およげ、タイヤ君


朝食は昨夜の山菜御飯の残り。
のどが渇いたが、飲み水が残り少ない。
近くに水場がないのは辛い。NGSを済ませ、撤収。
グランドシートをめくったら、ハサミムシがゾロゾロと数10匹…。
やけにテントの中にハサミムシが入ってると思ったら、産卵場所だったのか…?

出撃準備完了!!

出撃準備完了!!

6:00出発。我ながら早起きだなぁ。
小武川林道を進み、尾根道を抜け、下り勾配をしばらくすすむ。
早朝、バイクの出現に驚いた猿が数匹、道を横切り藪に隠れた。驚かせて済まぬ。
6:18、御庵沢林道の分岐に到着。トラ模様のバリケードが一脚。通過は問題無さそうだ。
御庵沢林道は通行量が少ないのだろう。
ほとんど未整備で、路面は荒れ気味のダートだ。
ただでさえ薄暗い森に、濃霧も立ち込めて、不気味な雰囲気。
早朝、バイクの出現に驚いたキジが1匹、道を横切り藪に隠れた。驚かせて済まぬ。
「犬が出現すれば、3翻役・桃太郎が完成だね」
「何のこっちゃ」
空しく、ひとりボケ&ひとり突っ込み。

霧が立ち込める御庵沢林道

霧が立ち込める御庵沢林道

薄暗い森に沢のせせらぎが響く

薄暗い森に沢のせせらぎが響く

林道を抜け、人里に出て県道沿いに南下。
御勅使川を越え、南アルプス市内へ。
コンビニに寄り、飲み物を購入し一息入れる。
次に向かったのは南アルプス林道。御勅使川沿いに、快走路を西走。
7:00過ぎ。林道入口に到着。しかし、「マイカー規制」の看板が。
途中でも告知を見かけたが、やはり、ここは通過不可か。
夜叉神峠までは行けるようだが、無駄足と分かっている。やめとこう。
しぶしぶUターン。別ルートで早川流域を目指すことにする。

南アルプス林道はマイカー規制でした

南アルプス林道はマイカー規制でした

南アを背にした御勅使川

南アを背にした御勅使川

再び市街地に戻り、少し南下して櫛形山方面へ。
村落を抜け、8:00ちょっと前に丸山林道の起点に到着。
棚田の向こうに、富士川流域の市街地と、富士山や南アルプスが展望できた。
まだ朝の爽やかな時間帯。吹き抜ける風が気持ちいい。

緑の棚田と富士とアルプス

緑の棚田と富士とアルプス

櫛形山から富士川を望む

櫛形山から富士川を望む

丸山林道は、櫛形山を経由し、早川流域の奈良田に抜ける林道だ。
東側は舗装されているが、道幅は狭い箇所がある。
ハイキングなどの行楽客も多いので、コーナーに注意しながら進む。
途中の分岐で、櫛形山林道、池の茶屋林道の未舗装路も走破。
櫛形山登山口には沢山の車があった。夏休みの日曜日、家族連れが多い。

櫛形山林道 登山口までの未舗装路

櫛形山林道 登山口までの未舗装路

櫛形山を越え、丸山林道は下り勾配に。西側は未舗装部分も多い。
快晴なら南アルプスが一望できるのだろうが、今日も雲が邪魔をしている。残念だ。
路面の荒れはそれほどでもないが、林道が終わりそうで終わらない…(-_-;)
下り勾配を降りきって沢を横切ると、再び登り勾配に…。
足下遥かに早川の流れが見えるのだが、なかなか辿り着けない…。

丸山林道 意外と長距離で楽しめます

丸山林道 意外と長距離で楽しめます

櫛形山連山を仰ぎ見る

櫛形山連山を仰ぎ見る

9:30、ようやく奈良田の交差点に到着。
しかし、「右折禁止」の看板がある。こっちも交通規制なのだろうか?
早川上流の広河原方面は諦め、左折して雨畑方面へ向かう。
少し進むと、自家用車を遮る交通整理のおじさんがいた。やはり交通規制があるのか…。
(後日調べたところ、通行可能のようだ。上り・下りを時間帯で規制しているらしい。)

丸山林道 終点 右折禁止の看板

丸山林道 終点 右折禁止の看板

富士川水系早川 糸-静構造線なのだ

富士川水系早川 糸-静構造線なのだ

南アルプス街道を南下して、9:50、新倉露頭に到着。
一車線しかないトンネルの合間で、危うく見過ごしてしまうところだった。
駐車場から徒歩で小道を進むと、渓流の脇に解説板があった。
なるほど。ここも確かに岩石の質が異なっている…。
奔流が削ったその断面に、くっきりと断層が露出していた。

早川町 新倉露頭

早川町 新倉露頭

断層部分拡大 岩盤が斜めに重なってますね

断層部分拡大 岩盤が斜めに重なってますね

15分ほどで露頭見学を終え、南アルプス街道に復帰したが、少し進んで右折。
ピストン林道の広河原林道へ行ってみた。
ゲートで封鎖されていたが、脇が…モゴモゴ…。。
路面はガレガレ。これは酷い。角の尖った岩塊がゴロゴロしている。
大丈夫かなぁ…と心配だったが、何と奥からオフローダーが二台やってきた。
「この先、行けます??」
「3,4km先で行き止まりですが、そこまでは行けますよ」
「ありがとう、お気をつけて」
あまり大丈夫じゃない道を、ガクブルしながらも、なんとか往復完了した。

広河原林道ゲート 開くかもしれない

広河原林道ゲート 開くかもしれない

かなり荒れてます…

かなり荒れてます…

11:00。暑い暑い。朝食が早かったので、昼食も早め。
街道をはずれ、町営・草塩温泉の隣にあった食堂に入り、天ざる大盛りを注文。
安くてそれなりにボリュームもあり、美味しい。満足満足。

天ざる (゚Д゚)ウマー

天ざる (゚Д゚)ウマー

草塩温泉の隣の食堂 温泉は今回パス

草塩温泉の隣の食堂 温泉は今回パス

早川町の役場を通過して、その先のGSで燃料補給。時刻は11:25。これで準備万端。
町役場の辺りまで戻って、雨畑方面へ。
渓谷を進み、雨畑ダムにかかった長い橋を渡って、
11:50、井川雨畑林道の起点に到着。

井川雨畑林道 起点

井川雨畑林道 起点

雨畑ダム方面を見下ろす 広大だ…

雨畑ダム方面を見下ろす 広大だ…

井川雨畑林道は、山梨県と静岡県を山伏峠で結ぶ、長距離林道だ。
静岡川は完全舗装済み。山梨側も目下、舗装工事中。
残された未舗装区間は少ないが、遥かな高みから見下ろす光景は素晴らしい。
ところどころ工事中だったが、通過には問題なかった。

井川雨畑林道 比較的フラット

井川雨畑林道 比較的フラット

セロー君、もうすぐ20,000km…

セロー君、もうすぐ20,000km…

峠付近は標高2000m。真夏だというのに肌寒い。下界の暑さを忘れてしまう。
急斜面のトラバースルートを折り返しながら、高度を稼ぐ。
雲でアルプスの山並みが見えないのが惜しい。
ところどころ大規模な崖崩れの痕跡がある。
12:45、山伏峠を越え、静岡県へ入ると完全な舗装路に。
崖崩れの痕跡は静岡県側も同様で、尖った石が道を覆っていた。
小石のせいだろうか、妙な具合にハンドルを取られる…。

山伏峠付近から山梨県側を望む

山伏峠付近から山梨県側を望む

山伏峠 殺風景です

山伏峠 殺風景です

13:20。長い長いワインディングを下りきり、井川雨畑林道を完走。
しかし、どうもバイクのレスポンスが変だ。
道端の駐車スペースでバイクを停めてチェック。
…後輪の空気が完全に抜けている…。パンクだ…、初めてのパンクだ…。
セローWEの後輪はチューブレスなので、パンク箇所さえ分かれば修理は早い。
穴の開いた箇所を必死で探す。
…なかなか見つからない。刺さっている異物も無い。
刃物でスパッと切ったような亀裂があるが、ここだろうか。
携帯用エアポンプで空気を入れ、亀裂を水で濡らして再チェック。
タイヤに力を加えると、泡を吹く。OK。ここだ。
チューブレスタイヤ用の修理キットで穴を塞ぐ。

1.空気の漏れている箇所を確認します

1.空気の漏れている箇所を確認します

2.ヤスリのような棒で、穴をゴリゴリ

2.ヤスリのような棒で、穴をゴリゴリ

3.セットした修理材と穴に接着剤を塗ります

3.セットした修理材と穴に接着剤を塗ります

4.修理材を刺し込み、余分な部分を切断

4.修理材を刺し込み、余分な部分を切断

こんな緊急事態なのに、写真を丁寧に撮ってる俺って…orz
炎天下、携帯用エアポンプでの作業は辛い。
0.5キロ程度の空気圧でギブアップ。まぁリム打ちは無いだろう。14:10、応急処置終了。
しかし、かなり横に長い亀裂だ…穴が広がらないだろうか…。
とりあえず走りながら様子を見ようと、ここから先はスピード控えめを心掛けた。
井川ダム湖畔を走り抜け、吊橋を渡る。
14:30、林道穴沢線入り口に到着。
フラットダートで低空気圧でも問題なし。
ってか、オフロードは空気圧をわざと下げるくらいだからなぁ…。

井川ダム 大井川水系です

井川ダム 大井川水系です

林道穴沢線 フラット~

林道穴沢線 フラット~

その先も峠道をウネウネ走り、15:10、口坂本温泉に到着した。
空気圧をチェック。微妙に減ってる…。
とりあえず休憩。入浴料430円を支払い、ひとっ風呂浴びる。

ここらへんで南アルプスとお別れ

ここらへんで南アルプスとお別れ

口坂本温泉 静岡市民が利用してます

口坂本温泉 静岡市民が利用してます

30分ほどで入浴を終え、さっぱり爽快な気分で空気圧を再チェック。
むぅ…また微妙に減ってる…。まぁ、一気に抜けないだけましか。
次に見つけたGSでパンパンに空気を入れてもらおう、そうしよう。
んなわけでガソリンスタンドを探しつつ、安倍川沿いを南下。
静岡市街が近づくに連れ、交通量も増えてきた。
川原では、家族連れや若人グループが水着で泳いだりBBQしたり。
えぇなぁ。俺も泳ぎたい。

安倍川 今回、安倍川餅は食べなかった

安倍川 今回、安倍川餅は食べなかった

5件ほどGSを見つけたが、全て日曜休業…。
ようやく6件目で空気を入れることが出来た。ほっと一息。
ここまでに減った分だけガソリン給油も完了。
国道1号線が近づくと渋滞もピークに。その先の人ごみも尋常ではない。
何かと思ったら、花火大会だ…。えらい人出で、安倍川河畔は大混雑だった。

安倍川花火大会 今や遅しと待ちかねる人々

安倍川花火大会 今や遅しと待ちかねる人々

混雑を避け、裏通りを使って、駿河湾を目指す。
海に到着したが、河口からだいぶ離れた場所だった。
もう一度、裏通りを進み、ようやく安倍川河口に到着。
17:30。糸魚川 – 静岡構造線をたどる旅は、ようやく終わった。

安倍川河口 駿河湾に吸い込まれてます

安倍川河口 駿河湾に吸い込まれてます

河口付近の風車 あちこちで見かけますね

河口付近の風車 あちこちで見かけますね

さて。ここから東京へ帰らねばならぬ。
しかし、タイヤがこの状態では、とても高速道路は無理。
仕方が無い。下道を使うしかない。
この時期の日曜夕方、当然酷い渋滞が予想できた。憂鬱だ…。
適当なファミレスに入って、ハンバーグの夕食。
たっぷり休憩してから、意を決して出発。
っと、途中にバイク屋を発見。修理できないか尋ねてみた。
「こりゃタイヤを交換するしかないですね」と引導を渡される…。_| ̄|○
また空気が減っていたので、空気圧高めで入れてもらう。
いやはや帰りは辛かった。
渋滞だし、タイヤがあれだからスピードは出せないし、
空気圧を頻繁にチェックしなければならないし。
しかしまぁ、のろのろ進みながらも、無事帰宅できた。空気も何とか持った。
大地の裂け目より、タイヤの裂け目に悩まされるとは。
ん? 帰宅時間?
23:23…。
疲れたよ…ママン…(ノд・、)…



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