にいたおばさんに尋ねてみると…
ふもとの港で20時から花火大会があるらしい…(;´Д`)マジカヨ…。
野宿には最適そうな、高床式で壁もある東屋は子供たちが占領していた…。
20時が近づくにつれ、ますます増える人・人・人…。
そして花火大会が始まった。

きれいですねー

きれいですねー

寝場所の心配なんか忘れたいですねー

寝場所の心配なんか忘れたいですねー

僕もやけ気味に、買っておいたビールを開けて花火見物。夕食用に買っておいたコンビニのオニギリを食べてふと思った。
旅先…花火…おにぎり…坊主頭…
ぼ…ぼ…僕って実は裸の大将っ!? Σ(゚口゚;
今日は全ての歯車がかみ合わない…。
花火大会が終わっても、カップルたちは夜景を見ながらいつまでも乳繰り合ってる。
一時間経っても減るどころか、他所から来たカップルが増える一方。
彼らに罪はない。
地方都市の貴重なイベント、カップルで大っぴらにイチャイチャできるチャンスに、こんな場所で寝ようって方が間違ってる。
そう、僕が全て悪いのだ。
22:20。諦めて徳島市街へビジネスホテルを探しに行った。
そして、 23:00。満室で紹介された姉妹店に到着…。
早朝の四万十川から、松山・高松を経て徳島へ。
一日で四国を半周する旅は、最後までかみ合わないまま、ようやく終わりを迎えた。
ここは死の国。暴走半島よりも怖い場所である…。



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