南房ツーリング、二日目は6:00起床。
思ったほど寒くはない。風のせいか霜も降りてなかった。
遠くの海を照らしつつ登る朝日が美しい。
朝食はワカメふりかけの炊き込みご飯に納豆・味噌汁。和風にまとめてみた。
8:30、出発。
一晩お世話になった畑塩井戸線に別れを告げる。
R410へ出て、しばし北上。安房中央ダムの案内にしたがって左折。
トンネルを抜け民家の脇から二ノ滝林道に入る。
ジメジメした雰囲気でぬかるみの多い林道だ。
なるべく水溜りを避け、沢沿いに遡って9:00すぎ、終点に到着。
Uターンして起点までもどったら、入口の民家に地元の方が数人集まっていた。
林道にロープ張ってるようだったが、もしや通行止めにでもするのかな???
立ち止まって聞けばよかった。
続いて林道神子線へ。R410、御殿山ハイキングコースの看板が目印。
集落を経て竹やぶに至ると、舗装路がフラットダートに。
この林道は雰囲気も明るく、しっかりした路面で走りやすい。
9:40、到着した終点が御殿山への登山口になっていた。
さてUターン…っと、向こうから車がやってきた。
農作業の軽トラか物好きな4WDかと思ったら…普通のタクシー!? Σ(゚口゚;
登山者風の客が数人乗っている。なるほどハイキングのアプローチに使われてるのね。
帰りはどうするんだろ? 無線で呼び出すのかな??
タクシーの運転手もこんな林道走らされて大変だなぁ。
続いて林道大沢線へ向かう。
R410を南下し、県道296を左折。経塚山への案内に従ってすぐに左折。
1kmほどの直線路を経て、10:05、大沢線の起点に到着。
牛舎の前を通って、やがて沢沿いの未舗装路に。
沢沿いなのでもっとマディかと思ったが走り易いフラットダートだった。
途中、右手に分岐する作業道があるが、とりあえずスルー。
本線はここの分岐から名前が変わって珠師ヶ谷線に。
大沢線の入口には土砂崩れとの看板があったが通行には支障なし。
すでに土砂は整理され、新たな道が踏み固められていた。
枯れ落ちた紅葉に埋もれた沢沿いのダートをのんびり走行。
10:20、無事に終点に到着してUターン。
復路は支線に寄り道しながら戻った。
まず、本線から西へ分岐していた支線。これは200mくらいで行き止まり。
続いて、珠師ヶ谷線と大沢線を区切る分岐から伸びるさっきの作業道。
皆倉を経て経塚山へ至る簡易舗装済みのルートらしい。
軽い気持ちで行ってみたが、急勾配に狭い幅員。
簡易舗装なのに未舗装路より路面状態が酷く、雰囲気も嫌な感じ。
荷物が無ければどんどん進むのだが数百mでびびって撤退した。
今回のツーリングはとことんヘタレモードなのだ。
さて、今日の林道探索は一旦終了し、海を目指す。
R410経由で港町・千倉へ出た。
南房の海岸沿いをグルリと巡る房総フラワーラインを快走。
突き抜けるような青空が気持ちいい~♪
っと、見覚えのあるベンチを発見! ああ、ここだここだ。
かつて野宿でえらい目にあった場所である。
おっちゃん元気かなぁ…。別に会いたくないけど。
さて、時刻は11:15。ちょっと早いけど昼食にするか。
ベンチの目の前にあった白鯨亭というレストランへ。
注文したのは鯨の刺身と竜田揚げのセット定食1500円。結構いける。
刺身は馬肉のような味。白身もイルカみたいな癖はなかった。
でも昨夜のゴンズイの方が上かな。
バイクの団体さん入店と入れ違いに清算し、房総フラワーラインの続きを走る。
この季節、走るところが限られているためか南房は意外にバイクが多かった。
南下し続けて白浜町へ入り、12:30、房総半島最南端の野島崎に到着。
さらに西へと先を進む。
荒波の打ち寄せる磯の奇岩が面白い。
彼方には伊豆大島がクッキリ見えた。意外と近いなぁ。
また、裏砂漠に行ってみたい…。
給油を済ませ、R410から州崎へ伸びる県道257へ左折。
南房パラダイスと平砂浦海岸の間を走る直線路を快走。
寒々しい季節のアスファルトに道端の菜の花が彩を添えていた。
ここもフラワーラインなのだが、名前にぴったりの区間だ。
13:05、房総半島西端の州崎に到着。
有料駐車場の激しい呼び込みの間を抜けると、物々しい格子のゲートが現れた。
脇を抜けると固い砂地になり、やがて海べりに出た。
平たい岩場で釣り人が何人か竿を出している。この季節だとメジナ狙いかな?
野宿に良さげだがキャンプ禁止の看板が邪魔している。
ほんの少しだけど未舗装路を走れて、ちょっと幸せ。
喉が渇いたのでコンビニで休憩。
駐車場の隣にSLがやって来たので声を掛けてみた。
東京から館山周辺の林道探索でやって来たらしい。
なるほど服にイノコヅチの種子がくっついている。
房総は一般車輌通行止めとドロドロばかりと嘆いていた。
さて、ここから一気に鴨川方面に抜ける。
館山市街を経てR128へ。交通量が結構多い。
のんびりと内陸部を進んで、14:10、和田町で再び海岸へ出た。
そのままR128=外房黒潮ラインを北上。
14:30、道の駅・鴨川オーシャンパークでトイレ休憩。
円形の建物は階段や出入り口の構造が判りづらく印象悪し。
ここからはやや渋滞気味。しばらく東へ進み、安房天津で左折。
清澄寺を目指して清澄養老ラインを北上。
一気に高度を上げる、急勾配のワインディング路だ。
房総半島にこれほど深い渓谷があるのが意外だった。
15:15、清澄寺の駐車場に到着。バイクを停めて徒歩で山門へ。
歩いてる途中、右手に海が見えた。
ここは日本で一番早く朝日が見られる場所としても有名らしい。
千光山清澄寺は鎌倉時代の僧侶、日蓮が立宗宣言した寺院として知られている。
小湊の漁師の子として生まれた日蓮は、当時、天台宗だったこの寺で出家した。
身延山などで修行した後、故郷のこの地で題目を初めて唱え、以後迫害されることになる。
「現在は清澄寺は何宗なのだろう?」
そんな疑問を持っていたのだが、どうやら日蓮宗に属しているようだ。
天台宗だった清澄寺だが、江戸時代に真言宗智山派になったらしい。
その後、明治時代の廃仏毀釈運動の煽りで衰退。
起死回生のため日蓮宗に宗旨替えしたのは意外と最近で、昭和24年とのこと。
なるほど、いろいろな変遷を経てきた波乱万丈の寺なんだね…。
見学を追えて駐車場へ戻り、今夜のキャンプ地へ向けて出発。
「内浦山県民の森のキャンプ場がいい」という評価をネットで目にし、昼の間に予約済みである。
今夜も野宿にしようと思っていたがキャンプ代610円+風呂代315円に惹かれた。
清澄から林道で一山越えればすぐなのだが、東大演習林に阻まれて通行不可。
海からアクセスするしかない。来た道を戻りR129へ出て少し東へ進む。
小湊で買出ししようと思ったが、セブンイレブンしか目ぼしい店が無かった。
余り面白みのないメニューを購入して県道を内陸へ。
案内がきちんと出ているので迷うことはまず無いだろう。
16:25、内浦山県民の森に到着。
早速、総合センターで受付を済ませる。
今日のキャンプは自分一人だけらしい。一番近いテントサイトを割り振ってもらえた。
駐車場からリアカーで荷物を運ばねばならないらしいが、数百mの上り坂はキツイよなぁ…。
…ちょっと悩んでから、バイクで車止めの脇を抜けてしまうことにした。
ごめんなさいね…と念じつつ舗装路を走りキャンプサイトに到着。
荷物を降ろしてトイレの陰の邪魔にならないスペースに停めた。
まぁ今夜は一人だけだから誰にも迷惑は掛からないだろう…。
テントサイトは湿った土の地面だった。焚火の跡もある。
ちゃっちゃとテントを設営して、軽く一杯。こんなに寒くてもビールを飲んでしまうんだよなぁ。
ほどよい頃合に総合センターにある風呂へ。昨日の分も含めて冷え切った体を心行くまで温めた。
風呂から戻って本格的な晩酌&夕食。今夜はセブンイレブンで買った出来合いのチャンコ鍋だ。
コッフェルにあけてストーブで温め、アツアツをハフハフ。ワンカップだが日本酒がよくあう。
あらかた具を食べ終わってから、〆にインスタントラーメンを投入!
鍋の出汁に水を加えて適度に薄め、規定の時間、麺を煮込む。
麺が解れたら付属の粉末スープを半分ほど入れて混ぜれば完成。
以前、クッキングパパという漫画で紹介されていた「ラーメン鍋」という料理を応用してみた。
お手軽簡単、栄養バランスもよく普通より減塩され、その上お腹も膨れていいことずくめ。
はふはふはふはふ美味い美味い。食った食った。米が無くなった急場しのぎだったが満足満足。
今回はサッポロ一番味噌だったが、チャルメラがよさそうだなぁ。
満腹のお腹を抱えて後は寝るだけ。
21:00頃、ギャッギャッと鳴き声が聞こえてきた(たぶんキツネ)が、それ以外は特に問題なし。
昨日の林道野宿ポイントが携帯電話つながって、今日のキャンプ場は圏外なのがちと不満…。
林間で風が防がれた分、この夜はいくらか温かく感じた。