えちご白書


結局勧められるまま、かなり酒を飲んでしまった。
S井さんが用意して下さった個室で朝まで熟睡。
明け方は肌寒いくらい涼しく、快適な一夜だった。
翌朝はのんびり起きて、Mさんと朝食までご馳走になる。
野菜も卵も全て自家製。特に温泉タマゴが美味かった~。
S井さんは地域の作業で我々より早く出かけるとのこと。
お別れの挨拶をしてお見送り。本当にありがとうございました。
その後、ガレージをお借りしてブレーキレバーを予備のに交換。
8:45、出発。

愛犬ベル(♀8歳)さらばさらば

愛犬ベル(♀8歳)さらばさらば

庭の池には鯉も泳いでおりました

庭の池には鯉も泳いでおりました

Mさんと二人でR252を西へ進む。
只見の駅近くで給油した後、只見川沿いに遡り、六十里越で新潟県境を目指す。
田子倉ダムの手前からつづら折れの峠道に。ウネウネと上って高度を稼ぐ。
9:00、田子倉ダムに到着。

JR只見駅 橋げた接触事故で先日まで運休だった

JR只見駅 橋げた接触事故で先日まで運休だった

田子倉ダムより只見方面を望む

田子倉ダムより只見方面を望む

そこからはダム湖沿いに山肌を縫うような道になる。
先日の豪雨の影響か、いたるところで工事が行われている。
片側交互通行の信号と洞門を繰り返しながら西へ西へ。
視線を少し上げると、雪渓の残った会津と越後の山々が見えた。
僕が先行して進むのだが、写真を撮るためあちこちで停車するのが申し訳ない。

福島と新潟の県境 雪渓と田子倉湖を望む

福島と新潟の県境 雪渓と田子倉湖を望む

六十里越開道記念碑 田中角栄の名が刻まれてます

六十里越開道記念碑 田中角栄の名が刻まれてます

9:30、六十里トンネルを潜りぬけ、新潟県へ入った。
道は下り勾配のワインディングに。不思議と福島県側より気温が暖かい。
R252をさらに西へ進み、9:45、県道385を大白川方面に右折。
地図で怪しそうな道があったので探索してみることにしたのだ。
ダムを横目に破間川(あぶるまがわ)沿いに遡る。
「イワナの家」の先で通行止めの表示があったが、そのまま通過。
やがて一車線の山道になり、しばらく進むと完全にバリケードで塞がれてしまった。

越後の山中、両岸を穿って流れる破間川

越後の山中、両岸を穿って流れる破間川

県道385 豪雨災害のため通行止め

県道385 豪雨災害のため通行止め

通行止めの地点の手前、数百mの位置から分岐するダートが探索の目的地だ。
帰宅後、調べたところ五味沢林道という林道だった。
10:00、ゲートはふさがれているが脇をモゴモゴ…。ここもMさん先行で進む。
沢に掛かった橋を渡った後はゆるやかな登り勾配となる。
路面は基本的にフラットで通行に困難な場所は無い。
やや荒れの区間や多少のクレパスもあるが、昨日走った極悪路に比べれば天国である。

五味沢林道起点 田代平までのピストンダート

五味沢林道起点 田代平までのピストンダート

基本的にフラットな道 歩行者に注意

基本的にフラットな道 歩行者に注意

MさんのKDXはすぐに見えなくなった。
セローのスロットルは相変わらず不調で、緩い勾配なのに辛そうだ。
山肌を北上し徐々に高度を上げてゆく。
この林道は主に登山に使われてるようで、ハイカーを二組ほど見かけた。
視界が開ける区間も何箇所かあり、越後の山々の展望が楽しめる。

山肌を緩やかに登る開放的な林道です

山肌を緩やかに登る開放的な林道です

五味沢林道より越後駒ヶ岳を遠望

五味沢林道より越後駒ヶ岳を遠望

やがて林間の道になり、待っていたMさんと合流。
少し進んだところにあった広場が林道の終点だった。
時刻は10:30。ここでしばらく休憩。水分を補給しながら、この先どうするかを相談。
広場から先に細いシングルトラックが伸びているが、セローではきついだろうなぁ。
…っと、そのシングルトラックからカブに乗ったおっちゃんが現れた。
大きなザックを背負ってゴーグルを着けている。山菜取りか登山目的だろうか?
この先の状況を聞いてみると、シングルトラックはすぐに行き止まりらしかった。
広場の左手から降りてゆく木道を行けば湿原・田代平に出られるとのこと。
結局、Mさんはシングルトラック探索、僕は湿原散策に向かった。
木道を進み、木々のトンネルを抜けると開けた草原に出た。
なるほど、ここが田代平湿原か。緑に囲まれ爽やかな雰囲気。

八十里越・田代平の湿原

八十里越・田代平の湿原

田代平湿原より守門岳を望む

田代平湿原より守門岳を望む

湿原を横切る木道を右折し、森を抜けてシングルトラックに合流した。
八十里越の道標と田代平の石碑がある。
このルートはR289の未開通区間=八十里越の一部なのだ。
シングルトラックとのT字路を右折し、さっきの広場まで歩いて戻った。
やがてMさんも帰着。Uターンで苦労したらしい。
10:55、出発。五味沢林道を下り、11:15、起点に到着。
ここでもう一度小休止。何しろ暑いので水分を補給。
県道385を戻り、11:30、R252に再び合流した。

県道385 破間川に架かる浅草大橋

県道385 破間川に架かる浅草大橋

次の目的地は小千谷。
11:40、入広瀬を過ぎ、さらにR252を進み、和田でR291を右折。
山古志経由で小千谷へ抜けるつもりだったが、12:00、中山トンネルで通行止め。
そこまでの道のりでも倒壊しかけた家屋や、崩落した断崖が其処彼処に見られた。
昨年の地震からまだまだ復旧できてないらしい。仕方なくR252へ戻り、小出方面へ南下した。
セローのアクセルの調子は悪くなる一方だ。

R291 山古志へ抜ける中山トンネルは通行止

R291 山古志へ抜ける中山トンネルは通行止

地滑り、崩落があちこちに…路面も凸凹です

地滑り、崩落があちこちに…路面も凸凹です

12:15、小出でR17=三国街道を右折し、魚野川に沿って長岡方面に進む。
越後川口を通過し、12:35、道の駅・ちぢみの里おぢやで小休止。
うだるような真夏の暑さから、冷房の効いた屋内へ避難した。
立ち寄り湯もあるそうだが、ちょっと入る気になれない。
ここの駐車場でアクセルワイヤーが切れているのを確認した。無事帰れるかなぁ。

越後駒ヶ岳に見守られながら快走

越後駒ヶ岳に見守られながら快走

道の駅・ちぢみの里おぢや

道の駅・ちぢみの里おぢや

小千谷大橋を渡って、12:55、国道の左手にあるベイシアスーパーセンター小千谷店に到着。
お目当てはここに出店しているファストフードチェーン・みかづき
ローカルB級グルメ界で有名な新潟の新名物・イタリアンを供するお店である。
日曜の真昼、家族連れに囲まれたライダー二人。ちょっと違和感があるが、気にしてはならぬ。
Mさんは普通盛310円、僕は大盛り380円を注文。安い。
待つこと数分、出来上がって番号を呼ばれた。いただきまーす。
( ̄~ ̄;) モグモグ
ふむ。
太目のモチモチした麺とモヤシをソースで炒め、ショウガの千切りが添えてある。
コーンが混じったトマトベースのソースが掛かっている辺りがイタリアなのだろう。
もっとスパゲティに近い食べ物かと思っていたけど、普通に焼そばだ。うん、これはこれで美味い。
トマトソース以外にもバリエーションが沢山あるので、いろいろ試すのも一興だ。
マーボ豆腐イタリアンとかカレーイタリアンとか。
イタリアの要素が全く無くなってる気もするが、そこは突っ込み禁止。
フレンドというチェーンでも一味違うイタリアンを食べられるそうだ。
こちらもいつか試してみたい。

みかづき小千谷店 日曜昼間で大混雑

みかづき小千谷店 日曜昼間で大混雑

新潟名物? イタリアン (゚Д゚)ウマー

新潟名物? イタリアン (゚Д゚)ウマー

13:15、出発。小千谷大橋を渡ってR291に接続し、JR小千谷駅へ向かう。
駅前の商店街は、ブルーシートで覆われたりシャッターを閉めたままの店舗が多かった。
道沿いの電信柱も歪んだまま。路面の凸凹も、震災直後の応急処置と大差無い。
やはり昨年の地震で受けたダメージから完全に立ち直るには時間が掛かるのだろうか。
ライフラインも復旧し生命の危険は無くなったが、町並みが余りに痛々しい。

小千谷駅前商店街 うーん…活気が欲しい…

小千谷駅前商店街 うーん…活気が欲しい…

サンラックおぢや ボランティアの拠点でしたね

サンラックおぢや ボランティアの拠点でしたね

さて、昼飯。(さっきのイタリアンはオヤツ)
小千谷名物のへぎそばを食べに向かったのは元祖・小千谷そば角屋
ボランティアでテントを張ったホームセンターDAMZのすぐそばの店だった。
13:30に到着して、マンガを読みながら3組ほど順番待ち。
Mさんも僕も、十個盛950円を注文。店が混雑しているためか、結構待たされた。
布海苔(ふのり)をつなぎに使った緑色の麺は、腰が強めで蕎麦粉の香りも香ばしく実に美味。
十個盛は量が多いかなと思ったが、ツルツルと腹に収まってしまった。

元祖・小千谷そば 角屋

元祖・小千谷そば 角屋

へぎそば メチャ(゚Д゚)ウマー

へぎそば メチャ(゚Д゚)ウマー

食事を終えて、14:15。
今回のツーリングの目的は全て果たしたので、Mさんとはここで解散することにした。
本当は林道探索したかったのだが、セローの調子が悪いので寄り道できない。
Mさんはオイルを買いに取り合えずDAMZへ。Mさん、二日間お疲れ様でしたー。
僕はR17をマイペースで帰ることにする。
とりあえずR117経由で越後川口IC方面へ抜けた。
丁度、震源地の辺りなので、土砂崩れや路面の崩落の跡が酷い。
それでも普通に通行できるようになったことは喜ばしい。
信濃川を渡って川井へ抜け、川口橋を渡ってR17へ接続。
右折して魚沼・六日町方面に進む。

先日の豪雨のため、濁流で溢れる信濃川

先日の豪雨のため、濁流で溢れる信濃川

うねる路面に土砂崩れ 地震の爪痕が生々しい

うねる路面に土砂崩れ 地震の爪痕が生々しい

あとはひたすらR17=三国街道を魚野川沿いに南下。魚沼から浦佐。
五日町から六日町に掛けて、信号に遮られはするが物凄く長い直線路だった。
これも田中角栄の意向によるものなのかなぁ…。

魚野川越しに中ノ岳・八海山を遠望

魚野川越しに中ノ岳・八海山を遠望

正面に谷川岳を中心とする雄峰を眺めつつ快走。
スロットルを閉じる時にも力を加えなければならないため、右手が疲れる。
15:30、塩沢のコンビニで小休止。さらに石打を経て、15:55、湯沢のGSで給油。
標高が上がるにつれて、段々と雲が濃くなってきた。やばそうな雰囲気だ。
スキー場と温泉街から山道に差し掛かると、いよいよシールドに水滴が付き始めた。
左手で拭いながら高度を上げてゆく。

湯沢の町並と谷川連峰

湯沢の町並と谷川連峰

芝原トンネルを抜けて清津川流域を遡り、二居トンネルを経て16:30、苗場に到着。
三国峠の先、群馬県側がどうなってるか不明なので、ここで雨具を装着した。
標高1084mの三国トンネルを抜け、16:40、群馬県に出た。
雨は激しくないが深い霧で視界は最悪。周囲の景色は全く見えない。
おまけにカーブだらけの進路には濡れたマンホールの蓋。車線の幅員が狭いので避けにくい。
こんな山奥で下水道か電話線か判らないが、バイクにとって危なすぎる…。
エンジンブレーキを効かせつつ、慎重にワインディングを下った。
猿ヶ京温泉はスルーして、17:10、太助の郷で小休止。
農産物直売所でお土産を一品購入。

太助の郷 塩原太助という人の資料館です

太助の郷 塩原太助という人の資料館です

17:25、月夜野ICから関越自動車道へ乗った。後は東京まで約130km、登り車線を進むのみ。
ハイウェイでは戻らないアクセルが役に立った。右手を離して、これまで酷使した分も休ませる。
赤城高原の辺りで再び濃霧。雨もやや強くなってきた。
梅雨時のツーリングで、これまで降られなかったのが不思議なくらいか。
疲れのためか眠気に襲われたので、17:55、駒寄PAで大休止。
軽く蕎麦を食べた後、カウンターにうつ伏せになって仮眠を取った。

駒寄PA 雨やだねぇ

駒寄PA 雨やだねぇ

舞茸天ぷら蕎麦 蕎麦三昧ですな

舞茸天ぷら蕎麦 蕎麦三昧ですな

ウガーっと進んで、19:05、高坂SAで注油ついでにもう一度休憩。
天気が悪いためか渋滞も無く、その後もスムースに走行。
19:52、練馬料金所を抜け、目白通り・環七を経て、20:15、無事に帰宅。
中越地震から半年余り。
被災地域の完全復旧まではまだ時間が掛かるだろうが、もう普通に観光するには問題無さそうだ。
もし良かったら、あなたも中越地方へ出かけてみて下さいな。
へぎそば、イタリアン美味いっすよー。(←興味の対象が偏ってる?)



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