ダー岩井さんのツーレポで興味がわいた奥秩父・大滝村の大氷柱(ひょうちゅう)。
この季節限定で日帰りツーリングにも丁度よさそうな距離である。
ってことで出かけてみた。
往路は青梅から名栗経由で秩父へ出るルートを選択。
のんびり準備して、9:45出発。環七から新青梅通りに出て西へ。
道路は意外と空いていた。この季節、さすがに外出する人間の絶対数が少ないのかな。
10:15、花小金井の吉野家で遅い朝食。焼肉丼に味噌汁。
11:00過ぎ、青梅に到着。ややこしく市街を抜けて県道28号=青梅秩父線へ。
急に風景は田舎風になり、気温もぐんと下がる。
凍結に注意しながら山間部を名栗村方面に進んだ。
路肩に雪がちらほら見え始めるが、交通量は結構多い。
向こうからバイクもやってくるし、どうやら深刻な凍結はなさそうだ。
小沢峠のトンネルを越えて、いよいよ埼玉県に突入。
さて、オンロードだけじゃ寂しいので未舗装林道に少々寄り道。
ワインディングを下って暫く進み『名栗ラジウム温泉・大松閣』の看板を左折。
11:35、大名栗林道の起点に到着。昨年の4月以来の訪問である。
かなりの積雪があることはダー岩井さんの最近のツーレポで覚悟していた。
起点からすぐにアイスバーンの兆候があったので、路肩でスノーチェーンを装着。
足にアイゼンも付けて準備完了。
出発前にチェーンやアイゼンの具合を確かめていたら、後ろから一台のバイクが追い越していった。
ノーマルタイヤだが慎重に最初のカーブの凍結をクリア。
その先は通常の未舗装路なので、すぐに見えなくなった。
こちらはチェーン付きなので凍結がなくなっても気軽にアクセルを開けることはできない。
ガチャガチャ、ノロノロとダートを進む。っと、さっきのバイクがいた。
トリッカーだったのか。会釈をしながら路肩の地図を見ている脇を抜かせてもらった。
さて、目の前には長い直線の圧雪路。
登り勾配だがスノーチェーンがあるから問題なかろうと、二足二輪で登ってみたが。
「う!」
100mほど登ったところでフロントが横に流れはじめた。
ただの圧雪路かと思ったら、完全なアイスバーンだ。
足を着いて踏ん張り、アクセルを開けて体勢を立て直そうとするが無駄だった。
全くトルクを得られず、あえなくバイクは右向きに転倒。
挟まれた足を抜き、軽アイゼンの刺を頼りに立ち上がった。
日中に溶け出して夜間に凍ったのだろう、路面はスケートリンクのような状態だ。
轍以外も同様。路肩もツルツルで、爪先や踵から着地しようとすると滑りそうになる。
バイクを起こすのも一苦労だった。スノーチェーンが全く路面に食い込んでくれない。
やっとの思いで起こして路肩に寄せ、サイドスタンドを立てた。幸い、後続車両は来なかった。
バイクに少し力を加えれば両輪とスタンドの3点に支えられたまま滑り出しそうだ。
落ち着いてバイクに跨り、エンジンを掛けて再出発を試みる。
しかし、左足を支点にバイクがスライドするのみで、全く前に進まない。
左へハンドルを切ってクラッチを繋いでるのに右へ回転って有り得ないアクセルターンしやがる。(つД`)
「無理! 撤退!」
撤退を決意したはいいが、下るのも恐い。
何とかバイクを下に向けて…って完全に向き直る前に滑り始めた。
うわ、前方にさっきのトリッカー出現! 距離はあるが、このままでは衝突してしまう。
停まろうとフロントをロックしてるのだがスノーチェーンなど無いかのように滑り落てゆくセロー。
リアブレーキを踏めば停まるかもしれないが、両足でどうにかバイクを支えている状態なのでそれも無理。
お、トリッカーがこちらの異常事態を察してくれたのか、後退してスペースを空けてくれた。衝突は免れそうだ。
そのまま下りきり、ようやくトリッカーの位置まで来れた。何とか再転倒は免れて一安心。
トリッカー「この先、ノーマルじゃ無理ですか?」
塩「チェーンにアイゼンでも無理です~(X_X;)」
トリッカーと一緒にそのまま撤退。
後から思えば、助走をつけて両足を着けずステップ荷重に専念すれば登れたかもしれない。
しかし、たぶん僕の技術やノーマルタイヤでは結果は同じだったろう。
さっきスノーチェーンを付けた場所でトリッカーと別れてチェーンを外す作業にかかる。
一台、ノーマルタイヤの四輪とすれ違ったが、それも後でUターンして来た。
チェーン付き4WDでなきゃ無理なのかなぁ。
チェーンを外して、12:30、ようやく出発。
林道走行の時間よりチェーン着脱にかかった時間の方が無駄に長いなぁ…。
県道に戻り、有馬ダムの名栗湖にちょっと寄り道してR299方面に北上。
山伏峠付近から路肩の残雪が目立ち始める。一箇所凍結でリアが滑ったが転倒もせず。
無事にR299に合流し、左折して秩父方面に下ってゆく。
13:00過ぎ、道の駅・果樹公園あしがくぼでトイレ休憩。
R140を左折し秩父市街を抜ければ、あとは荒川沿いに進むだけ。
荒川村を経て大滝村へ入ると大気が一段と冷たくなった。
朝食から時間もだいぶ経ち小腹が空いてきたので、大氷柱の前に軽い昼食。
14:00、到着した道の駅・大滝温泉で頼んだのは、もちろんごもっとも蕎麦!
今日は暖かい蕎麦なので、例のアレは麺つゆの合間にたゆたっている。
これが800円ってのは高いけど、ネタとして面白いからいいや。
道の駅にあった大氷柱の案内ビラで場所を確認して出発。
三叉路の交差点を三峰方面に直進し、特設駐車場の先に「氷柱下り口」の看板があった。
そこから200mくらい先の退避スペースにバイクを止めて徒歩で入口へ向かう。時刻は14:30。
結構人気があるようで谷間に降りていく小道は人の流れが絶えない。
残雪と泥濘で足元が悪いので即席の杖を使っている人が多い。
僕も入口の脇にあった使用済みの杖から一本拝借して下ってゆく。
気をつけて降りた谷底には、雪と水と氷の世界が広がっていた。
うーん、これは凄い…。
本格的なカメラと三脚の人も多い。いろんな角度からファインダーを覗いている。
確かにこの光景は感動的だ。ここまで来た甲斐がある。
いままでみたことない立派な氷柱(ツララ)に素直に感動してしまった。
氷柱見物を終えバイクのところへ戻り、15:00、出発。
雁坂トンネルで山梨方面に出ようかとも思ったが、秩父方面に戻ることにした。
日暮れ後の幹線道路の凍結を避けるためにも、なるべく早めに関東平野に出たかったのだ。
秩父まで戻る途中、道の駅・荒川村でトイレ休憩。
ついでに御土産を買いたかったが、これという名物もなく手ぶらで出た。
大滝村の「ごもっとも蕎麦」みたいな名物が一つでもあれば嬉しいのだが…。
出発間際、踏切がなったのでSLを期待したけど来たのは普通の電車。秩父鉄道め。
15:50、秩父でR299を右折。
後は帰るだけだが、まだちょっと物足りない。
「奥武蔵グリーンラインはどんなものかな」と寄り道。
芦ヶ久保から左折して果樹園の間をウネウネと登ってゆく。
果樹園を過ぎたあたりから路肩の雪がもの凄い量になってきた。
スノーチェーンで出来たらしい轍など、グリップする箇所を選んで進んだが嫌な雰囲気になってきた。
とあるアスファルトが見えた区間の手前で経験からくる警戒警報発令!
一旦停止して靴でアスファルトの路面状態を確認。…ツルッツルに滑る…。
雪解け水がアスファルト上で透明に凍ったブラックアイスバーンだ…最悪…。
前後のタイヤも確認したら全くグリップしないでないか。このまま進んでたらやばかった。
多少ましな区間まで、慎重にズルズルと数m後退して脱出。
路肩によせてホッとしてると、後輪にチェーンを着けたワゴン車が下からやってきて追い越して行った。
時刻はすでに16:00過ぎ。
いまからバイクにスノーチェーンを着けてアタックするのは辛すぎる。
奥武蔵グリーンラインはここで断念。Uターンして帰路に着いた。
飯能から入間を経て所沢へと進む。自宅まで結構距離があるんだよなぁ…。
前回この辺りへ来た時と同じく、今回も温泉に入りそびれてしまった。
冷え切った体を温めるため、ツーリングの〆にラーメンでも食べてこ。
19:00、下井草の博多ラーメン屋・御天に寄ってたまごラーメンを注文。替玉もしてお腹一杯。
バイクだといろいろ制限もあるけど、厳冬期のツーリングも楽しいなぁ。
しかし、大名栗林道はきつかった。あんなとこバイクでクリアできる人いるのかなぁ…。
っとWEBで調べたらこんなコラムとかこんな記事(No100)を発見。
一年前の記事なので林道の状況は違うだろうけど…賀曽利氏…すげぇ…。
どう足掻いても鉄人にはかないそうに無い…。
管理人さん 始めまして
埼玉県北部在住のKDXよしだと言います
私も奥武蔵方面は良く行くのですが、今年に入ってからは雪の為になかなか走れません。
そんな中、このHPを見つけ覗いてみると雪の中でも頑張って走っていらっしゃる様子に驚きました。
私は雪道は全く駄目、更にHPもつい最近作ったのですがまだ内容も伴いません。
また覗きに来ますのでその時は宜しくお願いします。
KDXよしださん、初めまして!
管理人のSaltyDogと申します。
コメントありがとうございます。
雪の中で一応頑張ってはいますが、最近限界感じてます(x_x
道具よりテクニック、テクニックより体力ですね。
キャンプ道具積んでアイスバーンでコケると、
バイクを起こすだけで体力ゲージがゼロになります…。
サイトへも訪問させていただきますね。
またぜひコメント投稿して下さい。(^^
SaltyDogさんはじめましてCRMに乗っているオジサンと申します。
つい最近このサイト知ったのですが、一発で虜になりました、
もう、自分の中でSaltyDogさんは神です!!(^^;
ラーメン屋「御天」なんですが自分もたまに行きます。
いつもはサイトを読むだけなんですが、なんだか親近感が湧いて書き込んでしまいました。
それでは、また遊びに来ます。
SPC@オジサンさん、はじめまして。
コメントありがとうございます! 私もおじさんです。
御天美味いですよね。
って…神、いわゆるゴッドですかっ!? (;´∀`)
いえいえ、ただのヘタレな黒セロ乗りでございます。
ショッパイ駄文を楽しんでいただければ幸いです。
ぜひまたお越し下さい。