虻蜂取らず


世はお盆休みの始まりの頃、久々のソロキャンプツーリングに出かけた。
ツーリング自体、山菜塾以来の約2ヶ月ぶりである。
向かったのは会津。帰省ラッシュの渋滞は避けられまい。
6:30、珍しく朝飯を食べてから出発。
大泉から東京外環自動車道へ。
すでに渋滞は始まっていた。
川口JCTから東北自動車道へ。
8:00、佐野SAで給油&小休止。暑い。
9:20、那須高原SAでもう一度休憩。すこぶる暑い。

那須高原SA 暑いっす

那須高原SA 暑いっす

SAの冷水・お茶の無料サービスは嬉しいね

SAの冷水・お茶の無料サービスは嬉しいね

10:10、郡山JCTから磐越自動車道へ。
ちなみに郡山から国見まで渋滞60kmの表示があった。
その後70kmにまで達したらしい。
トンネルをいくつか潜り、10:30、磐梯山SAで給油。
磐梯河東ICを降り、R49からr64で会津若松市街を南下。

磐梯山SA 磐越自動車道は初めて

磐梯山SA 磐越自動車道は初めて

東北道に比べると格段に混雑が少ないですね

東北道に比べると格段に混雑が少ないですね

11:00過ぎ、開店直後のむらいに到着。むちゃくちゃ暑い。
僕が最初の客だったが、予想通りその後すぐに混雑し満席になった。
注文したのはロースカツ丼、1000円。
15分ほどしてソースの滲みた分厚いカツが乗った丼が出てきた。
十文字屋に勝るとも劣らぬ迫力だ。並盛りだが量が多すぎる。
何とか食べきったが苦しい…。

会津若松のお食事処・むらい

会津若松のお食事処・むらい

ロースカツ丼 厚さ3cmのボリュームで(゚д゚)ウマー

ロースカツ丼 厚さ3cmのボリュームで(゚д゚)ウマー

11:45出発。北上して鶴ヶ城(若松城)に寄り道。
腹ごなしに少し歩き回ってみたが、やはり暑い。
山へ急ごう。

会津若松のシンボル・鶴ヶ城

会津若松のシンボル・鶴ヶ城

お堀のお陰で多少涼しい♪

お堀のお陰で多少涼しい♪

駐車場の木陰では現場のおっちゃんたちが昼休み

駐車場の木陰では現場のおっちゃんたちが昼休み

会津若松市街のR118 ものすげー暑い…

会津若松市街のR118 ものすげー暑い…

R118からr69へと繋いで北上。
市街地は渋滞していたが、郊外へ出るといくぶん空いて来た。
r7~R121と経て、喜多方市街でr335へ接続。

郊外の水田地帯から磐梯山を遠望

郊外の水田地帯から磐梯山を遠望

13:00、五枚沢林道手前の塩ノ沢に到着。
まず右手に分岐する林道二ノ倉山線を登ってみた。
グイグイと簡易舗装の道で標高を挙げる。
尾根沿いの道になる頃から、ほとんどダートになった。
日当たりが良すぎて暑い。山に来た意味がないぞ。
二ノ倉山山頂を右手にやり過ごし、8kmほどで行止り。
Uターンして分岐まで戻ったのは13:45。

林道二ノ倉山線起点 入山料云々と書かれてるが…

林道二ノ倉山線起点 入山料云々と書かれてるが…

尾根沿いのフラットダート 暑い!!

尾根沿いのフラットダート 暑い!!

林道二ノ倉山線より飯豊山を望む

林道二ノ倉山線より飯豊山を望む

こちらは喜多方方面 眺めは割と良いな

こちらは喜多方方面 眺めは割と良いな

続いて五枚沢林道へ。断続的なダートが続く。
沢沿いの道から、やがてジグザグの九十九折れに。
途中、湧水があった。冷たくて美味い。
もちろん幕営用にも汲んでおいた。

五枚沢沿いに遡ります

五枚沢沿いに遡ります

流水に群がるクロアゲハたち

流水に群がるクロアゲハたち

五枚沢林道 山形県境を目指してえんやこら

五枚沢林道 山形県境を目指してえんやこら

湧水 冷たくて(゚д゚)ウマー

湧水 冷たくて(゚д゚)ウマー

峠が近づくにつれ、荒涼とした景観に変わってきた。
木曽の月夜野沢林道を髣髴とさせる雰囲気がある。
14:20、山形県との県境に到着。
むぅ。通行止・立入禁止のテープが張られている。
ここは久々に脇をモゴモゴさせてもらおう。

林間のフラットダートからワインディングの峠道へ

林間のフラットダートからワインディングの峠道へ

峠付近はこんな感じ

峠付近はこんな感じ

五枚沢林道から谷間を見下ろしてみる

五枚沢林道から谷間を見下ろしてみる

山形・福島県境は通行止だけどモゴモゴ…

山形・福島県境は通行止だけどモゴモゴ…

谷地平と呼ばれる湿原を抜け、左の葡萄沢林道方面に進む。
ウネウネと下って沢沿いの道に出た。
14:35、葡萄沢林道の起点に到着。
ここも通行止の標識があったがバリケードなどは皆無だった。
ここまで特に困難な場所は無い。何故通行止めなんだろう?

谷地平湿原の水溜り

谷地平湿原の水溜り

右が滝沢林道 左が葡萄沢林道 ここは左へ

右が滝沢林道 左が葡萄沢林道 ここは左へ

ウネウネと沢筋まで下るのみ

ウネウネと沢筋まで下るのみ

葡萄沢林道起点 ここまで特に障害無し

葡萄沢林道起点 ここまで特に障害無し

左に曲がって飯豊トンネルをチェック。
既に開通して数年経つらしいのだが何故か完全通行止。ちぇ。
Uターンして舗装路を白川方面に進む。
広い道だが落石がゴロゴロし、流水が路面を覆っている。
なんだか、完全放置状態だ。…っと、路肩に一台のXRが停まっていた。
ライダーに声を掛けると、どうやら流水路面で転倒し負傷したらしい。
「知り合いに連絡済ですので」とのことなのでそのまま分かれた。

いつになったら通れるのかわからん飯豊トンネル

いつになったら通れるのかわからん飯豊トンネル

岳谷親水公園~飯豊トンネルは放置状態でやや危険

岳谷親水公園~飯豊トンネルは放置状態でやや危険

岳谷親水公園の手前にようやくバリケードが。
なるほどここから通行止のはずなのね。
釣堀のある三叉路を左折して、大日杉登山口へ至る林道へ。
入口左手の岳谷親水公園にはテントが一つ二つ張られていた。

山形県側のバリケードがようやく登場

山形県側のバリケードがようやく登場

大日杉登山口へ向かう分岐へ

大日杉登山口へ向かう分岐へ

登山口までの未舗装林道は登山客の車輌で踏み固められていた。
3kmほど快走して大日杉登山口に到着。車でごった返す中をUターン。
念のため、途中の砂防ダムの上流側の河原を確認。
幕営に向いてそうだ。時間的にはまだまだ早いが一応覚えておこう。

大日杉登山口までのピストンダート

大日杉登山口までのピストンダート

登山口は車で大混雑 さっさと退散しませう

登山口は車で大混雑 さっさと退散しませう

幕営地候補 たぶん今日は使わないだろうけど

幕営地候補 たぶん今日は使わないだろうけど

釣堀の分岐を左折してr378を北上。
15:05、右手に分岐する中津川林道を右折。
草むらに覆われてる区間さえ抜ければ、その先は走りやすい。

中津川林道 西側の分岐

中津川林道 西側の分岐

むぅ 草だらけ…うざ…

むぅ 草だらけ…うざ…

ワラビ農園とかあるし、山菜採りは厳しいのかな?

ワラビ農園とかあるし、山菜採りは厳しいのかな?

低山鞍部のなだらかなアップダウン

低山鞍部のなだらかなアップダウン

東へ東へと進んで広河原を経由して、さらに東へ。
権平峠を抜ける道も加えてr4へと抜けた。
中津川林道からここまでの区間で断続的にダートが20kmほど。さすが東北だ。

積雪でガードレールがひしゃげてますね

積雪でガードレールがひしゃげてますね

スペースは十分だけど林道に面してるのはマイナス

スペースは十分だけど林道に面してるのはマイナス

中津川林道東側区間の西側分岐 ややこしい

中津川林道東側区間の西側分岐 ややこしい

権平峠 ここから東もまたダート

権平峠 ここから東もまたダート

R121に出て、道の駅・田沢なごみの郷で小休止。
その後、米沢市街に出て買出し&給油。
なかなかGSが現れず、中心部まで走るはめに。
途中、ファミリーマートでラムネ味のシャーベットを食べる。
冷たくて美味い。

道の駅・田沢なごみの郷

道の駅・田沢なごみの郷

ファミマのラムネシャーベット (゚д゚)ウマー

ファミマのラムネシャーベット (゚д゚)ウマー

幕営地を求めて唐戸屋林道へ着いたのは17:30。
途中、鬼面川貯水池にちょっとした公園があった。
しかし道路に面して何の遮蔽物も無く、幕営は不向きっぽい。
特に休日前夜のダム湖は要注意である。
夜中に爆音車が来る可能性が高い。
唐戸屋林道に入ってすぐ左手に沢へと下る支線があった。
降りきったところにスペースがある。蚊がいなければ最高だ。
と思ってバイクを降りた矢先、異変に気づいた。
僕とバイクの周りに得体の知れない虫の大群が飛び回っている。
大きさは蝿か蜂程度。それが数百匹はいようか。
な…なんだこれは…? 養蜂箱でも近くにあるのか?
言い知れぬ恐怖感ですぐにその場を撤退。しかし…。

唐戸屋林道 東側分岐

唐戸屋林道 東側分岐

支線が多い割りに幕営には不向き…残念

支線が多い割りに幕営には不向き…残念

動揺しつつ、その後も唐戸屋林道を探索したが、満足できる幕営地が無い。
そもそも僕の要望する条件が多すぎるのだろうか。
・本線に面していない(=人が来ない)
・近くに水場がある
・朝日が直射しない(夏場)
・風通しが良い(夏場)
虻蜂取らず、二兎を追うものは一途も得ず、で時間だけが過ぎてゆく。

伐採跡地 地面が凸凹してるのが不満

伐採跡地 地面が凸凹してるのが不満

この時間帯に支線の隅々まで探索…

この時間帯に支線の隅々まで探索…

そして18:10、支線のぬかるんだ下り坂で転倒してしまった。
久々に一日中走り回ったため、体力も底をついたか。
こうなったら仕方ない。これ以上探索はできない。
だいぶ遠いが、昼間チェックした大日杉登山口手前の河原に行こう。

転倒~♪ 泥まみれになるだけで済みました

転倒~♪ 泥まみれになるだけで済みました

そして無情に日は暮れて…

そして無情に日は暮れて…

18:20、唐戸屋林道を退出。r4を西へとひた走る。
途中、白川ダム湖畔にもキャンプ場があるのだが敢えてスルー。
盆休みは家族連れのオートキャンパーで混雑しすぎなのだ。

白川ダム 最上川水系ですね

白川ダム 最上川水系ですね

到着したのは19:00。あたりは既に暗い。
急いでテントを張らねばとバイクを降りた。
ところが、ここでもまたさっきと同じ虫の大群が襲ってきた。
うぎゃー! またかよ!
いったい、何なんだ、こいつら!?
一匹捕まえてみると、小さなサイズの虻だった。
帰宅後、調べたところイヨシロオビアブというのが正式名と判明。
丁度お盆の時期に大量発生して人や家畜を襲うらしい。
富山では、このアブのために廃村になった村もあるとか。(ソース未確認)
東北や北陸ではオロロやウルルという方言で呼ばれてる。
「このアブの大群に出会ったらオロオロするしかない」というのが由来だそうだ。
何とも恐ろしいアブである。ちなみに虫よけスプレーはあまり効かないらしい。

こいつが噂のイヨシロオビアブ(オロロ・ウルル)

こいつが噂のイヨシロオビアブ(オロロ・ウルル)

さて、再び出会った大群に一瞬戸惑ったが、途方にくれている場合じゃない。
ヘルメット・ジャケットからグローブまで完全防備なら、ある程度防げる。
バイクに乗る格好のまま、テントを設営。数百匹というのは大袈裟ではない。
ヘッドランプを付けると顔周辺にアブが寄ってくるため暗い状態で作業。
テントに入ったら夜中まで出ない覚悟で、出入り口をメッシュにする。
アブが侵入しないよう慎重に荷物を放り込む。
さらに折りたたみバケツに川の水を汲んでそれも中へ。
飲み水は貴重なので、洗いものなどは川の水で行うのだ。
そして最後にタオルで体を払ってから、素早く自分がテントの中へ。
2匹程度紛れ込んだが、そいつらはすぐに叩きつぶした。
外ではブンブン羽音が喧しいが、これでひとまず安心だ。あー、しんど!!!
バイク用装備は脱いで、すぐにTシャツ&短パン姿に。
出来合いの惣菜と枝豆をつまみにビールで晩酌開始。
沢筋と平行にテントを設営したのだが、風が無くて暑い暑い。
こういう状況を見越して持参した団扇を扇ぎながらグビグビ飲む。
食事の準備もしてきたのだが、晩酌だけで腹一杯になってしまった。
デザート用の青リンゴで締めとしよう。

本日の晩酌 というか夕食もこれで済ませました

本日の晩酌 というか夕食もこれで済ませました

山形産青津軽 爽やかな酸味が(゚д゚)ウマー

山形産青津軽 爽やかな酸味が(゚д゚)ウマー

22:00にもなると、外のアブの気配はさすがに無くなった。
恐る恐る外へ出て、ほっとしながら寝る前の小用を足す。
見上げれば頭上には満天の星空が広がっている。
「来て良かったな…」
…と脹脛にチクリ。にゃろー、まだ残ってたか!



コメント

虻蜂取らず — 2件のコメント

  1. 去年の悪夢のようなツーリングの、まだ何も知らなかった前半を思い出しながら拝見しました。
    五枚沢~葡萄林道は去年と変ってないですね。
    山形は、暑い、藪、虫が多く難儀しました。引き続き修行のようなレポを期待しています。

  2. 僕のが修行とするなら、昨年のnabekunさんの東北旅は荒行ですね(^^;
    この虻はお盆前後を外せば出会わずに済むようですが、それ以外にも虫が多そうですね。
    そして暑い! 山形だけではなく会津若松も暑かったです(>_<)

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