山陰ツーリング4日目。今朝は5:30に起床。
朝食前に30分ほど鳥取砂丘を散歩してみた。
風が弱いのか、残念ながら期待していたほど大規模な風紋は無い。
それでも朝から壮大な景色を眺められて気持ちよい。
とか言いながら散歩を終えたらバテバテ。長旅の疲れが出始めたのだろうか。
朝食は鳥取の隠れ名物?亀井堂のサンドイッチと豆乳。
サンドイッチと言っても具はツナやハムではない。ジャムやバターピーナッツなどの甘い具だ。
それを薄い食パンに挟み二等分にカットし、レトロな黄色のパッケージで包装したもの。
鳥取全県のスーパーなどで販売されてるそうだ。
期待通り、C級グルメとしておいしかった。
やはり疲れているのか、体が甘いものを欲しているようだ。
朝から快晴なので、ここぞとばかりに天日干し。
セローとテントを駆使して靴下・タオル・バケツ・寝袋を干しまくる。
みっともないが昨日一日雨に降られた身としては気にしてられない。
撤収の間にあらかた乾いた。8:40、荷物を積んで出発。
今日は丸一日林道を探索して、明日は東京へ帰ることになる。
山陰の海ともこれでお別れだ。
まずは向かった先は、なぜか鳥取市役所。
9:00、駐車場にバイクを止め、まっすぐ2Fの食堂へ。
到着するなり食券の自販機でスラーメン250円の食券を購入した。
そう、このスラーメン(素ラーメン)が目的だったのだ。
「中華麺+うどんツユ」という想像し難い組み合わせで全国的に未だ無名の存在。
それにチャレンジするため、朝食も軽めにした。
営業時間は10:30からと後で気づいたが、快く注文を受け付けてくれた。
食堂のおばちゃん、ありがとう!
出てきたのはどんぶりの縁ギリギリまで注がれたツユにストレート麺。
具はネギとモヤシと薄ーい蒲鉾一切れのみ。すこぶるシンプルである。
肝心の味の方は…うーん…美味くない…。期待が大きすぎたのだろうか…。
甘いスープがどうにも後味悪く、麺も茹で過ぎ。おばちゃん、ごめん。
完食したけど僕の口にはあいませんでした。(T-T) 体調が悪かったのかなぁ。
再訪する機会があったら、武蔵屋食堂に挑戦してみよう。
気を取り直して出発。R29を姫路方面に進む。
昨日の雲が嘘のように晴れ渡った空。四方を囲む中国山地の展望も良好だ。
10:00、道の駅・はっとうでトイレ休憩。
そろそろ、気温が上がって暑くなって来た。
県道37を左折して、ふるさとの森方面に北上。
10:30、本日一本目の林道・扇ノ山林道の起点に到着。
この林道、林道への案内板では廃道状態・極悪路と評されている。
慎重に行こう! 気合を入れて出発!
起点から結構荒れ気味だ。クレパスも深くて多い。
しばらく進むと通行止めの看板の先で、いきなり土砂崩れが路面を覆っていた。
バイクを降りて偵察。上り勾配に出来た高さ1m強の盛り土だ。すぐ先がマディだが轍もある。
「大怪我しないか?」「いざという時にはUターン可能か?」がこういう時の僕の判断基準。
これくらいなら行けそうだ。気合一発、力ずくでクリア。
だがホッとしてる間もなく、路面状況は更に酷くなった。
深い溝にガレガレ、急勾配の路面がこれでもかこれでもかと続く。
覚悟してたがハードさは福島の鎌房甲子林道を超えていた。
10:45、舗装林道との3差路に到着して一段落。
ここから峠までの区間は路面状況がまし(?)になるらしい。
5分ほど休憩してから探索再開。幅員は狭く泥濘は多いがガレは少ない。
舗装林道と繋げば走行できるためか、交通量はありそうだ。
全体的に閉塞感のある道だが、トラバース区間で視界が一瞬開けた。
すかっと晴れた日に、こういう林道を走るのは最高の気分だ。
っと、喜んだのもつかのま、また土砂崩れ。
今度は1.5mはある盛大な盛り土。向こう側がまったく見えない。
またバイクを降りて偵察。柔らかい土質のようで刻まれた轍も深い。
が、これも行けそうだ。気合一発、力ずくでクリア。段々、イケイケモードに。
河合谷林道との三叉路を超え、11:07、東因幡林道との分岐点へ到着。
とりあえずスルーして、扇ノ山登山口のある峠まで本線をそのまま進んだ。
峠までの道は溝が多く、長い長い一本橋を余儀なくされた。
いつもなら多少緊張するのだが、ここまでの道のりに比べれば屁でもない。
峠から先も林道は続くが、舗装路面なのでここでUターン。
分岐まで戻って東因幡林道へ進む。
さぁ、極悪林道ともこれでおさらば。
東因幡林道に関する事前情報では特に注意事項も出ていない。
全般的に路面はフラット。雑草が生い茂り、水溜りがあちこちにあるが走りやすい。
鳥取県と兵庫県を隔てる尾根沿いのトラバース路で景色もよい。
このままのんびり完走して国道482号線に抜けようっと♪
…と気楽に進んだのだが、甘かった。激甘だった。
しばらく進むと、また土砂崩れ。
これまでより低い盛り土で無事クリアできたが、まだまだ序の口。
次に現れた土砂崩れはすこぶる豪快だった。もはや小山である。
こりゃ無理だろう、とバイクを降りて入念に偵察。
むぅ。一応、ルートらしきものはあるようだ。
「ここに登って、こっちに進んで…」とシミュレート。
埋もれた木の尖端と崖への転落に注意が必要だが、行けなくは無い。
この先行き止まりで帰ってくることになっても通過は可能だろう。よっしゃ行くか!
どうにか乗り越えたが、その先は倒木が次々と現れた。
上下左右に避けながら突き進んで行くうちにバイクの轍すら見当たらなくなる。
これ、本当にR482まで抜けられるのか…?
そして12:00、満を持してラスボス登場。
直径40cmはあろうかという巨木である。
細々した草木・土砂を巻き添えにして、道に対して斜めに倒れていた。
冷静な僕ならここで引き返すのだが、何しろここまでの間に判断力が壊れている。
「無理だろうけど一応トライしてみるか♪」(゚∀゚)アヒャヒャ
ダイソーの100円ノコギリを取り出し細い枝や倒木を取っ払い、周囲を片付け。
炎天下での作業は辛い。徐々にテンションが下がり始める。15分ほどで作業完了。
助走する余裕は無いが、倒木に対して一応垂直にアプローチできるようになった。
準備OK、いざ勝負!
倒木の前後に置いた石の助力もあって、フロントタイヤはクリア。
さらにリアタイヤが倒木に達し…ない!?
エンジンガードに支えられ、リアタイヤもフロントタイヤも宙に浮いたまま停止…。
いわゆる亀の子状態だ。前後に揺さぶっても動く気配なし。( つД`)
乗車したままでは埒が明かない。丸太の上で慎重にバイクを降りた。
降りたとたんにバイクのバランスが崩れて、その場で転倒…。 。・゜・(ノД`)・゜・。
倒れた方向が下り勾配だわ、荷物は重いわで起こせない。
フューエルコックをOFFにして、倒れたままのバイクから荷物を降ろす。
荷物を降ろし終わって小休止。空荷になったバイクを「えんやこら」と起こして中休止。
倒さないようにバイクを後退させ、亀の子から脱出して大休止…。あぁ…疲れた…。
疲労困憊。さっきまでのハイテンションは消え失せた。
空荷の状態のセローならこの倒木を越えられるかも知れない。
だがこの先へ進んで国道まで抜けられる保証は無い。
もしUターンということになって、またこの倒木を越えなきゃならないとしたら…。
リスクと体力を考えて諦めることにした。
平地までバイクを引っ張ってエンジンを掛…「プスン」…掛からない!?
Σ(゚口゚||| 転倒で壊れたか!?
…と思ったら、フューエルコックを戻し忘れてただけだった。orz
荷物を積み直して、12:50出発。倒木と土砂崩れ満載の道を戻る。
13:20、扇ノ山林道との分岐まで到達して、ようやく安堵。ここから先も極悪路なのに…。
さて、ここからの迂回ルートだが、扇ノ山林道と舗装林道を経て県道37号へ出ることにした。
河合谷林道から県道103号へ抜ける方が次の目的地に近い。
しかしマップルの「通行止め」のコメントが気にいらない。もうUターンは嫌だ。
ってことで、扇ノ山林道の狭い幅員をマッタリと引き返す。
途中、紅葉マークを付けた姫路ナンバーのジムニーがいた。
追い抜いたすぐ先に例の盛り土があった。ジムニーはそこで断念したようだ。
僕の方は舗装林道との三叉路まで特に問題なし。
ここから、あのガレガレの道を下るほうが近道なのだが体力が持たない。
迷わず舗装林道へ進んだ。長い長い下り勾配を経て県道37号に合流。
さらに下って朝通過したR29の分岐に到着したのは14:15。
随分と時間を浪費してしまった。急がねば。
R29を東へ快走。県境が近づくにつれ、山深くなってきた。
とうに昼も過ぎ腹が減ってきたが食べる場所がみつからない。
14:40、新戸倉トンネルを抜け兵庫県に入った。
結局食事を取れぬまま次の目的地、瀞川氷ノ山林道の入り口に到着。
時刻は14:50。時間も無いので、そのまま突入した。
登り勾配の区間は十方山林道並みのガレだったが、午前中の極悪路に比べれば可愛いものだ。
トラバース区間になると路面はフラットに。交通量が意外と多く、四輪車とも何台か見かけた。
峰沿いの道だけあって絶景が続いたが、のんびり眺める時間が無い。
広域基幹林道・瀞川氷ノ山線は全長40数km、未舗装区間約30kmの超ロングダートなのだ。
のんびり走っていては今夜の幕営の準備が覚束ない。疲れた体に鞭打って先を急ぐ。
15:45、南側区間を走り終え、スキー場へ出た。
県道を経由して北側の区間へ。入口で一台のオフ車とすれ違う。
北側区間も一段と景色が素晴らしくて走りやすい。
林道ではなかなかお目にかかれない、長い長い直線もあった。
右手に妙見山や蘇武岳を眺めながら尾根道を北上。
やがて下り勾配になり、16:20、県道89号を経て最後の舗装区間に入った。
通行止めの標識があったがバイクでの通行には支障なし。
16:30、無事に瀞川氷ノ山林道全線を走破してR9に合流できた。
国道に出てすぐ脇にあったGSで給油。
さらに少し南下して、16:35、道の駅・村岡ファームガーデンに到着した。
とりあえず昼食を食べてないのでレストランへ。
但馬牛を使った牛焼肉定食を注文したが、正直、食欲が無い。
うーん、疲れ切ってるせいかなぁ。(´・ω・`)ショボーン
食事は全部食べたが、余り美味しく感じなかった。
幕営に備えて道の駅のトイレでペットボトルに水を補給してR9を南下。
スーパーで買出しも済ませてから、今日のキャンプ地を目指す。
県道259号を左折し、妙見蘇武林道を目指してワインディングを登る。
別に林道を走りたいわけではないが、キャンプ場への近道なのだ。
見晴らしの良い牧場を過ぎ、17:30、妙見蘇武林道とのT字路を右折。
通行止めだが通り抜け可能という事前情報は得ていた。
妙見蘇武林道の状況は翌日のツーレポに任せるとして…17:55、妙見キャンプ場に到着。
…むぅ。誰もいない。
管理棟の扉は閉ざされ、しばらく使ってなさそうだ。張り紙によるとまだ冬季閉鎖らしい。
サイトに行ってみたがトイレも水道も使えず。広場には大きな木が倒れていた。
まぁいいか。普段の野営と同じことだ。
手近にあった平らなスペースにテントを設営。
人気の無いロケーションには慣れてるはずなのだが、何故か心細さを感じる。
疲れきって体力が無くなると、一緒に気力も無くなるものなのだろうか。
一段落した後、気分転換も兼ねてバケツに水を入れて体を拭いた。
昼間汗まみれになったが今夜は風呂に入れないのだ。
ホームレスへの道を一途に歩んでるわけではない。
着替えて何となく気分がサッパリ。ふぅ。
もう半年も閉鎖されたキャンプ場である。
夜が更けるにつれて、ケモノたちの気配が立ち込めてきた。
もちろん気のせいなのかもしれないが、心細さは増す一方。
ただ携帯電話が圏内だったことに救われた。
こんな愚痴を書いたら健さんからの励ましがあった。本当にありがたい…。
明日は東京までの長距離走行が待っている。
うん、ちゃんと寝なきゃ。
すげーガレガレ林道ですねー。。。
ソロで走る勇気はないです、
しかも私、荷物が多いから余計に…(^^;
閉鎖されたキャンプ場も恐いっ
携帯がつながってよかったですねー
亀井堂のサンドイッチ(おいしそう♪)と
豆乳、紀文のやつは緑のほうがおいしくないですかー?
いろいろためしたけど、結局それに戻っちゃう(^^)
豆乳、なんとなくそれを選んでしまいました。
特に理由無いんです。
亀井堂のサンドイッチは普通に食パン買ってきて
ジャムとバタピー塗れば再現できそうな気がします。