いづも心に太陽を


5:00起床。まだ雨がポツポツ降っている。
ラジオの天気予報によると夕方まで止まないらしい。
洗濯物が乾かないので憂鬱になる…。何はともあれ米を炊いて朝食。
昨日無事だった卵二個と納豆を混ぜて焼きオカズにした。
食器を片付けがてら、隣のサイトにテントを張っていた神戸からのソロライダーにご挨拶。
バッグに詰められるものは全て詰めてから、本体を濡らさない様テントを畳む。
スカウトの子供たちが朝食の支度を始める頃には撤収を完了した。
雨具を装着して、8:10、出発。

まだ色淡き咲き初めの紫陽花

まだ色淡き咲き初めの紫陽花

雨の朝… 太陽が恋しい…

雨の朝… 太陽が恋しい…

本日、最初の目的地は出雲大社
R184を北上して出雲市街へ向かう。県道28号を経由してR431に合流。
西へ進んで、8:40、出雲大社に到着。鳥居の前を通り過ぎて駐車場へ。
「出雲」の枕詞「八雲立つ」に相応しく、裏手の八雲山からは雲が沸き立っている。
雨は時折パラパラと降る程度で傘は必要なさそうだ。

出雲大社 正面の大鳥居

出雲神社 正面の大鳥居

松並木の参道を歩く

松並木の参道を歩く

長旅をしてると忘れがちだが今日は日曜日。まだ朝早いのに団体の参拝客も多い。
現在でも縁結びの神として信仰を集めているようで、ジジババに混じって年頃の女性もチラホラ。
ガイドに引率された集団と前後しながら境内を一巡り。
出雲大社に祀られている「大国主神(おおくにぬしのみこと)」は一般的に「だいこくさま」と呼ばれている。
仏教の大黒天(大黒様)との混交によるものだが、元来は純粋な日本の神様だ。
同じ日本古来の神々でも、この大国主神を代表とする国つ神と天照大神を始めとする天つ神とは別系統。
神話によれば日本の国土=葦原中国は大国主神によって作られ、天照大神に譲られたと伝えられている。
この神話は、後に大和朝廷となる外来の勢力に土着の豪族が従属する史実を孕んだ物語とも考えられる。
因幡の白兎の昔話でも有名な神様だが、祀られるまでの背景は複雑だったのかも知れない。

祭紳・大国主神の銅像 兎を慰めてるのかな

祭紳・大国主神の銅像 兎を慰めてるのかな

出雲大社本殿 文字通り雲が出づる神殿です…

出雲大社本殿 文字通り雲が出づる神殿です…

出雲そばを食べたくて近辺を散策してみたのだが、まだ時間が早すぎた。
見当をつけていた店はどれもまだ開店前。
出雲で食べるのは諦めて松江に向かうことにした。
再びバイクにまたがって9:30、出発。R431をひたすら東へ向かう。
一畑電鉄の黄色い車輌と抜きつ抜かれつしながら進むと、やがて宍道湖が見えてきた。
断続的に降る小雨に打たれつつ湖の北岸を走り、10:05、道の駅・秋鹿なぎさ公園に到着。
マスツー集団と入れ違いでトイレ休憩。
公園を抜けて湖岸に出られるようになっていた。

宍道湖畔の道の駅・秋鹿なぎさ公園

宍道湖畔の道の駅・秋鹿なぎさ公園

宍道湖 魚介類の宝庫です

宍道湖 魚介類の宝庫です

さらにR431を東へ走り、10:40、松江市街に入った。
ここから目当ての蕎麦屋を探したのだが、なぜかなかなか見つからない。
案内の地図が大雑把すぎて、ナビの目標ポイントで別の位置を指定してしまっていたのだ。
散々迷った挙句、道行く地元の方に尋ねて解決。
11:00、出雲そばの名店・神代そばへ到着した。
暖簾を潜って着席。地元産の蕎麦粉を使用した三彩割り子そばを注文した。
三段重ねの割子と呼ばれる器に色黒の蕎麦が盛られてやってきた。
三種類の薬味が乗せられたこの麺の上に出汁を直接掛ける、という独特の食べ方。
蕎麦粉の風味豊かな麺は予想していたよりも腰が強く、喉越し・歯ごたえとも素晴らしい。
出汁は醤油がやや勝ちすぎに感じたが、調べてみるとこれも出雲そばの特徴のようだ。
正直、かなり美味かった。これまでに食べてきた蕎麦の中で一二を争うかも知れない。
他所では価格に見合う高級感を出そうと上品さを装う蕎麦が多い。
しかし所詮は雑穀も食べられない痩せた土地の食べ物である。
こういう下品な食べ方(失礼!)の方が性に合っていて、単純に美味く感じるのかも知れない。

松代市街の神代そば 研究熱心さがうかがえます

松代市街の神代そば 研究熱心さがうかがえます

割子で出される出雲そば メチャ(゚Д゚)ウマー

割子で出される出雲そば メチャ(゚Д゚)ウマー

食事を終えて、11:20、出発。
松江城の堀を巡り天守閣を遠目に眺めてからR431に合流。
再び東へ、中海の北岸をぐるりと巡る。

松江城 天守閣が一応見えました

松江城 天守閣が一応見えました

松江城堀川めぐりの小船が浮かぶ

松江城堀川めぐりの小船が浮かぶ

境水道大橋を渡って、やってきました鳥取県。時刻はちょうど12:00。
予定外だったが、道案内につられて境港の水木しげるロードに寄り道。
ゲゲゲの鬼太郎やネズミ男の銅像が商店街に並ぶ光景は一種独特。
観光客が意外に多かったが、他に行くとこ無いんだろうなぁ…。

水木しげるロードでくつろぐ鬼太郎

水木しげるロードでくつろぐ鬼太郎

ネズミ男「おひけぇなすって」

ネズミ男「おひけぇなすって」

島根と鳥取を結ぶ境水道大橋

島根と鳥取を結ぶ境水道大橋

境港から米子へと海岸沿いの国道をさらに東へ。
この辺りの海岸は弓ヶ浜と呼ばれてるそうだ。
海を眺めようと脇道に入ってみたら、浜昼顔が一面に咲いていた。

米子近くの海岸・弓ヶ浜

米子近くの海岸・弓ヶ浜

浜昼顔がチョコンと顔を向けてます

浜昼顔がチョコンと顔を向けてます

12:40、米子市街でR9を右折。
しばらく進んで給油を済ませ、大山(だいせん)に向かう。
伯耆富士とも呼ばれる中国山地の最高峰だ。
まっすぐ山麓を登る県道24号だが、行く手の濃い雲が嫌でも目に入る。
標高が上がるにつれて雨が強くなってきた。
13:00、大きな駐車場があったので、休憩ついでに雨具を装着。
大山寺の手前で右折し大山環状道路に入ったが、状況は変わらず。
さっぱり景観が開けない…。

大山観光道路 雨です雨なのです

大山観光道路 雨です雨なのです

大山寺周辺の写真ですが、何が何やら銭形平次

大山寺周辺の写真ですが、何が何やら銭形平次

反時計回りに南麓までやってきても大山山頂付近は雲の中だ。
13:30、大山の絶景スポット・鍵掛峠に到着。
駐車スペースで奈良ナンバーの老夫妻と、この状況を愚痴りあった。
伯耆富士・大山は今回のツーリングでも一番の楽しみだったのだが残念無念。

今回、大山は残念ながら雲の中

今回、大山は残念ながら雲の中

伯耆富士よ また会おう

伯耆富士よ また会おう

東へ走り、14:00、蒜山大山スカイラインを右折。
鳥取と岡山の県境を経て蒜山高原方面に進む。
蒜山(ひるぜん)もそうだが、なぜか中国地方の山は「せん」と読むケースが多い。
って、そんなこたぁお構いなく、どんどん雨脚が強くなってきた。最悪。

蒜山大山スカイライン 雨は益々強くなる…

蒜山大山スカイライン 雨は益々強くなる…

鳥取と岡山の県境 ガスでまくりー

鳥取と岡山の県境 ガスでまくりー

道沿いの展望台や牧場寄りながら南下して蒜山高原に。一応、この辺りは岡山県。
雨脚は弱まる気配が無い。14:20、道の駅・蒜山高原でトイレ休憩というか雨宿り。
ちょうど小腹が空いてきたところ、瀟洒なホテルのレストランがあった。
入ろうかなと思ったが止めといた。びしょ濡れの状態で入るのはやはり憚られる。

サラブレッド (゚д゚)ウマー

サラブレッド (゚д゚)ウマー

道の駅・蒜山高原

道の駅・蒜山高原

八束村でR313に合流。鳥取県の倉吉方面に北上する。
ちなみのこの八束村、横溝正史の八つ墓村のタイトルの着想を得た村らしい。
R313は高速道路並みに整備された道だった。雨が強くて高速走行がちと辛い。
14:45、県境付近にあった道の駅・犬挟(いぬばさり)で大休止。
どうにも空腹なので食堂で犬挟丼ってやつを注文。
「犬丼ひとつー!」と言ってたけど、ごく普通の中華丼なのでご心配なく。

道の駅・犬挟(いぬばさり) かなり雨強いです

道の駅・犬挟(いぬばさり) かなり雨強いです

犬挟丼 って普通の中華丼でした

犬挟丼 って普通の中華丼でした

15:05、食事を終えて出発。R313をさらに北上。
平地に下り、海が近づくに連れ天気が回復してきた。
15:40、倉吉でR179を経てR9に合流、日本海沿いに東へ向かう。
15:55、道の駅・はわいで小休止。
日本のハワイの象徴的な湖・東郷湖を眺望。

道の駅・はわい

道の駅・はわい

東郷湖 湖底から温泉が沸いてるそうです

東郷湖 湖底から温泉が沸いてるそうです

鳥取市に入り、16:20、魚見台に到着。雨はもう上がっていた。
展望台から行く手にある鳥取方面の海を眼下に見下ろす。いい眺めだ。
日本海の荒波が砂丘へと続く海岸線を洗っていた。
キャンプ場のある鳥取砂丘を目指して、R9を東へ急ぐ。
湖山池を右手に見て鳥取市街に入り、鳥取大橋を渡る。
道案内に従って市街地から海へ。16:50、鳥取砂丘に到着。
無料駐車場にバイクを止めて、まずは砂丘を見学。
んー、想像していた以上に雄大な眺めじゃないの。いいねぇ~。

魚見台より鳥取方面の日本海を見下ろす

魚見台より鳥取方面の日本海を見下ろす

鳥取砂丘 文字通り砂の丘です

鳥取砂丘 文字通り砂の丘です

あまりのんびりしてはいられない。早めに今夜の寝床を確保せねば。
再びバイクを走らせ、17:00、柳茶屋キャンプ場に到着。砂丘のすぐそばにある無料キャンプ場だ。
すでに何張りかテントが設営されていた。僕も早速ムーンライト3を組み立てる。
ちゃっちゃと張り終えて、温泉と買出しに出掛けた。
まず向かった先は砂丘温泉ふれあい会館
ラッキョウ畑の中に建つ、小奇麗な日帰り湯だ。
18:20、受付で400円を払って浴場へ。
大きな窓から砂浜を一望できる開放感に溢れた湯船だ。
地元民が多い中、濡れた靴下をこそこそと隠れて洗う…。
雨続きで足の匂いがそれはもう酷いことになってて。

鳥取市・砂丘温泉ふれあい会館

鳥取市・砂丘温泉ふれあい会館

砂丘から東へ暫く進むと砂浜になります

砂丘から東へ暫く進むと砂浜になります

風呂から上がると19:00近い。丁度、日没の時間帯だ。
キャンプ場までの帰り道、夕陽を見ようと再び砂丘に立ち寄ってみる。
一日の終わりが訪れて、太陽もようやく顔を覗かせてくれた。
無言でベンチに腰掛けて、空を茜色に染めながら日本海へと沈む夕陽を堪能した。

鳥取砂丘に沈む夕陽

鳥取砂丘に沈む夕陽

明日はきっと晴れるだろう…

明日はきっと晴れるだろう…

買出しに市街へ出たら、すぐにスーパーがあった。さすが県庁所在地。
買出しを終えてキャンプ場に戻ってきたのが19:50。
随分と遅くなってしまったが、とりあえず晩酌。
ツマミは鳥取名産のらっきょう、とうふちくわ。それからフルーツトマトにデザート用のスイカ。
そしてジャンボうまかつというお惣菜。
魚とイカのすり身にパン粉を付けて揚げ…って江木の赤てんと近いけど、味付けはあっさり。
二切れのうち、一切れはさっと醤油をかけてかぶりつき。もう一切れはめんつゆで軽く煮た。
ビールのツマミにも、飯のおかずにも(・∀・)イイ!!

鳥取のB級名物 (゚Д゚)ウマー

鳥取のB級名物 (゚Д゚)ウマー

食事も済ませ食器を洗いに調理場に行くと、一人のキャンパーが蛍光灯の明かりで文庫本を読んでいた。
挨拶をしてみると東京出身のツアラーの青年だった。
1年半ほど沖縄の石垣島にいて、今は原付で北海道まで北上中とのこと。
石垣島で知り合いもできて、彼らも各自北海道へ向かってるらしい。
塩犬「また寒くなったら沖縄へ戻るんですか?」
青年「いえ、北海道まで行ったら旅を終えます。きりがないですし」
塩犬「毎年、北海道と沖縄を往復してる人もいるそうですね」
青年「いましたいました、コンブ漁やサトウキビ収穫のバイトに異様に詳しい人(笑)」
テントに戻ってAirHで掲示板に書込んで就寝。
今日は林道を全く走らなかったが、明日は丸一日どっぷり林道の予定。
晴れるかなぁ。晴れるといいなぁ。



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