阿武隈を憐れむ歌


5:30起床。
湖岸からの磐梯山の眺めを楽しみにしていたが、曇りで全然見えない。
まぁ綺麗な夜明けが見られたからいっか。
朝食はミートソース・スパゲティ。

夜明けの猪苗代湖

夜明けの猪苗代湖

麺200gは多すぎた…

麺200gは多すぎた…

食器を突っ込んだ折りたたみバケツをぶら下げて洗い場へ行くと、
小学3年生くらいの女の子が二人で米を研いでいた。
「おはようございます」と挨拶。昨夜の騒ぎも忘れるほどかわえぇ。
テントを撤収し、チェーンにオイルを注して、8:10出発。

秋山浜キャンプ場 設備は最低限です

秋山浜キャンプ場 設備は最低限です

晴れていたら裏磐梯へ行こうと思っていたのだが、この天気では展望は望めそうに無い。
白河を経由して阿武隈高地へ向かうことにした。
県道235号線を南へ南へ。峠道に差し掛かると小雨がパラパラ。
馬入峠を越えて1kmほどの未舗装を越えて、大平橋でR118を右折。
昨日、黒沢林道へ向かう際に通った道だ。
数km進んで、二岐温泉への看板を左折し、8:50、西部林道に到着。

西部林道 北側区間

西部林道 北側区間

石が多くクレパスもあるが、まぁ四輪も通っているようだし、走行に支障はない。
問題は一旦舗装路に出た後、スキー場の入口脇から入った南区間。
果たして通過できるのか、と疑問に思うほどの悪路。
窪みの水溜りに、狭い狭い幅員。昨日の鎌房甲子林道並のクレパス。
ってかこっちの方が酷い…。
「これが本線だよなぁ…地図だとここだよなぁ…」といぶかりながら進んだが、

激しい裂け目でビビリミッター発動!!

激しい裂け目でビビリミッター発動!!

このまま進めば鎌房甲子林道との三叉路に出るはずなのだが、
どうにもこの先はやばそうな予感がしたので、Uターンを決意。
狭いスペースでどうにか方向転換し、少し走ったところにエンジン音が。
やってきたのはSUZUKIのDR。バトルスーツで身を固めたライダーだ。
塩「この先、たぶん無理ですよぉ」
DR「ありゃ、そうですか。とりあえず行ってみます」
塩「お気をつけて~」
言ったそばから、数十m先のクレパスで転倒してしまった。
バイクと地面に挟まれた右足はブーツで幸い守られたが、膝の側面をしたたか打ち付けてかなり痛い…。
DRがUターンして突っ込んできたらやばいので、あわててセローを起こして、安全な場所に移動。
後ろを見たら、DRも同じようなところで転んでいた…。。。
こんな場所で追いかけっこはしたくないので、DRを先に行かせることに。
すれ違う時、お互いに照れた顔で言葉を交した。
舗装路に戻り、県道37号線で白河市街を目指す。
途中で雨が激しくなったので雨具を着用。
10:30、白河に到着。そのまま県道をつないでひたすら東へ。
とりあえずの目的地はあぶくま洞。阿武隈高地最大規模の鍾乳洞ってことで、
だいぶ離れたところから案内を見かけ始めた。これは期待できるかな?
走ってるうちに雨もやんだ。…それにしても微妙な道だ…。
立ち止まって眺めていたい、と思わせる景色が無い…。。
標高400~600mの阿武隈高地に点在する集落をつなぐ中途半端な山道を進む。
案内に従ってR349を横切り、観光地然とした一体を過ぎ、ワインディングを登る。
12:20、あぶくま洞に到着。…って、大規模駐車場に観覧車?

あぶくま洞

あぶくま洞

眺めはいいです

眺めはいいです

なんかイメージと違うなぁ…。鍾乳洞もある遊園地だね、こりゃ。
阿武隈高地一帯を代表する観光スポットらしいが、自分的には期待はずれ…。
自然を売り物にするか、それとも徹底的に開発するか、はっきりして欲しいなぁ…。
ブーツなので鍾乳洞内部は歩きたくない。5分ほどうろうろして早々に退散。
山から下りたところで昼食。入ったのは白友というドライブイン。時刻は12:50。
丼物にそば・うどんか…うーん、そそられないなぁ。
結局、名物と書かれていた「じゅうねんうどん」というやつを注文。
冷たい麺は美味しかったが、ゴマがメインの漬け汁がいまいち…。

じゅうねんうどん

じゅうねんうどん

案内された座敷席で食べていたら、10人くらいのファミリー、しかも2集団に囲まれてしまった。
子供はガヤガヤ騒ぎ、大人は近くでタバコをふかす。
どうにもいごこちが悪いので、食べ終わるのもそこそこに席を立った。
やれやれと思ってバイクでヘルメットをかぶっていたら、あぶくま洞方面から珍走団登場…。
真昼間から蛇行運転に空ぶかしで周囲を威嚇しながらノロノロと去っていった。
何だかなぁ。阿武隈の印象がどんどん悪くなるよ…。13:10、出発。
県道を数km進んで、13:15、小安川林道の分岐に到着。
鉱山への看板に従って進むと、やがて舗装路は白いダートに。
ダンプに踏み固められているのか、かなり走りやすい。
途中に精九郎壇とブナの木とやらがあった。

小安川林道 白い路面が印象的

小安川林道 白い路面が印象的

精九郎壇とブナからの展望

精九郎壇とブナからの展望

峠を越え、下り勾配になると少し荒れ気味に。
クレパスを避けながら長い長い直線を下る。13:50、走行終了。
出口の分岐の左手はモリアオガエルの繁殖地・平伏沼へと続いていた。
今回は行かないが、こういうスポットは好ましい。いつか行こう。

小安川林道 平伏沼側

小安川林道 平伏沼側

綺麗な清流が流れてました

綺麗な清流が流れてました

続いて赤原遠山林道へ向かったが、どこかで分岐を間違えたのかすぐに舗装路に出てしまった。
戻ってまで走りたい林道でもなかったので、R399経由で次の林道へ向かう。

刈り入れを待つ稲穂たち

刈り入れを待つ稲穂たち

実るほど頭を垂るる稲穂かな

実るほど頭を垂るる稲穂かな

14:25、小田代林道を経由して乙次郎林道へ。
二本を足せば約20km。結構、走り応えのあるロングダートだ。
いつもの林道に比べればやや荒れ気味だが、初日が酷かったので気にならない。

乙次郎林道

乙次郎林道

ほとんど林間の林道です

ほとんど林間の林道です

峠付近でようやく展望が開け、陸前浜沿いの煙突が遠望できた。
郭公山登山口を越え、下り勾配をしばらく進むと、二台ほどの車が停車していた。
郭公水という名水だ。自分も停車してペットボトルに水を汲む。
ついでに一口。ん~美味い!

乙次郎林道から陸前浜方面を遠望

乙次郎林道から陸前浜方面を遠望

乾いた喉を潤す郭公水

乾いた喉を潤す郭公水

15:30、乙次郎林道を走り終えて、R6=陸前浜街道へ出た。
海沿いの道だが、やや内陸なため、海は見えない。
10分ほど南下したところにあった道の駅・ならはで休憩。

道の駅・ならは

道の駅・ならは

洋なしジェラート 冷たくて美味かった

洋なしジェラート 冷たくて美味かった

その後もR6をひたすら南下。
波立(はったち)海岸を横目に四倉(よつくら)へ進み、海岸沿いの県道に折れる。
16:30、仁井田浦キャンプ場に到着した。

波立海岸 海から飛び出ているのは弁天岩

波立海岸 海から飛び出ているのは弁天岩

仁井田浦キャンプ場

仁井田浦キャンプ場

すでに沢山のテントがあったが、ほとんどデイキャンプだったようで夕暮れの頃には大半が撤収していた。
手ごろな場所にテントを設営。今日は到着時間が早かったので気持ちに余裕がある。
米を水に浸して、買出しと温泉へ出かけた。
国道へ出てスーパーを探したが全然見つからない。
すっかり日が暮れた頃、四倉駅から路地を入った商店街で、ようやく一軒見つけた。
この辺りの川に遡上する鮭を食べたかったが、切り身パックは一人前では多過ぎる。
すぐ先にあった魚屋へ行ったが、そっちは鮭は無いようだ。
仕方なく秋刀魚を二匹注文。後片付けが面倒なのでおろしてもらった。
ビールを買いに入った酒屋では、店番のばあちゃんが菓子をおまけしてくれた。ありがたい。
次は温泉。地図に載っている舞子温泉とやらを探したが、旅館の看板ばかり。
結局、舞子温泉とはその周辺の旅館の総称だったらしい。
そのうちの一軒、よこ川荘という旅館で入浴することに。入浴料500円。
こじんまりとした浴室。宿泊客は丁度夕食の時間だったので、一人でのんびり安らいだ。

四倉舞子温泉 よこ川荘

四倉舞子温泉 よこ川荘

テントに戻ったのは19:00。米を炊きながら、一匹分秋刀魚を焼く。
ガソリンストーブで直火焼きするわけにはいかないので、バターと塩コショウでソテーに。
これまた味付けが濃くなってしまったが、ビールにあう。

今日はお酒多めです

今日はお酒多めです

秋刀魚バターソテー (゚Д゚)ウマー

秋刀魚バターソテー (゚Д゚)ウマー

炊けたご飯は五目寿司の素を混ぜ混ぜ。
もう一匹残っている秋刀魚を短冊に刻んで寿司に混ぜたかったが、ナイフもハサミも忘れてしまった。
仕方なく、バター醤油で蒲焼風に。

五目寿司と秋刀魚バター醤油炒め (゚Д゚)ウマー

五目寿司と秋刀魚バター醤油炒め (゚Д゚)ウマー

食った食った、飲んだ飲んだ。腹を抱えてぐてーっと横に。牛になっても構うものか。
ウツラウツラまどろんでいると、隣のキャンパーからアコースティックギターの音色。
耳を澄ませば波の音も聞こえてくる。いいねぇ。
阿武隈高地は中途半端。
そんな印象を抱いていたが、むしろ山・川・海、そして人々が適度に調和していると評すべきなのかもしれない。
憐れむべきは、その微妙な魅力を伝えきれてないところだろうか…。
阿武隈高地そのものを象徴する存在が、なんか一つでもあればなぁ…。
ツーレポ書くのも辛いっすよ…。



コメント

阿武隈を憐れむ歌 — 1件のコメント

  1. 私も一昨年行った西部林道がこんなに荒れ果てているとは!
    てゆうか深夜に走ったのでよく覚えていません。
    当時は甲子林道の方がすごかったような気がしますです。

黒洋梨 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*