季節柄、夜明けもだいぶ遅くなってきた。
まだ暗いうちに目が覚めて外へ出てみたが、寒さですぐに寝袋へ逃げ込んで二度寝。
午前7時。日が差してきたのを確認して、 ようやく起き出した。
登山に出発する車中泊夫妻に挨拶してから のろのろと食事の支度。
テントや荷物を片付け、飯を食って、午前8時半出発。
昨日の寒さが堪えたので、今日はフリースのパンツも下に着込んだ。
念のために持ってきて本当によかったぁ~。
まずは昨日も通ったビーナスラインを白樺湖まで戻ることにした。
昨日に比べて雲も少なく、澄み切った早朝の空気のお陰で景色も遠くまでよく見える。
途中の展望台で愛知から来たBMW乗りと会話。
ジーンズで来てしまって、予想外の寒さに凍えてた…可愛そうに…。
9:30。白樺湖に到着。そこから諏訪白樺湖小諸線を小諸方面に北上。
白樺林の中を快走。天気もよく、気温もだんだん上がってきて気持ちいい。
国道142号線にぶつかったとこで右折。佐久方面に進む。
日曜日の午前中。車も多く流れも遅くなり始めた。
途中の道の駅・ほっとぱーく浅科で休憩。
地元農家の方々が売っていたヨーグルトを食べた後、お土産用のおやきと、なぜか無性に美味しそうに見えたネギを買ったしまった。
青葉がシャキーンとした、ぶっとい下仁田ネギ4本100円。
以後、この日はずっとバイクの後ろにネギを結わえて走ることとなる。
10:30再出発。
国道142をさらに東に進み、中込に到着。
最初のツーリングレポートで宿泊したホテルがここにある。懐かしい。
回想に浸る暇もなく、国道254へ。愛称コスモス街道。
秋のこの時期は沿道がコスモスに美しく彩られる。
「私は花の子です~名前はルンルンです~♪」(花の子ルンルン主題歌)
と鼻歌を歌いながら、群馬方面に進んだ。
11時過ぎ。小腹が空いたので軽くそばを食べることに。
寄ったのは桜井さんち。
はちみつとリンゴにも惹かれたが、お土産はネギだけで手一杯なのでもりそばだけ注文。
この頃にはだいぶ暖かくなっていたので、もりそばの冷たいのど越しにずいぶん癒された。
11:20出発。
コスモスの咲くエリアを抜けたあたり、内山トンネル手前で国道を外れて右折。
妙技荒船林道から軽井沢方面を目指す。
佐久高原を抜ける舗装された有料林道だが、軽井沢から先は未舗装路になってるらしい。
地図では通行止めになってるが、抜けられるかも知れないという淡い期待を抱いて進んだ。
12:00過ぎ。ようやく着いた未舗装区間はやっぱり通行止め。
仕方なく次の目的地、御荷鉾スーパー林道を目指すことにした。
御荷鉾スーパー林道は埼玉と群馬の県境付近を走る、関東でも有数の長距離林道だ。
やはりここも年々舗装化が進んでおり、常にどこかしら工事中とのこと。
事前に仕入れた情報では9月一杯工事中の区間があって、こないだまではほとんど通れなかったらしい。
今もどこか通行止めになってるかもしれないが、とにかく一度行ってみたかった。
てなわけで県道43号~国道254号を下仁田方面に進む。
下仁田が近づくにつれ、特産品のこんにゃくを使った味噌おでんと下仁田ネギの看板が目立ち始める。
12:40。まだそれほどお腹は減ってなかったが、せっかくなので休憩。おでんとかけそばを注文した。
関西人が見たら卒倒するであろう真っ黒なそばつゆが忘れられない。
食べ終わって午後1時。再び国道を走り始める。
下仁田の交差点を曲がり、今度は県道45号で南牧村方面に。
やがて県道93号になり、しばらく進んだとこを曲がっていよいよ急勾配の上り坂だ。
御荷鉾スーパー林道は秩父山塊稜線近くの高い場所を走っているため、入り口まで登り続けなければならない。
13:30。ようやく御荷鉾スーパー林道の入り口の大仁田ダムに到着。
できたばかりのダムで併設されたトイレもすこぶる立派。
小用を済ませていよいよ林道へ突撃!
林道に入るとすぐに未舗装路になった。
思ったより荒れている。たしかこの区間が先日まで通行止めだったはず。
どのくらい進んだろうか。やがて道は舗装路に。
塩之沢峠を過ぎたあたりから「この先通行止め」の看板がちらほら…。
しかし今日の目標はこの林道の通行可能な区間の走破なので、ひるむことなく進んだ。
八倉峠の先の三差路から再びダート。
そこから3km進んだあたりで予告通りの通行止め。
ゲートががっちりしまっており、ご丁寧に両端もロープで通れないように塞いである。
丁度、オン車でやって来たライダーが一人。
話しかけてみると、通行止めの向こう側から迂回してきたとのこと。
あっちには監視員もいるらしい。
仕方ない、僕も迂回することにした。この時点で14:15。
さきほどの三叉路まで戻り、舗装林道を使ってウネウネと山道を降り、下仁田に。
再び国道~県道を経て山道を登り、御荷鉾スーパー林道の続きに戻れたのが…15:45…疲れた…。
さっそく通行止め地点目指してダートに突入。
こちらもフラットですこぶる走りやすい。
途中、件の管理人のおっちゃんと出会った。
丁度、軽トラで帰るとこらしい。
おっちゃん「この先行き止まりだよ」
塩犬「えぇ、そこまで行って戻って来ます」
おっちゃん「キャンプ? ネギ持ってるけど」
塩犬「いえ、下仁田ネギが美味しそうだったので東京へのお土産っす」
おっちゃん「がははは! 気ぃつけてな!」
って感じで9kmほど進んで無事通行止め区間に到着。
ちなみに帰宅後GPSのログを元に地図を確認してみた。
500mの迂回のために60km=1.5時間…
120倍の距離…
長い道のりだったが、無駄ではなかった。
わざわざ迂回してやってきたこの場所で、またある一匹の野生動物に会うことができたのである。
通行止め区間に向かって走っている最中、向こうから林道をやってくる小さめの犬ほどの大きさの生き物。
黒っぽい体毛と特徴的なとぼけた顔。
一目で狸と分かった。(最近はアライグマが現れる可能性もあるが)
バイクが近づいても逃げる様子もなく、やつは僕の来た方向へ林道を進んでいく。
名残惜しかったが僕も先を急いでいたので、そのまま通り過ぎた。
通行止めポイントでUターンし、さっきの地点からしばらく進んだ場所で再び狸を発見。
さっきのやつが、あのままトボトボ林道を歩いて水溜りで喉の渇きを癒していた。
一体、どこへ向かっているのだろう。
捨て犬ならぬ捨て狸が元の飼い主でも探してるのだろうか?
全ては謎のままである。
見かけに似合わずクールな狸で、写真を撮ってるのに全然こっちに構ってくれない。
仕方なく出発。バイクの音にはビクッと驚いてた。申し訳ない。
おわびにリアバッグにあったおやきをあげればよかったと、今でも悔やまれる。
時刻は16:30。そろそろ薄暗くなり始めた。
林道はさらに東へ延びているが未舗装路区間はこれでおしまい。
丁度いいので区切りにした。
南側へ山を下り、十石峠を本庄児玉方面に向かう。
この時間帯、まっすぐ東京を目指すと行楽帰りの大渋滞に巻き込まれる恐れがあるので、途中の温泉で時間をつぶすことに。
寄ったのは神流川温泉・白寿の湯。17:30着。
昨日も風呂へ入れなかったので丁度よかった。
ボイラー工事で露天風呂に入れなかったのは残念だが、料金が500円だったのでよしとしよう。
良心的な価格設定で家族連れでにぎわっていた。おすすめの温泉である。
のんびり温まって午後7時出発。
関越自動車道は特にひどい渋滞もなく、21時には帰宅できた。
早速ネギと竹輪で煮物を作り、軽く晩酌。
下仁田ネギは生だと辛いが熱を通すと甘くなるらしいが、まさにその通り。
青い葉っぱの部分も美味しくいただいた。
残ったネギは何に使おう…。やはり鍋物がいいなぁ~。
…タヌキ汁とか。。