さて、今回は番外編。
Mr.mudさんの案内で地元・甲府周辺のB級グルメやディープな酒場を堪能しちゃおう、という企画である。
「昔から『甲州に美味いものなし』って言われてるんですが、そんなかでのお勧めってことで!」とはmudさんの弁。
ゲストは僕と怪人M氏。外道バスターズとしておなじみの面々である。
土曜朝、某所で落ち合い、Mr.mudさんの運転する四輪に乗り合わせ東京を後にした。
隣の車線のバイクを見ては「こんな寒い中、良く乗るなぁ」などと嘯きつつ、中央道を西へ。
昼御飯にはちょっと早い時間だったので大月ICから甲州街道へ下りた。
10:55、甲州市営・勝沼ぶどうの丘へ寄り道。
ここでMr.mudさんお勧めの地元ワイン、岩崎醸造のホンジョーオールド・白をお土産に購入。
山梨の気候は赤より白用の品種の方が断然相性が良いらしく、「白以外はダメっす」とまで言い切られた。
また、地元では余所での日本酒と同様にワインも一升瓶で売られ、日常的に晩酌で飲んでるらしい。
ってことで自分が購入したのも1.8Lで2100円。
普通の720mlのボトルに換算すると840円である。うーん、リーズナボー。
東京に戻った翌日に飲んでみたが、すっきり飲みやすく美味しいワインだった。
続いて、昼食を食べに甲府市街地へ。
ご案内していただいたのは、僕が以前からリクエストしていた江戸一・善光寺店というお店。
パッと見、何の変哲もない町中のそば屋である。
カウンターに座席こそあるが、スタイルは立ち食いに近い。
しかしその値段とボリュームで地元民の圧倒的な支持を得ている店らしい。
特に近隣にある甲府東高校(略称:とんこう)出身者にとってはソウルフードとも呼ぶべき存在だとか。
僕は天ぷらそば・梅(かき揚げ+海老天)の卵乗せ、他の二人はかき揚げそば・卵乗せを注文。
ふむふむ、なるほど値段の割に美味いし量もある。
わざわざ足を運ぶようなお店じゃないかも知れないが、地元民に愛される理由が分かった気がする。
隣の客が食べていたカレー南蛮そばが人気メニューらしい。次回はあれを頼んでみよう。
食べ終わった後は夕方まで特に何の予定もない。
少し観光っぽいことをしてみようかと、信玄堤(しんげんつつみ)へ赴いてみる。
富士川支流の釜無川に御勅使川(みだいがわ)が合流するこの地域は古来水害が頻発していたらしい。
それを治めるために戦国の名将・武田信玄公がこの堤を築いたとされる。
周辺は公園として整備され、散歩コースにも丁度好い…のだが、あまりに寒い。寒すぎる!
強風にガタガタ震え、周辺をウロウロしただけで早々に退散。
その後、Mr.mudさんのご自宅にお邪魔して、3人で夕方までゴロゴロダラダラ過ごす。
1987年に発売されたナチュラル・ツーリングなんてのを読ませていただいた。
今となっては走れない、あるいは舗装されてしまった林道ばかりだ。往時がうらやましいなぁ。
そして15:00。
さぁ飲みに出掛けましょうってことで最寄駅の竜王駅へ徒歩で向かう。
JR中央本線の上り電車を待って、甲府駅へ移動。
南口へ出て山梨県庁の前を通り、繁華街へ。
16:15、やってきたのは『どてやき』という名前の飲み屋さん。
Mr.mudさんが父君に連れられ小学校の頃から訪れている店とのこと。
営業時間は15:30から19:30で、開店も閉店もずいぶん早い。店内はだいぶ混雑していた。
ずいぶん値上がりし接客も格段に丁寧になったとのことだが、それでも店の雰囲気は変わらないようだ。
カウンターの特等席を所望したが、丁度奥の座敷が空いてるのでそちらに通された。
まず注文したのは看板に掲げている名物のどてやき。
「どてやき=大阪名物」あるいは「どてやき≒どて煮@名古屋」という知識があるため、
「山梨でどてやき?」と疑問に感じてしまうのだが、なんとこの店、創業70年を超える。
恐らくルーツは関西なのだろうが、この店独自の進化を遂げたのだろう。
串にこそ刺さってはいるものの、味噌はあっさり目で一般的なモツ煮に近い。
一本の串にいろんな部位が混在してるが、それ単独の串も一応注文できるらしい。
そして飲み物はボルスという謎の酒。
グラスに焼酎少々と卵黄を入れ、サイダー又は酎ハイ用無糖ソーダで割った飲み物とのこと。
他所で聞いたことが全くない酒だが、口当たりがよく飲みやすかった。
この店、あちこちに切り揃えられた新聞紙がぶら下がってる。
実はこれ、どてやきの串で汚れた手や、さらには口元などを拭くためのもの。
我々もそのお作法に習いつつお手手とお口をフキフキ。
酒をお代わりして、どてやきを二本ずつ追加注文。
次のお酒は梅ワリ。宝焼酎を梅シロップで割る、大衆酒場やモツ焼屋などでおなじみの品だ。
以前は一人三杯までという制限つきだったらしい。
そして〆に頼んだのが焼そば。これこそがMr.mudさんが我々に食べさせたかった品らしい。
太めの麺とキャベツをソースで炒めたところに、どてやきのタレがドバッと掛けられている。
ソースと味噌、どてやきの切れっ端が渾然一体となり、複雑玄妙な味わいである。これは旨い。
17時過ぎ、どてやきを退出。外はまだ黄昏時だ。
梯子する予定なので酒は控え目にしたが、焼そばのせいか腹がだいぶくちい。
次の店まで15分ほど歩いたのが、ちょうどよい腹ごなしになった。
風が冷たく、歩いてる間に酔いもほどよく醒めてゆく。
17:25、次の店に到着。甲府駅北口側にある千成というやきとり屋。
ここもカウンターはほぼ一杯で、座敷のテーブル席に案内された。
やきとり15本を注文してから、まずは瓶ビールで再び乾杯。
お通しのモヤシ(これも名物)をつまみつつ待つことしばし。
やがてドドーンとやきとり登場。黒いタレはかなり甘め。
ゴツい肉塊は宮崎産の親地鶏の肉で、とても硬い。
顎がとても疲れるが、噛めば噛むほど味がでるという代物でこれが旨い。
今回は一人5本だが、Mr.mudさんが学生の頃は一人20本が標準だったとか。
こいつが一本辺り85円だってんだから安いものだ。
持ち帰りの注文客もひっきりなしにやってくる。
ビールから酎ハイに移行して、今度はとり皮を一皿注文。
とり皮はカリカリに揚げられ、スナック感覚で食べられた。
ちなみにこの店の酎ハイはお代わりのたびにグラスのレモンスライスが増える。
お勘定の際はそのレモンの枚数で精算するらしい。(いちいち説明の多いレポだ…)
そして〆はまたまた焼そば。ここも焼そばのタレが掛けられ、ソースと絡んで実に美味。
さすがにお腹が一杯だったため、三人で一皿しか食べられなかったのが残念だ。
19:30くらいに千成を退出。
甲府駅から電車と徒歩でMr.mudさんのご自宅まで戻った。
ちょいと酔いを醒ましてから、最後にmudさんのお友達の経営するショットバー・lady ellaへ。
マスターもバイク乗りで、当サイトもご愛読くださってるとのこと。ありがとうございます。
マスターお勧めのアイラ、ラガヴーリンのグラスを傾けながら、
常連さんの方々も交えて夜半まで楽しくお話させていただいた。
ぜひまた飲みに行きたいお店である。
明けて、翌日曜日。朝の最低気温はマイナス5.4度。
昨夜の飲み過ぎ・食べ過ぎに加え寒いこともあり、9時過ぎまでまたダラダラモード。
9時を回った頃に近所の温泉、山口温泉へ。入浴料は500円。
20年前にぶどう畑から湧いた温泉で、サイダーのような炭酸泉。
温度が低いので、いつになくのんびり湯船に浸ってしまった。
温泉から戻り、少し時間を置いて昼食へ。
以前も行ったことがあるMr.mudさんの馴染みの蕎麦屋・猪之助へ向かった。
Mr.mudさんはもりそばの大盛り、怪人M氏はカツ丼、僕はそば定食を注文。
カツ丼はメニューには煮かつ丼しかなかったが、山梨風をお願いした。
そば定食はざるそばにご飯、鳥モツ煮、冷奴、おしんこが付いたセットである。
かなりボリュームがあった。朝食を抜いて来たのに苦しい。
食後は小用を諸々済ませるなどして、のんびりと東京に帰還。
時間も早かったためか渋滞もなく、順調に帰宅できた。
いやぁ、それにしても美味いものをとことん堪能した二日間だった。
食は広州ならぬ甲州にあり、と宣言したい。
兎にも角にも、Mr.mudさん、今回もありがとうございましたー。
あ、勝沼ぶどうの丘、僕も行ったことあります。
もう数年前だけど。
葡萄の畑が一望出来て、気持ちよかった覚えがあります。
もちろん甲州ワインも買いました。
勝沼ぶどうの丘、私も泊まったことあります。
県庁も去年は仕事でよく通いました。ずいぶん古い建物ですが、安易に立て替えるよりいいのかなと思います。
某富士川○湖町役場なんて美術館かと思いました。
今でも石和や身延あたりは良く行きますが、山梨と言うとほうとう、馬刺し、葡萄ワインのイメージですかね。
『「こんな寒い中、良く乗るなぁ」などと嘯きつつ』には、笑いました。冬の北海道に出かける方が言いますかぁ…笑
salty dog様
初めまして、いつも楽しく拝見させて頂いております。
ツーレポのタイトルに同世代の匂いを感じている(笑)
マーベリックと申します。
24日に中央道でバイクを見られたそうですが
もしかして自分かと思いまして書き込みしました。(笑)
黒のカワサキGPZではなかったでしょうか?
確かに寒かったですね、自分は河口湖方面に行ったのですが
寒いし雪は降ってくるわで途中で引返してしまいました。
返信遅れてすみません!
>>亜樹28号さん
ぶどうの丘、いいロケーションですよね。
甲府盆地が一望出来て…。
今度は試飲もしてみたいです。
>>ツカさん
いやぁ、四輪って温かくて快適ですねー。
癖になりそうです(笑)
>>マーベリックさん
はじめまして、書き込みありがとうございます。
>黒のカワサキGPZではなかったでしょうか?
たぶん、そうでした。これまた何たる偶然。
あの二日間はほどんどバイク見かけませんでした。
>>塩犬さん
雪道スペシャリストにあるまじき発言でしたので一応つっこんでおきました(笑)
寒くなると、ここから林道までは遠いので、モチベーションが低下してしまいすね(これから花粉が飛ぶと私はさらに低下します)。
最近は、ミニバイクで近くを散歩する程度で満足してしまってます。私の今の車は年間2000kmほどしか走っていませんので…最近は冬のためにトランポが欲しくなってきました(弱~。
>>ツカさん
ここ最近、私もセローに乗ってませんね…。
次の週末は出掛ける予定ですが、
まぁ、モチベーションまかせで気ままに乗ります。
はじめまして。勝と申します。
コメントを入れることは初めてなのですが、久々に楽しい話で大笑いさせてもらいました。ありがとうございます。
単車に乗ってるんですね。いいですね。
私も昔は500を乗っていたんですが今はカブとモンキーです。・・・が今は免取中でつらい思いをしております。
また、楽しい話をお願いします。
勝様、初めまして。コメントありがとうございます。
また、お返事遅れてすみません。
バイク関連の記事が最近少なくて申し訳ないです。
免取ですか……辛いっすねぇ……。
カブもモンキーも面白いバイクだと思います。
復活したら楽しんでくださいませー。