5:00起床。
風邪薬のおかげかよく眠れた。疲労もすっかり回復したようだ。
目の前の琵琶湖では水鳥たちが朝まずめの餌探しをしている。
靄に包まれた幻想的な竹生島を眺めながら、軽めに菓子パン一個の朝食。
今にも降りそうな空模様だがテントもなるべく乾かしておこう。
7:25、出発。早朝なのでそっと出発しようと思ったが、
エンジン音を聞きつけたのか管理人さんたちがわざわざ見送りに出てきてくれた。
いいキャンプ場だなぁ。最後まで好印象。
キャンプ場から湖畔を東へ進み奥琵琶湖パークウェイへと向かう。
『20:00~翌8:00まで夜間通行禁止』との看板が出ていたが走っている車が多い。
7:30、大浦で県道557と別れて、いよいよ奥琵琶湖パークウェイだ。
特にゲートも無いようなので先へと進む。7:40、菅浦の分岐まで来た。
ここから湖畔を離れて山道になる。まだゲートが現れないけど無いのかなぁ?
とりあえず琵琶湖を見下ろしながらワインディングを登って行こう。
つづら尾展望台から眺めた琵琶湖は流石に素晴らしい。
風が無いため水面が鏡のようだ。やがて林間の快走路となる。
時折見える琵琶湖に早朝の爽やかな空気。んー気持ちいい~♪
途中、路面の落石を取り除いていた道路公団の車を抜いた。
もうすぐ終点だなぁ…と出口に到着。ここまで来て頑丈なゲートが閉じていた。
向こう側でも待ってる車が何台かいる。時刻を見るとまもなく8:00。
一分もしないうちに途中で追い越した道路公団の車が到着した。
ゲートが開いたところで一番に通過。
ふふん、今日は順調な一日になりそうだなぁ…♪
8:05、R303に合流。塩津でR8を右折して木之本方面へ向かう。
北陸本線の木之本駅前でR8を離れて真っ直ぐ進み、踏み切りを渡る。
良い雰囲気の宿場町だ。突き当たった寺院を右に曲がって目的地に到着。
すぐ右手にパン屋・つるやがあった。時刻は8:15。いままさに開店したところのようだ。
早速中に入ってサラダパン105円と果物ジュースを購入。
今朝の朝食が軽めだったのはこれを食べたかったからである。
『サラダパン? そんなの普通に売ってるよ』…と侮るのはまだ早い。
ここのサラダパンの具は細かく切ったタクワンをマヨネーズで和えたものなのだ。
タクワンである。しかもマヨネーズである。その結果がサラダである。
実際に食べてみるとコールスローサラダ風だ。タクワンのポリポリ感も面白い。
コッペパンなのでボリュームもそれなりにある。ふむ、長年支持されてるのも頷ける。
滋賀県北部で流通してるらしい。でも昨日のエーコープでは見かけなかったなぁ…。
北へ進んで、8:25、R365に合流。
このまままっすぐ今庄方面に北上…するつもりだったが路肩崩壊で通行止めとの看板が現れた。
8:30、国道の路肩に停車してルートを思案。
うーん、R8へ抜けて敦賀経由で行くしかないのかなぁ。
R8への抜け道と考えて池原小谷林道が真っ先に思い浮かんだ。
しかしさすがに時間のロスが大きすぎるので却下。
GPSのナビ機能で敦賀までのルートを検索させると県道33号経由のルートを示した。
ふむふむ、こんな道があるのね…と指示に従って進路変更。
8:40、余呉湖の脇を抜けて西へと進む。
むむぅ、なにやら入り組んだ路地に入って行くぞ…。
なおもナビを信じて進んだが、民家の裏手の急勾配でいきなり行き止まり。
ツーリングマップルを確認すると、ここからR8までの区間が空白ではないか。
ちっ。GPSの地図の不備か。大事な時にミスりやがってー!
停車して再び落ち着いてルートを探す。
と、R365を北上した先に県道140号というルートがある。
その道を使えば敦賀の北でR8に合流できるようだ。よし、それ行こう!
と言うわけで、R365に再び戻った北陸自動車と併走して北上。
8:50、県道140号に右折。
…っといきなり信号機付きのトンネルが現れた。
柳ヶ瀬トンネルと名付けられた国鉄廃線跡の隧道だ。
狭くて対向不可なため一方通行。感知式の信号機が設けられてるがとにかく待ち時間が長い。
二輪車用のボタンもあるが、それを押しに前に出ると信号機が見えない位置になる。むぅ
5分以上も待たされてようやく青になった。順番待ちの先頭だったので即突入。
全長1352mの長く狭いトンネルである。ライトは闇に吸い込まれ圧迫感はかなりのもの。
旧天城トンネル(445m)を通ったことがある人は、あれを一回り狭くして
3倍の長さにしたトンネルを想像していただければ大体雰囲気は分かるはず。
最後のカーブに少し緊張しつつ、9:00、柳ヶ瀬トンネルを抜けて福井県に入った。
少し進んだところで池河内湿原と書かれた道案内を目にした。
地図を見るとR476に合流して今庄方面にも抜けられるルートのようである。
このまま県道を進んでR8へ抜けるより、そっちの方が何となく面白そうだ。
ってことで、成り行きで山道へ。市道だろうか、整備状態は悪くない。
9:15、池河内湿原に到着。
規模は小さいが、生物相が多様そうで興味深い。
散策しているうちに、ついにポツポツと雨が降り始めた。先を急ぐとするか。
9:25、R476を右折。今庄へと進む。雨はほぼ止んでいる。
…と、ここまで来て気付いたがナビの地図では峠越のあたりで道が途切れているではないか。
「まいったなぁ、行き止まりか…」 一旦停車して迂回ルートを探す。
しかし対向車が何台も来るし、今庄までの距離を示した標識もある。
行けるだけ行ってみようと進んでみたら、あっさりトンネルがあった。
ちっ。またナビの地図に騙されたか。んにゃろー!
この後、林道探索を予定しているのだが、その前に越前名物のおろしそばを食べておきたい。
事前調査では時間帯が厳しそうだが、一応今庄から武生まで行ってみよう。
9:45、今庄を抜けてさらに北上し、10:00、武生市街に到着。
だがやはり、めぼしい店は定休日だったり、開店時間前だったりでどこも閉まっていた。
時間を無駄に浪費した挙句、給油だけ済ませて、10:45、市街地を離れた。
うーん、どうもちぐはぐだなぁ。
R8を敦賀方面に少し戻って、併走する県道205に合流。
中津原トンネルを抜けて、10:55、越前西部林道1号線の起点に到着した。
越前西部林道(=森林基幹道・越前西部線)は1~4号線で構成される長距離林道である。
4号線に接続する西郷幹線をあわせるとその全長はなんと85km!
…とは言え、完成済みの1~3号線はほぼ全線舗装済み。
竣工中の4号線はピストンダートとして楽しめそうだが、開通したらすぐ舗装されるんだろうなぁ…。
まぁせっかく越前まで来たことだし、その名を冠する林道くらいは走っておこう。れっつらごー。
基本的には林間の道だがところどころ展望が開けた。
倒木が多かったが路面を覆う部分は切断されていたので通行は支障なし。
路面が雨で濡れてるので、苔や落ち葉に注意して慎重に走る。
県道3号を横断して、越前西部林道1号線はなおも続く。
『クマに注意』の看板を横目にズンズン前進。
11:30、雨脚が強くなってきたので、雨具を完全装備。
先日の高速道路での反省から、ブーツカバーをレインパンツの下に履いた。
ブーツカバーが上だとレインパンツ伝いに水が靴まで滴ってしまうのだ。
ただし脱いだり履いたりする手間は増えてしまう。
途中で分岐を間違えたらしいが未舗装路だったので良しとしよう。
貯水池の脇を抜け、千合谷で県道19号に出た。
左折して12:00、干飯トンネルの手前で越前西部林道2号線の分岐に到着。
深い山々の向こうに、時折越前の海が顔を覗かせる。
倒木に加え、落石や小規模な土砂崩れも目立ってきた。
地質がもろいのだろうか。雨が続くと危険かもしれないな…。
腹も減ってきたし時間も思ったより押している。
総合的に判断して越前西部林道探索はここで中止することにした。
単独行動は自制心に耳を傾けるのが基本ですな。
12:20、県道4号に出て、越前海岸方面に下りR305を右折。
海岸伝いに北上し、12:30、すぐ目に付いた食事処・山田屋へ。
雨具を脱ぎつつ、玄関先で注文したのは刺身定食2000円。(消費税抜き)
越前カニを食べたかったが、さらに3000円上乗せが必要と言われたので止めといた。
旅館も兼ねているらしく、気を使って眺望の良い四階の部屋をあてがってくれた。
エレベーターは無く四階まで階段を登るのがちと辛い。
部屋名だけ告げられ案内もされなかったため、ちょっと戸惑ってしまった。
襖を開けて中に入ると予想以上の広さだ。卓袱台を四つもくっつけてある。
一人で使うには手に余るなぁ…。
料理が来るまで部屋のTVを視聴。またNHKの連続ドラマを見てしまった。
卓袱台が広すぎるせいか、お茶も配膳も微妙に離れた位置に置かれた。
自分で手元に寄せながら、「これで不味かったらツーレポで叩いてやろう」と密かに決意。
雨で気持ちが荒んでいたのだろう、理不尽に挑戦的な態度で刺身に箸を付ける…。
…( ̄~ ̄;) ウーン
美味い! 文句なし!
ブリにイカに甘エビにバイ貝、どの刺身も美味い! 越前ガレイの干物も美味い!
全体を収めるため写真は引き気味で撮ったのだが、ボリュームも充分。
あら汁もタコの酢味噌和えも美味かった。
越前の海の幸が盛り沢山の定食に満足、満足。
雨具を着るのも手間が掛かる。面倒くさい…。
13:30、出発。越前海岸を一路北上。
山が海にせり出していて、秋田県白神辺りの印象に近い。
13:40、越前岬に到着したが、灯台の辺りは有料エリアだったので止めといた。
雨は止むことなくシトシトと降り続いている。
越前岬を越えるとR305は北東に向きを変えて三国方面へと進む。
海岸線ギリギリにいくつも田んぼがあった。塩害は大丈夫なのだろうか?
14:25、道の駅・みくにでトイレ休憩。
雨具が重装備なので小便ひとつするのも時間が掛かる。全く…。
14:35、九頭竜川を渡り、県道を7号を右折。14:45、東尋坊に到着。
自殺の名所として有名な断崖絶壁だが、それほどの高さでもなかった。
かといって、ガッカリ名所としても有名なので期待外れという訳でもない。
船に乗って海上から見上げると、また違う感想を抱くのかも知れない。
一回りして出発しようとバイクに戻ったら、駐車場のおっちゃんに声を掛けられた。
おっちゃん「雨の中大変やな」
塩犬「えぇ、一週間ちょっとの旅なんですけど、参りますね」
おっちゃん「これから土曜日まで三日間雨やで」
塩犬「まじっすか!? Σ(゚Д゚)」
おっちゃん「ほんまや、予報で言うとった」
塩犬「Σ(゚д゚lll)ガーン」
とりあえず次の目的地・福井に向かおう。
幕営前に夕食として名物のソースカツ丼を食わねばならぬ。
15:00、R305まで戻って、福井方面へと県道を繋いで南下する。
周辺は田んぼだけでなく麦畑も多かった。
五月雨に濡れた麦穂は生命そのものを感じさせる。
走りながら頭で今後のプランを練る。土曜まで雨…ソースカツ丼…幕営…。
この時間、福井市街で食事を済ませてキャンプ場へ向かうのは気が重い。
うっし、思い切って、今夜は宿に泊まることにしよう!
…と言うわけで、早速宿の情報収集。
道の駅の案内があったので県道29号を福井とは反対方面に左折。
15:15、道の駅・さかいに到着。幸いエアエッジの圏内だった。
木の椅子とテーブルが揃ってる休憩所に腰を据え、お茶を飲みながらのんびり調査。
幕営の予定が消えたので、もう慌てる必要も無い。
福井のユースホステル(YH)が良さそうだ。
ついでに福井のYSPでオイル交換もしておこう。
GPSへのポイント登録を済ませて、15:50、出発。
ナビ任せにがーっと南下…したら福井の市街地に入り込んでしまった。
渋滞にいらいらしつつ、R8で市街地を迂回するルートを選べばよかったと反省。
やっぱ、GPSのナビゲーションに頼りすぎるのはいかんなぁ…。
16:25、YSP福井南に到着。
だが30分ほど待たないと店長が戻ってこないらしい。
うーん、先にYHへ行ってチェックインを済ませておくか。転進して福井の中心地に向かった。
福井駅の脇を抜け、フェニックス通りから県庁や市役所のある一角へ曲がる。
16:45、福井県青年館ユースホステルに到着。
実はユースホステルに泊まるのは初めてである。
今後もお世話になることがありそうなので宿泊申し込みのついでに会員登録も済ませた。
宿泊料金は3360円。それに会員登録費2,500円と駐輪代200円くらいだったかな。
「バイクは玄関脇の駐車場に停めるように、スタンドの下には板を敷くこと」と注意を受ける。
キャンプ道具中心の大荷物はロビーの脇の目立たぬ場所に置かせてもらった。
部屋で雨具一式を脱いでようやく落ち着いた。
あー、屋根の下で雨を凌ぐって、幸せなことだなぁー。
落ち着いたところで再び雨具を着こんで、18:00、外出。
18:15、YSP福井南を再訪。こんどは店長がいた。
オイルとフィルターの交換を頼んだだけのはずが各部点検までサービスしてくれた。
スポーク締めや空気圧チェック、高圧水でエンジン周りの泥落とし。ありがたやありがたや。
18:50、YHに戻って雨具を脱ぎ、今度は傘を差して外出。
目的は福井名物のB級グルメ・ソースカツ丼。
日本のあらゆるカツ丼のルーツとも言われている。
GPS片手に徒歩で目当ての店を探したが、なかなか見つからない。
通りがかりの地元民に尋ねてみたところ、GPSの登録ポイントが見当外れの場所だったようである。
散々歩き回った末、19:30、元祖の店・ヨーロッパ軒総本店にようやく到着。
注文したのは勿論カツ丼セット1020円。それに生ビール。
カツの肉は薄めで、見た目は新潟のトンカツ太郎と酷似している。
ソースは甘め。足りなければ漬けてくださいと別皿ソースもついてくる。
キャベツの千切りは無くシンプルだが、実に美味い。ワシワシと一気に完食。
あー、喰った喰った。
20:00、YHに戻って、マッタリと過ごす。
21:00過ぎ、トリビアを途中まで見てから入浴。
風呂から上がって布団にもぐる。やっぱ寝袋とは気持ちよさが違うなぁ…。
いろいろと予定が狂いがちな一日だったが、何となく上手くおさまった気がする。
腐って感情的にならず、冷静に自制心を発揮して対処したのが良かったかな。
22:30、就寝。寝る前に外の通りを見てみたが、雨は心持ち弱まっている気がした。