黄身がいた夏


5:00、起床。
海のすぐそばなので風が強い。朝食は納豆と卵の定番メニュー。
知り合いにツーレポの感想を聞くと「納豆多すぎ」と言われてしまうが、好きなものは仕方がない。
6個入りの卵を買ってきて、昨夜2個ゆで卵にして食べ、今朝また1個食べた。
残り3個はパックに入れてソフトクーラーの中へ。
今日は暑くなりそうだけど、まぁ一日二日は大丈夫だろう。
強風に苦労しながらテントを畳む。
道の駅に寄りスタッフに許可証を返して、7:50出発。

朝食はいつものメニューです

朝食はいつものメニューです

さて、山陰ツーリング二日目 出発!

さて、山陰ツーリング二日目 出発!

R191を東へ進み、数分後に仏峠を越えて、島根県に入った。
再び日本海が見えてきた。この辺りの海岸は三里ヶ浜と呼ばれているそうだ。
今日は終日内陸を走る予定なので、ちょっと国道を外れて、海にお別れの挨拶を済ます。

三里ヶ浜海岸 10kmほどの砂浜が続きます

三里ヶ浜海岸 10kmほどの砂浜が続きます

タンポポに囲まれて潮風に吹かれるセロー君

タンポポに囲まれて潮風に吹かれるセロー君

8:25、益田でR9を右折。数km南下して横田でR488へ左折した。
島根と広島の県境を目指して山の中へと分け入って行く。
R488は酷い道だった。国道ではなく酷道ってやつだ。
四輪がすれ違えないほど狭い幅員の上、崖の側にがガードレールが無かったりする。
無理してスピードを上げるわけにもいかず、予想していたよりも時間が掛かってしまった。

匹見川 R488をこの川沿いに遡ります

匹見川 R488をこの川沿いに遡ります

下手な林道より狭い酷道R488

下手な林道より狭い酷道R488

日も高くなりかなり暑くなってきた。
朝のうち出ていた雲が消えて、晴れたせいもあるだろう。
9:15、裏匹見峡に到着。休憩がてら、ちょっと散策。
渓流を吹き抜ける風が涼しくて気持ち良いなぁ。

裏匹見峡 島根山中の美しい渓谷です

裏匹見峡 島根山中の美しい渓谷です

吊橋の上から瀞を覗き込んでみる

吊橋の上から瀞を覗き込んでみる

10分ほどで休憩を終えて出発。
あいかわらずR488の状況は変わらず。
途中で湧水を見つけたので、ペットボトルに補給。
10:05、三坂峠を超えて広島県内へ。峠付近の展望は素晴らしかった。

目も眩むような渓谷

目も眩むような渓谷

三坂峠から中国山地の山並みを望む

三坂峠から中国山地の山並みを望む

10:10、十方山林道の起点に到着。
中国地方を代表するロングダートなのだが、入口には通行止の看板があった。
「入口から0.8km先で路肩崩落」と書かれている。ふむ。
だが、様子見に入ってみると特になんの問題も無く「どこそれ?」って状態。
フラットな登り勾配のダートを進む。
最初の数kmはちょっとした峠越えで、展望が開ける箇所もあった。

十方山林道 起点

十方山林道 起点

広島県北部の山中をのんびり走る

広島県北部の山中をのんびり走る

下り勾配になる頃から路面が少し荒れてきた。泥濘がちの区間もある。
渓流沿いに出て再び登り勾配になったあたりから一層、酷くなってきた。
拳大の石がゴロゴロしているガレガレの道だ。
福島の甲子林道よりはましだが、あそこの80%くらいには匹敵するだろう。
転ぶことは無かったが、縦揺れしまくり。
セローのトルクに任せて力ずくで登って行く。

段々荒んできましたねぇ…

段々荒んできましたねぇ…

エニシダ(金雀枝) 地中海原産の花だそうです

エニシダ(金雀枝) 地中海原産の花だそうです

のどかにせせらぐ渓流沿いを

のどかにせせらぐ渓流沿いを

ガレガレの路面が続きます

ガレガレの路面が続きます

これだけ荒れた林道だというのに、交通量が意外に多い。
軽登山のハイカーや渓流釣りの四輪などと時々擦れ違う。
まぁ、今日が土曜日というせいもあるだろう。
十方山の登山口でもある二つ目の峠を越えた。
下り勾配になっても路面の荒れ具合は変わらず。
団体の登山者グループをやりすごしている自家用車がいたが、よくもまぁこんな道を…。

峠付近は幅員も激狭!

峠付近は幅員も激狭!

いやはや、ここまで荒れてるとは…

いやはや、ここまで荒れてるとは…

11:00、終点に到着。
公衆トイレがある駐車場があったので、そこで15分ほど休憩。
無事完走できたが、とにかく暑い。
夏至も近いこの時期、完全に日差しは真夏のそれだった。
ジャケットを脱ぎ、さっき汲んだ湧水で喉を潤す。
首筋にもちょびっと水を掛けてクールダウン。ふぅ。
十方峠林道は、舗装林道の横川線に接続していた。
そのまま北東の三段峡方面へ二車線の快走路を進む。
11:25、餅ノ木の集落に到着。
中国地方を代表する渓谷・三段峡の入渓ポイントの一つだ。
さっきの林道でセローもくたびれたことだろう。
少し休ませるため、ちょいと散策。

広島山中の名勝・三段峡

広島山中の名勝・三段峡

渓流沿いに遊歩道が設けられてます

渓流沿いに遊歩道が設けられてます

この三段峡には名前の由来となってる三つの滝があるらしい。
そのうちの一つでも見ようと30分ほど歩いたが到着できなかった。
あまり時間を掛けてもいられないので戻ることにした。疲れたし。
後から考えると、滝の直前まで行ってたらしい。残念。

このくらいの段差の落込みはいくつもあります

このくらいの段差の落込みはいくつもあります

なんとも深そうな淵です

なんとも深そうな淵です

この渓谷、直角に割れた岩が多いんですよ

この渓谷、直角に割れた岩が多いんですよ

正直、飛び込んで泳ぎたくなる陽気でした

正直、飛び込んで泳ぎたくなる陽気でした

バイクに戻る頃には、とうに正午は過ぎていた。
腹が減ったがこの辺には食事をする場所もないだろう。
そういえば昨夜、おやつ用に買った大福が手付かずだった。
思い出してソフトクーラーを開けてみた。
Σ(゚口゚; 卵、割れてるっ!!
すっかり忘れていたが、あれだけガレた林道走れば割れるのも当たり前だ。
幸い割れていたのは一個だけだが、クーラーバッグは黄身と白身でグチャグチャ。( つД`)
むぅ。やりきれない気持ちで大福餅を頬張る。モグモグ…。
しゃーない、キャンプ場に着いてから洗うとしよう。
クーラーバッグは、他の荷物に影響が及ばないようビニール袋に突っ込んでおくか。
12:35、出発。

三段峡入口の木陰で、たっぷり涼んだセロー君

三段峡入口の木陰で、たっぷり涼んだセロー君

横川林道からR191を挟んで、大朝鹿野林道へ接続。
これもまた走りやすい二車線の舗装林道だ。
快調に飛ばして、13:05、芸北でR186に合流。
右折して3分ほど走ると「銀雪」という食堂(ドライブイン?)があった。
昼飯はここにしとくか。行き当たりばったりで、特に期待もせず。
注文したのはうどん定食。うどんとご飯とオカズのセット。
ちょっと茹で過ぎの感はあるが、うどんはまぁまぁの味だった。
嬉しかったのはテレビで吉本新喜劇をやってたこと。
東京では見られないのだ。池乃めだか、やっぱおもろいなぁ。
13:30、出発。

芸北のドライブイン銀雪

芸北のドライブイン銀雪

うどん定食 腹減ってれば何食っても美味い

うどん定食 腹減ってれば何食っても美味い

県道40号、県道79号と乗り継いで、さらに東へ向かう。
R261を左折して北上。中三坂トンネルを潜って、島根県内に戻ってきた。
トンネルを抜けてすぐ左の旧道に折れ、14:00、黒坊林道の起点に到着。
全長17kmの広域基幹林道だ。
かつてはロングダートを誇ったそうだが、現在は舗装化が進んでしまった。
残された未舗装は5kmほど。西側はしばらく舗装路が続く。
峰越えの道なので景観は素晴らしい。

黒坊林道 中三坂トンネル側起点

黒坊林道 中三坂トンネル側起点

広域基幹林道・黒坊線から中国の山々を望む

広域基幹林道・黒坊線から中国の山々を望む

数kmで路面は未舗装になった。
フラットで走りやすいダートでペースもそれほど落ちず。
それよりも段々雲が出てきたのが気になる。
亀谷林道との交差点の手前で再び舗装に戻った。
そのまま本線を走って黒坊川沿いの下り勾配を進む。
14:40、全線を走破して、県道6号に出た。

フラットダートで走りやすかったです

フラットダートで走りやすかったです

黒坊林道終点 「万人愛林」良い言葉ですな

黒坊林道終点 「万人愛林」良い言葉ですな

次の目的地は三瓶山。R261に合流して北上。
途中からついに雨がぱらついてきたが、大したことないので雨具は着けず。
15:00、川本町で給油と買出しを済ませる。
15:30、R261から県道40号を右折。
中国地方を代表する大河・江の川に沿って北東へ進む。

中国太郎とも呼ばれる大河 江の川

中国太郎とも呼ばれる大河 江の川

広島から島根を貫いて日本海へと注ぎます

広島から島根を貫いて日本海へと注ぎます

16:05、三瓶温泉に到着。
前方に三瓶山があるはずなのだが、雲で裾野しか見えない。
山の周りをうろうろしても雨はシトシト降り続いたままだ。
雲が晴れるのを期待したのだが残念ながら状況は変わらず。
高原なので、そのうち寒くなってきた。
しゃーない、キャンプ場へ向かおう。

三瓶温泉はシトシト雨

三瓶温泉はシトシト雨

三瓶山は雲の中 牧場の牛がせめてもの慰め

三瓶山は雲の中 牧場の牛がせめてもの慰め

三瓶山を離れて県道40号をずっと東へ進む。
16:45、R184に合流し、出雲方面に北上。
高速道路並の驚くほど立派な道だった。
雨が強くなったが、やはり雨具はつけず。
17:15、立久恵峡ユースホステルに到着。
目的のキャンプ場・わかあゆの里はこのユースホステルに併設されているのだ。
受付で手続きを済ませる。キャンプ場の料金300円。
バイクをテントサイトまで乗り入れても良いとのこと。ラッキー♪
テントサイトに行ってみると、むぅ、他のキャンパーが結構いるなぁ。
カブスカウトの子供たちに引率のお兄さん(隊長と呼ばれてた)、そして保護者らしき大人たち。
土曜の夜なのである程度覚悟していたが、騒がしい一夜になりそうだ…。

出雲市・立久恵峡ユースホステル

出雲市・立久恵峡ユースホステル

わかあゆの里キャンプ場 バイク乗り入れ可

わかあゆの里キャンプ場 バイク乗り入れ可

テントを張り終わる頃には雨もほとんど上がっていた。
18:00、着替えを持って向かった先は立久恵峡温泉・御所覧場。数分走って到着。
狭い駐車場にバイクを止めて、旅館のフロントで500円を支払う。
それから道路を渡って立久恵峡に面した露天風呂へ。
脱衣場から湯船を覗くと誰もいない。やったぁ~独り占め~♪
汗を流して湯船に浸り、目の前をゆったり流れる渓谷をボーっと眺める。
あぁ、極楽極楽…。

立久恵峡温泉・御所覧場

立久恵峡温泉・御所覧場

出雲から程近い渓谷脇の露天風呂

出雲から程近い渓谷脇の露天風呂

風呂から出ても、まだ誰も来ない。…これはチャンス!
脱衣場の洗面台で着替えたインナーを軽く洗濯しちゃったりなんかして。(広川太一郎風)
いやはや、汗だくになって困ってたのだ。ちなみに石鹸はその場にあったハンドソープ。
出雲か鳥取でコインランドリーを探すつもりだったが助かった。
こんなことなら靴下も持ってくるんだったなぁ…って厚かましすぎですね。ごめんなさい。
18:40、さっぱり気分でキャンプ場へ戻った。
テント内に張ったストレッチコード(=荷紐)に洗濯モノを干して、さぁ、晩酌開始。
ツマミは山陰名物・あごちくわ
材料にトビウオを使ったちくわである。普通に美味かった。
夕飯は豚肉とピーマン炒め。一応、島根産の豚肉と書いてあった。
これも普通に美味かった。あとはデザートにヨーグルト。
うーん、あまり今日は良いもの食べてないなぁ…。

山陰名物・あごちくわ (゚Д゚)ウマー

山陰名物・あごちくわ (゚Д゚)ウマー

豚肉ピーマン炒め キッチンバサミ大活躍

豚肉ピーマン炒め キッチンバサミ大活躍

食事を終え、調理場で食器と一緒に卵まみれのクーラーバッグも洗った。
うぅ…かなり臭くなってる…。オキアミの腐った匂いに近い…。
こりゃ捨てるしかないなぁ…。(; ̄y ̄)
テントに戻り、寝転んで昼間仕入れた週間モーニングを読む。
こういう孤独もいいものだ。集団キャンパーには判らないだろうなぁ。
…っと、外に人の気配。
夕食の片付けを終えた子供たちが数人で散歩してるらしい。
「うわ、このテントちっちゃいね」
「二人くらいしか寝れないね」
「狭そうだよねー」

    |
    |  (‘A`) 
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ …コレデモ、オレノ城ナノダ…


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