貧乏暇無、林道釜無


土曜日に寝坊したので日曜は日帰りだなぁ、どこへ行こうかなぁ…。
なんて悩んでたところに林道の先達・MUDさんから長谷村・高遠周辺へのお誘い。
たまには複数で走るのも良いかと思い、二人と二台での林道行が急遽決定してしまった。
今日の明日で行き当たりばったりな計画である。
待ち合わせがあるから早起きせねば、早寝せねばと気持ちはあせるが、また前夜は夜更かし。
コンフェデレーション杯の準決勝、ブラジル対ドイツを前半まで見てしまい、その後も熟睡できず。
寝不足のまま、5:30辺りからノソノソ準備して、6:15出発。
環七を南下して甲州街道を右折し、高井戸ICから首都高へ。
そのまま6:45、八王子ICから中央道に合流し、おなじみの道を西へと進む。
うーん、雨は降らないだろうけど雲が多いな…。
7:05、談合坂SAで朝食。おむすび二つ。
ついでに給油を済ませて7:20、SAを出発。
笹子トンネルを抜け甲府盆地に入っても空の雲は減らない。
8:20、長坂ICを降りて、国道20号へ向かう。
8:35、5分ほど遅刻して待ち合わせのコンビニに到着。
MUDさんと愛車Apeがお待ちかね。挨拶して早速出発。

初対面のApeさんにご挨拶

初対面のApeさんにご挨拶

まずは小手調べの林道雨乞尾白川線。残念ながら全面舗装。
釜無川へ抜ける林道内山線もゲート閉鎖。向こう側へ猿が一匹逃げていった。
猿と言えばMUDさんのApeの逃げるスピードも速い。
「今回の旅程はほとんどMUDさんまかせなので楽チン楽チン」
…と思っていたが、ヘタレの僕では追いついてゆくだけで一杯一杯である。

林道雨乞尾白川線

林道雨乞尾白川線

一旦、R20を経由して、釜無川沿いに花場の集落へ。
ギリギリだが既にこの辺りは長野県である。
9:10、林道花場釜無線の分岐に到着。
前から楽しみにしていた峠越えのルートだ。
MUDさんに先行してもらい、僕は写真を撮るので後からのんびり行くことにした。
山肌に沿って走る林間のフラットダートで少しずつ確実に高度を上げてゆく。

林道花場釜無線 起点

林道花場釜無線 起点

開放的な区間と閉鎖的な区間が交互に

開放的な区間と閉鎖的な区間が交互に

懸命にペダルを漕ぐチャリダー軍団を追い越して、9:25、林道釜無山線のゲートに到着。
左側の斜面からモゴモゴ…。この辺りで標高1450mだが、さらにグングン高度は上がる。
フラットで幅広の路面は相変わらずだが、やがて視界が開けたトラバースルートに。
空が晴れ渡っていたら豪快な景観が望めることだろう。
甲斐駒ケ岳も鋸岳も雲に隠れて見えないのが残念だ。
峠が近づき、道が北斜面に入ると途端に空気も冷たくなった。
植生も熊笹メインに変わり、心なしか雲行きも怪しい。

南アルプスを名峰は拝めず…

南アルプスを名峰は拝めず…

林道釜無山線 標高1900m超の峠越え

林道釜無山線 標高1900m超の峠越え

峠を過ぎてほどなく、終点のゲートに到着。
また脇をモゴモゴして、9:45、無事完走。花場からの総延長は約15kmか。
距離、路面状態、景観、峠の標高。どれをとっても素晴らしい林道だった。
今後、長野を代表する未舗装林道に数えられることだろう。
空気の澄んだ秋にでも再訪してみたいものだ。

釜無山線 長谷村側ゲート

釜無山線 長谷村側ゲート

モゴモゴという表現がごく一部で流行してるらしい…

モゴモゴという表現がごく一部で流行してるらしい…

次に目指すは林道峯山線。MUDさん先導で経由地の杖突峠に向かう。
未舗装路も舗装路をごちゃごちゃと繋いで、入笠山芝平峠金沢峠と北上。
10:15、杖突峠に到着。ついでにR152を挟んだ向かい側に伸びる林道守屋山線も、ちゃっかり走ってしまった。

入笠山近辺 うねった路面をひた走る

入笠山近辺 うねった路面をひた走る

守屋山林道 アジア公園と称する怪しげな装飾が…

守屋山林道 ア ジア公園と称する怪しげな装飾が…

R152を南下して藤沢の集落を抜け、10:30、林道峯山線の分岐に到着。
物々しいプロテクターで完全武装したオフ車二人組とすれ違う。気合入ってるなぁ…。
草に覆われた荒れ気味の未舗装路を沢伝いにしばらく遡るとY字路に遭遇。
右はそのまま沢沿いに進む道。左は大きくカーブして山肌を登ってゆく。
交通量が多そうな後者へと進んだが、やがて路面は廃道然となって数kmで行き止まり。
帰りに林道標識を確かめたら荒沢線と書かれていた。
分岐からしばらく踏み固められていたのは、途中にあった携帯電話の基地局のせいらしい。

林道峯山線 東側の分岐

林道峯山線 東側の分岐

雑草伸び放題の林道荒沢線

雑草伸び放題の林道荒沢線

分岐へ戻り、今度は沢沿いに進む。すぐに路面が荒れてきた。
草で覆われて見えにくいが拳大の石がゴロゴロしている。幅員は狭く軽度の土砂崩れも多い。
こないだの山陰でこういう道は懲りているのになぁ…。まぁ楽しいんだけどね。

ほとんど廃道状態の峯山林道東側区間

ほとんど廃道状態の峯山林道東側区間

展望は思ったより開けないです 残念

展望は思ったより開けないです 残念

山陰のリハビリに丁度よさげ (゚∀゚)アヒャ

山陰のリハビリに丁度よさげ (゚∀゚)アヒャ

いきなり喋りだすスピーカーにびびった!

いきなり喋りだすスピーカーにびびった!

11:05、本線に合流して廃道区間の走行終了。
峯山林道本線は右手に少し登ったところにある鉄塔で行き止まりだった。
アヤメの群生が印象深い。

艶やかなアヤメの青い花

艶やかなアヤメの青い花

お天道さん、雲を何とかしてくれまいか

お天道さん、雲を何とかしてくれまいか

鉄塔でUターンして峯山林道本線を萱野高原方面に進む。
すこぶる走りやすい尾根沿いのフラットダートだ。
踏み固められた赤土をガーッと走って、11:30、広々とした十字路に到着。
廃道状態から超フラットダートへと、かなりメリハリの効いた林道だった。

超フラットな峯山林道本線 スピード注意!

超フラットな峯山林道本線 スピード注意!

萱野高原側分岐 分かりやすい場所です

萱野高原側分岐 分かりやすい場所です

さて丁度、昼飯時である。今日の狙いは伊那ローメン
ここからしばらくは舗装路走行だ。雑草に腕を引っ掻かれる心配も無い。
かなり暑くなってきたので二人ともTシャツで走ることにした。
背中に「林道遊人」と大書されたペアルックである。
いい年の男二人がいかがなものか、そんな声が聞こえてきそうだが敢えて無視。
今度は僕の先導…というかGPSのナビ任せで県道18号経由でR153を南下。
R361との交差点辺りのゴチャゴチャを探して、12:00、伊那の萬里に到着~♪
見た目は小汚い(失礼)大衆中華料理屋だが、50年の歴史を持つローメン発祥の老舗である。
土曜のお昼は超混雑…してない。ビールを飲んでる客が一人のみ。以上!
ごく普通の大衆中華料理屋の気軽さで、お座敷のテーブルに着いて早速注文。
僕は大盛り780円、MUDさんは超大盛り(麺3玉!?)940円。
(ちなみに普通盛680円だった。この値段の変な開き具合は何故??)
出てきたのは太目の中華麺とキャベツ・マトン・キクラゲを炒めた、スープが多めの焼そば風。
かなりプレーンな味付けで、客がソースと酢を好きな量だけ掛けて食べるものらしい。
店員の「大丈夫?」という視線を他所に、ハフハフ、ズビビと超大盛りを平らげるMUDさん。
やっぱすげぇわ。僕は大盛りで満腹。ちと苦しい。
だが、さすが全国区になりつつあるローカルグルメの代表格だけあって美味かった。

伊那ローメン発祥の老舗 萬里

伊那ローメン発祥の老舗 萬里

伊那ローメン メチャ(゚Д゚)ウマー

伊那ローメン メチャ(゚Д゚)ウマー

食事を終え、しばらくお冷を飲みながら午後の計画を練った。
相談の結果、横川ダム周辺の怪しげな道を探索することに決定。
12:40、伊那を後にしてR153を一路北上。
途中で給油を済ませ、辰野町へ入り、信濃川島の辺りで左折。
13:15、大横川林道の起点に到着。県道沿いに山肌を走る怪しげな道だ。
地図上では途中で行き止まりになっているが期待できそうだ。
最初は舗装路だったが、すぐに未舗装路になった。いいぞいいぞ。

大横川林道の起点

大横川林道の起点

すぐ未舗装区間が始まります

すぐ未舗装区間が始まります

フラットな路面を暫く進むと、予告されていた工事現場が現れた。
MUDさんと二人で歩いて偵察。ふむ、行けなくはないな、ってことでモゴモゴ…。
工事区間の反対側にもバリケードと看板がある。完抜は間違いない。
その後もフラット路面が続き、結局、終点までの未舗装区間は約8km。
山腹を縫う快走路なのだが展望が開けないのが玉に瑕。
それでも、めっけものの完抜ダートだった。

大横川林道 約8kmの完抜ダート

大横川林道 約8kmの完抜ダート

休工日なのでモゴモゴさせてもらいました…

休工日なのでモゴモゴさせてもらいました…

川上の集落を望む 高度は余り無いね…

川上の集落を望む 高度は余り無いね…

林道大横川線 終点

林道大横川線 終点

13:45、林道大横川線の終点から、とりあえず横川ダムまで遡り、その近辺で小休止。
うー、暑い暑い。トイレや水分補給を済ませながら、次の目的地を相談。
横川流域から県道254の牛首峠方面に抜けるルートを探索してみることになった。
14:07、再始動。

横川ダム 何が釣れるんだろ?

横川ダム 何が釣れるんだろ?

まずは、林道赤坂線。1kmくらい進んでドロヌタ工事中の行き止まり。
ここで塩犬得意のUターンゴケをMUDさんに披露。写真を撮られなくてよかった…。
続いて林道ぬるで沢線。変な名前。
しばらくは沢沿いの走りやすい道だったが、工事現場を過ぎて登り勾配になると廃道状態に。
やがて雑草に覆われてデッドエンド。
残念ながら牛首峠へ抜ける道は無さそうだ。

林道赤坂線 まぢマディ

林道赤坂線 まぢマディ

林道ぬるで沢線 終点はこんなんです

林道ぬるで沢線 終点はこんなんです

14:50、再びR153へ出て右折。
最終目的地は諏訪なのだが、敢えて南に戻り林道王城枝垂栗線を目指す。
かなり入り組んだ道だ。GPSのナビ機能がこういう時に役に立つ。
14:55、林道王城枝垂栗線の分岐に到着。
ワインディングをグングンと登るが、なかなか未舗装にならない。
峠近くなってようやく断続的なダートが現れた。日本中心の碑で小休止。
そろそろ二人とも眠気と疲れが辛くなってきた。

林道王城枝垂栗線 尾根沿いの快走路

林道王城枝垂栗線 尾根沿いの快走路

日本中心の碑 訪れるのは二度目です

日本中心の碑 訪れるのは二度目です

三州街道方面の展望は霞んでいまいち

三州街道方面の展望は霞んでいまいち

アザミの花 空梅雨で雨が恋しかろう

アザミの花 空梅雨で雨が恋しかろう

その後も林間のフラットダートを北上して、15:40、終点に到着。
勝弦峠経由でR20に合流し、岡谷を経て上諏訪へ。MUDさんの案内で温泉を目指す。
「ひとっ風呂浴びて、できれば仮眠を取って、腹を減らして、晩飯を食う」という完璧な締め括り。
日曜夕方の幹線道路の混雑で、眠気が容赦なく襲ってくるが後もう少しの辛抱だ、我慢我慢。
睡魔との闘いに勝利して、16:15、すわっこランドに到着した。
温泉ではないが、無料休憩室付き。入浴料600円を支払って汗を流した。
熱い風呂が辛かったので僕は早々に休憩室へ行き、横になった。
そのうちMUDさんもやってきて、17:45くらいまでゴロゴロ。
17:50、出発するも、すぐに停車して諏訪湖の湖岸を偵察。
釣りをする少年たちがいたが、川エビを狙ってるらしい。
ふむふむ、フィッシュイーターもいるんだろうねぇ…。

すわっこランド 新しそうな建物です

すわっこランド 新しそうな建物です

黄昏時の諏訪湖にて川エビを釣る少年たち

黄昏時の諏訪湖にて川エビを釣る少年たち

さて本日の最終目的、晩御飯で狙うは諏訪の新名物、信州みそ天丼である!
伊那ローメンや駒ヶ根ソースカツ丼にあやかって、ローカルグルメで町おこし…。
そんな意図が見え見えだが、美味しければええじゃないか。
ってことで、18:10、やってきたのは上諏訪駅前の豆腐料理店・いずみ屋
着席するなり、みそ天丼を二つ注文。
さすがに昼間のローメンが響いているので、今回は並盛。
出てきた天丼は具沢山で手抜き無しって感じだ。
ワカサギや川エビ、キノコに山菜。諏訪の名産品がサクサク、フワフワに揚げられている。
それに絡む甘めの味噌ダレがこれまた良くあう。
小鉢のゴマ豆腐も美味い。うん、満足満足。
これから有名になるといいねぇー。

上諏訪駅前の豆腐料理店 いずみ屋

上諏訪駅前の豆腐料理店 いずみ屋

信州みそ天丼もメチャ(゚Д゚)ウマー

信州みそ天丼もメチャ(゚Д゚)ウマー

食事を終えて、18:50。
MUDさんとはお店の前でお別れして、帰路に着いた。
19:00、諏訪ICから中央道へ合流。
後は真っ直ぐ帰るだけなのだが、寝不足+風呂上り+満腹で眠くなってきた。
19:25、八ヶ岳SAに到着。ここで30分ほど仮眠を取った。
夕闇で余計に目が疲れることもあるし、小仏トンネルの渋滞も少しは解消するだろう。
その後ものんびりと休憩を挟みながら、22:30、無事帰宅。
MUDさん、一日ありがとうございました!
知らなかった穴場の林道をあちこち走ることが出来ました。大感謝。
またご一緒して下さい。林道か釣りかB級グルメか不明ですが…(゚ー゚)ニヤリ



コメント

貧乏暇無、林道釜無 — 1件のコメント

  1. 嗚呼、、梅雨の最中を垣間縫い、信州遠征コラボ旅 (其之1)

    ウムムぅ〜...。 暇というのは弄ぶ程に長く、忙しい程に短いものらしい。 【そんなん当り前やっ!?】 と言う訳で、今回のレポ、本人は既に書き終わった気になってい…

海千山千ぷらす1(林道編) へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*