6:00過ぎに起床。
トイレに行き用(大)を足してたら、頭上遠くから飛行機の音が近づいてきた。
「あぁ、嘉手納基地の戦闘機か…」とボーっとしてたら、徐々に大きくなってゆく。
トイレットペーパーの金具がカタカタ鳴り出し、やがて大地を揺るがす程の物凄い轟音に。
例えるなら高速道路のトンネルの路肩に立って、大型トレーラーが目の前を通過するような音量だ。
まさか墜落するのでは?…と、心底びびってしまった。排泄中に死ぬのは嫌だ。
幸い僕は一日だけで済んだが、近所の方の苦痛はいかばかりか朝から考えさせられた。
のろのろと荷物をまとめて、8:10、出発。
すでに管理棟の業務も開始されていたのだろう。
ゲートの鍵は掛かっていなかった。
県道8号でみどり町に赴き、8:20、A&W安慶名店で朝食。
A&W(愛称・エンダー)は沖縄に普及している、アメリカ発祥のファーストフードチェーンである。
かつては東京などに支店もあったらしいが、今は沖縄県内にしかない。
定番メニューのビッガーDXベーコンチーズバーガーのコンボセット\670を注文。
熱々でジューシーなバーガーは勿論、サイドメニューのカーリーフライが実に美味い。
そしてドリンクのルートビア。ドクター・ペッパー以上にケミカルな風味の炭酸飲料だ。
それがA&Wではキンキンに冷えたジョッキで出され、お代わりも自由ときている。
僕は割と気に入って一杯お代わりしたが、苦手な人も多いようだ。
いろんな意味でアメリカ的な飲み物ではある。
食べ終わって、8:40、出発。
県道8号から県道37号へ接続し、勝連半島を南東へ進む。
8:55、県道10号を左折して、ドライブルートとして有名な海中道路へ。
地図を見て全体が橋だと思っていたが、ほとんどは埋め立てた土地に作られた道路だった。
平安座(へんざ)島に渡り、さらに宮城島、伊計島へと進む。
海が綺麗だ。ビーチを近くで見たいが有料なので諦めた。
最後は伊計島のサトウキビ畑でUターン。
平安座島に戻って、9:45、浜比嘉大橋で浜比嘉(はまひが)島に渡った。
ここはアマンジ=琉球開闢の神様・アマミキヨの墓と呼ばれる小島がある聖なる島だ。
静かな集落の中も少し回ってみたが、拝所で合掌している地元のおばぁが印象的だった。
これでこの辺りの地続きの島を全て制覇。
地元の釣り人があちこちで糸を垂れていた。うらやましい。
10:00、本島へ戻って、県道10号を経て県道16号へ接続。
10:10、勝連城(かつれんぐすく)城跡に到着。ここは拝観料もいらないらしい。
この頃にはだいぶ気温も上がっていた。はぁはぁと喘ぎながら歩き回る。
先日訪れた今帰仁城に比べると、城壁の石の組み方に隙間が少ない。
築城の時代的な差だろうか。それとも復旧再現工事の影響だろうか。
ここも一の郭(くるわ)・二の郭と積み重ねられた多段構造で拝所もところどころにあった。
沖縄の城(ぐすく)の一般的な構造らしい。
県道16号でうるま市赤道の辺りへ向かい、10:50、金晃てんぷら店に到着。
1個40円~50円程度だが、余りお腹が減ってないので180円分で4個ほど購入。
こちらのてんぷらは内地のものと少し違うそうだ。
とりあえず、その場で魚のてんぷらを食べてみよう。
地元ではウスターソースをぶっ掛けたりするらしいが、あいにく手元に無い。
そのままガブリとやる。フリッターに似た衣で、もっさりとした食感だ。
ほくほくして美味しいがお腹にたまる。あとは取っといて後で食べよう。
県道75号を南下して、R329を左折し、さらに南下。
県道81号を左折し、道案内の標識に従ってゴルフ場を抜ける。
11:15、中城(なかぐすく)城跡に到着。入場料は300円。
城壁の描く曲線が美しい。一の郭からの眺めも壮観だ。
14世紀前後の琉球は三山時代と呼ばれ、北山・中山・南山の三国が割拠する動乱の時代だった。
尚巴志(しょうはし)による1429年の三山統一後も、各地の按司(あじ=豪族)は独立した勢力を競う。
先ほど訪れた勝連城の城主・阿麻和利(あまわり)と、この中城の名将・護佐丸(ごさまる)も当時ライバル関係にあったらしい。
護佐丸は阿麻和利に討たれ、その阿麻和利も首里王府の軍によって滅ぼされた。
そんな栄枯盛衰の物語を聞き、琉球王朝時代も内地と変わらぬ戦乱の歴史だったことを知った。
11:45、出発。R329をガーっと南下。
与那原でR331へと左折し、12:10、馬天港の浜珍丁に到着。
事前に予約しておいたイラブー料理2,500円を注文する。
地元のおばちゃん、おじちゃんの常連さんでカウンターは一杯。
ワイドショーで塩沢トキの特集を見ながら待つ。
イラブーとはエラブ海蛇のことで、沖縄では燻製にして食用にされる高級食材だ。
やがてお膳が運ばれてくると、やはりメインのイラブー汁(イラブーシンジ)に目がいった。
ひと目見て六角形の鱗と黒いブツギリの肉がヤツだと分かった。早速食べてみる。
味も臭いもそれほど癖がない。鶏肉と魚の中間のような味である。
小骨は煩わしいが、内蔵はウナギの肝に似た風味で美味。
あっさりした味わいのスープにはイラブー以外にも昆布とテビチが入っていた。
付け合せの昆布煮や刺身、フーチバー(ヨモギ)のマヨネーズ和えもなかなか美味い。
御飯が少なめに感じたが、てんぷらなど食べたばかりなので今日のところは助かった。
食べ終わって、12:55、出発。
街路樹のヤシを眺めつつ、R331を快走。
知名崎を巡り、13:15、斉場御獄(せーふぁうたき)に到着。
沖縄随一の聖地とのこと。深い森の中の参道を歩き、点在する拝所を見てまわる。
三庫理(さんぐーい)と呼ばれる巨大な岩が描く三角形はいかにも神秘的な雰囲気が感じられる。
途中、「砲弾穴」と看板が立つ参道の脇にあった水溜りが印象的だった。
この神聖な地も沖縄戦から逃れられなかったのか…。
13:40、出発。すぐ先の国道沿いにAコープがあったので小休止。
今朝も飲んだルートビアが缶で売られていたので購入。58円は安い。
ちなみにルートとは植物の根(ROOT)のこと。
あのケミカルな風味は根っこなど薬草類が入ってるためらしい。
実は今夜、とあるビーチでKanna関連の知り合い数名と落ち合う予定になっている。
時間が余りそうなので回り道していこう。
少し戻って、ニライカナイ橋を渡った。沖縄っぽくないルートだ。
県道86号から県道137号を経て、14:05、垣花桶川(かきのはなひーじゃー)の入口に到着。
沖縄で唯一日本100名水に選ばれた湧水らしい。
しかし、水を汲むには坂道を登るか下るかしなければならないようだ。
実際歩いて疲れたが、それを補って余りあるほど水は美味しかった。
少し甘みがあるような気がする。さっきルートビアを飲んだのは失敗だったなぁ。
水を汲み終えて駐車場に戻ったところで、午前中に買った天ぷらの残りを食べた。
この炎天下なのに傷みもなく、普通に美味かった。
14:25、出発。R331に出て西へと進む。
14:30、国道を左折して奥武島(おうじま)へ渡った。
てんぷらで有名な中本鮮魚店は予想以上に混雑している。
余りお腹は空いてないが食べておきたいので、島を一周してから列に並んだ。
注文したのはもずくとアーサのてんぷら。一つずつで合計100円也。
「アーサが小さいので二つ入れときました」とのこと。うーん、ありがた迷惑というか…。
炎天下で食べるのは辛いので、日影を求めて移動。
R331へ戻り、西へと進み、15:05、平和祈念公園に到着。
まず日影のベンチに腰掛けて、さっき買った天ぷらを食べた。
場違いかも知れないが、平和に食べものを喰える世の中に感謝して…ってことで。
もずくもアーサも具の味わいより衣の美味さが印象に残った。
ボリュームがあるはずなのだが、案外すっきり平らげられる。
食べ終わって、少し公園を散策してみた。
沖縄戦の全犠牲者…国籍・軍民を問わず…の名を刻んだ平和の礎では、その数に圧倒された。
一口に23万8千人余というが、一人ひとりに言い知れぬ悲しみがあったろう。
歩みを進めているだけで戦争と平和について考えさせられ、否応無く厳粛な心境になってしまう。
それにしても、駐車場でオバーたちが売る顕花は、ちょっと卑怯だ。
断るとなんだか罪悪感を感じてしまうではないか。
15:35、出発。5分ほどR331を走って、ひめゆりの塔へ。
ガマ(壕)の脇に立つ塔そのものは思っていた感じより小さい。
ガイドさんの話を途中まで聞いてその場を去った。
資料館もあったが悲しくなりそうなので止めといた。(でも最終日に再訪)
15:50、出発。集合場所の北名城ビーチをまっすぐ目指す。
16:00、場所の確認を済ませて、潮崎町のスーパーで買出し。
GSで給油も済ませ、16:30、ビーチに戻ったら、すぐにお馴染みの面々がやってきた。
僕だけはここへ宿泊するのでテントを張る。
やがて一年前に東京から沖縄に引っ越したブレンダさんとジェフさん(←愛称です)のご夫妻も現れた。
日陰にマットを敷いて、いよいよ宴会開始。
ブレンダさんは、沖縄の食材を使ったいろんな手料理を持ってきてくださった。
Kannaのたみさんたちもいろいろ買出ししてきてくれた。もちろん僕もいろいろと。
てんぷら、島ラッキョウ、島豆腐、A&W、酒たくさん。
以下、紹介するのはごく一部。ご了承を。
赤い体色のグルクン(和名:タカサゴ)は沖縄の県魚でもある。
アジに似た味わいで、なかなか美味い。
りんがくは微妙な甘さだ。金時に似てるかなぁ。
ヒラヤーチーは生地にもっと味がついているとよかったなぁ。
今日はすでに天ぷらを二度食べたので、このモッタリ感は辛い。
ブレンダさん、お手製のビーツのサラダは大いに美味かった。
森永ヨーゴはピルクル・マミー系の予想通りの味だった。
北海道のカツゲンや栃木のレモン牛乳と並べてみたい。
沖縄では給食で出されるらしく、ブレンダさんの息子さんが喜んで飲んでいた。
こっちに来てまだ一年くらいなのに、子供は環境に溶け込むのが早い。
どこかにぶつかって「あがっ!(痛い!)」と普通にウチナーグチを使っていたのが面白かった。
一方、大人はビールから泡盛へ。垣花桶川の名水で割って飲んだり。
那覇空港が近いこともあって、夜半まで飛行機の音が聞こえる。
とは言え、今朝の戦闘機のような恐ろしさは無い。
かくして日も暮れ、暗くなるまで宴は続く…。
解散したのは21:00くらいか。
もろもろ片付け、皆さんを見送って僕はテントの中へ。
メッシュを通り抜ける夜風が涼しい。
今夜は心地良く眠りに就けた。
写真をブログに掲載させていただきました。
ありがとうございました。
ご報告ありがとうございます。
今後ともごひいきに。