5:00起床。ちょっとだけ雨がパラついたがすぐやんだ。
それよりも蚊が酷く、羽音に一晩中悩まされた。
朝食は納豆に九州土産のふりかけ「御飯の友」。
キャンプの朝に納豆を食べるのは久しぶりだ。
BAJA乗りが先に撤収して出発。続いて僕も出発。
時刻は6:45。
県道349号に出て左折し6:50、鱒淵林道の分岐に到着した。
地図で見る限り八久和ダム経由でR112に抜けられる林道らしい。
だが昨日、花戸林道との交差地点には「地すべりのため通行禁止」の看板があった。
未舗装区間があるかどうかも不明だが、まぁだめもとで行ってみましょ。
集落を抜けて九十九折れをしばらく登ると未舗装路面になった。
花戸林道との交差前後は舗装路面に戻る。7:00、八久和峠に到着。
手前に簡易バリケードがあったが脇をモゴモゴ。
そこから先は長い長い下り勾配のダートが続く。
重機が置かれていた箇所が地すべり現場らしかったが通過には支障なし。
時折舗装路面も混じるが、フラットで走りやすいダートだ。
寂れた感じはあるが踏み固められている様子をみると交通量はあるらしい。
やがてダム湖が見えてきた。淵沿いに進み、またひとつバリケードをモゴモゴ。
7:30、八久和ダムに到着。起点からここまで約14km。
ダムの上から二人連れが湖に竿を出していた。
落とし網も準備されてたが何を釣ってるのかな。
ワゴン車が停めてあるがきっとこの先から来たに違いない。
彼らの脇を抜けてダムを渡り、林道の続きを探す。
むぅ…見つからない。
いやそれらしき道はあるのだが、廃道化したシングルトラックなのだ。
GPSの地図でも載ってる道なのでルートはこれで間違いない。
少しだけ入ってみたが、轍など痕跡すらなく行止り必至の気配。
ダムに戻って二人に声を掛けてみた。
「ここから下り方面に進む道ってありますか?」
「無理無理、俺たちも峠の方からあの道をここまで来た(山形弁趣意)」
「そうですか(´・ω・`)ショボーン」
地元民、しかもこんなとこまで釣りに来る人たちが言うなら間違いない。
諦めてUターンし往路を辿るしかないな。
※帰宅後、調べたところによると、この先は八久和林道という名前らしい。
現在は廃道だが、こちらのサイトには自転車による踏破レポがある。
ヨッキれんさん、すげぇなぁ…。
ようやく起点に戻ったのは8:10。随分時間を無駄にしてしまった。
まぁピストン林道を探索したと思うことにしよう。
県道349号を北上し、8:25、R112を右折して寒河江方面へ進む。
8:30、道の駅・月山に到着。
道の駅の建物は反対車線にあり地下道で連結されている。
いちいち渡るのは面倒なのでトイレだけ利用して休憩終了。
この先、R112は月山道路と呼ばれるバイパスになる。
山形自動車道の未通区間を補う高規格自動車専用道路だ。
去年の北東北ツーリングでも帰路に通ったが、走りやすく交通量も多い道である。
気持ちよく走れるのは嬉しいが、ちょっと物足りない。
8:55、湯殿山への分岐を左折して、六十里越と呼ばれる旧道を進むことにした。
舗装路だが1.5車線の狭い道での峠越え。
あいにくの曇り空で湯殿山も月山もよく見えないのが残念だ。
9:05、大峠を通過し、山腹をウネウネと下ってゆく。
弓張平公園を通過し、月山湖で新道に合流してさらに東へ。
9:35、道の駅・にしかわに到着。GSの場所をおばちゃんに聞いたら、すぐ先にあるらしい。
近くのコンビニでトマトジュースを飲んでから給油を済ませた。
これで次の林道探索の準備OKっと。
GSからUターンして少し西へ進み、県道292を北上。
10:00、出羽三山社務所(羽黒山・月山・湯殿山三神社)に到着。
出羽三山神社=羽黒山神社・月山神社・湯殿山神社の摂社とのこと。
もともとは日月寺と呼ばれた古刹で修験の道場として知られていたらしい。
明治の神仏分離令で修験の寺から神社となった。
だが未だに神仏習合の雰囲気が色濃く残る珍しい神社である。
神社の左脇から奥へと伸びる道を進む。
10:15、岩根沢林道の起点に到着。月山の登山道に至るピストン林道である。
起点の標柱には延長12.5kmと記されていた。まぁ行ってみましょ。
最初は舗装路面だったが1km程度で未舗装になった。
走りやすいフラットダートで急なカーブも少なく見通し良好。
月山の登山客か、それとも山菜や渓流釣りか、とにかく交通量が多い。
稜線に出て視界が開けたが、月山は相変わらず雲の中。
起点から8kmほどで東又沢林道が分岐するT字路に到着。
本線はここから下り勾配で直進している。
とりあえずまっすぐ進もう。
分岐から先は一転して谷沿いの暗い雰囲気に。
日当たり悪く、マディ気味の路面も多い。
対岸は凄まじい断崖絶壁で、見るとあちこち崩落している。
2kmほど進み、サカサ沢を渡る橋の辺りで廃道となった。
登山や釣り目的の人はここいらが出発点になるのだろう。
バイク的には完全に行止りなのでUターン。
分岐まで戻って今度は東又沢林道の探索だ。
尾根沿いを月山の登山道へ向かって西へと進む。
3kmほどダートを走ると左手にちょっとした支線と駐車スペース。
その先の右手に登山道入口があった。林道はここから急に荒れてくる。
倒木などを避けながら進んだが数百mで廃道化。
これ以上は無理なのでUターンして岩根沢林道起点へ戻る。
岩根沢林道の起点に戻ったのは11:30。
ピストンだったが往復で25kmくらい未舗装路を走った。
さて、そろそろ昼食。R112へ出て東へと走る。
11:50、寒河江でR287を左折。
谷地橋で最上川を渡り、12:00、一寸亭支店に到着。
昼時だけあって店内はかなり混雑している。
席に案内されるまで10分弱待たされたが仕方あるまい。
注文したのはこの辺りの名物・冷たい肉そば大盛700円。
大き目の器に盛られてきた蕎麦の量にまずビックリ。
麺は黒く、切り口もはっきりした固めの蕎麦。うーん、美味い。
冷たい汁はかなり甘めだが、これがまた蕎麦にぴったりあう。
今まで食べた中で、最も蕎麦とツユの相性が良かった。
具の鳥肉もgood。冷たいのに油脂が白く固まらないのが摩訶不思議。
食べ終わって、12:25、出発。
谷地橋を戻って道の駅・河北ぶらっとぴあでトイレを済ませた。
さらにR287を最上川に沿って米沢方面に南下。
午後になって日差しも強くなってきた。暑さと満腹感で眠気がキツイ。
意識が遠のきながらも白鷹まで一気に進み、13:10、県道164号を右折した。
13:15、黒鴨林道の起点に到着。起点から未舗装だ。
朝日連峰へのアプローチルートらしいが、どこまで行けるのかな…。
路面はやや荒れ気味の箇所もあるが四輪が通れる程度なので問題なし。
山襞をウネウネと登り、時には下り。峠まで長い長いダートが続く。
谷を巻くトラバース路をいくつ越えたことだろう。
峠が近づくにつれて視界が開けてきた。谷越しの山並みが爽快だ。
ここへ至るまでにも何台か四輪車を見かけた。
峠の向こう側から来た車両もいるかなぁ。
14:00、舗装路とのT字路に出た。
正面を左右に横切るアスファルトをとりあえず左へ進む。
工事直後なのだろうか、頗る綺麗な路面だ。
1kmほど進んだところでデッドエンド。
最上川流域の眺望が素晴らしい。
Uターンして分岐に戻り、反対側へ直進。
すぐ右手に大きな石碑のある広場があった。
眠気覚ましに石碑にもたれて小休止。
標高1000mだけあって吹く風がちょっと肌寒い。
14:20、出発。
この先の西五百川林道は全面通行止で頑丈なバリケードが設置されている。
走破できないのは残念だが、全面舗装済みらしいからまぁいいか。
Uターンして往路を戻り、ウネウネウネウネとロングダートを下る。
起点に戻ったのは15:00。あー、疲れたー。
未舗装区間の合計は往復で30kmくらいだったろうか。
本日の林道探索はこれにて終了。朝からピストン林道ばかりだなぁ…。
荒砥からR348を経て県道17号を山形方面に進む。
途中にある県民の森は今日の幕営地候補の一つだった。が、そこはスルー。
中腹に展望台もあり、山形方面の眺望が素晴らしかった。
15:50、R458を左折して4kmほど北上。
案内に従い進み、16:00、山辺温泉保養センターに到着。
入浴料300円を払って浴場へ直行。汗を流して湯船へ。
…うぉっ!? お湯が熱すぎる…!!
のんびり入浴するつもりだったが、すぐあがってしまった。
普段なら不満が残るが、まぁいい。
僕の一番の目的は温泉ではなく、知る人ぞ知る山辺町名物Bグルなのだ。
期待に胸を膨らまして食堂へ向かう。…と、なにやら暗い。
椅子も全てひっくり返してテーブルの上に片付けられている…。
レジのおばちゃんに聞いてみた。
塩犬「すいません、食堂は…」
おばちゃん「食堂の営業は14:30までだよ、ごめんね(山形弁趣意)」
ガ━━━(゚Д゚;)━( ゚Д)━( ゚)━( )━(゚; )━(Д゚; )━(゚Д゚;)━━━ン!!!!!
おばちゃん「アレを食べに来たの?」
塩犬「えぇ…、他に食べられる場所はありませんか?」
おばちゃん「うーん、ちょっと待ってね」
待つこと数分。
おばちゃん「今、作ってくれるって。ここに座ってて」
なんと、レジのおばちゃんが厨房と交渉してくれたのだ。
わーい♪ 超法規的措置に大感謝!
ありがとう、山辺町のおばちゃん!!
おばちゃん「どこで見たの?TV?」
塩犬「いえ、インターネットで」
おばちゃん「ほーかいほーかい」
やがて出てきたのはイチゴシロップのカキ氷。
そして杉の葉が刺してある三矢サイダーのビンが一本。
ビンの中身は酢醤油である。これをどうするかと言うと…
おばちゃん「葉っぱは取らずにそのまま掛けてね」
イチゴのカキ氷に酢醤油適量を滴下。
そう、これが山辺町名物・すだまり氷。300円。
マスコミやインターネットで知名度を上げつつあるローカル食だ。
この食堂だけでなく、山辺町ではカキ氷に酢醤油が付き物らしい。
シャクシャクとスプーンで混ぜて、早速いただきまーす。
( ̄~ ̄;) モグモグ
ん? 美味い。サッパリした味わいで意外にいける。
イチゴの甘さが加わって三杯酢みたいな感じだ。これはありかも。
三矢サイダーの空き瓶リサイクルも(・∀・)イイ!!
16:50、出発。
県道をいくつか経由し、山形市街でR112に合流。
南下して17:30頃、途中のスーパーで幕営の買出し。
時間的にキャンプ場へ直行しなきゃならないが、最後の寄り道をしよう。
R13からGPSに登録したポイントだけを頼りに住宅地の中へ。
17:40、やたいやに到着。実に判りにくい場所だった。
注文したのは山形のB級グルメ・どんどん焼き。
正月の御飾りを焼く行事…ではない。
薄く焼いたお好み焼きモドキを割り箸に巻いた粉モノである。
普段は祭りや縁日で売られる品なのだが、この店なら一年中買えるそうだ。
味付けが二種類あるのだが、醤油・ソースを持ち帰りで各一本ずつ注文。
一本150円、二本で300円。激安だ。値段的には完全にC級である。
できたてホヤホヤを買い出し用リュックに入れて再出発。
うーん、背中が熱い。
今日の幕営予定地は山形市内にある西蔵王公園キャンプ場。
時刻は18:00を回っている。GPSがあるとはいえ暗い山道は判りにくい。
暗闇の中、看板を間違えて展望台などへ迷い込んでしまった。
駐車場の奥に伸びる道から、バリカーの隙間を抜けてウロウロ。
どうやらキャンプ場らしきフィールドに到着したのは18:20。
キャンプサイトは番号が割り当てられファミリーキャンパーが何組もいた。
バイクは居ないのかと探したら、炊事棟の前に一台のDトラが停まっていた。
まずは挨拶。どうやら「予約が必要」という注意書きを見て迷ってるらしい。
だが今から別のキャンプ地を探す訳にもいくまい。
「空いてるサイトなら構わないでしょ。無料だし」
結局、二人でテントを並べて一つのサイトを借りることにした。
Dトラのogawayさんは千葉の市川から出発して日本一周中とのこと。
必要な装備を順次買い足しているそうで荷物が大きく膨れ上がっていた。
今日の買出しがまだ…って話を聞いて、非常用に持ってきた缶詰とレトルトをプレゼント。
テントを張り終えて晩酌開始。互いの旅のエピソードを駄弁りながらの夜宴となった。
僕のツマミ&夕食はさっき買ったどんどん焼き。
ビールを飲みながら食べたが、一本だけでもかなりのボリュームだ。げふ。
醤油・ソースともお好み焼きに似た想像通りの味だった。
ogawayさんは”しし唐”(残り物らしい)とハヤシライスの具(レトルト)を使った焼うどん。
一味足りないと言うのでめんつゆを貸してあげた。
うーん…本人は美味いと言っていたが…。想像できん。
今夜は中秋の名月なのだが生憎の雲に隠れて見えず終い。
期待して笹餅も買っておいたのだが残念だ。
『雲の峰 いくつ崩れて月の山』
月山を詠んだ芭蕉の句を思い出す。
まぁ目論んでいたBグルが沢山食べられたので良しとするか。
それにしても山形は美味い食べものが多いなぁ。大好き。