やっぱあまり熟睡できずに朝を迎えた。
朝食は卵を落とした味噌ラーメン。あと単品の納豆。
3パック一組で買ったから納豆がどうしても続いてしまうのだ。
朝ごはんを食べ終わったら、ちゃっちゃと撤収。
6:50、バイクに荷物をくくりつけて出発。
展望台は早朝にも関わらずアマチュアカメラマンが何人も訪れていた。
まず向かったのは林道方丘線。
昨日、塩尻峠から高ボッチ高原まで来る途中に偶然見つけた林道だ。
分岐地点に簡単な地図があり、松本方面に抜けられるらしいので行ってみる事にした。
復員はやや狭いが路面は走りやすい約5kmの林間の未舗装路。
今回は本線のみだったが、支線があちこちにあった。
全てチェックしたら、結構時間がかかりそうだ。また来よう。
林道の出口は崖の湯温泉の近くの舗装路だった。
さぁ、これで今回の林道は終了、あとは糸魚川を目指すのみ。
山麓を市街地方面に下り、奈良井川を渡って松本空港を横目に見つつ、西から北へ方向転換。
松本から穂高まで国道の混雑を避けるために選んだのは安曇広域農道。
左手に穂高連峰の山壁の威圧感を感じながら一路快走。
8:20、道の駅・ほりがねの里でトイレ休憩。
順調に広域農道を北上し、穂高を過ぎた辺りで右折。
しばらく東に進んで、北アルプスパノラマラインに合流。
信濃川水系の高瀬川沿い、やや上り勾配のまっすぐな道を北上。
高瀬川は水源で大雨でもあったのだろう、かなりの濁流だった。
帰路を考えてもどうも時間的に余裕がありそうだ。寄り道しながらのんびり行こう。
8:50、道の駅・まつかわで小休止。さすがにだいぶ暑くなってきた。
自動販売機で売っていた「信州・安曇野の手摘みトマトジュース」で喉を潤す。
国道147号線=糸魚川街道に合流。
大町市街を抜け、仁科三湖の脇を通り、信濃川水系からいよいよ糸魚川水系に…
ん?
そうだ、昨夜地図を確認して判明した驚愕の事実を忘れてはならない!
「糸魚川」という川は無いのだ。
新潟県糸魚川市で日本海に注いでいる川は姫川という川である。
恥ずかしながら一日目の※5の認識が甚だしく間違っていたことをここに明らかにせねばなるまい。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※5間違い!
というわけで、トンネルを潜って信濃川水系から姫川水系へと分水嶺を越えた。
9:30、峠を下ったところで、右手に姫川源流湧水の看板を発見。
バイクを道端に停めて空のペットボトル片手に水源の森を散策。
雨が降った直後のようで、森の中は湿気が充満してマイナスイオンたっぷり。
冷気溢れる源流のせせらぎに癒されつつ、ペットボトルを冷た~い銘水で満たした。
で、少し北上して道の駅・はくばでまた休憩。
かなり暑くなってきたので、ブルーベリーのソフトクリームで一服。
駐車場にはキャンプ道具を積んだバイクもちらほら。
やっぱ夏だなぁ~。
白馬から先は車の量もやや多くなってきた。
姫川沿いを車列に紛れてR148を一路北上。
小谷のトンネルをいくつか抜けて…またまた道の駅へ寄り道!?
大型車の後ろで詰まってしまい、排気ガスとノロノロ運転で暑くてたまらなくなってしまったのだ。
それをやりすごそうと、道の駅・小谷に逃げ込んだ。
ついでにお土産を少し購入。
名物の蕎麦も半盛が注文可能だったので冷たいやつを軽く胃に流し込んだ。
国道をさらに進むと姫川温泉の標識が。この辺りはもう新潟県内だ。
国道を離れて川に面した集落へ降りてみた。
1995年に大水害が襲ったせいか、心寂しい温泉街である。
轟音を立てて流れる濁流が少し痛々しい。
国道に戻って先を進むと、長い長い連続する雪よけの洞門(シェルター)が。
地図によると延々数キロ続いているらしい。
右手を流れる姫川も柱の隙間から垣間見えるのみ。
圧迫感を覚えつつ走り続けて、ようやく太陽の下へ!!…って暑いよ…。
11:40、糸魚川市のフォッサマグナ・パークに到着。
フォッサマグナの地質の違いを、散策しながら実際に見て学べる公園らしい。
いよいよフォッサマグナ探訪の旅も佳境に入って来た!
歩道沿いに剥き出しの岩盤がちらほら。
丁寧な解説のパネルもついていて分かりやすい。
数100mほど歩いて右手の階段をフウフウ言いながら降りると、糸魚川-静岡構造線の断層露頭があった。
この公園のパネルで分かったこと…それは
中央構造線はフォッサマグナではない、というさらなる事実だ。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※4間違い!
一般にフォッサマグナとして知られているのは正確には「糸魚川-静岡構造線」とのこと。
僕が通ってきた中央構造線は三河湾方面に折れ、伊勢を抜け西日本を横断する断層であり、
天竜川は途中から分岐する赤石構造線沿いに太平洋へ注いでいる。
つまり昭文社ツーリングマップルのコメントのように中央構造線をフォッサマグナと呼ぶのは文字通り筋違いだったのだ!!
( ゚Д゚)ノ ハイ、※3間違い!
では「糸魚川-静岡構造線」とは?
姫川から高瀬川~諏訪湖までは僕の理解で正しかったが、その先が違う。
小淵沢から鳳凰山の東を通り富士川水系の早川を経て安倍川を南下し駿河湾へ抜けるのが正しい経路である。
事実、山梨県内の何箇所かで断層露頭が見られるらしい。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※2も間違い!
なんということだ…自分の無知がこうも白日の下に晒されようとは。_| ̄|○
フォッサマグナについて、僕はまるで何も知らなかったと言えよう…。
駐車場に戻り、ベンチに座って汗を拭きつつ、姫川水源湧水を飲んで頭を冷やした。
さらに続いて訪れたのは糸魚川市郊外のフォッサマグナ・ミュージアム。時刻は12:30過ぎ。
上に書いた事実の確認のためにやってきたのだが、ヒスイや化石・鉱物の展示が多い。
フォッサマグナそのものについてのものは思ったより少なかったが、それでも新たな事実を知った。
フォッサマグナは線ではない。面なのだ。
糸魚川-静岡構造線はフォッサマグナの西端の境界線に過ぎない。
新発田ー小出構造線と柏崎ー千葉構造線を東の境界線として、挟まれた区域をフォッサマグナと呼ぶのが正しい。
大地溝帯と訳される通り、まさに帯というわけだ。
( ゚Д゚)ノ ハイ、※1も大間違い!
これは知らなかった人が多いだろう。
僕もここに来るまでは「フォッサマグナ=線」と疑いもしなかった。
この誤解を改めることができただけでも、今回のツーリングは価値があったのだ。
たとえ、結果的にフォッサマグナを辿ってなかったとしてもさ…(ノд・、)開き直らせてよ…
博物館の係員に直接話を聞いてみたかったが、今日は休みで不在とのこと。
残念だが、もろもろの疑問は解消できた。よしとしよう。
最後に旅のけじめとして、姫川の河口へ。
濁流がそのまま青い日本海に豪快に飲み込まれていく様は空恐ろしくもあった。
先日の新潟・福島の水害を思い出してしまう。
日本という大地が生きていることをまざまざと見せ付ける血潮のようだ。
帰路に着く前に昼食。銭形というお店で豚重1250円を食す。
往路の東名で食べた吉野家の豚丼280円を思い出し、ニヤニヤしながらその違いを噛み締めた。
念のため、糸魚川市街の自転車屋でオイルを交換してもらってから北陸自動車道・糸魚川ICへ。
東京まで300kmという距離だったが、それほど苦痛も感じることなく19:00には帰宅できた。
いやはや、予想外の結果に終わった今回のツーリング。
フォッサマグナの何たるかを知ることが出来て結果的には満足である。
そして何より、本(地図)に書かれたことを鵜呑みにしちゃあ駄目、ってことを実感できたのが最大の収穫だ。
って、林道情報とかでも前から散々思い知らされてたな。
鵜呑みにしちゃ駄目だって。
はじめまして。
全く別の事項を検索していた折り、この一連の記事に辿り着いたものです。
自分はバイクは全く運転できませんが、車で迷走するのは大好きなので、
マップル片手にドライブ気分に浸りながら、記事読ませていただきました(・∀・)
自分もフォッサマグナ=線だと思ってました…新潟県民なのに恥ずかしいorz
今度フォッサマグナミュージアムに行ってみたいと思います。
補足ですが、自分が所持しているマップル(2007年度版?関東甲信越
・静岡・福島)には、記事冒頭の注釈?は載ってませんでした…
昭文社も気付いたのか?
ちょっと残念ですw
これからも怪我に気をつけて下さいね。
いろんな所へ出かけられるのを、楽しみにしています。
>>藍さん
コメントありがとうございます~!
楽しんでいただけたようで何よりです!
マップルとツーリングマップルでは記述内容が異なるんでしょうけど、
もしかしたら気づいたのかも知れませんねー。
今度、ツーリングマップルもチェックしてみます!