明け方にどれくらい寒くなるか心配だったが、朝の最低気温は6度だったらしい。
念のため今回も寝袋二枚持ってきたがダウンインナーのおかげで一枚で十分だった。
7:00くらいに目が覚めたが、寝袋の中でゴロゴロと転寝。
カイロのベンジンのせいか、乾燥した冷たい空気のせいか、ちょっと喉が痛い。
外で挨拶が聞こえ始めて、ようやく起き出したのが7:30。焚火を囲み各々のんびり朝食の支度。
僕はお茶漬けの素を入れた炊込み御飯にフィッシュハンバーグ、それにインスタント味噌汁。
みんなで調理していると管理人が車でやって来た。
まさかと思ったが、やはりキャンプ代300円を徴収された。
自治体管理なので仕方ないが、水道・トイレも使えなかったのでちょっと不満。
しかし文句言われずに野宴できることを考えれば安いものか。
食事が済んだ人から各自テントを撤収。
焚火の灰を片付け、痕跡を徹底的に消して後始末完了。
バイクへの荷物の積み方にはやはり個性が出る。
純正バニアケース、シートバッグ、アイリス箱。ドカシーで巻いて縛ったり。
暖気しながら待ちつつ、皆がそろったところで解散。時刻はすでに11:15。
挨拶して散ってゆく。って、僕が最初に出発してしまったのだが。
キャンプツーリングでこんな遅い出発時刻は初めてだが、たまにはよかろう。
日曜日に自宅で過ごすときはこの時間に起きたりしてるし。
それにしても楽しい一夜だった。また誰かと何処かで会うんだろうなぁ。
さて、本日のツーリング開始。
まず向かったのは大谷崩という大崩落地。日本三大崩れの一つらしい。
県道をさらに山奥、梅ヶ島方面へと進む。
11:20、大谷崩・工事現場の看板を左折し、沢沿いの山道を登る。
途中に別荘の分譲地があった。いくらなんでも辺鄙すぎないか…?
急勾配のつづら折れを抜けて、11:30、大谷崩に到着。
おー、さすがに迫力あるなぁ。山が半分削り取られたような状態だ。砂山で遊ぶ棒倒しを連想させる。
夏に糸魚川-静岡構造線を走ったが、もしかしたらここが構造線の真上なのかもしれない。
5分ほどで見物終了。
タンクバッグに付きまとっていたスズメバチを追い払って出発。
次に向かったのは舗装林道の豊岡梅ヶ島線。山梨県身延町への峠越えルートだ。
すでに冬季閉鎖のはずなのだが、寝袋Mさんがかつて大晦日に越えたそうだ。
凍結さえどうにかなれば行けるはず、とスノーチェーンに軽アイゼンまで準備してチャレンジする気満々。
梅ヶ島温泉郷で県道は終点。裏手の山道へと進み、12:00、林道豊岡梅ヶ島線の起点に到着。
静岡側のゲートは手で開けることができた。
「よしよし」と先へ進んだが、数百m先が工事現場。orz
今日は作業はしてないようだが、若い監督らしき人がいて×を出された。
やむなくUターン。仕方ない。今日は静岡側を巡るしかなさそうだ。
安倍川沿いに来た道を下ってゆく。
曇のち雨、降水確率50%の天気予報だが、意外に晴れて暖かい。
単純に戻るのも悔しいので一度脇道に寄り道したが、未舗装は200m程度しかなかった。残念。
それにしても茶畑多すぎ。
13:00、県道27を口坂本方面に右折。
口坂本の先で通行止めの看板が出ているが気にせず進む。
狭い幅員の山道をグネグネと登っていると、一匹猿が横切った。
路肩で振り返ってじっと見ている。バイクで通過する数秒間、猿とのニラメッコ。
13:25、明ヶ島の道標に到着。ここを左折して谷筋へ下った。
道なりに進んで、権七峠林道の起点に到着。
(今回も『林道浪漫』さんの地図を参考にしました。感謝!)
林間から展望の開けた山腹まで、登り勾配が数km続く。
いくつめかのカーブを曲がったとたん、「ターンッ!!」っと大きな音。
バイクか荷物がどうにかなったかと思ったが、谷底から聞こえてきた猟銃の音だった。
途中に駐車していた何台かの車輌は猟目的のハンターだったのかな。
ほとんどフラットな砂利道だが、ところどころクレパスあり。
峠付近の展望は素晴らしかった。
13:50、終点の笠張峠で県道60号線=南アルプス公園線に合流した。
県道を少し北上して、13:55、富士見峠PAに到着。南アルプスの展望を楽しむ。
標高と曇天のせいでだいぶ寒くなってきたので、ダウンインナーを着込む。
PAから来た道を戻り、作業道京塚線を目指して笠張峠経由で県道189を下った。
14:15、作業道の入口に到着したがバリケードと重機で塞がれて入れない。
南アルプス公園線で迂回するか…とUターンし来た道を戻る。
しかし14:25、南ア公園線の分岐でよく見たら、大間までの区間が全面通行止との看板。
むぅ、困った。でも行けるとこまで行ってみようと進むことに。
展望の良いトラバースルートを暫く走ると、やがて工事区間が現れた。
小さなバリケードはあるが人はいない。片側一車線は作業済みのようで問題なさそう。
そーっと200mほどの区間の脇を抜けさせてもらった。
14:40、無事に林道一本杉峠線の起点に到着。工事区間のすぐ先だった。
そのまま一本杉峠林道へ突入。最初は簡易舗装がされていたが、やがて未舗装に。
多少アップダウンはあるが、ほぼ真っ直ぐな稜線沿いの林道だ。
しかし周りは樹木に囲まれて展望は無い。
重機やダンプの交通が多いのか、路面はしっかり踏み固められている。
土に水溜りの多い区間で多少の泥濘があったが、走行に問題なし。
調子に乗ってぐんぐん走る。時間が気になるので支線は敢えて無視。
14:45、右手に分岐のあるT字路に車が駐車してあった。
と思ったら、すぐ先で営林作業の現場に遭遇。
進路上で重機が横向きに作業中。こりゃいかん。すぐにUターン。
手前にあった分岐を折れて支線(?)に進んだ。この道、県道に抜けられるのかな?
ややガレ気味の悪路をひたすら降りる。急勾配・急カーブで楽しい。
14:55、「林道川久保線」と書かれた大きな看板のある三叉路に出た。
正面は鉄塔の立ち並ぶ真っ直ぐなフラットダート。右手は舗装の下り道。
とりあえず正面へと進んでみたが、作業中のトラックが遠くに見えたので止めといた。
分岐まで引き返し下り坂へ。ほとんど舗装だが時々未舗装部分も現れる。
ウネウネとワインディングを下りきり、15:05、南アルプス公園線に合流。
この分岐にも大きな看板があった。
県道を南下して、15:12、湯ノ島温泉に到着。ここでようやく昼食。
朝食に米を食べたからこの時間まで我慢できたが、実は滅茶苦茶空腹だった。
温泉に併設された食堂・玄国茶屋で蕎麦定食840円を注文。
どんな蕎麦がいいのか聞かれたので、ざるそばにしてもらった。
待ってる間、自分でお茶を煎れて飲む。はぁ、ほっとするなぁ。
出てきた定食は盛り沢山で、炊き込みご飯に天ぷら、手打蕎麦のどれも美味。
特に海苔で山芋を挟んで揚げた天ぷらが印象に残った。満足満足。
食後は500円を支払って温泉へ。
受付は16:00締め切り、入浴も16:30までなので時間的にかなりギリギリだった。
趣のある木造の建物で、畳敷きの無料休憩広間の向かいにある階段を下りたところが浴場。
露天風呂は無く、やや塩素臭が漂っているのは不満だが、それでもじっくり温まって実に良い気分である。
寒い日の温泉はやはり最高だなぁ。
さて、後は帰宅するのみ。
16:25、出発。日没間近で薄暗い県道を南下。
16:40、R362を経て、17:00、R1静清バイパスへ。
この頃には完全に夜。さすがに日が短い。17:40、道の駅・富士で休憩。
沼津を経てR1をそのまま東へ。箱根峠へとワインディングを登る。
うーん、寒くなってきた。路面温度は6度と表示されている。
18:55、峠を越えて有料道路の箱根新道へ。途中、追い越し車線で事故処理をしていた。
二台停まっていたオフロード・バイクの内の片方はセローだ。ひとごとながら心配になる。
警察と話をしている二人がライダーかな? 大事じゃなければいいのだが。
19:10、小田原厚木道路に乗り東名高速道路を目指す。
箱根からのこの区間、料金所が多くて面倒くさい。
19:25、大磯PAで休憩。小腹が空いたので天ぷら蕎麦。って、また蕎麦かよ。
20:00、厚木JCTで東名に。20:20、東京ICを降りてR246~環七で帰宅。
自宅に着いたが、なんだか寒いよ…。
調べてみたらこの日の東京は終日7度前後の気温だった。静岡の山の中より寒かったようだ。
やはり疲れていたようで、すぐに横になって翌朝10:00まで爆睡…体は正直だなぁ。
「冬キャンプツーリングなんて楽勝楽勝」とか強がりつつも、寒さと寝不足で疲労困憊だったらしい。
それでも風邪をひかないってことは…ん? 健康なだけか?
熊本大学で倫理学を教えている高橋と申します。
2013年3月に九州大学出版会から刊行予定の著作『共災の倫理』に、「日本三大崩れの一つ 大谷崩れ」の写真を掲載したいと考えています。許可いただければ幸いです。
なお、掲載を許された場合は、「・・・氏撮影」と記す予定です。カッコ内に入れる氏名などをお知らせください。
高橋様、はじめまして。
お申し出の件、喜んでお受けいたします。
氏名に関しては直接メールをお送りさせていただきますね。