春分の日を挟んだ三連休がやってきた。
今回は少し足を延ばして、東海地方は愛知県の三河を目的地に決めた。
暑さ寒さも彼岸まで。場所さえ選べば、もう雪や凍結の恐れは無いだろう。たぶん。
5:00に起きて荷造り。スノーチェーンとアイゼンは置いてゆく。
7:00出発。給油してから環七・五日市街道・環八といつものルート。
7:30、東名の東京ICへ乗った。まだかなり寒い。
8:00、海老名SAで惣菜パン二個と缶コーヒーの朝食。
そこからは巡航速度は控え気味ながらも、ノンストップで一気に牧の原SAへ。
10:15、牧の原SAでトイレと給油。ようやく少し暖かくなってきた。
11:00、豊川IC着。そのまま豊川稲荷へ向かった。
今回のツーリング中、最初で最後の観光である。
思ったより参拝客は少なく、道路も空いている。
少し離れた場所にバイクを停めて表門を潜った。
いろいろ来略を読みながら奥へと進む。
稲荷といえば神社だと思ってたが豊川稲荷の宗旨は曹洞宗だった。
鳥居があるけどそれは大本殿(鎮守社?)に設けられたもの。
正式には「豊川閣妙厳寺」というお寺なのだ。知らなかった。
帰ってからも「稲荷」とされる由来をいろいろ調べてみた。
伏見稲荷を総本宮とする稲荷信仰が「狐」をキーに仏教の守護神ダキニ天に結びついたらしい。
伏見稲荷大社は「稲荷大神」を祀る純粋な神道だ。狐をその神様の使いとしている。
一方、豊川稲荷の本尊は千手観音で、鎮守として密教の「咤枳尼(ダキニ)真天」を祭った。
その眷属も狐ということで「咤枳尼真天」は「稲荷大神」と同一視された。
やがて本尊よりもそっちの方が有名になり、神仏習合の「豊川稲荷」として信仰を集めた。
江戸時代を経て全国で稲荷勧請が盛んに行われるようになる。「正一位稲荷大明神」と書かれたあれだ。
豊川稲荷も「豊川稲荷大明神」として全国の神社に勧請され、赤い鳥居と幟のイメージが強くなった。
明治時代の廃仏毀釈で豊川では稲荷という呼び方を廃して咤枳尼真天に統一した。
しかし一般に広まった「お稲荷様」としての名声は消えず、現代でも豊川稲荷として信仰されている。
ちなみに岡山の最上稲荷も本来は日蓮系の寺院だが、鎮守社の稲荷の方が有名になった。
曖昧模糊というか融通無碍というか…、一口に稲荷信仰と言っても多種多様で複雑なのね。
12:00、昼食。ここはやはり豊川稲荷が発祥の稲荷寿司を食べておかねば。
門前にあった老舗・門前そば山彦できしめんと稲荷寿司のセット・門前きしめん995円を注文。
稲荷寿司はいたって普通の五目稲荷。やや小さ目か。かんぴょう巻きも普通。
具沢山のきしめんは出汁が弱いというか醤油が強いというか、それなりの味。
うーん、伊勢うどんもそうだったが、江戸時代以来の名物ってことで納得しよう。
昼食を済ませ、いよいよ本格的にツーリング開始。目指すは雁峰林道。
R151で新城に向かいR301を左折。
12:45、ヘアピンカーブの頂点から分岐する林道起点に到着。
本線はずーっと舗装が続く。退屈なので支線に突っ込みまくってみた。
急勾配や倒木で行き止まりもあったが、終点まで結構距離のあるピストンも多かった。
今回の雁峰林道周辺の探索を地図にしてみたので、よかったら参考にどうぞ。雁峰林道周辺MAP
林道浪漫を見習って作ったけど、やっぱ大変だわ…。健さんの地図に一層感謝しようっと…。
本線は相変わらず舗装されているが、時々開ける展望に慰められる。
この辺りは戦国時代に織田信長と武田信玄が長篠城を巡って戦った古戦場なのだ。
武田騎馬隊と織田・徳川の鉄砲隊の戦った設楽原を眺めつつ支線探索続行。
林道上平井線は県道21号からアプローチに丁度よさそうな未舗装路だった。
調査した支線の中でも作業路雁峰四号支線はめっけものだった。
完抜7kmの峰越え路で、舗装林道との交差点を横切って小田代林道に接続する。
県道437号の分岐(写真)まで10kmほど楽しめる長距離ダートだ。
クレパスはあるが気を付ければ問題あるまい。
雁峰林道の本線に戻り、数km進んだとこでようやく未舗装区間が始まった。
だが、ここで時間切れ。予約してあるキャンプ場の受付時間が17:00までなのだ。
支線探索で時間をとられすぎ、本線を走破する余裕がなくなってしまった。
いろいろ収穫があったのでよしとしよう。
15:50、エスケープルートから砂防ダムの下を抜け浅谷の集落へと降りた。
R151に合流し鳳来町方面へ向かう。
途中で買出しを済ませ、16:30、愛知県民の森に到着。
キャンプ料金200円を支払って受付を済ませ、管理棟で説明を聞き荷物を運ぶ。
リアカーだと面倒くさそうだったので手で運んだ。
バイクを乗り入れできないサイトは疲れるなぁ。
テントを張り終え温泉へ向かう。っとその前に給油も済ませた。これで明朝も一安心。
当てにしていた湯谷温泉の温泉施設・鳳来ゆ~ゆ~ありいなは改装工事で月末まで閉鎖。
どこか日帰り湯をやってるホテルでもあるかなと温泉街へ。
そしてハプニング発生!
とあるホテルの駐車場にバイクを停めてヘルメットを脱いだ時、「カラン」と物音。
と同時に視界がぼやける。ん??
Σ(´口゚; 眼鏡の右レンズが無い!?
眼鏡を見るとフレームのビスが一箇所外れかけてレンズ枠が開いていた…。
外れて落ちたレンズは幸い無傷、ビスもフレームに残っていた。
しかしビスを締める精密ドライバーなんて持ってるわけ無い。
眼鏡掛けなきゃバイクも運転できないし、どうしろっての…(ノд・、)
指で何とかならないかと悪戦苦闘してみたがどうにもなりそうにない。
途方にくれていたところ、不審に思ったのかホテルから人が出てきて声を掛けてきた。
ホテルの人「ご予約のお客様でしょうか…?」
塩犬「いえ、日帰り湯に入れないかなと来てみたんですが…」
ホテルの人「申し訳ありません、日帰り湯は昼間だけでして」
塩犬「そうですか、ところで…」
ホテルの人「はい?」
塩犬「たった今ここで、この通り眼鏡が壊れてしまいまして」
ホテルの人「はぁ」
塩犬「レンズを仮止めするためセロハンテープがあったら貸していただけませんか?」
ホテルの人「はぁ…ではこちらへ…」
ホテルの中に案内されフロントでセロハンテープを貸してくれた。
その上、奥で何やらゴソゴソ探して…精密ドライバーもキタ━(゚∀゚)━!!!!!
あぁ…旅先で人の情けが身に沁みる。ありがたや。
無事に眼鏡の修理完了。ホテルの方に御礼を渡そうとしたが固辞された。
よっしゃ、せめて弊サイトで微力ながら宣伝させていただこう!!
『愛知県三河地方、鳳来の湯谷観光ホテル泉山閣は素晴らしいホテルです!
愛・地球博に行かれる際は、少し足を延ばして三河の自然を堪能されてはいかがでしょう?』
さて、温泉だが一度県民の森に戻り、うめの湯という温泉を紹介された。
R151を10分ほど東に進み、18:30、名号温泉うめの湯に到着。
波乱を乗り越え、ようやくありつけた風呂でグッタリする。
19:00、入浴を終えキャンプ場へ戻った。
夕食はレトルトカレーをはじめ、缶詰やパックのおつまみ類。
買出しをした店の品揃えが貧弱だったので仕方ない。
キャンプサイトの脇にあったテーブルでのんびり晩酌。
いやはや、いきなりのハプニングであせったあせった。
しかしまぁ、想定の範囲外のことが起きるからツーリングは楽しいものさ。
…なんて言ってると、残り二日もハプニング起きるぞっと…。