ハーイ道東、ハイ道東


北海道5日目。5:00起床。
完全に生活リズムが確立されたなぁ…。
それにしても寒い。憂鬱な気分で朝食の準備。
今朝のメニューは昨夜買ってきて食べ損なった…これ。

あらやだ、結構安かったのよ♪

あらやだ、結構安かったのよ♪

朝からウニ丼 (゚Д゚)ウマー

朝からウニ丼 (゚Д゚)ウマー

味はまぁまぁかな。( ´_ゝ`)
夜露に濡れたテントを乾かしながら、荷造り。
星崎さんはまだバンガローで安眠中のようだ。
トイレを済ませ、初老の男性に挨拶して7:00出発。

早朝の十勝平野は寒かった…

早朝の十勝平野は寒かった…

台地を覆う白い雲? あれが濃霧の正体か…

台地を覆う白い雲? あれが濃霧の正体か…

キャンプ場を走り出てすぐに、寒さが半端じゃないことに気付く。
慌てて昨日の展望台で停車。
荷物からフリースを引っ張り出して着用した。
先が思いやられるなぁ…。
R38に出て、十勝平野を東へ。
十勝川を越えるとひどい濃霧。寒さも相変わらず。
夜に雨でも降ったのだろうか、道路が濡れている。
豊頃(トヨコロ)を過ぎ、浦幌(ウラホロ)へ。
さて、今日の最初の目的地は道東大規模林道。
全長70.4km。連続ダート延長66.1kmの超ロングダート。
オフローダーからは畏怖を込めて道東スーパー林道とも呼ばれている。
本来、「スーパー林道」という呼称は、全国で23本の特定森林地域開発林道にのみ適用される。
しかし、この林道だけは例外。慣習的にスーパー林道と呼ばれている。
それほど他の林道とは規模が違うのだ。
ちなみに、ロングダートと言えば、あの徳島県・剣山スーパー林道を思い出す。
あそこでさえ、連続ダート延長は46kmに過ぎないらしい
道東林道の連続ダートは本当に日本一の長さなのだ。
7:45、林道へ入る前に給油。わずかでも満タンにしておきたい。
セイコーマートであたたかいハチミツレモンティーを購入して一服。
寒さ対策に雨ガッパを着ようか悩んだが、とりあえずそのまま行くことにした。
道道56を浦幌川沿いに北上。
道標を頼りに進んで、8:30、留真温泉に到着。
その先が道東スーパー林道の入口だ。
案内板によると、通行規制されている区間があるようだ。
全区間のどこまで行けるやら。とにかく突入。

道東スーパー林道の起点

道東スーパー林道の起点

渓流沿いの区間が多いです

渓流沿いの区間が多いです

さて、走ってみると何台か車が先行していた。
交通量が意外とある。中で工事が行われているようだ。
8:50、閉じたゲートがあった。
その前でカギを持つ人を待っている工事関係者が何人か。
こりゃ、通れないかな…と半ば諦めてたら、
「バイクならゲートの端から入れるよ」と教えてもらえた。
言われてみれば轍が。お言葉に甘えてお邪魔しまーす。
っと、別れ際にさらに一言。
「熊に気をつけろよ~(゚ー゚)ニヤニヤ」
むぅ…。。

全てのゲートの脇に轍が…自己責任で!

全てのゲートの脇に轍が…自己責任で!

工事箇所まで電線も引かれてるようです

工事箇所まで電線も引かれてるようです

しばらくして、GPSに周辺の川が表示されていないことに気付いた。
地図に掲載されている川は大体表示されるはずなのだが…。
細かい河川が入り組んだ湿地帯なので、省略されているのだろうか。
主だった道路しか表示されないGPSで林道を走る場合、河川の表示だけが頼りなのだが、これは困った。

なだらかな清流の脇をのんびり通過

なだらかな清流の脇をのんびり通過

地形のせいか、激流は少ないです

地形のせいか、激流は少ないです

仕方なくスケールを調節して周辺の道路を表示させて大体の位置を把握。
なんとも心もとなかったが、幸い、分岐には必ず林道名の看板が掲げられている。
そのおかげで最後まで本線を見失わずに済んだ。

こんな感じで、

こんな感じで、

分岐林道の看板があります

分岐林道の看板があります

工事車両が通る区間はフラットだが、そこを過ぎるとやや荒れ。
途中、二箇所ほどゲートがあったが、同じように脇を抜けた後があった。
閉鎖区間はさすがに悪路だ。特に何箇所もある峠の前後は酷い。
浮いた砂利で4回も転んでしまった。
オフロードブーツとパッド入りライディングパンツのおかげで幸い無傷。
「それにしても転びすぎだよなぁ、おかしいなぁ…」とバイクをチェック。
降りてみたら後ろに積んだ荷物のバランスが崩れ、片側に寄っていた。
フリースを抜いたため、荷物の嵩が減って荷紐が緩んだらしい。
こりゃあかん、と、きっちり締め直す。これ以降は転ぶことは無かった。

土砂崩れですぐ埋まりそうな区間が多数

土砂崩れですぐ埋まりそうな区間が多数

静かな林間のフラットダートもあります

静かな林間のフラットダートもあります

何度も転んだ理由がもう一つ。
実はひどい便意に襲われて、集中力が無くなっていたのだ。
朝の寒さが腹部を刺激したのだろうか。
普段ならバイクを停めて、その辺の茂みに駆け込むのだが、何しろヒグマが怖い。
彼らからすれば、縄張りに匂い付けされるのだから、追い払おうとするに違いない。
無防備な排便中にヒグマ襲撃…あぁ嫌だ嫌だ。
ここは我慢して、林道を走り終えたら最寄のガソリンスタンドに駆け込もう…。
そんな思いを胸に秘め、ガレ場の振動に耐えること数十分。
さすがにもう限界…!(滝汗

ガレガレ~

ガレガレ~

10:00。あるゲートの先に視界の開けた開放的なスペースがあった。
ここなら熊が近づいて来るのがわかるな…。意を決してNGS。
NGSでわざわざ見通しのいい場所を選ぶなんて初めてだ。
撃退スプレーを脇に置いて、ふぅ、すっきり。
気分爽快で残る区間をまったり走行。
あぁこんなに美しい景観だったんだなぁ、と落ち着いて風景を堪能。

山越え、

山越え、

谷越え、

谷越え、

えっちら、

えっちら、

おっちら

おっちら、

走行中、エゾシカには何度も会った。
一度、林道の先にいたやつが、進行方向に逃げていった。
こっちは普通に走っているが、相手は必死だ。
ちょっとスピードを出せば脇に逃げるかと思ったが、まだ前を走ってる。
かなりスピードが乗って来て、ようやく脇へ飛びのいた。
かなり急勾配の谷に飛び込んで行ったようだが、大丈夫だろうか…?
何箇所か海を遠望できるスポットも。
こんな山深い林道から眺める水平線は、一味違った感慨を抱かせる。
あの鹿たちも、時々海を見てるのかなぁ。

道東林道のエゾシカたち 脅かしてスマヌ

道東林道のエゾシカたち 脅かしてスマヌ

道東スーパー林道より遥か太平洋を望む

道東スーパー林道より遥か太平洋を望む

11:25、なんだかんだで全行程・約70kmを無事走行終了。
結局、ヒグマには遭遇せずに済んだ。
さて、R392に合流したが、ここから阿寒湖へ抜けたい。
地図でルートをチェック。道東第2期林道を通るのが近そうだ。
少し南下して入口を探していると、XR乗りがやって来た。
挨拶をして、しばらく互いに前後して林道を走る。
自分が先で走っていたとき、写真を撮ろうと停まったら、後ろのXRが路肩に突っ込んでしまった。すまぬ。
そんなに近づいていたとは思わなかった…。無事で何より。
お急ぎのようなので先に行かせ、距離を開けてから出発。

道東第2期林道 全線走りやすいフラットダート

道東第2期林道 全線走りやすいフラットダート

分岐近くの橋から庶路川を望む

分岐近くの橋から庶路川を望む

一時間ほどかかって二つの区間を走破。上斜路を経てR240に合流した。
少し北上して、12:30、道の駅・阿寒丹頂の里に到着。
丁度いい頃合なので昼食に。
併設された売店に入ったが、メニューの選択の幅が狭い…。
結局食べたのはとうもろこしとビーフシチュー680円。
美味しかったので満足。12:50、再出発。

道の駅・阿寒丹頂の里

道の駅・阿寒丹頂の里

ビーフシチュー (゚Д゚)ウマー

ビーフシチュー (゚Д゚)ウマー

雌阿寒岳を左手に見ながら、なだらかな登り勾配の直線路を進む。
この辺りも林道は多いのだが、日程を考えると残念だが舗装路で回らざるを得ない。
やがて峠道になり、13:30、阿寒湖に到着。

雌阿寒岳と阿寒富士を遠望

雌阿寒岳と阿寒富士を遠望

この辺りはアイヌ・コタンと呼ばれる観光スポット。アイヌの民芸品店が並んでいる。
さっそく目の前の店に入り、孫の手を購入。
…おっちゃん、その孫の手で俺のチンチンを掻こうとするの、やめれ。
なんとも、とぼけた店主だ。

阿寒湖 どうも観光地は落ち着かない

阿寒湖 どうも観光地は落ち着かない

観覧船に乗る観光客 背景は雄阿寒岳

観覧船に乗る観光客 背景は雄阿寒岳

次に向かったのは屈斜路湖。R241を東へ進む。
双湖台を越えて摩周へ。
この辺りは人気の観光地なので大型の観光バスが多く、どうしても流れが遅い。

双湖台からペンケトゥ湖を眺望

双湖台からペンケトゥ湖を眺望

14:25、道の駅・摩周温泉に到着。
暑くなってきたので、アイスを、と思ったら観光バスに乗って来た小学生の大集団が売店を占拠していた。
子供は好きだが、限度を越えた集団は苦手だ。
仕方なくオレンジジュースで我慢してすぐ出発。

道の駅・摩周温泉

道の駅・摩周温泉

すぐ脇を釧路川が流れています

すぐ脇を釧路川が流れています

途中で給油を済ませてから、R243を美幌(ビホロ)方面に進むこと約30分。
屈斜路湖畔林道の入口を見つけた。
国道に何も案内が無いのでわかりづらい。
湖畔の林間を快走。交通量がもっとあるかと思ったが誰にも会わなかった。

屈斜路湖畔林道起点

屈斜路湖畔林道起点

湖畔の林間を走り抜けます

湖畔の林間を走り抜けます

右手の木々の切れ目から屈斜路湖の湖面が見える。
ところどころ湖畔に下りる小道もあった。
釣りの形跡もちらほら。釣り竿持ってくればよかったかなぁ。
湖中から湖畔を離れて野上峠林道の区間に。
15:30、21km走行完了。

日本最大のカルデラ湖 屈斜路湖

日本最大のカルデラ湖 屈斜路湖

午後の日差しを反射して煌く湖面

午後の日差しを反射して煌く湖面

R391を経て、道道52へ。
15:50、峠道の頂上にある第三展望台に到着。
屈斜路湖と摩周湖、両方の眺望を楽しめる。
とくに摩周湖は絶景。さすがに観光客で込み合っていた。

第三展望台より屈斜路湖を遠望

第三展望台より屈斜路湖を遠望

摩周湖 霧で有名ですがこの日は快晴

摩周湖 霧で有名ですがこの日は快晴

峠を下って、16:10、摩周市街に出た。
後は、ひたすら今日のキャンプ予定地・羅臼を目指すのみ!
R243を東に進み、道道885へ。
地図に掲載されていた直線的なショートカットだ。
わずかに上下の勾配はあるが、完全な直線が何kmも続く。
信号がほとんど無い牧草地帯を、一定の開度にアクセルを保って駆け抜ける。

彼方の山々が知床半島へと続いてます

彼方の山々が知床半島へと続いてます

途中で一度給油して、17:25、標津(シベツ)の北で海沿いを走るR335に合流。
右手の海は根室海峡、その先には国後島が見えた。
北方領土って、こんなに近いのか…。
前方の知床半島は厚い雲に覆われてよく見えない。
寒々しい風景の海沿いを快走…と行きたい所だが、車列の先頭にパトカーが…。
制限速度の40kmで否応無くのんびり進む…急いでるんだけどなぁ…。。

雲行きが怪しくなって参りました…

雲行きが怪しくなって参りました…

17:55、羅臼の道の駅・知床らうすに到着。
息つく暇も無くいきなり雨が振り出した。
こりゃいかん。かなり強い雨だ。
あわててレインコートを着て、キャンプ場へ向かう。

道の駅・知床らうす 売店が閉店した直後でした

道の駅・知床らうす 売店が閉店した直後でした

18:00、羅臼町立林間広場キャンプ場に到着。
すでにかなりの数のテントが張られていた。僕も早速テント設営。
なるべく雨に濡れないようフライシートから張り始める。
テント設営が終わる頃、雨も小ぶりになっていた。
次は買い出しと温泉だ。市街地の地元スーパーでお買い物。
温泉へ向かう頃にはすっかり真っ暗。その上雨。
熊の湯という温泉を探したのだが、明かりも無い山道で一度見逃してしまった。
知床峠への道は、夜は走りたくないものだ…。
18:50、熊の湯に到着。
ここもヌプントムラウシ同様、無料の露天風呂。
混浴ではないが、野趣溢れる風呂だった。
ただ、いかんせん熱過ぎる。
凍えきった知床の地元民には丁度いいのかなぁ…。
湯船に一度ザブンと漬かって、早々に退散。

熊の湯入口 狭い駐車場が目印(翌日撮影)

熊の湯入口 狭い駐車場が目印(翌日撮影)

釣り橋を渡った向こう岸が温泉です

釣り橋を渡った向こう岸が温泉です

19:30、キャンプ地に戻ってカニのマリネを肴に晩酌。
夕食のオカズはホッケの煮付け。

マリネの酸味が体に染みる

マリネの酸味が体に染みる

丸々太ったホッケ  (゚Д゚)ウマー

丸々太ったホッケ  (゚Д゚)ウマー

外は小雨だが、それもまた趣があってよろしい。
ただ、ちょっと寒いなぁ…。明日の朝が心配だ…。



コメント

ハーイ道東、ハイ道東 — 3件のコメント

  1. はじめまして。私も今年の北海道では道東スーパー林道を
    絡めたいと思ってます。とても参考になりました。

  2. はじめまして、くにさん。
    コメントありがとうございます!
    道東スーパー林道、ひたすら長いです。
    ガス欠と熊に注意して安全第一で楽しんできて下さいねー。

  3. 道東2期林道(上舌辛〜庶路間)

    ビデオ撮影のついでに走ってきました。バイクで通るのは初めてかもしれない。入り口も忘れちゃってとぼとぼ探して発見
    看板もいいだけ廃れてきてますね。入り口付近で林…

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