前回の投稿の最後で触れましたが、7月21・22日に開催された高知県香南市赤岡の絵金祭りに行ってきました。
「絵金」とは江戸末期から明治初期に活躍した絵師・金蔵の愛称です。
狩野派を修行し、土佐藩家老のお抱え絵師として召抱えられましたが、
贋作事件に巻き込まれて所払いとなり、流浪の末、赤岡の地に定住しました。
町の人々に請われて芝居の看板=芝居屏風絵や提灯絵馬などを描き、飲み代にしたそうです。
それらの作品は赤岡の家々に代々伝えられてきましたが、
作品の劣化を防ぐため普段はレプリカだけを公開しています。
実物が観られるのは年に一度、祭りの晩だけ。それがこの絵金祭りなのです。
今回はバイクではなく、羽田から飛行機で高知までひとっとび。
宿を取った高知駅からJR・土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線を乗り継いで赤岡へ。
このごめん・なはり線は、香美市出身の漫画家・やなせたかし氏デザインのキャラクターが各駅にいます。
あかおか駅は「あかおか えきんさん」。なかなか可愛いキャラクターです。
弁天座という劇場では祭りのある二日間、地元の有志による歌舞伎が無料で上演されます。
演目は勿論、絵金の作品に関連したもの。
今年は「蘆屋道満大内鑑・葛の葉子別れの段」と「義経千本桜・道行の段」でした。
絵金の作品が展示されるのは午後7時から。
当時からの伝統で、日の暮れ行く家々の軒先に蝋燭の明かりだけで飾られます。
写真撮影や三脚の使用は許可されてますが、フラッシュ・照明は禁止。
絵金の作品は血しぶきなどのおどろおどろしさが特徴の一つですが、
揺らめく灯火に赤や緑の色が映えて、一層凄みを増します。
絵金の作品には、細かなところに「クス」っと笑えるようなユーモアも仕込まれています。
例えば次の作品。芝居の粗筋は赤穂浪士のお話で、
四十七士の一人・寺岡平右衛門(寺坂平右衛門)が
打ち果てた大星由良之助(大石内蔵助)親子の位牌を遺族に手渡す涙の場面。
しかしこの位牌、明らかにシルエットが男根です。
また、次の作品では間の抜けた表情の子供たちが下半身丸出しで描かれています。
この場面は芝居でも笑える場面だそうですが、その様が想像できそうですね。
描かれている内容を詳しく知りたい人にために、専門家による路上解説も行われました。
芝居の粗筋や絵の見所を詳しく語ってくださったのは高知県立美術館の後藤学芸員さん。
二晩とも聴講させていただきましたが、とても分かりやすかったです。
(余談ですが素敵な美人さんでした)
作品の展示は夜9時までですが、野外ステージで音楽の演奏もあったり、
露店も沢山出ていて、普通に夏祭りとしても楽しめます。
ここ赤岡は、酒一升を飲み比べする「どろめ祭り」でも有名ですが、
さすがに皆さん飲みっぷり・酔いっぷりが凄いです。
そのうち焼きそばサイトの方で紹介しますが、
私はいづみ屋さんという店を再訪して焼きそばと豚平焼きを味わって来ました。
※7/30 いづみ屋食堂さんの記事を公開しました。
ところで今年の絵金祭りでは、毎年展示されていた作品のうち5点が欠けていました。
詳しくは高知新聞の特集ページに書かれていますが、
2010年に熊本市現代美術館に貸し出した際、薫蒸作業のミスで変色してしまい、
3年掛けて修復する予定だそうで……無事復活することを遠くから願っております。
……また行きたいなあ。
こんにちは、ネジ屋です。
いよいよ次回のオフ会について健さんのHPに告知を
いたしました。
日程の御検討よろしくお願いいたします。
>>ネジ屋さん
どもども、お知らせありがとうございます。
あちらにコメントしておきますね。