いとしのフェリー


一ヶ月遅れの夏休み。
さて、どこへ行こうか、計画するだけでわくわくする。
与えられた時間は一週間。もちろんバイクでキャンプツーリング。それ以外、考えていなかった。
で、ようやく直前になって決めたのが四国。
こないだ床屋で坊主頭にしたついでに四十四カ所巡りを…
というわけでもないが、行きたい場所がたくさんある。
見所が豊富で一週間くらいかけて廻ると、かなり面白そうなのだ。
以前友達と車で廻ったが、日数が少なかったため、全然回りきれなかった。
その雪辱を晴らしたい。
今回は一週間ほどのツーリングなのでいろいろ装備も揃え直した。
中には無駄な買い物もあったが、まぁ仕方あるまい。
ちなみにこの文章も新装備「シグマリオン3」を使い、旅先で入力してる。
具体的な旅程だが、とりあえず四国まではフェリーを使うことにした。
下道で行くと、往復で大半の日程を使い果たしてしまうだろうし、
高速道路はセローではつらい。料金所でお金をやりとりするのも面倒くさい。
それにガソリン抜きの料金だけでも、フェリーとほとんど変わりないのだ。
いろいろ検討した結果、のんびり横になって目的地に着いたらすぐに元気一杯走れる、そっちを選んだ。
行きがあまりに楽だったので、帰りも結局フェリーにした。
出航は休み一日目の9/9 19:10 有明フェリー埠頭。
一時間前には乗船手続きをしてなくてはならない。
調べてみたが、うちから一番近いのは浜松町まで出て、レインボーブリッジ経由でお台場方面に向かうルートらしい。
日中はなにも予定はなかったので、最後の荷物整理や、掃除・洗濯をしてすごした。
午後四時、バイクに荷物を積む。が、あまりの重さに「こりゃいかん」とあわててしまった。
バッグの容量に余裕があるもんだから、「あると便利なもの」をあれも、これもと詰め込んでしまったのだ。
あたふたと取捨選択をしなおして、荷物を減らし、出発。
時間には余裕があるが、到着するまでは油断できない。
環七から青梅街道を東に折れ、西新宿・歌舞伎町を抜け、外苑東通りを南下。
信濃町・六本木・浜松町と前のめりで進んで、はたと我に返った。
「フェリー埠頭までの正確な道順を調べてない…」
以前、知人の車で行ったこともあるし、
近くまで行けばレインボーブリッジを目印にして案内を頼りに行けるだろうし、
いざとなればGPSもあるし、と多寡をくくっていたが、
全然、道案内の看板がない。
時間の余裕はわずかしかない。
東京では一本交差点を間違えると、一方通行地獄にはまり、延々と時間を費やすはめになる。
ここは軽率に動いてはならない。
竹柴の交差点脇の歩道にバイクを乗り上げて停車し、人もはばからずGPSを凝視する。
あらん限りの知識を総動員してレインボーブリッジまでの道順を調べた。
「レインボーブリッジを通過せよ!」である。
頭の中で踊る大走査線のテーマがループする。
織田裕二の声「レインボーブリッジ、通過できません!」
ええい、青島はだまってろ!
勘で首都高の下を通る道を西へ曲がったのが大正解。
無事レインボーブリッジを通過。いいながめ~。
やっぱ、GPSの詳細地図は便利である。
僕が持ってるGPSには、もともと二〇万分の一の日本地図が入ってるのだが、
地域を選んで二万五千分の一の詳細地図をインストールする事ができるのだ。
初めての道でも安心…
しまった!
四国の詳細地図をGPSにしこんどくの忘れた!!!(滝汗
普段、 関東地方を中心に使ってるので、四国など入ってる訳がない。
行くときには入れるつもりだったのだが、すっかり忘れていた…。
果たして、通常の地図で四国の林道は制覇できるのだろうか…?
いきなり、前途に暗雲が立ち込めてきた…。
埠頭についたのは17:45。時間的には余裕だが精神的にはちょっとブルー。
東九フェリーの窓口で乗船手続きを済ませ、3Fロビーでしばし待つ。
やがて乗船開始のアナウンス。バイクで乗船し固定を済ませて客室へ。
僕は、フェリーに乗り込むと、まっさきにアルコールの自販機を利用した。
四国・徳島への到着は翌日の13:30の予定である。
まずは飲もう。飲んで不安を紛らわそう…グビグビ…。

おーしゃん・うぇすと号

おーしゃん・うぇすと号

二等客室 毛布にくるまって雑魚寝

二等客室 毛布にくるまって雑魚寝



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*