釣りBIKER日誌・後編


チリン…
かすかに鳴る竿先の鈴の音が気になって眠れない。
MUDさんを除く3人はしばしば外へ出て仕掛けをチェック。
アタリはあるのだがなかなか釣れない。
釣り人の出入りや漁船の出港などもあって、その後も寝付けなかった。
結局、寝るのは諦めて4:00ちょっと前に起き出す。M氏はすでに外にいた。
朝マズメに時合いが来たのかアタリのラッシュ到来。Fさんも起きてきた。
それぞれの竿に何回か魚が掛かったのだが残念ながら全てバラしてしまった。
クロアナゴだろうか、ナイロン5号のハリスさえプッツリやられてしまう。
M氏の竿に掛かったやつは、ほとんど微動だにしないまま道糸のPEラインを切りやがった。
戸田の根魚は化け物かっ!? 手持ちのタックルでは根本的に無理があるなぁ。
夜明けの頃からカゴ釣りの人がポツポツ現れたが、あっちも釣れて無さそうだ。

ブッコミ釣りは怠け者向きですな

ブッコミ釣りは怠け者向きですな

MUDさんのヨーレイカIII 広々~♪

MUDさんのヨーレイカIII 広々~♪

6:30、MUDさんが起き出してきた。
仕掛けを一晩放って置いたが、餌が突付かれて半ば無くなっていただけで獲物はなし。
餌をユムシに付け替えてキャストしてから、朝食の支度に取り掛かり始めた。
メニューは昨夜の鍋に余った材料と冷や飯を入れたオジヤ。何から何まですみません。
7:10、クタクタに煮立ったところへ三つ葉を散らして出来上がり。
「飯っすよー」の掛け声に、各自が食器を持ってワラワラ集合。
あらかた平らげて一段落。調理器具とテントの片付けに取り掛かった。

朝飯は昨夜の残りで作ったオジヤ (゚Д゚)ウマー

朝飯は昨夜の残りで作ったオジヤ (゚Д゚)ウマー

これはユムシ 高価な釣り餌ですがキモー

これはユムシ 高価な釣り餌ですがキモー

荷物もまとめ終わって釣りに専念するものの、アタリはさっぱり遠のいてしまった。
しかし周りではポツポツと釣れているようだ。
ミノカサゴダイナンウミヘビみたいな外道から、カサゴに40cm程度のマダイまで。
そのうち、我々の餌用ネンブツダイのストックが無くなってしまった。
暇つぶしがてらM氏とMUDさんがウキ釣りで小物を狙い始める。
群れてるネンブツダイが意外と釣れず、スズメダイや手のひら大のメジナが掛かっていた。
うーん、本当に魚種が豊富な湾だなぁ…。

近くの人が釣り上げた細長ーいダイナンウミヘビ

近くの人が釣り上げた細長ーいダイナンウミヘビ

ベタナギの穏やかな一日でした

ベタナギの穏やかな一日でした

日が高くなってそろそろ潮時かな。
帰りも考えて11:30くらいで納竿することに…っと、僕の竿にジンワリとアタリが来た。
充分に待ってからあわせてみると、おっ!? 結構重い!!
慌てず急いでリールを巻き取り、あらわれたのは…ウツボだ…。
50cmくらいのウツボがスレで掛かっていた。陸に揚げられ、メチャクチャ不機嫌。
体を団子のように絡ませて手当たり次第に威嚇してやがる。
食べるにはサイズが小さいのでこいつはリリース。でも最後に一匹釣れて満足満足。

最後に僕にも釣れました ウツボだけど

最後に僕にも釣れました ウツボだけど

釣り道具も片付けて、ジムニー・バイクとも準備OK。
でも解散は昼飯を食べて行べてから。
12:00、僕の提案で戸田の街中にあった魚重食堂へ。
「深海魚料理」の幟が決め手だ。いったい、どんな料理なのだろう…。
僕は深海魚刺身定食を注文。M氏とFさんはうおしげ定食、MUDさんはミックス天丼。
壁にはいろんな芸能人の色紙が張られている。あちこちのマスコミで紹介されてるらしい。
しばらくして、まずはM氏とFさんの注文した定食が運ばれてきた。
深海魚の刺身が混じってるそうだが見た目は割と普通ぽい。
っと、そこへ満を持して深海魚刺身定食が登場!
さぁ、食うぞ~♪

これが深海魚刺身…定食…(゚Д゚;)…

深海魚刺身…定食…(゚Д゚;)…

深海魚「げほう」 …こっち見んなよ…

深海魚「げほう」 …こっち見んなよ…

いきなり出て来た異形の御作りに、正直、ドン引きしてしまった。
クロアナゴやウツボ、ダイナンウミヘビでさえ可愛く思えるこの容姿。
空ろに見開かれた眼がキモイ。細かな刺状の鱗がキモイ。尖った鼻がキモイ。
皮膚下のプニプニとした肉感がキモイ。ピンク色で生々しい唇がキモイ。
心の準備が出来てなかったよ…ママン…(ノд・、)
盛られている刺身は「げほう」「沖ギス(ニギス・メギス)」「ごそ(ハシキンメ)」という三種の深海魚だそうだ。
取り合えず一切れ口に放り込む。
…( ̄~ ̄;) ウーン
どれも癖の無い白身なのだが、コリコリ感が全く無い。
なんつーか、総じてフニャフニャした食感である。
深海魚は筋肉が退化しちゃってるのかな?
好んで食べるほどの味ではない。が、ツーレポのネタには充分なった、よしとしよう…。
ちなみに「げほう」とは「外法」、つまり正しい仏教から外れた教法のことを言う。
転じて天狗のことを外法様とも言うらしい。なるほど確かに見た目が天狗っぽい。
付け合せで出て来たイカの塩辛は美味しかった。
MUDさんの注文した天丼はボリューム満点。
なのにライスをお代わりしていた。うーん、さすがだ…。

西伊豆・戸田の魚重食堂 深海魚料理が名物

西伊豆・戸田の魚重食堂 深海魚料理が名物

ミックス天丼 ボリュームあります

ミックス天丼 ボリュームあります

12:35、食事を終えて、MUDさんとはここでお別れ。
ウツボとクロアナゴを積んでジムニーは山梨へと帰って行った。
さて、残った我々3人は一本林道を走ってから帰ることに。
目指したのは林道土肥中央線。まずは県道18号を海岸沿いに南下。
彼方には煌く海面と水平線。桜の花びらが舞い散る中を快走。

西伊豆土肥 のどかな春の昼下がり

西伊豆土肥 のどかな春の昼下がり

13:00、土肥でR136を左折。駿河湾を離れ山間部へ転進。
3kmほど進んだところで国道を離れ、13:05、林道土肥中央線の起点に到着。
2年弱前に来て以来だ、懐かしいなぁ。M氏とFさんはここもタンデム。
まぁ全区間の半分以上は舗装済みだし。何とかなるだろ、レッツゴー。
僕が先になってワインディングを登る。
しばらくは舗装路だが、展望がところどころ開けて楽しめる。

土肥中央林道より駿河湾を遠望

土肥中央林道より駿河湾を遠望

やがて未舗装区間がチラホラ現れ始めた。
水溜りや小さめの落石が目立つが後ろの二人乗りBAJAも問題なさそう。
安全第一でのんびりマイペースを保つ。
いくつかの未舗装区間を走り抜けると、舗装済のワインディング下り勾配に。
ウネウネ下って、13:35、走行完了。あっという間だったけど面白かった。

林道土肥中央線 途中の広場から見下ろす

林道土肥中央線 途中の広場から見下ろす

水溜りや落石がやや多め

水溜りや落石がやや多め

この後、西伊豆スカイラインも走るつもりだったが、3人とも夜釣りで疲れていた。
素直に修善寺に出て沼津経由で帰路に着くことに。
R136を東へ進み、修善寺を経て北上。14:00、セブンイレブンで小休止。
BAJAの押し掛けが辛そうなので休憩の回数はどうしても少なめになってしまう…。
このまま国道を北上するつもりが有料道路の修善寺道路に乗ってしまった。
小銭をいちいち支払うのが面倒くさい。まぁ時間を節約できたからいいんだが。
修善寺道路から降りて沼津ICまで、うんざりするほど渋滞が続いた。眠気が襲ってくる。
東名高速道路に乗る前に途中のガソリンスタンドで給油。
M氏が何故か小銭をバラ撒いて金持ちなのを見せ付けてくれた。
15:15、R1に合流し、15:25、東名高速道路・沼津ICにようやく到着。ふぅ疲れた。
そのまま東京方面に進み、15:40、足柄SAに到着。

足柄SA 金時山が見えまする

足柄SA 金時山が見えまする

3人とも寝不足で疲れていたので、ここで仮眠を取ることにした。
日当たりの良い芝生の上に寝そべって眼を閉じ手足を伸ばす。
うーん、気持ちいい…♪ うつらうつらと小一時間過ごした。
十二分に体力を回復して、16:40、出発。
大井松田から渋滞していたが、モゴモゴしながら一路東へ。
18:00、東京ICに到着。Fさん、M氏と順次別れて、18:35、無事帰宅。
あー、疲れたけど面白かったー。


そして翌日、20:00。
昨日の4人+急遽お誘いしたnabeさんを加えた5人が、中野のKannaに集合した。
お待ちかねの試食会である。わ~い♪
ベテランの外道釣師・MUDさんのアドバイスにより、ウツボは焼き物、クロアナゴは揚げ物ということに。
「ご無理を言ってすみません」と恐縮しつつ、下処理したウツボとクロアナゴの切り身を渡す。
(処理されたウツボ・クロアナゴの様子はMUDさんのBLOGをご覧下さい)
ワイワイ言いながらビールを飲んで待つこと十数分。
まずはウツボの照り焼きが登場。続いて塩焼きもやってきた。

ウツボ照り焼き 小骨が多いけど(゚Д゚)ウマー

ウツボ照り焼き 小骨が多いけど(゚Д゚)ウマー

ウツボ塩焼き 淡白な味で(゚Д゚)ウマー

ウツボ塩焼き 淡白な味で(゚Д゚)ウマー

小骨が気になるが、うん、美味い! 
肉は白身でちょっと鶏肉っぽい淡白な味。ブ厚い皮が特徴的だ。
大皿に盛られたウツボはあっという間に無くなってしまった。
そしてクロアナゴはフリッターにされ、特製フィッシュ&チップスとなって登場。

クロアナゴのフリッター メチャ(゚Д゚)ウマー

クロアナゴのフリッター メチャ(゚Д゚)ウマー

わはは、こりゃ美味い! ビールにぴったり!
身自体に味のあるマアナゴと違い、クロアナゴは癖の無い白身。
なので油を使った調理方法がいいそうだ。ふむふむ。
モッチリした厚い皮とサックリした揚げ衣の歯応えが美味しい♪
これもあっという間に無くなってしまった。
変な素材を上手に仕上げて下さったKannaさんに感謝!
それにしても戸田湾、いろんな意味で深いなぁ…。
ナガモノ外道に深海魚…いやいや、たぶん本命魚種も化け物サイズがいるに違いない!
こりゃあ作戦練って、再チャレンジするしかありませんな。ふふふ。



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