4/14、木曜日。午前8時過ぎに宿を出発。
朝食は松坂牛の入ったコロッケ一つで済ませる。
和歌山街道=R166を西へ西へ。櫛田川水系を遡る。
以後、数日間を掛けて中央構造線沿いに西へ向かうのだが、それは予定通り。
高見トンネルを抜けて奈良県に入ると、伊勢街道へと名前が変わる。
ここからは吉野川水系の流域だ。
丁度、桜の季節なので吉野山へ寄り道。
桜は綺麗だったが交通規制と渋滞で辟易してしまった。
吉野山を降りてさらに西に進み、R24=大和街道へ合流。
和歌山に入り、吉野川は紀ノ川と呼称を改める。
さて、本日の一軒目は紀ノ川市、名手の国道沿いにある御食事処ふみ。
予定より遅れて、丁度正午に到着した。
やはり長距離運ちゃんやツアラー御用達のお店。
トイレが御坊ちゃん式だったりするが、ボリュームは満点。
壁には「定食のごはん・味噌汁おかわり自由」との張り紙まである。
注文したのは人気の焼きそば。熱々の鉄板に乗せられたブツが登場。
キャベツがやたら多く、やや甘目のソースで濃いめに味付けされている。
食べ歩きなので定食にはしなかったが、なぜか御飯が欲しくなる味だ。
食べ終わって次の目的地へ向かう。
R424で海南へと向かい、海南ICから阪和自動車道~湯浅御坊道路へ乗る。
御坊ICで降りて、本日の二軒目、元祖せち焼き・やましたに13:50到着。
やましたは御坊市にあるお好み焼き屋さんなのだが、
「せち焼き」という一風変わった焼きそばの元祖のお店なのだ。
入店して早速イカせち650円を注文。
せちやきはセルフサービスではなく、必ずおばちゃんが鉄板で焼いてくれるらしい。
具と麺を炒めて味付けしてから、弱火にして卵を二つ加えて混ぜ混ぜ。
この状態で3分ほど置いてからひっくり返すと、見た目がお好み焼きのような状態になる。
あとはソース、マヨ、青のりをトッピングして出来上がり。
麺は太めで柔らかく、フワフワした状態の卵に包まれている。
確かに焼きそばなのだが、卵が前面に出てる料理で、オムそばともまったく違う。
他で食べたことのない味だ。イカも良いアクセントになってる。
他のお客さんが御飯と味噌汁も注文していたが、それも合いそうだ。
やはり関西は焼きそばやお好み焼きをオカズに御飯を食べる文化なのだなぁ。
食べ終わった後、和歌山市内のカプセルホテルを今夜の宿として予約。
煙樹ヶ浜や日ノ岬などにのんびり寄り道してから自動車専用道で和歌山へ向かう。
和歌山に到着したのが16:30。
まだ明るいので和歌山城へも寄り道してみた。
露店や花見客も居て、平日の割になかなか賑やかである。
17:00過ぎ、カプセルホテルにチェックイン。宿泊代は2600円也。
一人呑みに出かけたいのだが、さすがにまだ腹が減らない。
お腹が空くのを待ってる間にネットで飲み屋探し。
和歌山駅前に良さげな店を見つけた。
徒歩で和歌山駅まで移動。カプセルホテルから意外に距離があった。
20時少し前に多田屋に入店。
元々酒屋で、立ち飲みの角打ちからメニューが増え、座敷まである居酒屋になった店らしい。
瓶ビールとおでんをちびちびやりながら、店の姐さん方と常連とのやり取りを楽しむ。
U字型のカウンター。賑やかな姐さんたち。それを目当てに通う常連さん。
おまけに開店は朝の9時から。まるで池袋のふくろか赤羽のまるます家だ。
常連の下品なボケに厳しく突っ込みつつも、何のかんの体の心配をしてたりする姐さんたち。ツンデレか!
二杯目は地酒の豊富純米。それとおでんの豆腐と牛筋。
この豆腐がこの店の名物らしく、頼んでいるお客さんが多かった。
味がよく滲みていて、ボリュームもある。
さらにもう一杯、酎ハイを頼んで、最後の締めに焼きそばを注文した。
ぱっと見たところ、調理場も全て女性で賄っているようだ。
呑兵衛たちの野菜不足を心配した姐さん方の愛情だろうか、焼きそばは野菜たっぷり。
そういえばふくろにも焼きそばがあったなぁ、なんて思い出しつつお勘定。
「お愛想お願いします」
「はい、えーっとお兄さんは2400円」
「(安……)」
「おおきに。こっちに来ることがあったら、また寄ってやあ」
帰りは路線バスに揺られてホテルへ戻りましたとさ。