ワイルドで行こう・後編


イワナか、塩飯か。それが問題だ。
塩以外にご飯の味付けになりそうなのは鰹節や五目寿司の素(これはお手軽な朝飯用)、醤油、味噌…。
オカズを買いに人里まで戻るにはあの林道を往復せねばならないがそれだけは避けたい。。
ここは何としてもイワナを数尾は欲しいところ…。
イワナ狙いにしては広めの川だが、攻めるべきポイントは比較的はっきりしていた。
ミャク釣りで瀬に沈んだ石陰を丹念に探る。

いつになく真剣なM氏

いつになく真剣なM氏

三重泉沢の目印 二段の堰堤

三重泉沢の目印 二段の堰堤

竿を出して10分ほどだろうか。
下流の方でM氏が一匹ヒットさせたようだ。
「おっ。ちゃんと魚いるのね」
と期待を膨らませて数分。こっちにもキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
手元にまで感触が伝わるアタリにアワセて、一気に抜け上げて見れば待望のイワナだ。
15~16cmと小柄だが充分キープサイズ。
イワナは環境に寄って色が違う魚なのだが、ここで釣れたのは白斑が判別しにくい銀色の魚体。
鱗が太陽の光を照り返しキラキラと輝く。日本の渓流魚は本当に美しいなぁ…・。

食べちゃいたいほど綺麗な魚体

食べちゃいたいほど綺麗な魚体

それから日が暮れるまで数時間。
釣り場が限られているため、時々休ませながら二人で糸を垂らし続けて…

ツマミ&オカズ 十分確保!!

ツマミ&オカズ 十分確保!!

キャンプの王道!焚火DEイワナ

キャンプの王道!焚火DEイワナ

15~20cm前後のサイズで丁度食べごろ♪
手馴れた手付きでハラワタ・エラ・血合いを取って下ごしらえ完了。
岩手のウメネコ夫妻に教えてもらったBBQ用着火剤で焚火も簡単に起こせた。
早速、乾杯! ビールはM氏が半分分けてくれた。ありがたや~(つ∀T)
薪とイワナの面倒をみながらチビチビ飲む。
日が暮れてから、さすがに冷えて来たので焚火が嬉しい。
昼の間に集めておいた薪が途中でなくなったが、周りにいくらでも枯れ枝・流木が落ちてるので無問題。
少し歩き回れば、追加分を簡単に補給できた。

遠火でじっくりあぶりましょう

遠火でじっくりあぶりましょう

釣りたてイワナの塩焼き (゚Д゚)ウマー

釣りたてイワナの塩焼き (゚Д゚)ウマー

焼きあがった岩魚は塩加減も丁度よく、ツマミに持って来いだった。
小柄なので骨も柔らかく気にせずに食べられる。美味い美味い。
ついでに米も焚火で炊いたのだが、こっちは失敗。
えらいゴワ飯になってしまって喉をなかなか通らない。
M氏「頭痛い…」
むむ。M氏の持病の頭痛らしい。疲労か風邪か、とにかく早く休むに限る。
いつの間にか周りの気温も下がって、吐く息が白くなっていた。
日本酒も用意していたのだが、僕もすでにかなり眠かったのでご飯を食べ終わったとこで宴はお開き。
余ったイワナは塩をまぶしてジップロックに入れて保存。朝までなら持つだろう。
焚火もヘッドライトも消して空を見上げると、満天の星々に圧倒される。
NGSして21:30就寝。
…23:00過ぎ、尿意を催して目が覚めてしまった。
外に出たらものすごく明るい満月。月明かりだけで周りの様子が十分分かる。
トイレを済ませてシュラフに戻ったが、野鳥だろうか、周囲のキューンキューンとうるさい鳴き声でなかなか寝付けず。


翌朝。朝マズメを狙うなら暗いうちに起き出さねばならないのだが、二人とも疲れていた。
昨日の釣りでかなり満足していたので、わざわざ早起きすることもないだろう。
4:00くらいにはすでに外は明るくなっていたが、テントから出たのは5:30くらい。
M氏は焚火を起こしてからちょっとだけ釣り。僕は少し片付けをしてから朝食の支度。
昨夜の失敗を反省し、ガソリンストーブで炊飯。完璧には程遠かったが昨夜よりはましに炊けた。
M氏の方はどうやらアタリすら無かったようだ。五目寿司の素を混ぜて、塩イワナを焚火で焼く。
ちなみに飲み水は沢の水をペットボトルに入れてがぶ飲み。ワイルドだけど危険だから真似しないように。

朝食の様子 炊いた御飯を取り分けてます

朝食の様子 炊いた御飯を取り分けてます

一晩置いたイワナは、いい感じに塩が染みてこれまた美味しかった。
イワナの胃袋を炒めたやつは、一緒に保存していた魚体のヌメリが残ってしまい、生臭すぎて失敗。
食後、テントをたたんで荷物をまとめ、いつでも帰れる状態にしてから最後の釣り。
一時間ほど竿を出し、二人ともに一匹ずつ釣り上げて納竿。ちょうどいいお土産になった。
今回の釣果…M氏:イワナ10匹+ハヤ3匹、塩犬:イワナ5匹
M氏はさすがに年季が違う。僕は5匹でも十分満足。いい釣りだった。
さて、撤収。天気予報は曇りのち雨なので降られる前に東京に帰りたい。
荷物を持ってバイクへ向かう。…ん? M氏がなんか見つけたようだ。

肉食動物の糞…??

肉食動物の糞…??

カモシカの体毛とか混じってるから肉食動物に違いない。。熊だろうか…??
もしや、その縄張りでテントを張っていたということに…ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
9:00。荷物を積んで、あの悪路を戻る。
日曜日なので登山者や釣師を時々見かける。物好きが多いなぁ。
一人の登山者を徐行で追い抜いたところで例のゲートに到着。
「今度は失敗しないぞ」と脇を駆け上がって無事クリア。
振り返ってM氏の通過を写真に収めようとしたその時っ!!!
登山者が手でゲートを開けて通過してる…。。。
昨日の転倒はなんだったのだ…レバー折り損のくたびれ儲け…。
今度からはちゃんとゲートが開くかをチェックするようにせねば。。

実演するM氏 こともなく開くゲート…

実演するM氏 こともなく開くゲート…

ついでに例の難所をクリアするM氏

ついでに例の難所をクリアするM氏

転べーっ

その後も相変わらずの悪路だったが問題なく走行。
やがて林道は舗装路になり、R120へ合流。
沼田IC方面に進んで、最初にみつけたGSで給油。
ここで入れておけば東京まで十分持つ。
っと給油しているおじさんが話し掛けてきた。
GS「どこか走って来たの?」
塩犬「平川の林道を走って、上流でキャンプして釣りしてきました」
GS「へぇ~どの辺? トンネルいくつ超えた?」
塩犬「かくかくしかじか」
GS「あぁ~三重泉(さんじゅっせん)前だね、で釣れた?」
塩犬「自分がイワナ5匹、後ろの人が10匹(^^」
GS「えぇ~??あんなとこでそんなに?」
後から給油したM氏との会話もまとめてみると、あのキャンプした場所はまだまだイワナ釣りの入り口に過ぎないらしい。
自宅に戻ってWEBでも調べてみたところ、林道の先には廃村があって、そこから本格的に渓流遡上するのが一般的のようだ。
また三重泉沢も、あの堰堤の上流をずーっと遡ってからが、ようやく本当のポイントらしい。
WEB上の釣行記を読むと、みんなザイルで滝を登ったり、荷物を背負ってゴルジュを泳いだり…。。
林道ツーリングのレベルでは無理だっつーの。
いやはやイワナ狂への道は遠い。。
10:30。ちょっと早めの昼食だが、インターの手前で蕎麦&この辺の名物・焼き饅頭を食べてから関越道に。
ここまで来ればあとは東京まで走るだけ。
と思ったら、埼玉に入ったあたりから雨。
今回もまた、同じコースに雨男がいたようだ。困ったものである。
東京に近づくに連れ、かなり強く降ってきた…。
6月6日に雨ざぁ~ざぁ~降ってきて~♪
って、かわいいコックさんでも描くつもりかっ!!!
ちなみにその日、関東地方の梅雨入りが宣言された。
キャンプツーリングしにくいシーズンの到来。
まぁいつも雨に降られてるって人は、あんまり影響ないかも知れない。



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