南の島に霰が降る・外道編


「実はスカリが流されちゃって…」
ガ━━━━(;゚д゚)━━━━━ン !!!
スカリというのは釣った魚を生かしておく網のことである。
二人はいつものように獲物を入れたスカリにロープを金具で留め、海に浮かべておいたらしい。
ところが獲物が多すぎたのと波が高すぎたせいで留め金具が持たず外れてしまった。
怪人M氏が気付いた時にはスカリはだいぶ流されてしまっていたそうだ。
しかもたまたまMUDさんはトイレに行ってる最中の出来事。
引っ掛けて岸に寄せようと仕掛けを遠投したのだが駄目。
かくして、スカリに満載されたメジナとムロアジは海の彼方へ…。
「でも、その後ムロアジは何匹か釣れましたよ」
「あとブッコミで良い型のカサゴも」
なるほど、クーラーに何匹か入ってる。まだまだいけそうだ。
二人は完全に気を取り直して釣っている。早速、僕も竿を取り出して準備開始。
とりあえず今日は簡単なブッコミ仕掛けで様子をみよう。
手近な波間に仕掛けを放り込んで、さてとそろそろ昼飯だな。
昼飯はMr.MUDさんの事前の提案通り、自炊することにした。
ガソリンストーブに大き目のコッヘル、米・野菜は本土から持参。
飲み水は客船の待合所で汲んで来た。
MUDさんがカサゴの味噌汁とムロアジの刺身の調理を担当してくれた。
三宅島での三日間、さらに帰京後も魚を捌き続けていただき感謝感謝である。
僕は炊飯担当。MUDさんが山梨の実家で作った米四合を海水で研いで浸水。
大量の米を炊くのに慣れてないが、水の量はこんなものだろう。
十分時間を置いてから加熱。風が強いのでいつもより火はやや強め。
味噌汁の鍋もカサゴのブツ切りに白菜・人参・玉葱の具がグツグツ動き始めた。
怪人M氏は追加の食材調達…できなかったか…。残念。
炊き立て御飯に味噌汁をぶっ掛け、刺身を摘みながらバクバク。
うめー!! ムロアジもカサゴも滅茶苦茶うめー!!
かなり量があったはずだが、3人で綺麗に完食。ご馳走様でした。

MUDさん、魚調理お疲れ様でした

MUDさん、魚調理お疲れ様でした

カサゴ味噌汁&ムロアジ刺身 メチャメチャ(゚Д゚)ウマー

カサゴ味噌汁&ムロアジ刺身 メチャメチャ(゚Д゚)ウマー

午後は貨物船接岸の作業時間帯を除いて、夕方まで釣り続行。
カゴ釣りではメジナ、ムロアジ、ゴマサバ。
ブッコミではブダイ、ホウライヒメジ、トラウツボ。
外道バスターズの名に相応しい獲物も多々釣れた。
魚種も多様で魚影も濃い。うーん、三宅島、侮りがたし。

青い海から良型のブダイがあがってきます

青い海から良型のブダイがあがってきます

こいつはトラウツボ 無駄にカラフル

こいつはトラウツボ 無駄にカラフル

ホウライヒメジ ヒゲもあって鯉みたい

ホウライヒメジ ヒゲもあって鯉みたい

沈み行く太陽と三本岳を眺めつつ…

沈み行く太陽と三本岳を眺めつつ…

クーラーに余裕が無く、初日ということもあって外道はリリース。
17:30、ようやくホテル海楽にチェックイン。
頼めば釣った魚をレストランで有料で調理してもらえるのが嬉しい。(500円~)
この日の夕食は規定の食事+メジナのお造り+ブダイの天ぷら。
さらにホテルからの特別サービスってことで、ステーキとサザエまで!!
もう本当に至れり尽くせりで恐縮してしまう…。
といいつつ三人とも御飯をお代わりしたりして、三宅島上陸初夜を満喫した。

釣れたてメジナのお造り メチャ(゚Д゚)ウマー

釣れたてメジナのお造り メチャ(゚Д゚)ウマー

ブダイ天ぷら フワフワ白身で(゚Д゚)ウマー

ブダイ天ぷら フワフワ白身で(゚Д゚)ウマー

2日目、1月8日。
天候がちょっと優れない一日だった。
未明から雨が降ってたこともあり、朝食は遅め。
夜が明けて、雨はあがったようだが風が強い。
昨日と同じく錆ヶ浜港へ出陣したものの、堤防に被るほど波が高い。
ムロアジやゴマサバがバンバン釣れたが、危険なので午前中で納竿。
ホテルに戻って庭の水道をお借りして、バイクに付いた海水を洗い流す。
その後、昼飯の海鮮丼を食べ、後は酒を飲んで昼寝。
勿体無い一日とも思えるが、初日の釣りで体力が意外と消耗していた。
その分を回復できたと思えばこの日の休息も無駄ではあるまい。

2日目の丁度晴れ間に撮った写真です

2日目の丁度晴れ間に撮った写真です

昼飯は海鮮丼 (゚Д゚)ウマー

昼飯は海鮮丼 (゚Д゚)ウマー

イソヒヨドリ なかなかかわいいです

イソヒヨドリ なかなかかわいいです

夕方、そろそろ飯時なので三人起き出す。
昼寝してても腹は減るもので、グビグビバクバク鯨飲馬食。
午前中に釣ったムロアジのタタキに加え、この日はクサヤ500円も注文してみた。
独特の匂いが苦手な人も多いのだが、この三人の場合は逆に食欲が刺激されるようだ。
実際、クサヤでしか味わえない旨味が堪えられない。
貪るように食べて、もう一皿追加オーダー!
そして、この日もやはり御飯をお代わり。

脂のったムロアジのタタキ (゚Д゚)ウマー

脂のったムロアジのタタキ (゚Д゚)ウマー

地元で食べるクサヤもメチャ(゚Д゚)ウマー

地元で食べるクサヤもメチャ(゚Д゚)ウマー

3日目、1月9日。いよいよ最終日だ。
客船は14:30出港。今日は釣りをできるのも午前中に限られる。
時間が勿体ないので、朝食はお弁当にしてもらった。
これもホテルのサービスで、希望者は朝食・昼食を弁当に変えられるのだ。
釣り人にとって実に有難いシステムだが、惜しむらくはその中身である。
本来の朝食のメニューを味わってもらいたいというサービス精神は分かる。
だが、納豆・焼魚・味付海苔は弁当としていかがなものか。
実際、海風の吹く釣り場ではかなり食べづらかった。
『オニギリ3ヶ+御新香』みたいな選択肢を再考願いたいものである。
さて、朝食を弁当にしたお陰で暗いうちから心置きなく竿を出せた三人。
今朝もムロアジ・ゴマサバをバンバン釣り上げた。
っと、MUDさんのブッコミ仕掛けに何やらでかいのが掛かったようだ。
えっちらおっちらリールを巻いて、あがってきたのは御馴染みのアイツ。
今回も得体の知れない粘液をアチラコチラに撒き散らしてやがる。

三宅島のウツボはポッチャリ型

三宅島のウツボはポッチャリ型

日が昇ってからはムロアジが入れ食い状態。
カゴ釣りでこんなに釣れたのは初めてだ。
ほとんど30cm前後だったが、MUDさんは43cmという大物を釣った。
まるでソウダガツオである。
一方、怪人M氏が釣り上げたのはウオノエ
タイノエとも呼ばれ、魚の口の中に寄生する虫である。
おそらくブダイ辺りが吸い込んだ釣り針がたまたま引っかかり剥がれてしまったのだろう。
それにしても怪人M氏、夏には長靴、今度は寄生虫…変なのばかり釣るなぁ…。

ゴマサバとムロアジ 血抜き中の図

ゴマサバとムロアジ 血抜き中の図

ウオノエ とーってもきもいです

ウオノエ とーってもきもいです

そろそろ納竿という頃、僕のブッコミ仕掛けにブダイが二匹連続で来た。
ブダイは内臓の匂いと表皮の粘膜とゴツい鱗が厄介なのだが、釣り場で処理しておけば楽だ。
いいお土産ってことで、MUDさんがその場で捌いてクーラーの中へ。
ちなみに処理中、口の中を確認したら二匹ともウオノエがちゃんといた。きもい。

ブダイ 粘膜に身体を包んで寝る習性で有名

ブダイ 粘膜に身体を包んで寝る習性で有名

ズームアップ この口の中にあの虫が…

ズームアップ この口の中にあの虫が…

荷物をまとめ、ホテル海楽へ戻って帰還の準備。
MUDさんは釣具の洗浄と魚の処理。
釣り人専用の流し台・洗濯機・冷凍庫があるのは実に助かる。
僕と怪人M氏はバイクの輸送手続き。
スタッフに頼み込んで、荷物を着けたまま運んでもらえることになった。ラッキー。
もろもろ一段落したところで昼御飯。
三宅島最後の食事ということで奮発して海楽膳2000円を注文。
どんな地魚が出てくるかと期待したのだが、鰻蒲焼・マグロお造り・串カツ…。
うーん、豪華かもしれないが期待外れ。ちょっと残念。
御飯は一杯目がやけに多かったので、今回は僕以外の二人のみお代わり。

海楽膳 なぜか御飯の量が増えてるような…

海楽膳 なぜか御飯の量が増えてるような…

食事を終え、支配人・七島の放浪者さんに見送られてホテル海楽を後にした。
釣り人にとって、実にすごしやすい宿だった。次もまた利用しよう!!
錆ヶ浜港に荷物を置き、手前の土産物屋へ戻ってお土産を購入。
周りの乗船客も釣り人が目立つ。でっかいクーラーをキャリアで重そうに運んでいる。
14:00、カメリア丸がやってきた。
桟橋の横で向きを変えて接岸。2等和室に乗り込んで14:30出航。
今日は空いている。のびのびゴロゴロと寝転んで東京へ…。
20:30、竹芝に到着。無事に帰ってこれて何よりである。
それから二日後の1月11日。
おなじみKannaに何人かを呼んで海の幸の晩餐会。
ブダイのワイン蒸し、ムロアジのなめろうから始まって、
ゴマサバのハンバーグ、ムロアジのバター焼きと、たみさんの技が冴える。
どれもこれも美味かったが、特にゴマサバの竜田揚げは絶品だった。
現地での血抜きが功を奏したのだろうか、驚きの味である。
現地で不味いと言われたため何匹か捨ててきたことを3人で悔しがった。
※ 以下4枚の写真は手下F氏の提供です。多謝。

ブダイのワイン蒸し&ムロアジのなめろう

ブダイのワイン蒸し&ムロアジのなめろう

ゴマサバのハンバーグ (゚Д゚)ウマー

ゴマサバのハンバーグ (゚Д゚)ウマー

ゴマサバの竜田揚げ メチャ(゚Д゚)ウマー

ゴマサバの竜田揚げ メチャ(゚Д゚)ウマー

ムロアジのバター焼き コレモ(゚Д゚)ウマー

ムロアジのバター焼き コレモ(゚Д゚)ウマー

雄山周辺の景観は地獄を想起させるが、釣り人にとっては天国そのものの三宅島。
3人+αで再訪する日も、そんなに遠くないと思う。きっと。



コメント

南の島に霰が降る・外道編 — 10件のコメント

  1. SaltyDogさん、レポアップお疲れさまでした!
    じっくり拝見させて頂きましたですよ。
    いやいや、ホントに早く次回が楽しみですわいな。(^^)
    ワタシは早々、次の仕掛けとロストした遠矢ウキを買いました。
    これでいつでも大丈夫っス!
    次回こそは流されたスカリの中の魚の無念を晴らすのじゃぁ~!!

  2. 外道バスタ〜ズが往く!!(炸裂!!Mプロジェクト) 【第一幕】

    今日は朝から雨降り天気。 ついさっきは季節が逆転したか!?と思うような遠雷とスコールの様な雨。。。。 つい3日くらいまではヤレ大雪警報だ村落孤立だとか騒いでいた…

  3. コトリはイソヒヨドリかとー
    釣りはやらないのですけど
    そんなに釣れたら楽しそうですね〜
    おいしそうな魚♪
    ウオノエは…キショイですねー
    なんですかそれわ!きっと触れないかも。。。

  4. >>怪人Mさん
    >>MUDさん
    ぜひ、また近いうちに行きましょう。
    参加者に手下F君とcultkingささきさんが増えそうですね~。
    >>emiさん
    おぉ! ありがとうございます!
    なるほどイソヒヨドリに間違いなさそうです。
    お礼として、今度なんかお土産でも…ウオノエ?

  5. ウオノエで盛り上がってますな~。
    次に三宅行ったときは、持ち帰りますか・・・。
    誰かの口の中に入れてやりたいΨ(*`Д´*)Ψグヘヘヘ!!
    Fたん?salちゃん?

  6. やっぱ、欲しい人にあげたら喜ぶだけだし・・・。
    ヤツにとっても、口の中の方が落ち着くでしょ。
    ところで、Fたんが三宅行きたくてo(^-^)oワクワクモードになってるぞ?
    もし行くなら、切符やホテルの手配とかもあるしね。
    cultkingささきさんやMUDさんの予定も聞いておかないと。

  7. おろろろ...。(^^;
    怪人Mさんと同じ事を考えて、書きにきたらば、既にご本人様がカキコ済でしたね。(笑)
    という訳で、ワタシは都合が着く限り激しく賛同。 早々にカミさんに許可申請。
    フェリーの予約と株主優待券のげっちゅと宿の予約と、あと一番気掛かりなのが
    核心本命の土曜日2/18の天気だけですねー。今週の日曜日、月曜日みたいな
    穏やかに日になってくれればベストなんですが、超冬型が来てシケそうだったらどないすっか?
    懸念はそこだけですねー。

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