4:10、小樽着。でもバイクの下船は一番最後。
待つこと約一時間。5:00前後、ようやく下船。
さぁ、旅の始まりだ!
九日間の休みの内、二日は北海道との往復で費やしてしまう。
なので北海道への滞在予定は七日間。
当面の目的地は日本の最北端・宗谷岬!!
だがその前に、まずは朝食。腹が減っては戦が出来ぬ。
下船したその足で向かったのは小樽港・鱗友市場。
3:00から営業している味さきという食堂へ。
こんな時間なのに行列が出来ていた。ライダーもちらほら。
中では地元のおばちゃんたちが一所懸命働いていた。
うに丼から焼き魚定食まで目移りしたが、結局僕が食べたのはイクラ丼1,050円。
さすがに美味い。イクラの量もたっぷり。
北海道の味覚のスタートとしては、いい感じ!
食事を終え、5:50。後は日本海沿いをひたすら北上。
稚内へと至る、オロロンラインと呼ばれる道だ。
昨日去った台風の残滓か、小樽の辺りで小雨がぱらついたが、すぐにやんだ。
石狩川を渡り、望来(モライ)浜を経て厚田へ着いたのは6:50。
さすがに風はまだ冷たいが、台風一過のいい天気になってきた。
ちょっと気分転換に国道から少し外れてみた。
千本ナラという銘木までの数kmの未舗装路を走る。
北海道初めてのダートだ。急勾配のワインディングを登って下って…。
気がついたら、肝心の千本ナラは見過ごしてしまった…(;´Д`)
まぁ、展望台から愛冠(アイカップ)海岸を眺望出来たからいっか。
雄冬(オフユ)岬、増毛(マシケ)を経て留萌(ルモイ)へ。
R231を北上し続けた。
9:50、道の駅・おびら鰊番屋で休憩。
暑くなってきたので、ソフトクリーム300円で体を冷やす。
さて、そろそろ海沿いに飽きてきた。
宗谷岬へはこのまま進むべきなのだが、それではつまらないので内陸へ。
R232を古丹別(コタンベツ)で折れ、R239=霧立国道~観月国道を古丹別川沿いを東へ走る。
やはり山中のワインディングは楽しいなぁ。
11:00、R275に合流。ちょっと早いけど昼飯。
ここは日本一の蕎麦生産量を誇る幌加内(ホロカナイ)のすぐそば。
で、入ったのは手打ち蕎麦の霧立亭。
注文したのは、これまた道内では一般的なかしわ蕎麦、700円。
(かしわ蕎麦とは、鶏肉が具の蕎麦のことね。)
麺はさすがに美味いが、出汁がいまいちかな。素直にザルにすればよかった。
食後はR275を北上、朱鞠内(シュマリナイ)湖の手前で道道528を左折。
湖をぐるりと遠回りに山中をめぐる道で未舗装部分も多い。
12kmほどのフラットダートの区間を楽しめた。
舗装・未舗装にかかわらず、支線が腐るほどあるが、怖いので侵入はしないでおく。
肝心の朱鞠内湖は木陰にちらりと見えるだけで、ちょっと物足りなかった。
R275に再び合流し、美深(ビフカ)方面に北上。
美深の市街地を避け、その手前で西北農免農道を左折。
舗装路だったが、牧歌的な一車線の道で、牧場の景色と匂いを堪能した。
R40に合流してからは再び北上。念のため、途中で給油。
道の駅・おといねっぷでトイレ休憩。
休憩を終え、R40沿いに数キロ進む。
物満内(モノマナイ)川を渡って左折すると、物満内林道である。
北海道初の林道だ。どきどき。
基本的に路面はフラットだが、道端の草が路面を覆うように茂っている。
とくにフキは化け物のような大きさ。
二箇所ほど養蜂の巣箱がいくつか設置されていた。
峠道のカーブで油断して、一度こけてしまった。
砂利が深かったのだ。しかし、怪我も故障も無し。
ついでに、北海道の初林道記念ということで、久々に動画も撮影した。
興味ある方はどうぞ♪
物満内林道 動画ファイル(4MB弱)
※ 再生にはWindowsMediaPlayer9が必要です
やがて林道は、道道118号線との三叉路にぶつかって終了。この道道も未舗装路。
右折して、佐久方面に進む。さすがに林道と違って標識が充実している。
ただ砂利が深い。後ろの荷物も重いため、バイクの制御が難しい。
ついついハンドルをとられてしまい、ついに、道端の草むらへ。
「あぁ~、突っ込む…まぁ、草むらの向こうは壁になってるから、いいや…」
と思って、スピードを緩めることに専念した矢先、草の下に側溝が口を開けて待っていた!
「ぬをっ!?」
なんと、こんな場所に側溝とは…。前輪・後輪ともズッポシはまってしまった…。
脱出のためバイクから降りたが、セローは見事に直立姿勢を保ったまま…。
サイドスタンドも使ってないのに…。
誰かが通りかかるのを待つわけにもいかない。
キャリアから荷物を降ろし、全力を振り絞ってバイクの後輪を持ち上げる。
ヒィヒィ言いながら後輪を抜き、ギアで車輪が動かないことを確認。
今度は前輪を抜き、何とか脱出成功。
車重の軽いトレール車で助かったぁ…。
側溝から離れた場所まで引っ張って停め、しばらく息を整えた。
北海道上陸初日からこれでは、先が思いやられるなぁ…。
キャリパーやチェーン、スプロケなどを確認したが問題なさそうだ。
このアクシデントで、ちょっと反省。慎重に進むことにした。
道道118は、佐久でR40に合流。時刻は15:00過ぎ。
少し北上したところにあった道の駅・なかがわで一服し、気持ちを落ち着けた。
無理すれば今日中に宗谷岬まで回れるだろうが、慌てる必要もなかろう。
朝が早かったので、早めにキャンプ場にチェックインすっか。
ってわけで、ここから近くて評判の良いキャンプ地を目指すことに。
R40から道道551を経て天塩(テシオ)へ向かう。
道の駅・てしおに着いたのは15:50くらいだろうか。
夕飯の買出しにちょっと覗いてみると、大勢の人がテレビの前でガヤガヤ。
何だと思ったら、ワッと大きな歓声!
ちょうど駒大苫小牧が甲子園で優秀する瞬間だった。駅の中は大騒ぎだ。
去年の夏休み、四国からの帰りのフェリーで阪神が優勝した時のことを思い出した。
こういう場面に結構出くわすものだなぁ。
それはともかく、買出しはめぼしいものがなかったので中止。
とりあえずキャンプ場へ急いだ。
16:00過ぎ、鏡沼海浜公園キャンプ場に到着。
テント泊はもちろん、シャワー・コインランドリーの利用も無料。
予約すればライダーハウスも使える超充実したお得なキャンプ場である。
すぐ脇に500円で入れる温泉もあり、町も近くて買出しも便利。最高!!
キャンプ場はすでにテントがいくつか張られていた。連泊の人も何人かいそうだ。
僕も受付を済ませ、ちゃっちゃとテントを張った。
買い出しに手塩市街へ向かったが、スーパーは日曜で軒並み休み。
結局、北海道の定番コンビニ・セイコーマートでお買い物。
テントに戻って、とりあえずサワーで晩酌。
キャンプ場のすぐ側の海からは利尻富士を眺めることが出来る。
夕暮れが迫ったので晩酌を中断して、ほろ酔い気分で防波堤の先端へ。
黄昏時の利尻富士を心行くまで堪能。
いやぁ、いい眺めだぁ。本当に素晴らしい!!
テントに戻り、隣に同じムーンライト3を設営していたライダーと一緒に夕食。
今日は米を炊かずにコンビニ弁当。
荷造り時にシェラカップを忘れてしまい、米・水の分量が正確に量れない。
目分量で炊いて成功したためしがほとんど無いので、炊飯は止めといたというわけ。
(ちなみに計量カップは翌日スーパーで購入できた。)
20:00、隣接されている天塩温泉・夕映へ入浴に向かう。500円。ええ風呂じゃ。
風呂に歩いて行く途中、びっこの若者発見。アキレス健を痛めた徒歩ダーらしい。
以前、足を捻挫したときに病院でもらった関節を固定する幅広のテープ。
それを丁度その時持っていたので、無理やりあげてしまった。
しない善よりする偽善。自己満足で結構結構。
温泉で入れ違いに再会した時、だいぶ楽になったと喜んでいた。
えがっだえがっだ。
外では話し声も聞こえたが、僕は朝早かったので、22:00頃には寝付いてしまった。
いい生活リズムだ。このペースを守っていきたいものだ。
かくして僕の北海道ツーリングは、順調に滑り出した。
側溝にはまったり忘れ物したり、若干波乱を含みつつ…。