一晩中雨は降り続いた。量もかなりのものだ。
川の増水が心配で深夜にチェックしたが、水量は何も変わってない。
森が豊かだと保水力のキャパも大きいのだろう。
7:00、起床。天気予報はこの雨が一日続くと言い張ってる。
お天道様だけはどうにもなるまい。とにかく撤収せねば。
憂鬱ななか、朝飯を作りながら荷物をまとめはじめる。
物が限られてるとはいえ、三連泊の後片付けは中々面倒くさい。
朝食は納豆と惣菜に、釣り餌用に買ったソーセージの余り。
惣菜はカボチャの煮つけと、芋がら他の炒め物だった。
全体的に酸っぱかったが芋がらの味付けだったのだろう。
特に痛んでたわけではなさそうだ。
食べ終わっていよいよテントの撤収開始。
テント内でヘルメット・ジャケット・パンツをフル装備していざ外へ。
シートバッグやマットレスの下に当たる床面はびしょ濡れだった。
グランドシートの上にまで水が来てたのか…。むぅ、今後の課題だな…。
どうにかこうにかテントを畳み、どうにかこうにか荷物を積み終えた。
はぁ疲れた…。雨の中のテント撤収だけはどうしても好きになれない。
管理棟に入場札を返却して、9:40、出発。
明日は午前11:00に徳島港から帰りのフェリーに乗る。
そのため今日は幹線道路を使ってその近くまで移動する予定である。
まずはキャンプ場のすぐ近くにあるマンガ神社なるスポットに寄り道。
ツーリングマップルに記載されていた場所で気になってたのだ。
事情を話して、r19の工事中通行止めの区間に入らせてもらう。
脇道へ折れて民家集落を抜けて…あれ? なんか行き止まり臭い…。
一旦通り過ぎてから、田んぼのあぜ道の向こうにある鳥居に気付いた。
分岐に看板があったのかも知れないが見つからなかった。この場所は分からんだろう…。
男女和合神的な御神体が祀られてたが、由来も何も書いてない。
どこがマンガなのかも不明。ロケーション以外はいまいち面白みにかけた。
さて、気が済んだ。r41で土佐久礼方面に向かう。
10:10、R56に出た。交差点の脇にあるコンビニ(スリーエフ)で小休止。
この店の横にコインランドリーを発見。なんだ、こんな近くにあったとは…。
iタウンページに記載されてれば、大洲まで行って洗濯することなかったのになぁ。
休憩を終えた後はR56を北上。雨は断続的にパラパラ程度。
10:30、道の駅・かわうその里すさきに寄り道。土産品を一点購入。
須崎からさらにR56を大型車に混じって北上。
途中で給油して、11:15、仁淀川大橋を渡って高知市街へ。
さすがに混んでいるが車線が多いので流れはスムーズだ。
11:35、R32を右折。高松と高知を結ぶメインルートだ。
11:55、高知市街を抜けた辺りにあった道の駅・南国 風良里で昼飯。
土佐の名残を惜しみつつ、奮発して鰹タタキ御膳1575円を注文。
鰹の一切れ一切れがぶ厚くて立派だ。満足満足。
食事を終えて、12:30、出発。
国道は高知・徳島県境の山の中へと分け入ってゆく。
12:40、根曳峠を通過。ここから吉野川水系になる分水嶺だ。
12:55、先日寄った道の駅・大杉を通過。この辺りまで来ると雨はほとんど止んだ。
その後は雨に降られても、走っているうちに乾く程度で済んだ。
やはり峠を一つ越えると天気もがらりと変わるらしい。
R32を吉野川沿いに進み、13:15、県境を越えた。
さらば高知県、おひさしぶり徳島県。
そこからは大歩危、小歩危の名勝が続く。
池田辺りまで下ると吉野川の流れも幅広く緩やかになった。
三好大橋を渡ってr12に接続。14:10、美濃田の淵キャンプ場に到着した。
吉野川に面した公園内の無料キャンプ場なのだが、テントサイトが土である。
明日の撤収のことを考えると雨で濡れた土はなるべく避けたいのだが…。
宿に泊まろうかも思ったが夜の降雨確率が30%~50%ということもあって、最終的にここで幕営することを決定。
今朝撤収したばかりで濡れているグランドシート、本体の床の水滴は、タオルでなるべく拭い去った。
ここ2・3日で愛用のタオルはすっかりボロ雑巾と化してしまった。風呂行ったら買い直そう。
予定より随分早い時間帯にテントを張り終えてしまった。
天気も小康状態なので、15:20、近隣ツーリングへ出発。
r12を徳島方面に少し進んだところに道の駅・三野があった。
軽食でも食べようかと思ったが、スタッフが誰も出てこない。
やる気がなさそうなのでスルー。
さらに進んで、15:55、道の駅・藍ランドうだつに到着。
この道の駅の裏手にある江戸時代からの町並が一応観光スポットらしい。
「うだつがあがらない」という慣用句の語源になった「うだつ」という建築方式が見られる。
思っていたよりも古い建物が数多く残っていた。
ここでまた仕事関連で電話が来た。5分程度話して終了。ふぅ。
うだつの町並を後にして北東方向に移動。
16:30、阿波の土柱(どちゅう)の駐車場に到着。
名前の通り柱状の変わった地形が楽しめる。
ここも一応観光地なのだがホテルまであって驚いた。
高知に比べると観光客の絶対量が違う気がする…。
Uターンしてキャンプ場への帰路につく。
16:45、岩津橋を渡って、R192を右折。
ここまでの往路とは逆に吉野川の右岸を走る。
話は変わるが、道と川とでは「上る」「下る」の基準が異なるのは皆様ご存知の通り。
川は水の流れる方が「下」で、道は東京へ近づく方向が「上り」、遠ざかる方向が「下り」である。
この場面でキャンプ場方向は吉野川沿いを「上る」のだが、国道を「下って」いる。
気にし始めるとややこしいので「走る」という表現でごまかしておいた。
17:00、道の駅・貞光ゆうゆう館に寄り道。
面白そうな食べ物があったら買おうと思っていたのだが、特になし。
表で地元婦人会がおでんを販売していたが、密閉容器がないので諦めた。
17:20、セルフのスタンドで給油。これで東京まで持つだろう。
17:30、国道を少し離れて加茂の大楠に寄り道。でかい。
こないだの大杉は樹齢3000年だったが、こちらは樹齢1000年だそうだ。
国道へ戻ってすぐ先にあったスーパーで買出し。
三三大橋で対岸に渡って、18:05、キャンプ場に帰還した。辺りはすでに薄暗い。
荷物を置いて風呂に行こうとしたところへ、白セロー乗りが登場。
湿った土にちょっと躊躇してたが、近くにテントを張ることにしたようだ。
僕は挨拶して風呂へと出かけた。
バイクで3分ほど走り、徳島自動車道・吉野川SAのハイウェイオアシスに到着。
ここの施設は一般道からも利用できるのだ。
ってことで、ハイウェイオアシスの美濃田の湯へ。入浴料600円。
ついでに200円でタオルも購入。変なゆるキャラが描かれてるが(゚ε゚)キニシナイ!!
趣向を凝らした風呂がいくつもあって、なかなかよかった。
風呂上りに大山乳業のバナナオレを飲む。
19:05、テントに戻った。
雨はすっかり止んでいたので、外のベンチで吉野川を見ながら晩酌。
今日は出来合いの惣菜ばかりの手抜きメニューである。
フィッシュカツは相変わらず美味い。最後の夜に食べられて良かった。
締め用に買った名物・半田そうめんは、お腹一杯で食べられず。東京へのお土産にした。
食べ終わってテントに戻ってうつらうつらまどろむ。
JR徳島線を行き来する電車の音が夜半まで聞こえた。
明朝はテントを撤収したら一路徳島港へ向かう予定だ。
「このまま朝まで雨が降りませんように」
楽な撤収を願いつつ、四国最後の夜は更けてゆくのであった。