寒ければトイレが近くなるのは必然的な命題だ。
ヌクヌクのシュラフの中で我慢を重ねても限度ってものがある。
深夜に一度くらいは外へ出て、なすべきことをなさねばならぬ。ま、要は尿意なのだが。
身を硬くして凍てつく闇に踏み出すと、満天の星空が迎えてくれた。
目の前の雪を溶かして、ぶるるっと一つ身震いして、またシュラフへ戻る。
正直、寒さよりも空気の乾燥の方が辛い。
鼻や喉を乾燥から守るため、朝までマスクを付けて寝た。
翌朝は6:00くらいに起床。外気温はマイナス12度くらい。
夜間、最も下がった時でおそらくマイナス15度程度だったろう。
起き抜けのトイレを済ませ、外がどんな様子かを偵察してみる。
駐車場は昨日の除雪で凍結したアスファルトがむき出しになっていた。
さすがにまだスキー客はほとんどいない。
バイクに付けたままにしておいたサイドバッグはガチガチに凍ってる。
シートの霜も半端じゃない。
テント内は外に比べればまだ温かいが、それでも空気は冷え切ってる。
本体内側には人いきれが霜になって付着している。
少しでも衝撃を与えるとそれがパラパラと雪のように落ちてくる。
ま、凍っているうちは、それを集めて外に捨てるだけで済むのだが。
前室に出しておいた昨夜の鍋は、当然ガチガチに凍っている。
Mr.mudさんのガスストーブで温めて溶かし、そこに残りの野菜やうどん玉を投入。
僕がリクエストした餅巾着も追加して、朝ごはんが完成した。
ハフハフ、ズルル…っと腹に収める。
のんびりと食後のお茶を満喫してから、ボチボチと荷物をまとめ始める。
今日は甲府まで戻る予定だけなので、撤収も急ぐ必要が余りないのだ。
テントを畳んで、動ける状態になったのは9:50頃。
すでに日は高く、気温も0度を越えていた。
9:55、出発。
…と言いつつ、目の前にあるスキー場のレストハウスへ。
駐車場を走り抜ける二台のバイクは、やはりスキー客たちの注目を集めた。
が、んなものは気にせずに管理棟の前にバイクを停め、レストハウスでトイレ(大)を済ます。
ついでにちょっとゲレンデを偵察。
実は僕はこれまでスキーもスノーボードもやったことが無い。
これがゲレンデ初体験だが、まさかバイクで来るとは思わなかった。
10:15、再出発。
昨日来たルートを写真を撮りながらのんびり戻る。
R299をレストハウスふるさとまで登り、r480へ左折。
昨日走って問題なかったコースなので、各自勝手なペースで進んだ。
10:35、r480から稲子湯温泉方面に圧雪路と化した八ヶ岳林道を右折。
温泉とスキー場を繋ぐルートなので、ここもちゃんと除雪されているそうだ。
天狗岳を正面に眺めつつ、谷を巻いて下ってゆく。
途中、分岐する白駒林道に寄ってみたが案の定ゲート閉鎖。
ゲート前に何台も駐車してあったが、冬山の登山者か。
それとも解禁したばかりの渓流釣り師だろうか。
10:50、稲子湯温泉に到着したが、写真を外から撮影しただけでスルー。
こんなタイミングで入浴なんてしたら、ほぼ確実に風邪を引いてしまう。
入口付近は通行車輌が多いためか、路面がツルツル滑って危なかった。
稲子湯からウネウネと下るに連れ、勾配が徐々に緩くなってきた。
ワインディングから直線的な道へと変わる。
段々と雪も少なくなり、アスファルトが露出してきた。
11:00、この辺が頃合と予想してスノーチェーンを外した。
今日はもう使わずに済むだろうが、やはりだいぶ削れている。
そろそろ買い替え時かなぁ…。
予想に反して、この先もまだ雪道がチラホラ現れた。
凍結しかけた路面もあったが、両足を伸ばしてアイドリングで何とか乗り切れた。
やがて完全にドライな路面になり、雪原の畑の間を快走してこのエリアから脱出した。
r480を経て、11:15、R141に復帰。右折して野辺山方面へ向かう。
昨日走った道なので多少安心感はあるが、油断は禁物。
走りやすいからこそ、気をつけねば。
実際、野辺山手前のカーブで派手な交通事故現場を見かけた。剣呑剣呑。
11:35、野辺山で脇道に逸れて、八ヶ岳を撮影。
この季節特有の澄んだ空気のお陰で、雪景色が堪能できた。
しかしノーマルタイヤだと、ちょっとした雪道でも気を使うなぁ…。
11:45、JR最高地点の野辺山駅に寄り道。
お土産を買い、ソフトクリームを食べ、トイレを済ませる。
実に良い天気だ。まさにツーリング日和。
12:00、出発。R141を南下して、清里を通過。山梨県に入った。
12:25、須玉で国道を右折。r612を経由して武川でR20に接続。
南下して12:40、Mr.mudさんオススメの店・みどりや食堂に到着した。
僕は肉煮定食850円、Mr.mudさんはラーメンとライス750円を注文。
この辺りは名水の産地なので、お冷からして美味いのだ。
当然のように飯もオカズも美味しかった。次はラーメンを食べてみたいなぁ。
食事を終えて、13:15、出発。
ジモティ、Mr.mudさんの先導でR20を避けて裏道を快走。
GPSのトラック機能が無いと、二度と走れなさそうなルートである。
13:50、Mr.mudさん宅に帰還。
荷物を整理してお礼を述べ、僕はすぐ帰路に着いた。
昨日も寄ったGSで給油を済ませ、14:05、甲府昭和ICから中央道へ。
休憩は14:40に談合坂SAで一度小休止したのみ。
15:25、高井戸で一般道へ降り、15:35、帰宅。
ふぅ、無事に戻れて良かった良かった。
以下、今回のツーリングで僕が使った主な装備をご紹介。
ネットで購入した品は、その購入先にリンクした。たぶん最安値のはず。
バイク:セロー250(グリップヒーター、ウインドシールド、グリップカバー付き、キャブ式)
スノーチェーン:MIZUNOタイヤチェーン(前後、風魔プラス1世田谷店で購入)
インナーウェア:モンベル・ジオラインEXPラウンドネックシャツ&タイツ
ミドルウェア:モンベル・シャミース ハイネックインナーシャツ
ジャケット:モンベル・ランドクルーザージャケット(旧モデル)
パンツ:ゴールドウイン・GSM3651 サイドジップハイウェストウォームパンツ
グローブ:モンベル・システム3グローブ
シューズ:Trukke・スノーモービル用ブーツ(ヤフオクで5000円で購入)
テント:ダンロップ・VL-32(だったかな? Mrmudさんの提供)
シュラフ:ナンガ・オーロラ600SPDX
インナーシュラフ:ナンガ・ウォームアップライナーSZ
なお、軽アイゼンや靴に装着するスパイクも持って行ったが使わず終い。
ハクキンカイロも就寝の際に一瞬使ったが、今回はほとんど要らなかった。
北海道ではスノーチェーン以外の装備はこのまま用いることになるだろう。
実は、往路で出会ったBAJAとMr.mudさんのエイプを見て、
自作のスタッドレスタイヤに大いに興味が沸いている。
北海道で無くとも、スノーチェーンは着脱を気にしなければならずツーリング向きではない。
深雪での雪遊びには向くだろうが、それ以外ならスタッドレスが僕の場合は最適な気がする。
うーん…北海道用にスパイクタイヤを発注すべきか、自作スタッドレスの準備をすべきか。
それが問題だ。
> SaltyDogさん
雪中行軍レポ、一足お先にど~もお疲れ様でした。(^^)
先週に引き続き、昨日、今日もジャストミ~トなツーリング日和でしたね。
あっしの方はジム子ちゃんを車検に出して家の雑用とエイプ号のスタッドレス外しと
同じく先週のレポ作成をしていたならば、あっ!!っと言う間に
二日の休みが終わってしまいますた...。(笑)
しかし今回は(今回もか!?)屁タレなワタシがデジカメのメモリを忘れたばっかりに
殆どの写真を塩さんの画像から拝借するという非常に情けない顛末に
我ながら落胆することしきりでした...。
月末にはゲドバ釣行もあるし、お江戸様にいよいよNewデジカメを購入しても良いかな??
今回の雪中行軍キャンプで大体の弱点が分かりましたねぇ~。。。
あっしの方は吹雪かれた時のヘルメットのシールドの着雪対策ですな。
皆さん、冬の北海道を目指す猛者の方々達はどの様な対策をしておられなんスかねぇ~?
塩さんはいよいよ自作スタッドレス計画へ着手なんですね。(^^)
きっと10ヶ月という時は、あっという間に流れていく気がしてなりません。
チャレンジ!!冬の信州、お初の雪中行軍、おっかなびっくり二人旅 (後編)
昨夜は、22時頃までは二人で話をしながら起きていたであろうか?? タダでさえ下界では夜の弱いあちきである。 買ってきた芋焼酎をストレートでグビリグビ…