夜半過ぎからとうとう雨が降り始めた。
川の増水が気になり、どうしても眠りが浅くなってしまう。
6:00頃に起き出して飯を炊く。おかずは”お袋”ならぬ”袋”の味・レトルトカレー。
モグモグと食べ終わってテントを撤収。
一時的かも知れないが、すでに雨は止んでいた。
離れた位置に停めたバイクまで、二回に分けて荷物を運ぶ。疲れるなぁ。
コンビニでゴミを処理して、7:50、出発。蒸し暑いのでTシャツのまま。
R52に出て山梨県南部町に突入。
富士川を遡って、8:05、道の駅・とみざわでトイレ休憩。
林道を目指して県道801を山間部へ向かうと、やがて雨が降り出した。
路肩のスペースに停車してジャケットを着る。雨具を出すほどではなさそうだ。
奥山温泉の案内に従って進む。
渓谷を走り抜け温泉をスルーして、8:40、剣抜大洞林道の入り口に到着。
最高度1100m弱の峠越えロングダートである。
高度を上げるとさすがに涼しくなってきた。
幅員は広く、路面も概ねフラットで走りやすい。
雨はもう止んでいたが雲が残っている。
晴れてたら景色がいいのだろうなぁ。
9:10、峠付近から分岐する篠井山線のピストンを往復した。
砂利が深めでやや走り辛い。
峠の先は下り勾配の林間ダートが続く。
やがて渓谷沿いの道になり、9:45、起点に到着した。
十枚荘温泉を横目にそのまま直進してR52を横断。
富士川を渡って右折し内船の集落へ向かう。
9:55、こばやし焼きそば店に到着。
Mr.mudさんからかねがね強く勧められていた老舗焼そば店である。
安くて美味しい庶民の味方、地元民には『コバヤキ』の愛称で親しまれているとのこと。
開店まで5分ほど時間をつぶしてから一番に入店。
虫養いに肉焼きそば320円を注文。朝飯を食ったばかりなので軽めにしておいた。
お姉さんが調理した焼そばを目の前の鉄板まで運んでくれ、熱々を食べる。
んー、美味い! ネットで調べたところによると元々富士宮に縁のある店らしい。
固めの麺にダシ粉…確かに似てる。文化伝播の実例のようで面白い。
それにしても最近、ツーリング先の食事に焼きそばが多いなぁ…。
食べ終わって、10:15、佐野峠・方面の林道へ出発。
※ 今回も林道浪漫のMAPを参考にしました。健さんに感謝!
内船から幅員の細い急勾配の舗装林道を登ると、最後に立派な舗装林道に出た。
一部で噂の林道三石山線だ。左折して北へ進むと掘削中だった。
最後の数百mを残して全て舗装済み。残念。
10:45、佐野峠にあった立派な駐車場でトイレ休憩。
健さんの地図によると富士山の眺めが良いらしいが、残念ながら雲しか見えない。
南へ伸びるピストン林道・佐野峠思親山線をこなしてから上佐野へと下る。
しばらく降って舗装路がようやくダートになった。
分岐している西乗林道北線はチェーンで閉鎖されていた。
西乗林道南線を抜けて上佐野の集落を左折。
佐野林道へ向かったが、ここもチェーンゲートで通行止め。
むぅ…このエリア最長ルートがお預けとなってしまった。
仕方なくY字路右側のピストン・栃広林道を往復。
欲求不満を僅かに解消…できたかなぁ…?
このエリアから退出するため、天子湖方面へ南下。
石神峠線の分岐はスルーしたが、三石山線の分岐を何故かフラフラと右折。
気の迷いで見覚えのあるT字路まで戻り、来た道を下る。
12:50、内船に帰還し、県道10号を右折。
一瞥した小林焼そば店は駐車場が埋まって混雑していた。
そのまま県道を富士川沿いに北上。交通量が少なくて気持ちいい。
13:00、身延駅前に到着。丁度、腹も減ってきたのでここで昼飯。
駅前のゆたか屋でうな丼とうどんのセット1100円を食す。
混雑している人気店だけあって無難に美味い。
デザートのライチが凍ってたが、丁度暑かったのでそれもまた良し。
13:35、食事を終えて身延山久遠寺へ向かう。
13:45、駐車場に到着。バイクだが四輪と同じく300円取られた。
質実剛健な本堂に絢爛豪華な棲神閣、多種多様な堂宇があった。
門前から周辺に広がる宿坊の数にも驚かされる。
14:10、出発。R52に合流してさらに北上。
R300を右折して富山橋で富士川を渡る。
この辺の河川敷もいざとなったら幕営に使えそうだ。
県道415を右折して、信玄公の隠し湯・下部温泉郷へ。
14:35、下部温泉会館に到着。入浴料300円を支払って身体をほぐす。
無味無臭、癖の無いお湯だった。風呂から上がって、休憩しながら天気予報を確認。
明日はどうも天候が崩れそうだ。ツーリングを二日で切り上げることも検討するか…。
15:10出発。
田貫湖・朝霧高原方面へ抜けるつもりで猪之頭林道を進む。
断崖絶壁の舗装林道をエッチラオッチラ登ってみたが、県境のトンネルで通行止め。
告知の看板はここまでにもあったが、工事での通行止め予告と並べられると判りにくいぞ。
再び、下部温泉郷に戻ってきたのは16:00。往復で一時間も費やしてしまった。
この時点で今日中に帰る事を決定した。雨の中で幕営してまで留まる距離のエリアではない。
R300=本栖みちへ出て北上。16:10、道の駅・しもべで小休止。
ワインディングを登って、16:40、本栖湖の展望台に到着。
意外にも富士山の姿が見えた。昨日今日とも期待していなかっただけに嬉しい。
湖畔を下って、R139との三叉路のGSで給油。
R139を吉田町方面に進んだがかなり激しく渋滞していた。
モゴモゴしながら前進し、17:00過ぎ、紅葉台の展望台に寄り道。
富士山は再び雲に覆われて全く見えない状態である。
有料の展望台には登らず終いだが、往復のダートは面白かった。
せっかくだからうどんを食べて帰ろうと思い、中央道のICはスルー。
17:30から20分ほど富士吉田をグルグル回って、営業しているうどん屋を探す。
が、日曜のこの時間、よさそうなお店がなかなか見つからず。
諦めかけた、17:50、ある店の前で散歩中のおじさんが声を掛けてくれた。
「なんだ、うどん食べにきたんか? 店終わったが茹でてやろうか?」
ラッキー♪ 目の前の店・うどん織花の店主だった。
出汁が切れたので『湯だめ』という食べ方でよいか、と聞かれたので快諾。
暖簾が仕舞われたお店に入って待つことしばし、大盛りの麺が湯を張った丼に入れられてきた。
それに鰹節とおろし生姜を乗せ、醤油を好みで掛けて食べるのがこのお店の「湯だめ」。
釜揚げや讃岐の湯だめのように付け汁があるのかと思ったが違うようだ。
昔からこの辺りでは一般的な食べ方らしい。麺の味を味わうには丁度良いかも。
ついでに余った具のかき揚げと肉もサービスに付けてくれた。
親切にされるとどうにも弱いんだよなぁ。また来ようっと♪
18:15、食べ終わって出発。中央道をずっとモゴモゴして東へ一路。
帰宅したのは20:00過ぎ。幸い最後まで降られずに済んだ。
ちなみに翌日の山梨南部は酷い雨になったようだ。早めに切り上げて正解だった。
まぁ、結局ナイター見に行って濡れたけど。