「将来は伊豆に住みたい」
それが僕の口癖だ。
伊豆には山と海と温泉があるからだ。それしかないとも言えるが。
ともかく、7/19・20・21の三連休を利用して伊豆半島を巡って来た。
通常、海と山の間にはある程度の平地がある
しかし、伊豆半島はこんな感じ
今回は野宿用のテントや海水浴・釣りの準備もしたため、荷物が多い。
それを見越して、先日バイク屋に頼んでリア・ウインカーを移設し、振り分けバッグをつけられるようにした。
それと大き目のダッフルバッグにいつものザックにウエストバッグ。…すまぬセロー君、ただでさえ重いのに…。
午前4時。混雑を避けるため、早朝出発した。
途中、上馬の丸金ラーメンで博多ラーメンを朝飯に食うつもりが、4時までで閉店だと。
泣く泣く吉野家で並・ギョクを食う。
R246~小田原厚木道路~西湘バイパス経由で熱海着。時刻は午前7時。
そのまま伊豆スカイラインへ乗り、終点の天城高原ICを目指す。
小雨と霧の中、高原を快走。晴れていればきっと素晴らしい眺望なのだろうが…。
ツーリングマップルで調べると。伊豆には林道がたくさんあるが通行止めが多く、一般車両が走れる林道は実は少ない。
その数少ない通行可の林道の一つ、伊東の奥野林道がとりあえずの目的地だ。
途中ガス欠になりあせった。早朝で開店しているGSが見つからない。
料金所で聞いたGSまで、何とかリザーブタンクでたどり着いた。ほっ。
奥野林道は松川湖から渓流沿いに大室山方面に抜ける林道である。
2.5kmのダートは鮮やかな赤土。全体的にフラットで走りやすかった。
さて林道内でのんびり休憩して10時過ぎ。林道を出たとこでハプニング。
ダートが思ったより短くて欲求不満だった私が、なにげなく「なんちゃって前輪ジャンプ」やったら、やっぱこけまして…
エンジンかからねーっ!(;´Д`)
セルスイッチを押しても、うんともすんとも。どっと冷や汗。あせりまくり。ソロはこれが怖い。
荷物を降ろしてサイドカバーを取ってバッテリーを見たり、押し掛けしたり。
十数分格闘してようやくエンジンかかり、ほっとした。
サイドスタンド・スイッチが倒れた際にON状態になってしまったのが原因のようだった…。
ハプニングでビビッタ私は、東伊豆の海岸沿いをまったりと南下。
城ヶ崎で観光し、熱川で温泉に漬かった。
午後三時。南伊豆最大の町、下田に到着。
野宿に備えて東急ストアで買出し。食料・着替え。
駅で水を汲み、薬屋で虫除けスプレーも買う。準備万端。
伊豆半島は基本的にキャンプ・焚き火が禁止らしいので、テントの設営はゲリラ的に行わねばならない。
というわけで人里からある程度離れた、道路から目に付かない場所を探した。
午後4時。夜間は通行止めになる山道の脇に広場を見つけてテントを設営。
さて。
荷物を整理し、疲れた体を横たえる。
クマゼミ がやかましいほど鳴いている。キツツキが木をつつく音も聞こえる。
日は西に傾き、山道を通る車のエンジン音もまばらだ。
「来てよかったなー…」
メッシュの出入り口から吹き込む涼風に癒されつつ、うとうとと目を閉じてその日のツーリングを終えた…
はずだったがっ!
午後7時。仮眠から起き出して夕食の「うなぎの蒲焼弁当」を食べ始めた、まさにその時。犬の遠吠えが聞こえて来た。
と思ったら、それに呼応するめちゃめちゃ多い犬の声。
…野犬の群れっ!?
二桁はいそうな犬たちが狂ったように吼えている。
弁当を食う箸が止まる。背筋に寒気。
匂いか? うなぎの匂いが刺激したのか?
心霊現象は全然平気なのだが、野犬の群れは洒落にならない。
「やぁ、ぼく塩犬。(^・(I)・^)人(^・(I)・^)トモダチダワン」 …いや絶対、通じない。
おまけに雨までぱらついてきて、ここが水溜りになる心配も出てきた。気分が暗くなる。
幸い、遠吠えも雨もすぐに止んだ。 急いで飯を済ませ、寝ることに集中する。
…しかし、どうもテントの周囲に野生動物の気配を感じる。
「ギョエギョエッ!!」と訳の分からぬ鳴き声や、ガサガサという足音が気になってしょうがない。
外は完全に真っ暗。 自分がこんなに臆病だとは思わなかった…。
そして、ようやく眠りに落ちかけたとき。
闇夜で再び、野犬の遠吠え大会!!
やばい、やばい、やヴぁい!! もう無理ぽ。
撤収決定。恥も外聞もない。 山奥で素手の人間が野犬の群れに襲われるよりまし。
こんなに素早く片付けられるのか?ってくらい素早くテントをたたみ、荷造りし、バイクで逃げ出す。
こんなにワインディングを巧みに運転できるのか?ってくらい巧みなアクセルワークで下田を目指す。
人灯を目にした時には心底安堵した。(涙
結局、その夜は昼間訪れたペリー記念碑広場の屋根付ベンチで寝ることにしたのである。