雪の進軍、氷を踏んで


7:00起床。目覚めれば相模川の河原のテントの中。
はい、そこ! 前日のツーレポが無いからと言って、ここで生活を始めたと早合点しないように!
昨夜、ここで林道好きのオフ会が催されたのだ。
参加者はそのままテントや車中泊で一夜を明かしたってわけ。
四輪のエンジン音が聞こえる。早くもnabekunさんが出発したようだ。
7:30くらいに起き出して、早起きしたふっくんさんが熾してくれた焚火の側へ。
一人二人と起き出してきた方々に挨拶しつつ、朝食を調理開始。
本当は簡単なうどんにでもしたかったが、白い飯とウインナーというメニュー。
昨夜、米を水に漬けてしまったので炊かざるを得なかったのだ。

焚火を囲んで思い思いの朝食

焚火を囲んで思い思いの朝食

どこへ急ぐ、川面すれすれを飛ぶ鷺よ

どこへ急ぐ、川面すれすれを飛ぶ鷺よ

食事を終えて諸々片付け、テントを撤収。
荷物をまとめ、皆さんにさよならの挨拶をして9:30出発。
MUDさん健さん笑遊さんnabekunさん、信濃男爵さん、山男さん
ふっくんさん4ALさんばはだ~さん、黒洋梨さん。
次に会うのはオフ会か、それともどこかの林道か。
名残惜しいけど、また会いましょう!

今回のオフ会場 相模川河川敷

今回のオフ会場 相模川河川敷

さてツーリング開始。まず向かったのは宮ヶ瀬湖。
県道54号からR412を経て県道514号へ。
周りの山肌の白さが濃くなるに連れ、気温が低下。
シールドの隙間風が冷たい。路肩に除雪された雪もちらほら。
湖を横目に宮ヶ瀬トンネルを抜け、県道64号を右折しやまびこ大橋を渡る。
9:55、有料駐車場の隣に公衆トイレがあったのでトイレ休憩。
のんびりと大を済ませて、とりあえず虹の大橋へ。
自殺の名所で心霊スポットとして有名な橋だが、特にハプニングも無し。

虹の大橋 何か写ってるかも…?

虹の大橋 何か写ってるかも…?

宮ヶ瀬湖 対岸の山は丹沢山かな

宮ヶ瀬湖 対岸の山は丹沢山かな

雪道を走ってみたくて早戸川林道を狙っていたのだが、入口で断念。
ゲートがガッチリ閉められ、大きな南京錠も付いていた。
しゃーない、予定変更。県道を東へ少し戻る。

林道早戸川線 起点だけど

林道早戸川線 起点だけど

南京錠なんて大嫌いだー!

南京錠なんて大嫌いだー!

県道70号を右折。ヤビツ峠越えへ挑戦開始。
「これより先、チェーン必要」の電光掲示板が目に飛び込んで来た。
停車して写真を撮っていたら、後ろから来た車がUターン。
チェーンの文字を見て怯んだな…たぶん、その判断は正解だろう…。

ヤビツ峠へ向かう県道「チェーン必要」

ヤビツ峠へ向かう県道「チェーン必要」

段々と緊張が高まりますね~

段々と緊張が高まりますね~

しばらく進むと、路肩の積雪や部分的な凍結が目立ち始める。
10:40、塩水橋の手前で本格的なアイスバーンが現れた。
ここから先はノーマルではきつそうだ。
凍った路面を靴でなぞってみたが摩擦係数ほとんどゼロ。
ってことで脇に寄せてスノーチェーン装着。
ちなみに先日セローにキックセットも付けたので、始動の心配も無くなった。
11:00、装着完了。心して出発。

本格的なアイスバーンが現れてきました

本格的なアイスバーンが現れてきました

予定通りスノーチェーンを装着

予定通りスノーチェーンを装着

塩水川を渡り、登り勾配が急になるにつれて、全面アイスバーンが断続的に現れ始める。
爪先を着くとツルツル滑る。簡易アイゼンがあって助かった。
轍から外れるとフロントを取られ気味になる。
やはりラダー型のスノーチェーンは横方向に弱いらしい。
除雪されてアスファルトが出ている区間の方が多いが、チェーンは峠まで外せないな。
対向車や後続車両が来たら、素直に路肩に寄せて安全に通過させるよう心掛けた。

スノーチェーンをガチャガチャ鳴らしながら

スノーチェーンをガチャガチャ鳴らしながら

アイスバーンをシャリシャリ登ります

アイスバーンをシャリシャリ登ります

途中から分岐している林道に寄り道しながらのんびり進んだが結局ほとんどゲート閉鎖。
国民宿舎・丹沢ホームへ向かう林道境沢線は宿舎の先で断念。
林道脇の管理釣り場駐車場に、鹿が数頭。なごむなぁ。

林道境沢線は200mくらいでゲート封鎖

林道境沢線は200mくらいでゲート封鎖

雪の中、鹿が餌を探してました

雪の中、鹿が餌を探してました

県道のアイスバーンを順調にクリアしていくうちに緊張感がふっと途切れてしまった。
ステップ加重ではなくハンドルまかせで直線路を進んだら、轍から外れてしまって転倒。時刻は11:30。
たいしてスピードは出ていなかったので、バイクもライダーもダメージは無いが、何しろ荷物が多い。
足元が滑るので起こすのに一苦労。おっと、転倒の衝撃でバニアケースの蓋が開いてしまった。
うーん、かろうじて壊れてはいないけど、やはりアタック系には使わない方がよさげだなぁ。
油断しちゃいかんね。箱の装着具合を確かめて、11:40出発。

長い直線のアイスバーン この辺りで転倒

長い直線のアイスバーン この辺りで転倒

この日は御天道様の顔を拝めなかった

この日は御天道様の顔を拝めなかった

ん? 何やら白いモノが舞い始めたような…今日は曇りの予報のはずだが…雪…!?
山の天気は変わりやすいというが、この辺りから雪が降り始めた。
峠越えは急いだ方がよさそうだ。護摩屋敷の水の先の富士見山荘でトイレ休憩。
路肩に一台、ビッグスクーターがいた…秦野側から来たんだろうなぁ…。

護摩屋敷の水、汲んでくればよかったなぁ

護摩屋敷の水、汲んでくればよかったなぁ

富士見山荘の辺りから本格的な降雪に…

富士見山荘の辺りから本格的な降雪に…

12:00、ヤビツ峠に到着。
何台かの四輪に混じって、秦野側から登ってきたらしいチャリダーがいた。
写真を一枚撮影してほしいという申し出があったので、ついでにちょっと会話。
峠から先の路面は乾いていると聞いて一安心。
一応、菜の花台まで行ってチェーンを外すことにしよう。
時間を気にしていなかったが、ここの売店で昼飯食べとけばよかった。

雪降る真冬のヤビツ峠にて

雪降る真冬のヤビツ峠にて

峠から南側もしばらくは油断できませんね

峠から南側もしばらくは油断できませんね

林道表丹沢線もゲート閉鎖で断念。
この辺りで路肩の雪はなくなり始めた。もう全面アイスバーンはなさそうだ。
12:15、菜の花台に到着。ここでスノーチェーンを外して、12:30出発。
眺めが良かったが、悪天候で遠くまで見通せなかったのが残念。

表丹沢林道もゲートで閉鎖

表丹沢林道もゲートで閉鎖

菜の花台より秦野方面を望む

菜の花台より秦野方面を望む

雪が結構激しくなってきたが、大晦日のような積雪にはならなそうだ。
5分ほど下って、左に六本松林道の分岐に到着。(参考MAP@林道浪漫
今度はゲートも何も無いので突入。今日始めての未舗装路だ。
新雪が積もり始めた箇所もあるが基本的には普通のダート。
沢を渡り、クレパスを避けつつ進み、12:45、終点到着。

林道六本松線

林道六本松線

クレパスには注意しましょう

クレパスには注意しましょう

新雪が積もり始めた路面

新雪が積もり始めた路面

六本松林道終点 四輪だと旋回不可能ですね

六本松林道終点 四輪だと旋回不可能ですね

ピストンで県道に戻り、そのまま勢いでR246まで降りてしまった。
時刻は13:10か。このまま帰る手もあるが、ちょっと物足りないなぁ。
東京方面に進みながら悩んだ挙句、昼飯のついでに大山へ寄ってくことに決定。
ってことで県道611を大山方面へ左折。
雪の中、狭い県道を進み、13:30、川沿いの坂道に軒を連ねる門前町へ。
うーん、どこで食事をしようか…名物の豆腐を食べたいなぁ…。
と迷いながら進んでたらバイクで終点まで来てしまった。
ここから先は登山道なので、Uターンしてまた食事処探し。
解けた雪で濡れたシールドを吹きつつ走行。
うぅ…まじで寒くなってきた…早く飯食いたいなぁ…。
「おっ!?」
そこで目に飛び込んだ「温泉」の文字!
おぉ、その手があった。よし、入ってくか。
看板の脇の急勾配を上がり、13:35、大山温泉こまや旅館に到着。
おばちゃんの指示で車庫の脇にバイクを止めて古そうな建物の中へ。
温泉と食事、合わせて2200円。ちと高いけど、これでも割引されてるそうだ。タオル付き。
迷路のような館内を案内され露天風呂へ。脱衣場から湯船に漬かるまでが寒いけど我慢我慢。
掛け湯して湯船へ。あぁ、極楽~♪ 登山帰りのじいちゃんと会話しながらのんびり入浴。

大山温泉こまや旅館

大山温泉こまや旅館

食事は釜飯を注文。湯上りに休憩室へ行ったらすぐ持ってきてくれた。
楽しみにしていた名物の豆腐はごく普通の冷奴。近所のスーパーで買う豆腐との違いが判らん。
まぁ、熱々の釜飯が美味しかったからいっか。遅い昼食で腹が空いていたので何でも美味いのだ。
金柑をスライスして砂糖に漬けた小鉢が印象に残った。お茶を飲んで、14:45、出発。

炊きたて釜飯 (゚Д゚)ウマー

炊きたて釜飯 (゚Д゚)ウマー

相変わらずの雪だが、まだ物足りないので近所の林道に寄ってくか。
旅館街の入り口から舗装林道の浅間山林道へ。普通の山道だが、雪で趣が増している。
T字路を直進し阿夫利林道を進む。走りやすいワインディング路だが、凍結が怖いので低速運転。

うーん、かなり積もってきましたねぇ…

うーん、かなり積もってきましたねぇ…

枝の先に白い綿? 木の名前がわからん…

枝の先に白い綿? 木の名前がわからん…

深い谷の向こうに大山不動尊の本堂が見えた。
山頂の大山阿夫利神社と並んで、古くから山岳信仰の拠点となっていた古刹である。
ここ大山は山岳信仰が古くから盛んで、修験者も多く出入りしていた。
白峯相模坊や大山伯耆坊など、天狗の伝説にも縁の深い地域でもある。
トンネルを潜り抜けたところで終点。大山不動尊の真裏だった。
Uターンして、さっきのT字路へ戻る。

白い森に包まれた大山不動尊

白い森に包まれた大山不動尊

林道阿夫利線 終点

林道阿夫利線 終点

T字路を左折して浅間山林道本線を進む。
あやしげな支線が途中にあったが、いかにも作業道って感じで深入りは控えた。
暫く進んで下り勾配になったところ、左に分岐が。
これまでの作業道よりはしっかりした作りだ。よし、行ってみるか。

浅間山林道 支線?

浅間山林道 支線?

草深いけど、一応、轍が…

草深いけど、一応、轍が…

深い草にクレパス。進むにつれ、段々怪しげな雰囲気に。
っと、T字路だ。目の前を横切る道は、いかにも登山道っぽいシングルトラック。
しかし、うっすらとタイヤの後がある。うーん…いけるのかな?

登り方面はこんな感じ

登り方面はこんな感じ

下り方面 誰が通ったのやら…?

下り方面 誰が通ったのやら…?

GPSと地図を確認したところ、沢筋の車道まで距離は僅か数百m。
そこまで抜けられればいいのだが…えぇい、ままよ。
悪魔の誘惑に促され、リアの大荷物のことをすっかり忘れて下り勾配へ右折。
「うわ、酷い!!」
最初は狭いだけだったが、すぐに急勾配と深いクレパスが現れた。
Uターンしたくても簡単にはできそうにない。
こうなったら前進あるのみ。腹を括って二輪二足で慎重に進む。

この辺りは全然まし

この辺りは全然まし

ここら辺で泣きたくなった

ここら辺で泣きたくなった

フルブレーキで停止しながら、通過ルートをいちいち頭でシミュレート。
うーん、行き止まりだったらどうしよう…。
不安に襲われたところでいきなり視界が開けた!
ん?

…グリーン?

…グリーン?

Σ(゚口゚;
パター持って、こっちを見てる…。あわわ。
変なところへ出てしまったけど、もう安心してよさそうだ。
極力、静かにゴルフ場の脇を抜け、15:50、舗装路へ出た。ほっ。
ほんの数百mだったが、もうお腹一杯。今日の林道探索、これにて終了~。

やっぱ登山道だったのかな…

やっぱ登山道だったのかな…

小蓑毛 東京CCの脇に出ました

小蓑毛 東京CCの脇に出ました

R246へ出て東京方面へ進む。16:15、伊勢原のENEOSで給油。
大晦日にバッテリーの充電でお世話になったスタンドだ。
バイトの兄ちゃんが二人いたが、ちゃんと覚えていてくれた。
バイト君「あの日と似たような天気ですね~」
塩「あはは…( ̄▽ ̄;」
うーん、雨男ならぬ雪男として認定されてしまっただろうか…。
渋滞のR246を走って、環七を経由し、18:40帰宅。
あそこから3時間近くも掛かるとは…。
温泉で暖めたはずの体も、雪混じりの雨ですっかり冷え切ってしまった。
疲れて寝ようとしたとこに珍しい知り合いから電話。
で何故か20:00に新宿駅東口で待ち合わせ…我ながらタフだなぁ。
雪男だけにイエティに近いのかね? ウホッ!



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