君よ知るや南の国


5:30、起床。
雨は降ってないが雲行きが怪しすぎる。洗濯物はほとんど乾いてない。
とりあえず早朝の高鍋海水浴場をちょっと散策。風が強く波が高い。
少し離れた場所では投げ竿が何本か出ていた。
一匹の猫が波打ち際まで足を延ばし獲物を探している。
人間も猫も日向灘の海の幸を虎視眈々と狙ってるわけやね。

未明の日向灘 高鍋海水浴場

未明の日向灘 高鍋海水浴場

高波にちょっとびびりながら餌探しするヌコ

高波にちょっとびびりながら餌探しするヌコ

朝食は昨晩のレタス巻きの残り。サクっと食べ終わってテントを撤収。
外に出たら大量の蚊が一斉に襲ってきた。叩いてもきりが無い。
うんざりした頃にポツポツ雨まで降り出した。
防水ジャケットを着込み、洗濯物をバッグに仕舞って、7:30出発。
この日は一日中突然の雨と強烈な日差しに悩まされることになる。

洗濯物が乾かなかった 悲しいなぁ

洗濯物が乾かなかった 悲しいなぁ

さらば高鍋キャンプ村 蚊をどうにかしてくれ

さらば高鍋キャンプ村 蚊をどうにかしてくれ

R10に出て南下。平日の朝、通勤だろうか車が多くて流れが遅い。
7:40、沿道にあったローソンでゴミ処理を兼ねて小休止。
駐車場で地元のBMW1100GS乗りと会話。
その直後、出発する際に軽自動車におかまを掘ってしまった。
本線へ合流するタイミングでフェイントを掛けられてしまったせいだが、こちらの前方不注意には違いない。
バンパーがちょいと汚れた程度で見逃してもらえたが、以後、反省して極力安全運転。
4万km走って、これまで大事故にはあってないが、ちょこちょこ小事故には遭ってるんだよなぁ…。
これからも気をつけよう。
8:05、270円を支払って、有料の一ツ葉道路へ。
国道の渋滞を避け、海岸沿いを快走…と言いたいところだが、天候が荒れ気味でいまいち。
時々思い出したように雨が降り、風も強めで灰色の空。南の海のイメージから程遠い。
シーガイアをスルーして、宮崎市街を後にした。

一ツ葉道路 右に見えるのがシーガイア

一ツ葉道路 右に見えるのがシーガイア

天気はいまいち 海は荒れ気味

天気はいまいち 海は荒れ気味

8:35、大淀川を渡ってR220に合流してさらに南下。
8:55、青島に到着。…っと、ここで物凄い豪雨。歩道橋の下にバイクを停めて雨宿り。
少し勢いが収まったところで、折り畳み傘とレインハットで武装して海岸へと歩いた。
海水浴場の看板には「太陽と遊ぼう」と書かれていたが、ぜひ遊びたいものだ。
弥生橋を渡って青島へ渡り、周囲の奇観・鬼の洗濯板に近づいてみる。
よく見ると表面は亀の甲羅のような模様をしていた。
それが規則正しく洗濯板状に並んでいる。
このような地形がここから南、日南海岸に数km続いているそうだ。

青島海水浴場 太陽さえ出てればなぁ

青島海水浴場 太陽さえ出てればなぁ

弥生橋を渡った先が青島です 空が暗すぎ

弥生橋を渡った先が青島です 空が暗すぎ

鬼の洗濯板 水成岩の隆起と波蝕による波状岩

鬼の洗濯板 水成岩の隆起と波蝕による波状岩

近づいてみると亀の甲羅みたいな模様です

近づいてみると亀の甲羅みたいな模様です

散策から戻る頃になって、ようやく晴れてきた。
9:25、出発。R220=日南フェニックスロードで日南海岸を南下。
素晴らしい海岸沿いの快走路である。
9:30、海を見ようと道の駅・フェニックスに立ち寄った。
高台から見下ろす日南海岸は、独特の地形と美しい海原の絶景だ。
海沿いの道は飽きがちなのだが、この道は最後まで飽きなかった。

日南海岸 波状岩がどこまでも続く…

日南海岸 波状岩がどこまでも続く…

道の駅フェニックス …なぜ不死鳥?

道の駅フェニックス …なぜ不死鳥?

さらにR220を南下。風景も太陽も、いかにも南国な雰囲気に。
これまでの曇天が嘘のような強烈な日差しだ。殺気まで感じさせる。
この後も時折雨が降ったが、スコールと呼ぶに相応しい一瞬の豪雨ばかりだった。
鵜戸神宮をスルーし、10:25、南郷でR448に接続。さらに海岸沿いの国道を進む。
10:30、道の駅・なんごうで小休止。洗濯物をリアバッグに干し直す。
ここのまぐろ丼を食べたかったのだが、食事は準備中だったので諦めた。

道の駅・なんごう トロピカルですな♪

道の駅・なんごう トロピカルですな♪

洗濯物を乾かしながらセローは走り続けます

洗濯物を乾かしながらセローは走り続けます

10:40、出発。この辺りの海も、これまた素晴らしかった。
まぶしい太陽、真っ青な海、白い入道雲。
海沿いの道として、日本でも屈指のツーリングルートだと思う。
潮風が余りに気持ち良く、ついついジャケットを脱いで走ってしまった。
日焼けした両腕には、Tシャツとグローブの境界線がクッキリ描かれることとなる。

入道雲が生まれるのはここだったか

入道雲が生まれるのはここだったか

なんか叫びながら走りたくなりません?

なんか叫びながら走りたくなりません?

恋が浦 ロマンティックな地名ですな…

恋が浦 ロマンティックな地名ですな…

11:10県道36号=都井岬線、通称あじさいロードを左折。
牛馬保護協力費100円を払って、都井岬へ向かう。
この岬一帯には御崎馬と呼ばれる野生馬がいるらしいのだが、会えるのかなぁ…。
と思った矢先、いきなり道端に親子三頭の馬登場。すぐそこで草を食んでいる。
うむむ。こんなに間近に見られるとは思わなかった。

県道都井岬線 通称あじさいロード

県道都井岬線 通称あじさいロード

野生馬の親子も仲良しこよし

野生馬の親子も仲良しこよし

11:20、夕陽の広場駐車場には何頭もの群れがいた。
人間に慣れているらしく、観光客が近づいても逃げる気配が無い。
道路にも駐車場にも、そこかしこに馬糞が落ちてるので要注意。
それにしても暑い。暑すぎる…。

御崎馬 ハーレムと呼ばれる集団を形成してます

御崎馬 ハーレムと呼ばれる集団を形成してます

あぢぃ…道産子連れてきたら失神しそう

あぢぃ…道産子連れてきたら失神しそう

さらに11:30、都井岬灯台まで走ってみたが、灯台へ登るのは止めといた。
入場料150円が惜しかった…わけではなく、階段がきつそうだから。
えぇ、ヘタレですよ、あたしゃ! …ってことで、宮崎県の最南端からUターン。

水平線に微かに見えるのは大隈半島かな

水平線に微かに見えるのは大隈半島かな

北側の展望 何気に雲が低く垂れ込めてますね

北側の展望 何気に雲が低く垂れ込めてますね

さて、ここいらで昼食を済ませておくか。
…と、食事処を探してみたが、店が限られてしまう。
結局、都井岬観光ホテルの2Fにあったレストラン黒潮へ。
11:45、席についてしばらくしたら、外で凄まじいスコールが降リ始めた。
洗濯物はあらかた乾いていたのでバッグの中に仕舞ってある。
まぁ雨を気にするのは後にしてとりあえず飯。
注文したのは魚瀬汁(魚のアラ汁)と刺身のセット1400円ちょっと。
味は…うーん、まぁまぁかな…。

都井観光ホテル 南国情緒たっぷり

都井観光ホテル 南国情緒たっぷり

魚瀬汁と刺身のセット まぁまぁでした

魚瀬汁と刺身のセット まぁまぁでした

食事を終えて、バイクに戻る頃にはすでに雨は止んでいた。
地面も乾き始めている。丁度いい打ち水になったようだ。
12:15、出発。ここの駐車場でどうやらタオルを落としたらしい。
モンベルの速乾タオルで気に入っていたのだが残念…。
海岸沿いの悪路を経て、駒止めの門を潜り、県道454経由でR448に再び合流。
串間市街を抜けて、12:50、ついに鹿児島県に入った。
志布志湾をぐるりと巡って大隈半島へ向かう。
それにしても暑い。市街地が続き交通量も多く、とにかく暑い。
13:00、たまらずローソンで小休止。アイスでも食べよう。
…? ウェストバッグに財布がない!! 落としたか!?
と、かなり本気であわてたが、パンツの後ろポケットにあった。
こういうトラップはダメージがでかすぎるよ…。 orz
鹿児島名物・白熊アイスを食べて人心地が付いた。フルーツとミルクの甘味に癒される~。
今回は鹿児島市の天文館むじゃきまで行く余裕がないので、これで我慢我慢。
13:25、道の駅・くにの松原おおさきでペットボトルに水を補給。
さぁ、いよいよ大隈半島だ。

鹿児島名物のアイス しろくま

鹿児島名物のアイス しろくま

最近は全国で売られてますが…

道の駅・くにの松原おおさき

道の駅・くにの松原おおさき

志布志湾の南を縁取る大隈路=R448は断崖の上を行く道だった。
地形がどことなく青森の下北半島を思わせる。
もちろん植生も気候も違うのだが、最果ての地は似た雰囲気を醸すのだろう。
我ながら、ずいぶんと遠くまで来たものだ。

大隈の山々が待ち構えております

大隈の山々が待ち構えております

大隈半島海蔵付近から都井岬方面を望む

大隈半島海蔵付近から都井岬方面を望む

14:10、内之浦の市街地で右折。14:15、大谷添林道の起点に到着した。
ここからは大隈半島内陸部の林道群をつないで、本土最南端・佐多岬を目指す計画である。
最近の情報を得られなかったので不安は残るが、まぁとりあえず行ってみよう。
大谷添林道は沢沿いのフラットダートで走行には支障なし。
尋常でない植物の繁り方は、まさに密林。
トラとか狼とかいるんじゃないか? とさえ思えてしまう。
九州のツキノワグマは絶滅したと言われてるが、何か別の野獣がいるのでは…。

大谷添林道 沢沿いのフラットダートです

大谷添林道 沢沿いのフラットダートです

亜熱帯性の常緑広葉樹林が広がります

亜熱帯性の常緑広葉樹林が広がります

峠から先は姫門林道という名の舗装路に変わる。
前途に暗雲が立ち込め、湿気を含んだ横風が吹き付ける。
とはいえ、すぐに雨が降り出すわけでもなさそうだ。
14:45、県道542に出て、まずは一本目クリア。

峠の境界 そのうち全線舗装されるのかなぁ…

峠の境界 そのうち全線舗装されるのかなぁ…

嫌な感じの雲 この後の運命を予感させます

嫌な感じの雲 この後の運命を予感させます

県道を左折して湯之谷温泉で分岐を右折。
道なりに進んで、15:00、荒西林道の起点に到着。
この林道も沢沿いのフラットダートだ。北海道の幅広ダートを髣髴とさせる。
砂利が浮き気味だったり、路面の一部がガレだったりする区間もあるが、基本的には無問題。
楽勝楽勝、とアクセル開け気味で快走…してたのだが、調子良いのも峠までだった。

荒西林道 東側区間は超フラット

荒西林道 東側区間は超フラット

少しのガレもスパイス程度です

少しのガレもスパイス程度です

15:20、万久郎林道との三差路を過ぎると路面は水が流れるガレ場に一変した。
水が路面全面を覆いつくして流れている区間もある。もはや川と呼んでも過言ではない。
石の大きさは小さめだが、火山性で地質が脆いらしく不安定極まりない。
朝から洗濯物の出し入れで荷物のバランスが崩れていたので、一度、荷を解いて積みなおした。
それにしても峠からこっち、轍の痕跡がないのが気になる…。

This is not a river but a road.

This is not a river but a road.

もうちょい穏当な林道だと思ってたんですが…

もうちょい穏当な林道だと思ってたんですが…

嫌な予感を抱きながら下ってゆくと、15:35、ついに現れた深い溝。
端っこに一本橋の幅程度の僅かな路面を残して、大きくえぐられている。
えぐれはその僅かな路面の下部半ばまで達しているらしい。
さて、どうしたものか。地図を見ると残る区間はあと3km程度。
バイクを降りて溝の先を偵察してみたが、ふむ、行けそうだな。
残った路面も人が乗った程度ではビクともしない。よっしゃ、行くか。

セローと比べると溝の規模が実感できます

セローと比べると溝の規模が実感できます

この右側のとこ、通れるじゃん、ねぇ

この右側のとこ、通れるじゃん、ねぇ

サイドバッグからやおらナタを取り出し、ルートの脇に生えている雑草や低木を除去。
数分の作業の後、少し路面の幅を確保したところで、慎重に通過…成功!
緊張から開放されホッと一息。最大の難関をクリアした。
後は終点までまったり下ろう…と、視線を上げた瞬間飛び込んできた、信じられない光景。

ナンデスカ、アノ崖崩レ…???

ナンデスカ、アノ崖崩レ…???

真正面の山肌に大規模な崖崩れ発見。
斥候では近場にばかり気をとられ、完全に見逃していた。
一応そのまま直進して、数百mで現場に到着。時刻は15:45。
安全な地点にバイクを止め、徒歩で偵察してみたが完全に通行不可。
トライアル車で1m四方の岩塊をヒョイヒョイ登れるなら行けるかも知れないが、僕にはとても無理!
Uターンである。再びあの一本橋である。川みたいなガレ場である。しかも今度は登りである…。

荒西林道 西側区間は崖崩れで通行不可

荒西林道 西側区間は崖崩れで通行不可

あぁ…終点まであと少しなのになぁ…

あぁ…終点まであと少しなのになぁ…

幸い転倒などのアクシデントは無かったが、ヘロヘロにくたびれ果ててしまった。
往路では快走したフラットダートも、トコトコ安全運転で進むのに精一杯。
県道と湯之谷温泉の分岐に戻ってきたのは16:25。あぁ疲れた…。
まだ計画した林道は消化してないが、この通行不可で時間が無くなってしまった。
R448を使い、オンロードで佐多岬を目指すよう計画変更。
というか、さっきの悪路で今日はもうお腹一杯…。
16:30、岸良でR448を右折。
海沿いから山中の道になると、工事している区間も多かった。信号に妨げられながら西へ西へ。
16:50、荒西林道の西側分岐も通りすぎた。迂回に約1時間も掛かったのかぁ。
17:00、田代のGSで給油を済ませ、県道との交差点にあったスーパーで買出し。
そのまま県道68号を左折。佐多へ向かって二車線の快走路をひた走る。
17:45、県道564号とのT字路を右折。
頂を雲に隠した開聞岳を眺めつつワインディングを下って、17:50、佐多の市街に到着した。
Aコープがあったので足りないものを再び買出し。ついでに洋品店でタオルも購入した。
キャンプ場はもうちょっと先。ここからさらに県道68号を南へ進む。
佐多岬ロードパーク料金所の脇道を抜けて、18:25、大泊野営場に到着。
本土最南端にある無料のキャンプ場である。管理棟も無くキャンパーも今日は僕だけのようだ。
明るいうちに、早速、テントを設営。海風が強いが、涼しいので歓迎しておこう。

大泊野営場 本土最南端のキャンプ場

大泊野営場 本土最南端のキャンプ場

キャンプ場は穏やかな湾に面してます

キャンプ場は穏やかな湾に面してます

テントを張り終えてから、200mほど離れた場所にある町営の宿泊施設ふれあいセンターへ。
「お風呂だけ入れますか?」と尋ねたらOKとのこと。300円を支払って浴場へ。
電気も消えて誰もいない。まぁいっか。誰にも気兼ねなく一日の汗を流した。
風呂から上がった頃にはすっかり夜。

佐多岬ふれあいセンター 入浴300円(翌朝撮影)

佐多岬ふれあいセンター 入浴300円(翌朝撮影)

テントに戻ったところで晩酌開始。風が気持ち良いので、外のベンチにしよう。
今日の突き出しは薩摩揚げにプチトマト。
それらをツマミに飲みながらニラと豚肉(鹿児島黒豚)を調理開始。
まずはニラのおひたし。茹でて絞ってカツオ節醤油で、はい、完成。
続いてニラと豚肉の塩コショウ炒め。
下味を付けた豚肉を軽く炒めたところに、キッチンバサミでニラを刻んで投下。
ジャンジャカ炒めてこれも完成。あぁ、ビールも焼酎もうめぇなぁ。

本日の晩酌&夕食メニューでございます

本日の晩酌&夕食メニューでございます

ニラ御浸し&豚肉ニラ炒め (゚Д゚)ウマー

ニラ御浸し&豚肉ニラ炒め (゚Д゚)ウマー

酒を飲みながらボーっと満天の星空を見ていたが、なんか変だ。
「北斗七星って、あんなに低かったかな?」
時間と季節で見える位置が変わるのは分かってるが、どうも違和感を覚える。
さらに柄杓の先端を延ばして北極星を確かめた。…むむぅ、北極星も低い気がする。
この辺りの北緯は約31度。東京の辺りは北緯35度。
その4度の差が影響しているのか、それとも旅先での思い過ごしか…。
「そろそろ米でも炊くか」
グッと酒を煽って視線をベンチの上の食器に移す。
と、虫の気配。
ふっ、ごめんな、邪魔させてもら…ん?
よく見ると…小さなゴキブリ!? そしてフナムシ!!!
(((( ;゚Д゚))) あわわ、夢のツートップがテントの中にまで入ってる!!!
豚肉の空きトレイは赤アリの大群がっ!! わっ、連中もテントにっ!?
…南国、恐るべし…_| ̄|○



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