峠を越え行こうよ


深夜1:00頃、雨音で目が覚めた。
朝のことを考えて少し憂鬱になったが、またすぐ眠りに戻った。
今朝も5:00起床。
北海道四日目。ちょうど休みの真ん中の日だ。
雨はやんでいたが、結構寒い。13,4度くらいかな?
温まりたかったので、朝食はマルタイ味噌ラーメン+卵。

もうおなじみのメニューですね

もうおなじみのメニューですね

濡れたテントをタオルで拭きながら撤収して7:30出発。
っと、その前に道の駅でトイレに寄った。
キャンプ場のトイレが汚いので我慢していたのだ。
特に大の方は、NGSしたくなるくらいだった。
さて、すっきりしたところで、7:50、再出発。
大雪山を目指してR39を西へ。
山奥に進むにつれ、気温がどんどん冷えてくる。
こりゃきつい。5月の東北を思い出すわぃ。たぶん10度以下。
たまらず途中の駐車スペースでフリースを着こむ。
これは終日着たままになった。
8:40、大雪ダムを左折し、R273を少し進んで銀泉台の入口へ到着。
ここから道道1162=大雪山観光道路。
フラットダートで高度を稼ぐ。

大雪ダム この下流が観光スポット・層雲峡

大雪ダム この下流が観光スポット・層雲峡

銀泉台入口 ここから15kmほどダートの山道

銀泉台入口 ここから15kmほどダートの山道

渓流沿いから林間へ。
上り勾配のワインディング。
どんどん、どんどん寒くなる…。
9:00、銀泉台到着。この先の山には雪渓が残っていた。
景観はすばらしいが、とにかく寒い。
高度は1,400m。気温は5度くらいじゃなかろうか。
とにかく暖まろうと山荘できのこ汁300円を食す。

銀泉台より、大雪山連峰を望む

銀泉台より、大雪山連峰を望む

雪渓がクッキリ 寒いぞー

雪渓がクッキリ 寒いぞー

銀泉台山小屋 大雪山への登山口です

銀泉台山小屋 大雪山への登山口です

あたたか~いキノコ汁 (゚Д゚)ウマー

あたたか~いキノコ汁 (゚Д゚)ウマー

9:30、R273に戻り、再び南下。
目も眩むような渓谷を渡り、道はかなり急な登り勾配に。
大型車は辛そうだ。
9:50、北海道の最高所の峠、三国峠着。
展望台からの絶景を、しばし楽しむ。

橋から下を見ると足がすくみます

橋から下を見ると足がすくみます

三国峠から十勝山地の樹海を眺める

三国峠から十勝山地の樹海を眺める

10:15、糠平(ヌカビラ)湖を経て、道道85へ。
幅員の狭い峠道を登って降りて幌鹿峠を越え、10:40、然別(シカリベツ)湖へ到着。
綺麗な湖だ。

道道85から糠平湖を眺望

道道85から糠平湖を眺望

これは然別湖 観光バスが何台か来てました

これは然別湖 観光バスが何台か来てました

湖を少し見て回った後、ちょっと早いが昼食。
この後は夕方まで林道へ突入する予定なので、まともな食事をできる時にしておこうと思ったのだ。
食べたのはオショロコマ寿司1050円。美味かった。

オショロコマ寿司 (゚Д゚)ウマー

オショロコマ寿司 (゚Д゚)ウマー

さすがキレイな水ですねぇ

さすがキレイな水ですねぇ

11:30、R274に一瞬合流。
長距離林道突入に備えて鹿追のホクレンでガソリンを満タンに。
さぁ、トムラウシ方面にレッツらゴー。
目指すはヌプントムラウシ温泉。舌を噛みそうな名前である。
オソウシ林道12kmにちょっと寄り道して、12:06、十勝ダムに到着。

オソウシ林道 この三叉路から先はやや荒れ気味

オソウシ林道 この三叉路から先はやや荒れ気味

十勝ダム 爽やかな風が吹き抜けます

十勝ダム 爽やかな風が吹き抜けます

さらに道道を山奥へ。12:25、曙橋へ到着。
ここでも山奥だが、さらに山奥へ。
15kmのヌプントムラウシ林道をひた走る。
分岐は多いが、案内板が必ずあるので迷わずに済む。

エゾシカの写真ゲットだぜ

エゾシカの写真ゲットだぜ

水面に映る十勝の森 美しい…

水面に映る十勝の森 美しい…

森の中を走りぬけ、ヌプン峠を越え、川沿いの道になって視界が開けてきた。
広い河原に出たと思ったら、そこがヌプントムラウシ温泉だった。時刻は12:55。
ちょうど四輪で来ていた数人の先客が帰るとこだった。
山小屋とトイレのある駐車場から、徒歩で丸木橋を渡る。
ゴボゴボと噴煙と共に湧き出す湯元の下方、川原に設えた扉すらない簡素な更衣室と小さな湯船。
設備はたったそれだけ。まさに秘湯と呼ぶに相応しい露天の混浴風呂なのだ。

秘湯・ヌプントムラウシ温泉

秘湯・ヌプントムラウシ温泉

緊急用の山小屋もあります ヒグマに注意

緊急用の山小屋もあります ヒグマに注意

せっかくここまで来たので入浴しよう。一人なので誰にも気兼ねする必要が無い♪
ただ、湯音調節のためにバルブ操作するのだが、大自然に全裸を晒すのがちょっと恥ずかしい。
名山・トムラウシが近いはずだが残念ながらここから眺めることはできない。
しかし、周囲の山林と傍らに流れる清流で雰囲気は十分。

激しく湧き出す源泉 持ってた卵を茹でればよかった

激しく湧き出す源泉 持ってた卵を茹でればよかった

ぬるめのお湯に浸っていると駐車場のほうからバイクの音が。
遠めに見ると二人連れのオフローダーのようだ。
どれ。そろそろ、あがることにしよう。入れ違いに挨拶。
むぅ…。カップルだったのか。片方は若い女性ではないか。
ここは混浴…そのまま入浴しとけば…_| ̄|○
まぁ、気兼ねなく楽しんでもらった方がいいか。そそくさと13:20出発。
っと、入れ違いにアメリカンを含む3台のバイク(♂)が御新規で到着!
カップルのその後が気になる… (*´д`)ハァハァ
13:50、曙橋まで戻り、今度はシートカチ林道へ。
さらに、秘奥の滝線を走破。
峠道なだけに勾配はきついが走りやすい。
この林道でトムラウシが遠望できた。
事前の情報通り、景観の素晴らしい林道だ。

秘奥の滝林道よりトムラウシを望む

秘奥の滝林道よりトムラウシを望む

十勝岳方面はなかなか展望が開けない 残念

十勝岳方面はなかなか展望が開けない 残念

秘奥の滝線はシートカチ林道を迂回して奥十勝林道へと続いている。
奥十勝林道へ至るまでの分岐には案内板がある。
一箇所それが無くて迷ってしまったが、幸いGPSですぐ気づいた。

秘奥の滝林道でセロー君を記念撮影

秘奥の滝林道でセロー君を記念撮影

またエゾシカがあらわれた!

またエゾシカがあらわれた!

15:00、奥十勝峠に到着。
三叉路のどの方向へ進んでも、待っているのは25km以上の未舗装林道という峠。
バンケニコロベツ林道へ進んでみたが、橋工事のため通行禁止。
しかたなく峠まで戻ってベンケニコロベツ林道を下る。
「バンケニコロベツ」と「ベンケニコロベツ」。似た名前なので注意すべし。
まぁ、どちらも30km弱の渓流沿いフラットダートで、しかも終点の位置も近いから、間違えてもあまり問題はなさそうだが。

奥十勝峠 ここでバイクが故障したら悪夢です

奥十勝峠 ここでバイクが故障したら悪夢です

バンケニコロベツ林道は橋梁工事中で通行止

バンケニコロベツ林道は橋梁工事中で通行止

さて、このベンケニコロベツ林道。
勾配もカーブも緩めで走りやすい。
視界は開けないが、沢沿いの林間をのんびり時間を掛けて下った。
途中で黒テンを見かけた。ラッキー。

これはベンケニコロベツ林道

これはベンケニコロベツ林道

『ベツ』も『川』の意味らしい

15:50、道道718に合流して林道走行終了。
オソウシ林道12km+ヌプントムラウシ往復30km+シートカチ~ベンケニコロベツ林道50km。
合計約92km。いやぁたっぷり未舗装林道を走ったなぁ。
R274に出て、16:10、道の駅・しかおいでトイレ休憩。
ついでに地元産トマトを購入。

道の駅・しかおい

道の駅・しかおい

さっき走ってきた山々は、もう地平線の彼方…

さっき走ってきた山々は、もう地平線の彼方…

さて、あとはキャンプ場を目指すのみ。
道道133を使って十勝平野を東へ。
帯広郊外の広域農道や国道を右往左往しつつ音更川を渡る。
十勝ヶ丘林道を経て、17:00ちょっと過ぎ、オサルシナイ林間キャンプ場に到着。
ここは十勝川温泉郷のすぐそばにあるキャンプ場で、予約すればバンガローも無料で借りられる。
ただ、未舗装路を数km走って来なければならないので、オンロードだとちょっと辛い。
オフ車には美味しい穴場のキャンプ場である。
まずは芝の広場で一人バーベキューをしていたおじさんに挨拶。
夕方で肌寒い中、ランニングシャツ一枚だ…。さすが地元民。
管理棟の場所を聞いて、管理人のじいちゃんのところで受付を済ませた。
テントサイトは芝生の広場だ。
広場のすぐ脇までバイクを寄せれば、目の前にテントを張ることも出来る。 
テントを張り、荷物をおいて買い出し&温泉。

十勝ヶ丘林道 キャンプ場へはここを通らねば

十勝ヶ丘林道 キャンプ場へはここを通らねば

オサルシナイ林間キャンプ場 トイレは水洗♪

オサルシナイ林間キャンプ場 トイレは水洗♪

っと、その前に明日に備えてガソリンを給油しなければ。
明日は早朝から林道へ入る予定で、GSが開業しているか不安があった。
ってわけでガソリンを求めて十勝川温泉街へ。
未舗装林道はやがて舗装路に。
途中、広大な十勝平野を一望できる展望台があった。

夕日に照らされた十勝平野

夕日に照らされた十勝平野

同じアングルで、煌く夜景も撮影しました

同じアングルで、煌く夜景も撮影しました

17:50、道道73との交差点へ。
地図に記載されていたGSに到着したが閉まっていた。
すでに営業時間を過ぎていたのか、たまたま休店日なのか。
仕方なく道道を帯広方向に進んだが、なかなかGSが見つからない。
市街地に近づくに連れ、北海道で初めて経験する渋滞にはまってしまった。
ノロノロ走って、ようやく大通りでGS発見。
買出しと給油を完了したのは18:30。大幅にタイムロスしてしまった…。
風呂は昼間入ったので夜は不要かとも思っていたが、
この渋滞で心身とも疲れてしまったので、ちゃんと入ろう。
18:50、キャンプ場に戻る途中にあった、かんぽの宿へ。
入浴料600円。30分ほど入浴。

十勝川温泉のかんぽの宿

十勝川温泉のかんぽの宿

美人の湯の効能書き これで僕も美人?

美人の湯の効能書き これで僕も美人?

19:30、真っ暗な林道を走り抜け、キャンプ場に帰還。
あのおじさんは焚火をしていた。夜なのに相変わらずランニング一枚。すげぇ。
他のキャンパーだろうか、別の初老の男性とビールを飲んで談笑している。
僕はとりあえず自分のテントへ。
「これから夕飯の準備かぁ…面倒だなぁ…」
と思っていたら、テントの外から、ランニングのおじさんに呼ばれた。
「飯、まだだろ? こっち来て一緒に一杯やらないか?」
宴会キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
焚火に行き、初老の男性にも挨拶。
「わたしもご馳走になってるんですよ、でも二人じゃ食べ切れなくてねぇ(^^」
ランニングのおじさんが次々と僕の前にご馳走を並べる。
ビールを皮切りに、鮭とば燻製・サンマ塩焼・自家製いもだんご・ジャガイモのホイル焼き。
超豪華大宴会キタ━━━ (゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚) ━━━━!!!!!!!!!!
ちょうどBBQの台があったので買出ししてきたホタテも焼いてもらった。
もう、完全に満腹。おかげで夕食は作らずにすんだ。感謝感謝!!
片付けも「そのままでいいから」と。本当に有難い…。

焚火&フライパンで秋刀魚を焼く星崎さん

焚火&フライパンで秋刀魚を焼く星崎さん

これはホタテ 安くて(゚Д゚)ウマー

これはホタテ 安くて(゚Д゚)ウマー

ランニングのおじさん=星崎さんは帯広で飲食店を経営しているらしい。登山が趣味とのこと。
「昨日、日高の方に行ったんだけどさ。
野営しようとテント張ってたら2mくらいのヒグマが現れてね。
いつものことで、ジーッと目を見続けていれば普通は去るんだ。
けど、そいつはノソノソと近寄ってきた。
目を見ながら、刺激しないようにゆっくりと片付けてたんだが、どんどん近づいてくる。
人間に興味を持ってる、こいつぁやばい奴だ、と直感した。
で、ヒグマ対策用に持ち歩いている爆竹に火を着けて、目の前に投げてやった。
大将が吃驚して近づくのをやめたんで、その隙にその場を離れたのさ。
それからそこの役所に報告して、登山は中止。
予定を変更して、いつも使ってるこのキャンプ場へ来たってわけ。
まぁそんな熊、めったにいないけどね」
むぅ。リアルな体験談は怖い…ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
林道へ入る気休めに熊撃退スプレーを購入したのだが、一笑に付されてしまった…_| ̄|○
「スプレーをのんびり待ってくれる奴なんていないよw」
明日からの林道は、ヒグマの多い道東の真っ只中…。
不安が膨らむ…。。
就寝は今夜も22:00。
北海道ツーリングも峠を越え後半へ。
空気は澄み渡り、満天の星が輝く静かな夜だった。



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