10月11・12日、台風が去るのを待って木曽から飛騨・立山へツーリングへ出かけたが、帰りにデジカメを失くしてしまった。
「写真が無くても情景を鮮やかに文章で…」と思ったが書くのがしんどいので、ボツ。
開田高原の新蕎麦に月夜沢林道、野麦峠・平湯・新穂高に飛騨牛、有峰林道に立山…。
いづれ再訪記を書くこともあろう…。
さて。んでまぁ、デジカメを先日買いなおした。
その評価も兼ねて箱根方面に日帰り林道ツーリングへ出かけた。
出発はのんびり10:00過ぎ。渋滞の環七を南下しR246を経て、10:50、東名高速道路へ。
11:20、海老名SAで小休止。朝食を兼ねてかき揚げ蕎麦とミニカレーのセットを食す。
11:45、東名高速を離れ、小田原厚木道路へ。
セローにあまり無理させないようにマイペースで走行。
12:10、小田原西I.Cを降りてR1を箱根湯本方面に進んだ。
小田原湯本CCの看板を頼りに国道を離れ、温泉街へ。
急勾配の坂を上って、12:30、白銀林道の入口に到着。
車両通行止の看板があるが、行けるとこまで行ってみるべ。
入口からしばらくは舗装区間。しかし侮ってはならない。
窪みや落石、落ち葉・苔。すっ転ぶ要素は充分なので、それなりに慎重に進んだ。
ある程度ワインディングで高度を稼ぎ、あとは山襞沿いのトラバースルート。
先日の台風で土砂崩れ完全通行止めも覚悟していたが思ったよりはまともだ。
未舗装区間はフラットダート。ほとんどガードレールがあるので安心して走れる。
ただ沢に掛かった橋の上は例外で、深い泥濘と水溜りによるスタックの危険がある。
いくつかの支線分岐やゲートを過ぎ、山間から相模湾がちらちら見えるようになった。
林道から見える海って、何か感動的なのだ。
中間地点を過ぎたあたりに景色のいい公園があった。もう、この辺りは湯河原か。
とりあえず星ヶ山公園でトイレ休憩。時刻は13:15。
この先のゲートが閉じていたが、鍵が掛かってるわけでも無い。
手で開けて通って閉めて、難なくクリア。
ゲートの先は深い谷を大きく迂回するルートが目立った。
未舗装区間も水が路面を流れていて、ガレや泥ヌタが多い。
一箇所工事中で重機が作業していたが、挨拶をして脇を抜けさせてもらった。
「箱根の山は天下の険」と歌われるが、幹線道路や電車だと小田原~熱海間が殆どトンネルのため実感が沸かない。
林道で実際に山越え谷越えしてみると、海のすぐ近くの癖に地形が複雑なのがよく分かる。
最後のゲートを越え、脇に祠のあるトンネルを抜けたところで林道走行終了。
13:50、走り屋で有名な椿ラインとの合流地点にある駐車場に出た。
展望台で写真を撮ってバイクに戻ると、KLXだったか、オフ車乗りに声を掛けられた。
KLX「すみませ~ん、どっち方面から来ました?」
塩犬「箱根湯本からです」
KLX「土砂崩れとかありました?」
塩犬「いえ、ゲートも手で開けられました。ただ一箇所工事中で重機が入ってます」
KLX「そうですか、ありがと~(^^」
塩犬「お気をつけて(^^」
椿ラインを箱根方面に進む。
っと少しワインディングを登ったところでバイク事故だ。
ワゴン車の向こうで大型レプリカが横倒しになり、カウルやミラーが道路に散らばっている。
自損だろうか、ライダーは立って呆然としていた。ワゴンのドライバーが話しかけている。
僕はとりあえずバイクを止め、散乱した部品を脇にどけた。
しばらくするとライダーの知り合いらしい人物が二人ほど駆けつけて来た。
もう心配なさそうなので退散。ツーリングの続きはこれまで以上に慎重に進んだ。
箱根ターンパイクとの分岐にある大観山の展望台をスルーし、箱根・芦ノ湖方面へと長い坂道を下る。
14:20、国道一号線に合流して左へ。暫く上り坂を登って道の駅・箱根峠に到着。
もう昼食の時間帯はとっくに過ぎていたが、朝飯が遅かったので余り腹が減ってない。
しかし何か食べた方がよかろうと、おやつに団子を注文した。
休憩を終えて向かったのは芦ノ湖スカイライン。
富士山の景観が楽しめる有料の快走路である。
標高も結構高く、ちょっと寒かった。
雲が出て富士山は全く見えなかったが、日を照り返す駿河湾は美しかった。
15:00過ぎ、10kmほど進んで分岐を右折、芦ノ湖の湖尻へ。
せっかくここまで来たので大涌谷へ黒たまごを食べに行くことにした。
バイクでも行けるがどうも渋滞気配だったので、敢えてロープウェイで。
中国や韓国、インド辺りの観光客が無茶苦茶多くて大混雑。
一緒に乗った英語圏の外国人は母娘赤ちゃんの三世代連れだった。
15:45、大涌谷に到着。うーん、相変わらず荒んだ光景。
恐山や鬼押し出しに匹敵する地獄絵図…。
卵茶屋まで歩いて行くのが面倒なので、その辺の売店で黒たまごを購入。6個入り500円。
その場で二つほど食べたが、まぁ普通の茹で卵だね。って、当たり前か。
卵を食べて満足し、すぐに帰りのロープウェイの行列に並んだ。待ち時間30分…。( ̄ヘ ̄;)…
家族連れの真っ只中でベタベタとチューしてる馬鹿ップルにムカつきながら順番を待つ。
ミュータントタートルズが描かれたビニールのリュックを背負った、立派なヒゲのインド人のおっさんが印象的だった。
バイクを停めていた駐車場に戻ったのが16:35。すでに薄暗くなってきた。
芦ノ湖スカイラインに戻り、さっきの分岐を右折して今度は御殿場方面に向かった。
日が落ちるのが早い。走ってるうちに暗くなってきた。
ワインディングを下り、R138を左折。
17:10、すっかり暗くなった中、御殿場温泉会館に到着した。
ここはセロー購入直後に慣らし運転で来た事がある思い出の温泉だ。
500円のチケットを買って入場。いろいろ重ね着しているので着替えが面倒である。
体を洗ってザブンと入浴。湯船から真正面に富士山が見えるのだが、この時間じゃ真っ暗。
今日は昼間でも雲で見えなかっただろうから、まぁいいか。
湯船から上がり、畳敷きの大広間でくつろいだ。
サッカーの中継が終わった頃、寝そべっていると…ん? 何か、揺れてないか…??
周囲もザワザワと騒ぎ出したところにニュース速報が入ってきた。
「甲信越地方で新潟県中越を震源とする大きな地震がありました。各地の震度は次の通り…」
そう。最大震度6強を記録した新潟中越地震である…。。
さすがに静岡県民は地震情報に敏感だ。
「○○ちゃん、地震で危ないからこっち来なさい」
走り回っていた子供を母親が呼び戻す。
そそくさと帰り支度を始める人たちもちらほら。
皆が心配そうにニュースを見ていた。っと、また揺れた…。。
…僕も帰るとするか…。
この時間、高速道路の上り線はまだ渋滞だろう。帰路は下道を選んだ。
まだ19:00だというのに足柄峠は真っ暗。
セローの頼りないヘッドライトが届く範囲だけが視覚で認識できる限界である。
バックミラーを見ても何も見えない…。
もし今、ヘッドライトがいきなり消えたら…。
想像しただけで背筋がブルっと震えてしまった。
やっぱ本能的に怖いものってあるんだねぇ…暗闇とか地震とか…。