ああ奥飛騨に雨がふる


沖縄から戻って一週間後。今年も飛騨での山菜塾が行われた。
天気予報では雨だが、シーズン終了間近なので延期もできない。
ただ我々には地元在住の飛騨の半人前さん(以下、飛騨半さん)という強い味方が居る。
雨でも平気な幕営地を紹介してくれるとの情報を信じて雨天決行とあいなった。
沖縄で壊れたデジカメも上位機種を買いなおして何の憂いも無くなった。
東京からのバイク組は私、怪人M氏、手下F君の三人。
伊那で昼飯を済ませてから、Mr.mudさんと木曽の開田高原で合流の予定だ。
7:40に環七沿いのコンビニで待ち合わせて曇天の東京を出発した。
ちなみに怪人M氏は数ヶ月前に愛車BAJAを盗難された。
結局BAJAは見つからず、泣く泣く新車のTW225を購入。
そして今回がそのお披露目となった。
中央道に合流して、8:30、石川PAで軽く朝食。
その後も心配していた天気は談合坂までは問題なし。
M氏のTWもなかなか速いペースで走れている。

惣菜パンとおにぎりとお茶の朝食

惣菜パンとおにぎりとお茶の朝食

大月を過ぎた辺りでポツポツ降り始めた。
僕は防水ジャケットを、F君は雨具を着ているが、M氏は普段着だ。
PAに入って着替えてもらわにゃ…と思っていたのに、なぜか初狩PAをスルーしてしまった。
笹子峠を抜けたら、いきなり豪雨。しかも寒い。
こりゃ、怪人M氏と言えどもやばいぞ!
「またスルーされちゃたまらない」とばかりに、M氏が先頭に出て釈迦堂PAに避難。
下着まで完全にびしょ濡れ。小刻みに震えながら荷物から着替えを引っ張りだしている。
PAを一つスルーしてしまい、本当にすみませんでした。(-_-;
トイレで寝間着と雨具に着替えて何とか落ち着いたようだ。
雨も少し小降りになってきた。

予想以上の強い雨が降る釈迦堂PA

予想以上の強い雨が降る釈迦堂PA

甲府盆地へ降りると雨の勢いは収まった。
ただ、釜無川沿いに標高が上がっていくに連れ、気温はどんどん低くなる。
小淵沢の辺りは10度代前半だったんじゃなかろうか。
それでも諏訪湖SAまで来たら、だいぶ温かくなってきた。
ここでもう一度休憩。

諏訪湖SAにて 三台揃い踏み

諏訪湖SAにて 三台揃い踏み

雨は一時的に上がったようです

雨は一時的に上がったようです

岡谷JCTから伊那谷に入ると太陽まで差してきた。
油断禁物だが嬉しいものだ。
11:40、伊那ICを降りて、11:50、元祖ローメンの店・萬里に到着。
僕は以前来たことがあるのだが、二人は初めてなのでこの店にした。
自信満々で勧めたローメンだったが、何故かこの日は麺がボソボソ。
箸で持ち上げるだけで千切れるほど茹で過ぎだった。うーん、残念。

元祖ローメンの店 萬里

元祖ローメンの店 萬里

ローメン この日は麺が茹で過ぎでイマイチ

ローメン この日は麺が茹で過ぎでイマイチ

食べ終わって、12:30、出発。
R361を西に向かい、権兵衛トンネルを抜ける。
12:55、R19を左折して南下し、13:00、木曽福島でR361を右折。
新地蔵トンネルを潜り、開田高原に出た。
13:20、Mr.mudさんと待ち合わせている旧開田村役場に到着した。
着いてしばらくすると物凄い豪雨。雷もなっている。
やがてMr.mudさんもやってきたが、しばらく屋根付きバス停で雨宿り。

13:24 雨はあがりの平和な状態

13:24 雨はあがりの平和な状態

13:31 な、なんなんすか!? この雨は!!

13:31 な、なんなんすか!? この雨は!!

猫バスを待つ人々(嘘)

猫バスを待つ人々(嘘)

雨がほぼ上がったところを見計らって雨宿り終了。
Mr.mudさんの案内で山菜ポイントに移動し、採取開始。
僕は昨年も来たのだが、今年はフキの生育が遅れているようだ。
その代わり、ワラビやウドが良い感じで残っている。
「これだけあれば充分」と言える量を確保した。

とか言っといて、これはウルイ

とか言っといて、これはウルイ

収穫物を種類ごとにまとめます

収穫物を種類ごとにまとめます

14:40、飛騨半さんとの合流地点に向かって移動開始。
雨の中、R361を高山方面に西走。
途中、西野の集落で買出しを済ませる。
長峰峠を越えて岐阜県に入り、高根の集落へと降りた。

開田高原西野付近 この辺りからまたポツポツ…

開田高原西野付近 この辺りからまたポツポツ…

15:15、すでに廃校となった中学校で飛騨半さんと合流。
ざっくり見て回ったが雨を完全に避けられる感じではない。
「もうひとつ廃校になったばかりの小学校もある」とのことでそちらに移動。
着いてみると木造屋根付きのガレージというか物置があった。
ところどころ雨漏りしているがこれは理想的だ。ってことで幕営地決定。
フライシートはいい加減な感じで各自テントを設営する。

幕営地はこんな感じ(翌日撮影)

幕営地はこんな感じ(翌日撮影)

校庭を土砂降りの雨が叩きつけます

校庭を土砂降りの雨が叩きつけます

そうこうしているうちに黒洋梨さんも遅れて登場。
いつも通りの昼過ぎ出発だったらしい。雨のため今回はバイクではなく四輪だった。
あらかた片付いたところで調理しながら晩酌開始。
まずは飛騨半さんが持参してくださった飛騨の味覚をご紹介。
朴葉寿司煮たくもじ(略称:にたく)、ころいも、そしておなじみのけいちゃん

自家製の朴葉寿司 (゚д゚)ウマー

自家製の朴葉寿司 (゚д゚)ウマー

煮たく=漬物を煮た郷土料理

煮たく=漬物を煮た郷土料理

ころいも 甘く煮た小さなジャガイモです

ころいも 甘く煮た小さなジャガイモです

今回も出ました けいちゃん(゚д゚)ウマー

今回も出ました けいちゃん(゚д゚)ウマー

さらに収穫したばかりの山菜も次々と調理された。
今回は僕がどうしても食べてみたかった鯖水煮缶とウドの味噌鍋にも挑戦してみた。
いろいろ調べてみたら長野では定番の料理らしい。
ちなみに鯖缶の消費量は長野が日本一で、ウドやネマガリダケなどの山菜と調理されるそうだ。
実際、手軽で予想以上に美味しかった。また試してみたい。

フキの豆板醤炒め(゚д゚)ウマー

フキの豆板醤炒め(゚д゚)ウマー

鯖缶とウドの味噌鍋 というか味噌汁(゚д゚)ウマー

鯖缶とウドの味噌鍋 というか味噌汁(゚д゚)ウマー

晴間を縫い、手下F君が飛騨半さんに連れられて林道探索へ出かけてきた。
戻ってきた泥だらけのXRが、なかなか様になっている。
一度も転ばずに済んだらしいがマシンに助けられたのだろう。そうに違いない。

散歩から戻ってきた飛騨半ジェベルと手下XR

散歩から戻ってきた飛騨半ジェベルと手下XR

長靴が何ともベテランぽく見えるぞ

長靴が何ともベテランぽく見えるぞ

19:00過ぎ、風呂を希望した僕と黒さんは飛騨半さんの車に同乗して近くの温泉へ出かけた。
向かった先は塩沢温泉・七峰館
ここまで会う人会う人、皆に挨拶している飛騨半さん。ここのフロントの人も顔なじみらしい。
「高山市と合併する前は数十票で議員になれるほど小さな村だった」とは飛騨半さんの言。
うちの実家の集落もほぼ全員が知り合いだが、ここはそれ以上に狭い世間のようだ。
風呂は炭酸泉で、温泉らしい匂いも立ち込めていた。充分に温まって、さっぱり。

塩沢温泉・七峰館

塩沢温泉・七峰館

戻って、さらに宴は続く。満腹になったところで、僕は早々に就寝。
時折、思い出したように雨が降ったが、屋根のお陰で快適に寝ることができた。


午前3時頃、なにやら車がやってきて、幕営地の前に停まった。
飛騨半さんが外に出たので「知り合いかな?」と思ったが、ただトイレに行っただけらしい。
皆、寝静まっていたが目を覚まして外の話し声に聞き入っている気配がする。
「警察かな? 追い出されるかな?」と心配もしたが、結局、ただの暇な地元の若者だった。
4時くらいに帰っていったが、人騒がせもいいとこである。むぅ。
さて。翌朝は6:30くらいに起床。
黒さん以外、すでに皆起きていた。
昨日の残りで朝飯を済ませ、まったりとくつろぐ。
太陽が昇ると、皆待ちかねたように濡れた品々を干した。

早朝、捕獲されたミヤマクワガタ 今回はリリース

早朝、捕獲されたミヤマクワガタ 今回はリリース

TWの試走をリクエストされたM氏が校庭を走り回った。新品なのに泥だらけだ。
ま、本来オフロードバイクとして生まれたバイクだから、これで良かろう。
それにしても校庭をバイクで走り回るなんて、まるでどこかの学園ドラマだなぁ。

泥に汚れたTWって(・∀・)イイ!!

泥に汚れたTWって(・∀・)イイ!!

「タイヤがオン用だからグリップしない」と嘆くM氏

「タイヤがオン用だからグリップしない」と嘆くM氏

いつでも出発できるように荷物をまとめてから、山菜塾の後半戦に出発。
今度は飛騨半さんの先導である。黒さんはMr.mudさんのジム子に同乗。
マイペースでガンガン飛ばす飛騨半さんに、必死で振り切られまいと皆で付いて行く。
未舗装林道に入ってからも飛騨半さんのジェベルのペースは衰えない。
僕はセローで必死で喰らい付いていったが、後続のM氏が大きく遅れてしまっていた。
「だめだ、ノーマルのTWじゃ…」と追いついたM氏が肩を落とす。
曰く、タイヤはグリップしないし、サスは小さなギャップでもすぐボトミングしてしまう、とのこと。
すぐ後ろを手下F君のXRが難なくついてくるのも、余計に悔しいようだ。
未舗装路を実走してみて、TWの改造を真剣に考えはじめたらしい。
さて、山菜。まずは昨年も訪れた山葵(ワサビ)ポイントに到着。
6人が沢筋に散らばって、茎と葉をガシガシと摘んでゆく。
これまで食べるのが専門だった黒洋梨さんが、山菜採りをする姿を初披露。
記念にと写真を撮ったのだが、なな、なんとデジカメを仕舞う際、手を滑らせてしまった。
今週買ったばかりのIXY900ISは、無情にも沢の中に沈…(ノД`)
すぐに拾い上げてSDカードとバッテリを抜いた。後は祈るばかりである…。

山葵を摘む黒洋梨さん この直後にデジカメ水没…

山葵を摘む黒洋梨さん この直後にデジカメ水没…

ってなわけで、これ以降は手下F君からいただいた写真となる。
ポイントを移動して再び山葵を摘んだ我々は塩沢温泉の露天風呂をチェック。
この露天風呂、シチュエーションはバッチリなのだがお湯がぬる過ぎるらしい。

塩沢温泉・露天風呂 ぬるくても一度は入ってみたい

塩沢温泉・露天風呂 ぬるくても一度は入ってみたい

13:20、幕営地に戻り、各自荷物を積んで、13:50に解散。
我々バイク隊3人組は昼飯を食べに飛騨半さんと高山方面に進むすることにした。
Mr.mudさん、黒洋梨さん、お疲れ様でしたー。
さて、僕のリクエストで向かったのは高山の西にあるピクルの森という土産施設。
飛騨半さんの軽トラ(ジェベルも積んでる)に先導され、高山市街を横切る。
ご自宅へ寄ったり、渋滞に悩まされたり、給油を済ませたりでペースは遅い。
R158から、ようやく県道73号=せせらぎ街道へ左折できたのは14:45。
そしてピクルの森に到着したのは14:50。あー、腹減った。
ずいぶんと遅い昼飯になったなぁ…と思って自販機を見たら御飯類は全て『売切』の文字。Σ(゚д゚lll)ガーン
ここでの目的は漬物ステーキ定食、ただひとつだった。
それが食べられないのでは僕にとって意味が無い。うーん、困った。
と、僕の苦境を察して下さった飛騨半さんが馴染みの郷土料理屋に電話してくれた。
料金は高くなるが、どうやらそっちでも食べられるらしい。あっざーす!
ってなわけでUターンして高山市街へ舞い戻る。
ピクルの森は写真無し。またいつか来る日もあるだろう。
再び渋滞の車列に悩まされつつ、15:30、目的の店・京やに到着。
僕はそば定食1300円+漬物ステーキ550円を注文。
やがて鉄板に乗せられた熱々のヤツがやってきた!

飛騨名物 漬物ステーキ 一応(゚д゚)ウマー

飛騨名物 漬物ステーキ 一応(゚д゚)ウマー

そば定食 盛り沢山で(゚д゚)ウマー

そば定食 盛り沢山で(゚д゚)ウマー

鉄板で焼かれているのは紛れない漬物である。
それを卵で綴じてさらに焼き、醤油を好みでジャっと掛けて食す。以上、漬物ステーキ。
昔、保存のため雪に埋めて凍ってしまった漬物を、ストーブで焼き温めて食べたのが始まりらしい。
「飛騨で名物のステーキを食べてきたよ」と言っても嘘にはならない。…と思う。
そば定食には郷土料理のこも豆腐も付いてきた。素朴な味わいで美味い。
食べ終わって、16:00、出発。
この先の雨を予想して、レイングッズをフル装備する。
飛騨半さんとはここでお別れ。
二日間、いろいろとありがとうございましたー!
R158を平湯峠に向けて一路東進。
ガシガシと登って平湯トンネルを抜け、16:45、平湯のバスターミナルで小休止。
ここから阿房トンネルを抜け、松本へと下るわけだが僕以外の二人は初めての道である。
トンネルが狭く滑りやすいので充分注意を、と警告してから再出発。
途中から渋滞気味で、路面より眠気に悩まされつつ、17:50、松本ICから高速道路へ乗った。
ここまで来ればこっちのものだ。マイペースで岡谷JCTで中央道に接続。
やがて日は暮れ、闇の中をバンバン進む。ところどころ雨にも降られた。
随所で休憩しつつのんびり進み、22:00、環八で中央道を降りた。
ここでF君と別れ、自宅に着いたのは22:30。ふぅ。
歩き回って疲れたが、来年の山菜塾が今から楽しみでもある。
それにしても飛騨半さんとMr.mudさんは凄い。あの体力は異常だ…。
ところで水没したデジカメだが数日後に無事直った
そういえば去年も同じ場所でデジカメを水没させそうになったんだよなぁ…。
今度、沖縄で壊したデジカメでも供えてくるか…。



コメント

ああ奥飛騨に雨がふる — 4件のコメント

  1. > SaltyDog さん
    『風雲山菜塾、飛騨の章』のレポアップ、お疲れ様でやんした~。(^o^)
    いやいや、やっとこさこれで枕を高くして寝れますね!!(わたしゃ、完全に人ごと..。)
    ワタシは手持ちの写真がたった7枚しか無いのと、その内3枚が出際に撮った
    吉野家の牛丼と駐車場の豪雨の写真なんで、こりゃアカン!!とばかりに
    早々にレポアップは諦めますた。。。 時に人間、諦めも肝心。 うんうん。(勝手に納得)
    しかし、今年の山菜塾飛騨編は去年にも増して獲物が多ございましたなぁ~。
    それに、山菜の時期が一週間~十日ほど遅れてくれたのも、我々にとってはラッキーですた。
    結局、余りの獲物の多さに皆さんには振舞えませんでしたが、実は初日にワタシが大量に
    げっちゅした山菜、ウルイなんですが、これの炒め物がメチャクチャ旨かったス。
    調理のお手軽さ(アクも無いので切ってタダ炒めるだけ)もあって、実戦野塾向きな山菜ダス。
    このウルイは、去年、塩さんを案内したワラビーポイントにそれこそ草刈機で刈らないと
    間に合わないか!?くらいの勢いで、ドカン!と群生しておりますた。
    来年こそは、皆でここでげっちゅしたいもんですのぉ~。
    ともかく、塩さんレポ読ませて頂いて、感慨しきりでありました。
    ども、改めてお疲れ様でやんした~♪

  2. Mr.mudさん、おはようございます。
    ようやく、本当にようやくアップできました。
    主催された飛騨半さんやMr.mudさんには
    大変お待たせすることになってしまい、
    恐縮至極でございます。
    そういえば今回もウルイを賞味せずじまいでしたね。
    まま、来年もあることですし、その時の楽しみに取っておきます。
    どうも、ありがとうございました~。

  3. 塩さん、レポアップご苦労様でした~。来年はデジカメ供養をしっかりやってから来てくだされまし。

  4. どもども、飛騨半さん。
    ご案内ありがとうございましたー。
    ウルイは来年ですね。楽しみにしておりますです。
    壊れたデジカメ、本当に本当に持っていこうか知らん?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*