お暑いのがお好き


夜半からポツポツと降り始めた雨は、夜が更けるに従って激しさを増した。
昼の暑さが嘘のように気温もどんどん低下。
寝袋の中でまどろみながら憂鬱な気分に浸っていると、
フラッシュを焚いたような閃光の数瞬後に雷鳴が轟いた。
頭上ではなく地面と同じ高さで響く雷というのは、この標高で無ければ味わえまい。
にしても、落雷したらどうしよう…ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
いつものことだが、まともに眠れるのは3泊目から。
この夜も結局、ほとんど熟睡できずに夜が明けてしまった。
雷は止んだが、雨は相変わらず降っている。

テントで迎える雨の朝ってのは実に憂鬱です

テントで迎える雨の朝ってのは実に憂鬱です

ハイランドしらびそ 豪華な宿舎でした

ハイランドしらびそ 豪華な宿舎でした

とりあえず朝食。テントの中でガソリンストーブを使って炊飯だ。
以前使ってた一人用テントじゃ無理だっただろうなぁ。
一晩水に浸した米を火事に気をつけてじっくり炊き、しばらく蒸らして完璧な炊き上がり。
熱々ご飯に生卵・納豆・おかか・醤油をぶっ掛けてかき混ぜて出来上がり。

生卵&納豆掛けご飯(゚Д゚)ウマー

生卵&納豆掛けご飯(゚Д゚)ウマー

朝食を食べ終わって、二度寝。
一時間半ほどして起きてみたが一向に雨が止む気配は無い。
仕方なく撤収開始。雨の中の撤収ってのは嫌なものだ。
なるべく荷物を濡らさないように荷物をまとめて、テントを畳んだ。
バイク用のレインコートでフードが無いので、撤収作業で頭はずぶ濡れ。
もう、どうにでもなれ。
9:15、出発。
宿舎に泊まっていたらしい4人組のバイクの後をついていったら、
途中の分岐を見逃して勢い余ってふもとまで降りてしまった。
少し北上して気が付いてUターン。なにやってんだか、自分。
蛇洞林道を大鹿村方面に進み、地蔵峠を越えて再び国道152号線・秋葉街道に合流。

上村側 川は北から南に流れてます

上村側 川は北から南に流れてます

大鹿村川 川は南から北に流れてます

大鹿村川 川は南から北に流れてます

峠道のワインディングを抜けるとすぐに中央構造線・安康露頭の入口があった。
バイクを停め細い道を歩いて河原に下りると、まだら模様の岩壁が渓流沿いに見えた。
異なる地盤がぶつかりあう中央構造線の断層を直接見られる貴重なスポットらしい。

安康露頭入口 一度見逃してしまった

安康露頭入口 一度見逃してしまった

綺麗な渓流です 野宿した後もありました

綺麗な渓流です 野宿した後もありました

大鹿村 中央構造線・安康露頭

大鹿村 中央構造線・安康露頭

パノラマでどうぞ!

さらに国道を北上。15分ほど走って到着したのが大鹿村中央構造線博物館
中央構造線の真上に立つ博物館である。
日本各地の岩石を地質ごとに分類して展示してある庭を抜け、
こじんまりした建物の中に入ると、中央構造線に関する展示がいろいろあった。
…フォッサマグナについての記述がほとんどないのはなぜ…(;´Д`)?
わずかに見つかったのが、中央構造線の説明パネル。
日本地図に糸魚川-静岡構造線という線が引かれ、諏訪湖で中央構造線が分岐している。
その糸魚川-静岡構造線の東側に「フォッサマグナ」と説明書きがある…。
むぅ。中央構造線とフォッサマグナって別物なのか…?
しかしツーリングマップルには明確に書かれてるし…。
展示では中央構造線は天竜川の途中で西へ折れ曲がってるようだが、これは一体…?
博物館の係員らしき人は、別の来館者への解説で忙しそうだ。
質問したかったが、付け入る隙が無い。
「そういえば、糸魚川にも博物館があったな。そこで聞いてみるか」
もやもやした疑問を抱きつつ、そそくさとその場を立ち去った。
結論は明日に持ち越して、ツーリングを楽しむことにした。

大鹿村 中央構造線博物館

大鹿村 中央構造線博物館

外へ出たら雨はいつしか止んでいた。青空がちらほら見え始めてはいるが、まだ気温は低い。
11:00、再出発。ここからは周辺の林道探索をしながらの北上になる。
10分ほど北上して松川IC方面に左折、小渋ダムで右折し陣馬山・折草峠方面に峠道を登る。
11:40、林道・黒牛折草峠線の起点に到着した。
未舗装の区間はわずかだったが、山頂付近を越えた下り勾配のヘアピンカーブに絶景スポットが。
眼下遥かに見下ろせば、風に漂う白い雲が伊那谷を美しく彩っていた。

林道・黒牛折草峠線 起点

林道・黒牛折草峠線 起点

陣馬山麓より伊那谷を望む

陣馬山麓より伊那谷を望む

峠道を下りきったT字路を左折し、GPSを頼りにしばらく進むと、今度は広域基幹林道・陣馬形線に到着。
基本的にはフラットなダートだが、軽いマディや多少ガレ気味のセクションもある。
12.5kmの未舗装林道をたっぷり堪能。

広域基幹林道・陣馬形線

広域基幹林道・陣馬形線

支線も多いけど案内板が充実してます

支線も多いけど案内板が充実してます

走り終えて舗装路を右折し、次に向かったのは林道新山線。
未舗装部分は6.5kmとのことだったが、開削中の支線もピストンで楽しめた。

林道新山線 渓流沿いの涼しい道

林道新山線 渓流沿いの涼しい道

工事中の支線から南アルプスを望む

工事中の支線から南アルプスを望む

渓流沿いに本線を下ってR152に合流したのが13:50。
もう日差しは完全な真夏モード。
美和湖のほとりで、ジャケットの下に着ていた長袖シャツを脱いだ。
ちなみにこの辺は、去年M氏と来たことがある。
ここから戸台口バス停を北東に進めば黒河内林道だが今回はパス。
腹が減ったので昼食を取ろうと、伊那へ向かうことにした。目当てはもちろんローメンである。
R152を高遠の手前で北上して左折、三峰川沿いの快走路を西へ。
ゴチャゴチャした伊那市街で新潟屋という店でローメンの幟を見つけ、そこに決定。
羊肉ならぬ豚肉を使ったソースたっぷり太目の焼きそば風で、暑い日にぴったりの濃い目の味付け。
強面のマスターは以前ハーレーに乗っていたライダーとのこと。
食後にはわざわざ店の前まで出て見送ってくれた。

伊那ローメン(゚Д゚)ウマー この新潟屋は豚肉でした

伊那ローメン この新潟屋は豚肉でした

伊那と高遠を結ぶ三峰川沿いの快走路

伊那と高遠を結ぶ三峰川沿いの快走路

さて、食後。
来た道を戻って、以前も利用したスーパーで買出しを済ませた。
高遠市街を抜け、ガソリンを補給してから向かった先は町道高峰線。
去年、分岐を間違えて走りそびれたが、今回は慎重にGPSポイントをたどって15:30、入り口到着。
急勾配のワインディングの先は、ところどころややガレ気味の尾根道、約15km。

高遠町 町道高峰線

高遠町 町道高峰線

千代田湖側分岐 去年はここが通行止めだった

千代田湖側分岐 去年はここが通行止めだった

16:00過ぎ、走行を完了。舗装された峠道を千代田湖まで下った。
こじんまりした池のような千代田湖のほとりで杖突峠方面に右折。
ゴルフ場の脇を抜け、杖突峠で国道152号線に合流。
諏訪方面に少し進んだとこにある茶店でしばし休憩。
懲りもせず、展望台で八ヶ岳から諏訪湖までの展望を眺めた。いいねぇ。
峠を降りきって左折。諏訪大社・上社前宮を経て諏訪湖の南西岸を走り抜けて塩尻峠へと向かう。

諏訪湖 構造線の交差点

諏訪湖 構造線の交差点

諏訪大社・上社前宮 住宅地に何気なくあった

諏訪大社・上社前宮 住宅地に何気なくあった

国道20号線を岡谷から塩尻に抜ける塩尻峠は天竜川水系と信濃川水系の分水稜でもある。
ここから先は日本海側のエリアというわけだ。
急勾配を登りきった塩尻峠。そこからさらに北に斜面を登る道がある。
国道の車列を離れそちらへ曲がり、鉢伏山方面にワインディングを9kmほど登ってやってきたのは高ボッチ高原
美ヶ原や霧ヶ峰に比べてマイナーな穴場の高原だ。
アルプス展望台を過ぎて、17:50、今日の野営地・高ボッチ山荘へ到着。
飛び込みで受付を済ませ、キャンプ代400円+風呂代500円を支払った。
荷物を持ってキャンプサイトへ…せ…狭い!!
重たい荷物を持ち汗だくで急斜面の小道を降りていくと、先客のテントが途中と終点に二張り。
他にテントを張れる場所が見つからない!
戻って、途中にあったテントの主に声を掛けて尋ねてみたら、その上段に二つテントサイト発見。
ひーひー言いながら登って、ようやくスペース確保。
それにしても4張り分しかスペース無いのか…?
今朝の雨で濡れたままのテントをなるべく乾くように日に向けて張った。
ビールを一本飲んでから風呂に入ったが、完全な内風呂でくつろぐのは無理。
6kmほど離れた場所にある崖の湯温泉まで行った方がよかったなぁ。

高ボッチ山荘 キャンプ代400円は妥当です

高ボッチ山荘 キャンプ代400円は妥当です

テントサイトからの眺めは最高 諏訪湖の夜景が美しい!!

テントサイトからの眺めは最高 諏訪湖の夜景が美しい!!

入浴後の夕食はカレーライス。
ご飯を炊いてレトルトの具を掛け、余っている生卵と納豆をトッピングして出来上がり。
標高1600mだけあって、今夜も肌寒い。
食後、寝袋に包まって地図を見ながら明日の行程を再確認しつつ就寝。
そう。いよいよ明日、フォッサマグナの結末が明らかになるのだ。
にしても高ボッチのキツネ!
ギャーギャーうるせーんだよっ!!!
…今夜も眠れないじゃんか…(つД`)



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