彼岸過迄


夜の間、外の様子が気になりチラチラ覗き見していたので、余り落ち着いて眠れなかった。
山中に閉じ込められる前にテントを畳んで山を降りることも考えたが、夜中に雪道を走る方が危険だろう。
明日は晴れて気温もかなり上がるらしい。最悪でも午後には走れるに違いない。
いざとなったら午前中はテントで過ごせばいいや、と開き直ることにして野宿を続けた。
ちなみに零時頃、ダムの増水警報のアナウンスとサイレンにもびびらされた。
翌朝。周囲は薄ら白い雪化粧。バイクもフライシートも凍り付いている。
テントの中で朝食の納豆御飯。オプショナルフライで前室作っとけばよかった。
雪、というより氷を払いのけながら撤収。
キックセットを付けてたお陰で無事にエンジンも始動。7:50出発。

一夜明けたら真っ白け

一夜明けたら真っ白け

ハンドル周りもガチガチに凍ってました

ハンドル周りもガチガチに凍ってました

国道までの舗装路もところどころ雪に覆われていたが、新雪だったこともあり難なく通過。
むしろ普通に凍結してる部分の方が恐かった。
彼岸を過ぎてまでこんなコンディションに悩まされるとは…。
8:05、昨日も来た道の駅・どんぐりの里でトイレを済ます。
のんびりしている間にバイクの雪もあらかた溶けた。8:25、出発。

新雪の道を慎重に下山

新雪の道を慎重に下山

道の駅・どんぐりの里 立派な施設です

道の駅・どんぐりの里 立派な施設です

R153を足助方面に西走。途中にあった気温表示は2度。寒いわけだ。
長い長い伊勢神トンネルを抜け、県道366を右折。
円通院の手前をさらに右折。8:45、道なりに進んで十字路というか四差路へ出た。
東へ伸びる細い道が目的のルート、明川保安林管理道だ。林間ダートに突入。
ワインディングでグイグイと高度を上げて、あとは景色の良い峰越えの道だ。

明川保安林管理道 最初は林間を走ります

明川保安林管理道 最初は林間を走ります

こういう狭い切り通しでは奇襲に気をつけよう(謎

こういう狭い切り通しでは奇襲に気をつけよう(謎

山肌に沿って登って行きます

山肌に沿って登って行こう

概ねフラットですがクレパスも多少あり

概ねフラットですがクレパスも多少あり

地図では途中で道が消えているが実際にはR153の旧道まで完抜している。
4kmほどの未舗装路を堪能し、9:00、旧道との分岐へ出た。
心霊スポットの旧伊勢神トンネルをチェックしてから次の林道へ向かう。

明川保安林管理道とR151旧道の分岐

明川保安林管理道とR151旧道の分岐

旧伊勢神トンネル 正式には伊世賀美隧道らしい

旧伊勢神トンネル 正式には伊世賀美隧道らしい

次の目的地は林道竜岡伊勢神線。
数分でいこいの村愛知の先の分岐に到着。
事前の情報通り全線舗装済みだったが、気持ちのいい快走路で寄っても損は無い。

林道竜岡伊勢神線 残念ながら全線舗装済み

林道竜岡伊勢神線 残念ながら全線舗装済み

梅は咲いたか桜はまだかいな

梅は咲いたか桜はまだかいな

10kmほど走って9:35、終点に到着。
県道386を西へ進み、県道33へ出て東へ戻る。
実に非効率的だが林道探索が目的なので仕方ない。
9:50、次の林道、林道椹木谷線の分岐に到着。早速、突入。
渓流沿いをのんびりと登る。路面はガレ気味だ。
標高が上がるにつれ雪が次第に増えてきた。

林道椹木谷線 西側は渓流沿い

林道椹木谷線 西側は渓流沿い

段々景観が白くなってく…

段々景観が白くなってく…

そのうち路面もほとんど雪に覆われた状態に。
やがて十字路に遭遇。左右にも未舗装路が伸びている。
右手の登り勾配は寧比曽岳の山頂に向かう道だろう。
ちょっと偵察してみたが、雪がどんどん深くなってきたのでUターン。
こんな状態なので今日は支線の探索は控えめにしとこう。

彼岸過ぎまで雪中走行ですか…

彼岸過ぎまで雪中走行かよ…

支線は雪で諦めました

支線は雪で諦めました

東側区間もガレた路面なのだが雪のせいでそれどころではない。
下り勾配の上に路面が波打っている。ジャンプしそうになるので注意。
10:15、走行終了。再び県道33へ戻ってきた。

林道椹木谷線 連続小ジャンプセクション

林道椹木谷線 連続小ジャンプセクション

県道33号の東側分岐点はこんな感じです

県道33号の東側分岐点はこんな感じです

県道33をさらに東へ進む。この幹線道路も雪が目立ち始めた。
ブラインドカーブで圧雪路なんて最悪なので、ついつい走りも慎重になる。
小さな池の脇を走り裏谷の集落を抜け、10:30、椹尾分水林道の起点到着。
かなりの量の雪に怯んでしまった。林道の路面を完全に多い尽くしている。
まぁ基本的には下り勾配の道なので条件がそんなに悪化することはないだろう。
国道まで完抜しているはずだから、登り勾配で逆走することもあるまい。ってことで突入。

椹尾分水林道 高頭林道との三叉路までは登り勾配

椹尾分水林道 高頭林道との三叉路までは登り勾配

分岐を過ぎると長い長いダウンヒルの開始

分岐を過ぎると長い長いダウンヒルの開始

本線に専念して下るとやがて雪もなくなった。爽快なダートをひたすら下る。
全行程10kmのうち、そろそろ半分くらいかな…。
勾配も緩やかになったところでバリケードが出現。
豪快に崩落しているらしく工事中。駄目だ、どうにも通れそうにない。
来た道を戻らねばならないのか…。ふぅ。

どんどん下って行きましたが

どんどん下って行きましたが

全行程の真ん中辺りで工事中 通行不可

全行程の真ん中辺りで工事中 通行不可

幸い積雪量は大したことなかったので帰路も問題なかった。
高頭林道はチェーンゲートで封鎖。脇から抜けることもできそうだったがやめとこう。
11:00過ぎ、県道33号に戻ってきた。
そこから昨日の澄川林道方面に進んだが、すぐ先のカーブで圧雪路。
うーん、この先もさらに標高があがるので県道33号は断念せざるを得ない。
地図とニラメッコしてルートを検討。少し西へ戻り、県道365号を南下することにした。
雪もほとんど無く、交通量も少ないので圧雪路にもなってなかった。
途中、西の方に延びている未舗装路の分岐があったがもう時間が無いのでスルー。
高頭林道の出口は橋の上でガッチリ閉鎖されていた。
ショートカットに利用しなかったのは正解だったようだ。

県道33号は圧雪状態で断念

県道33号は圧雪状態で断念

県道365号から西へ分岐する作業路は未調査

県道365号から西へ分岐する作業路は未調査

R420から県道35を経て県道363を右折。杉木立を抜け三河湖へ。
11:55、ドライブインやまびこに到着。丁度昼食の時間だ。
注文したのはどて煮400円と、へぼ釜飯定食1800円。
どて煮は豚モツを赤味噌で煮込んだ三河の郷土料理。
釜飯より先に出てきたが濃い味付けが御飯に合いそうだ。これは美味い。

三河湖畔の鄙びたドライブインやまびこ

三河湖畔の鄙びたドライブインやまびこ

どて煮 メチャ(゚Д゚)ウマー

どて煮 メチャ(゚Д゚)ウマー

一方のへぼ釜飯定食。
「へぼ」とは僕のオフロードテクニックのこと…ではない!
いや、それも確かにへぼなのだが、ここではクロスズメバチの成虫・幼虫のことである。
この辺の名物になっているらしいのでチャレンジしてみた。
釜の蓋を開けると…うむうむ、黒い成虫と白い幼虫が入ってる入ってる。
では早速…( ̄~ ̄;) ウーン…ん!?
美味い。料理の仕方がいいのだろうか、普通に食える。
口の中でプニュとつぶしながら味わう。固いのは成虫だな。
味噌汁や刺身コンニャク、香の物も美味しかった。満足満足。

へぼ釜飯定食 (゚Д゚)ウマー

へぼ釜飯定食 (゚Д゚)ウマー

三河湖 矢作水系巴川の羽布ダムで出来た

三河湖 矢作水系巴川の羽布ダムで出来た

食事を終えて外に出て三河湖をボーっと眺めていると、地元のおじさんが話しかけてきた。
道の向かい側の工事現場に来ているそうだ。丁度昼休みで暇なのだろう。
方言が判りにくい部分もあったけど適当に返事してコミュニケーション成立。
バイク好きのようで、これまでどこに行ったのかとか楽しく会話した。
12:45、出発。R473からR301へオンロードを快走。
今回のツーリングは林道主体だったけど、やっぱこういう道も良いなぁ。
13:15、道の駅・つくで手作り村で水分を補給。ついでにこれからの予定を考えた。

道の駅・つくで手作り村

道の駅・つくで手作り村

雁峰林道に寄って未調査区間を走破しようかなぁ…とも思ったが、眠気がフラッと襲ってきた。
うーん、さすがに寝不足で疲れてるようだ。無理せず帰路に着こう。
10分ほどで休憩を終え、出発。
本宮山を横目に峠を越え、雁峰林道の分岐もスルーしてR151に合流。
途中で給油して、14:00過ぎ、豊川ICから東名高速道路に乗った。
80kmくらいで巡航しているトラックの後ろをコバンザメのようにくっついてゆく。
三ケ日SAで大休止を取り、あとは沼津までノンストップで走った。

三ケ日SAでのんびり休憩

三ケ日SAでのんびり休憩

ジェットスキー気持ちよさそう…

ジェットスキー気持ちよさそう…

「御殿場-横浜町田 事故渋滞35km」の表示を見て、沼津からR1を使うことにした。
17:00、沼津ICで東名を降り、R1で箱根越え。
箱根峠はめちゃ寒かった。気温は5℃。
小田原に着いて気温は問題なくなったが、どのルートも渋滞が酷い。
相模川の馬入橋で渋滞をすり抜け中、ハプニング発生! またかよ!!
走行中に「カラン」と物音がした気がした。
「ん? 何か落としたかな?」と思ったが荷物には問題なさそう。
眼鏡のレンズでもない。まぁいいや、気にしないで置こう。
と、橋を渡ったとこで渋滞が酷いので脇道に入ると道路が暗い。
ん? 真っ暗??
Σ(゚口゚; …ヘッドライトが切れた!?
すかさずハイビームを確かめる。こちらはちゃんと点灯した。
まいったなぁ…ずーっとハイビームで走行するしかないか…。
途中のコンビニで光軸を下げたが焼け石に水。
前の車がイライラした運転ばかりに見えるのは気のせいだろうか。申し訳ない…。
結局R246を使って21:30帰宅。疲れたー。
素直に東名使った方が早かったかもしれない…。
まぁハプニング続出だったが実に充実した三日間だった。
愛知県、万博もいいけど林道もいいねー。



コメント

彼岸過迄 — 2件のコメント

  1. 管理人さま、こんにちは。
    トップのツーレポから読み続けて、ここまで来ました!。
    「へぼ飯」と「どて」は自分の地域独特の食べ物ですね。
    それにしても「どて」はともかく「へぼ飯」はよく食べる
    ことができましたね。自分は大丈夫ですが、地元でも女性
    はもちろん男性でも尻ごみするくらいです。親戚の集まりで
    よく食べさせられた記憶があります。
    「どて」は八丁味噌を使っていて自分は大好きです。三河湖
    のある下山村ではカップに入れて、お土産で売ってますよ。
    もちろんごはんにかけて「どて丼」にするとウマーです。

  2. とっさんさん、こんにちは。
    トップから読破されたんですかっ!?
    ありがとうございます、うれしいっす。(つ∀`、)
    「へぼ」は見た目よりは癖がなくて美味しかったです。
    イナゴより高いのは希少価値だけじゃなく、食味もあるんだろうなぁと思いました。
    「どて」は全国区になってもおかしくないくらい美味しいですねー。
    どて丼はきっと万人受けすると思います。
    今度、愛知県に行く時は尾張の方へも足を延ばしてみたいですね。

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