5:00起床。北海道で向かえる最後の朝は晴れていた。よかったよかった。
昨日の情報によると今日も天皇皇后両陛下の北海道行幸啓は続くはず。
国道はまた交通規制が敷かれ、パトカーうじゃうじゃになるのだろう。
何としてもそれは避けたい。なるべく早く出立して国道を迂回してしまおう。
朝食はコンビニで済ませることにして、急いで撤収開始。
とはいえ、せっかく晴れた最終日なのでテントはできるだけ乾かした。
7:00過ぎに出発。まずはすぐ近くにあるエンルム岬を見に行った。
岩壁をジグザグに登る散策路はいかにも疲れそうなので止めておこう。
道警の制服を来たおまわりさんが三人散歩に来ていたので交通規制情報を尋ねてみた。
この辺りは10時前後に規制予定で、浦河まで出てR236=天馬国道で十勝方面に抜けるそうだ。
ふむふむ、それなら余り問題ないかもしれない。
7:20、様似市街のセイコマでおにぎりとお茶の朝食。
すぐ隣の役所に泊り込んでいるらしい警官たちが食料を買いあさってた。
すでに国道は警察車両だらけ。こりゃたまらん。やっぱ国道は避けよう。
7:35、西様似の駅から町道へエスケープ。
サラブレッドが放牧された牧場を貫くアスファルトを快走。
昨夜の温泉・あえるの湯の辺りでR236に接続し、7:50、道道1025号を右折。
絵笛から道道348号を経て、8:10、道道746号との交差点に到着した。
ここを左折してしばらく進むとようやくダート走行開始となる。
道道なのでさすがに幅広フラットだ。
8:20、道道234号を右折して美河ピラシュケ林道へ接続。
8:35、三石ダムを通過し、さらに三石ダム関連林道へ。
通行止の簡易バリケードはあったが休工中らしいのでモゴモゴ。
ほとんど幅広、ところどころ細々とした完抜ダートを走って道道534号に出た。
9:05、道道1025号を右折して国道を迂回。
事前情報にはなかったが、この道も一部区間がダートだった。
9:25、観農台から静内を眺望。上々の眺め。良いかな良いかな。
静内のホクレンで給油を澄ませてから桜並木で有名な二十間道路へ寄ってみた。
季節が季節だけに期待してなかったのだが、コスモス=秋桜が沿道に咲いていた。
ふむ、なかなかよい。花も牧場もありかも知れない。やっぱ天気なのかなぁ…。
道道71号を南西に走り、10:00、R235を右折。
10:05、道の駅・サラブレッドロード新冠でトイレ休憩。
帰りのフェリーは受付も含めて17時までに苫小牧港に着けばよい。
そう考えると時間にまだまだ余裕がある。
のんびり遠回りして林道めぐりをするか。
R235を海岸沿いに西へと進む。10:35、厚賀で、道道208号を右折。
北上して10:50、美宇で道道71号に合流し、さらに道なりに北上。
苫小牧とはてんで方向が違うが(゚ε゚)キニシナイ!!
11:05、町道総主別旭線に到着。
登り勾配から降り勾配へとなだらかに移行して、総主別川沿いに進む。
路面は概ねフラットなのだが、川辺の地すべりが酷い状態だ。
流れの周りにも随分土砂が溜まっていた。
11:20、道道845号を右折し、道道638号に接続。
桂峠を越えるルートを選んだがゲートが閉じられ通行止め。
うーん、ここを通過できないとなると、大きく迂回しなければならない。
脇が辛うじてモゴモゴ出来たのでそのまま進んでみた。っと、いきなりトラックと行き合わせ。
『走ってなにかあっても責任もてないぞー』と注意される。了解しましたー。
あちこち路肩が崩落していたが気をつけて走行し問題なく通過。
11:40、振内でR237を左折。
国道沿いの沙流川も土砂や流木がすごい量だった。
さっきの道道や町道といい、何か水害でもあったのだろうか…?
と思って帰宅後調べたら8月に日高地方を豪雨が襲ったらしい。なるほどね…。
11:45、幌毛志で道道131号を右折。
北上して、12:00、穂別で道道74号へと右折した。
丁度、良い時間帯なので穂別市街で昼食を取ろうと手頃なお店を探してみた。
しかしなかなか見つからない。グルグル周って食事処あらいという店に決定。
良い感じのママさんが一人で切り盛りしている店のようだ。
外からは売り物が全く不明だったがラーメン類やカレーライス、親子丼などがあった。
ただしメニューの種類は少ない。おっ? カツラーメンなんてのがあった。
実はこのツーリングに旅立つ前に、知人(の知人)からカツラーメンの話題を振られていた。
『以前、長万部のラーメン屋に入ったとき、その店では皆がカツラーメンを注文していた。
北海道(あるいは道南)ではカツラーメンというメニューは一般的なのだろうか?』
気になってWEBで調べてみたところ、カツラーメン(とんかつラーメン)を供する店は全国に点在した。
中でも北海道の割合がやはり多い。長万部の店は見つけられなかったが、道内あちこちにあった。
ルーツは不明。誰でも思いつきそうなメニューなので同時発生的なのかも知れない。
味噌が主流だが、塩・醤油を選べる店も少なくないようだ。店のスープの種類によるのだろう。
これが定番メニューとして限られた地域に定着しているという情報は得られなかった。
んなわけで北海道でどの程度一般化しているのか、今回の旅で少し気になってた食べ物なのだ。
ここも味噌・塩・醤油から味を選べるとのことで味噌を選択。値段は850円。
近種の排骨麺(パーコーメン)を考えると、それほど高い価格設定でもないかな。
昼時ということもあるだろうが地元の方々が家族連れでひっきりなしに訪れて順番待ちまで出た。
まだ12時半なのにラーメンが売切れて暖簾まで外してしまうとは…むむぅ。
いつもこんなに繁盛してる店なのだろうか、思わず期待してしまう。
僕より前のお客さんの注文も溜まっていたので出てくるまで若干時間がかかった。
30分ほど待たされて、ようやく目の前のカウンターに置かれたカツラーメン。
その名の通り味噌ラーメンに包丁の入れられたトンカツが乗っている。当たり前か。
ちなみにこの店の客は他のメニューと同じようにカツラーメンを違和感なく注文していた。
とりあえずラーメンから…むぅ…美味い。十分合格点。カツと味噌の相性も良い。
予想通りカツの衣が剥がれやすいが、肉に十分な下味が付けてあるため最後まで美味しくいただける。
熱々の味噌スープが染み込んだ揚げたての衣は口の中を火傷しやすいので気をつけよう。
まだサクサクの状態のパン粉が、さらにその傷口を引っ掻くなんて悲惨な事態になりかねない。
あー熱いけど美味かったー。カツラーメンと北海道の関係は謎のままだが満足満足。
12:50、出発。道道74号を北上。
13:00、中穂別林道の分岐に到着したが、少し進んだところにバリケードが置かれていた。
災害通行止めらしい。モゴモゴは可能だが、ここは大人しく迂回することに。
道道74号へ引き返してさらに北上。13:05、R274を左折。
13:10、釣堀のある豊進林道への分岐に到着した。
さっきの中穂別林道と同じく炭鉱厚真川線へ至る林道である。
ツーリングマップルで通行止めとなっているが、釣堀から先も特にバリケードなどはなかった。
交通量は少なそうな荒れ気味の細い未舗装路だ。
走り始めてすぐ、母仔のエゾシカに遭遇。母親はキョトンとこっちを向いている。
仔鹿は夢中になって物凄い勢いで乳を吸っていた。
エンジンを止めて写真を撮っても、エンジンを掛けなおしても動く気配が無い。
仕方なく目を合わせないようにして、なるべく脇をゆっくり進んでみた。
もう少しで手が届くくらいの距離でようやく母親が子供を促して逃げ出した。
その先へ進むと藪からキタキツネも出て来た。そういえば今回は会ってなかったなぁ。
13:25、佐主岳登山道の分岐の先で炭鉱厚真川線本線に合流。
いきなり幅広のフラットダートになった。厚真川沿いに降ってゆく。
13:40、厚真ダムの湖畔を通過し、そのまま道道235号を南下。
厚真川林道の分岐が途中にあったが、通り抜けはできないと注意書きされていた。
今日はこれ以上時間をロスしたくないので探索は見送る。
13;55、幌内宇隆林道に接続。ここも走りやすい林道だ。
ぐいぐいと高度を上げて開けた尾根道へ出た。っと、辺り一面が伐採されている。
良く見ると黒焦げだ…。山火事でもあったのだろうか?
帰宅後調べてみたが、これに関する情報は見つからなかった。
道道59号を右折して、14:15、最後のダート町道豊丘字宇隆線へ。
渓流沿いの林間ダートをがーっと走って、14:30、道道10号にでた。
今日のダート走行距離は合計約65km。はぁー、面白かった。
そのまま直進して、14:40、上厚真のホクレンで最後の給油。
ついでに水道を貸していただき、バイクと足元の泥を軽く落とした。これでよし。
14:55、厚真ICから日高自動車道の無料区間に乗った。
沼ノ端ICまでショートカットし苫小牧市街へ出た。
15:05、道道259号沿いのコンビニで小休止。
まだまだ時間に余裕があるのでフェリーターミナルはひとまずスルー。
15:25、海の駅ぷらっとみなと市場へ赴き、お土産を購入した。
苫小牧港フェリーターミナルに到着したのは15:50。
すぐに手続きを済ませて、2Fのロビーで乗船開始のアナウンスを待つ。
夕食用に売店で弁当を購入した。ほっ。これで思い残すことはない。
17:35、乗船開始。バイクを固定して客室へ。
覚悟はしていたが、やはり2等和室は一人分が極狭い。
気をつけの姿勢で寝ても隣の人と腕が触れたりする。
さらにコインランドリーで洗濯する気満々だったがトラックドライバー専用ということで断られた。
うーん…同じ2等和室でも新日本海フェリーや東九フェリーの方が好条件かも…。
落ち着いたところで、ホッキ弁当をツマミに缶ビールの晩酌。
コリコリした食感が小気味良い。ビールにもよくあう。美味い美味い。
飲み終わってから、ひとっ風呂浴びて後はゴロゴロ。
狭いのは気になったが、それなりにぐっすり眠れた。
いろいろあったけど、なんだかんだで楽しめた一週間だった。
美味いもの食べて、林道走り回って、雨に降られて。
次に北海道へ来るのはいつのことやら。
今よりも、もっともっと寒い時期だったりして。
最後は晴れてよかったよかった。
それにしても鹿の警戒心の無さはどうなっちゃたんでしょうね? 昔はすぐに逃げられた記憶なんですが・・・
羅臼では犬や猫のように街なかを散歩してますし、とあるキャンプ場では触ったことがあるという人と話をしました。
本当、旅の最終日に限って晴れることが多いんですよねぇ…。
そのおかげで全体的な印象はよくなるんですが。
エゾシカは人間見ても「ヒグマじゃねーのか、ならいいや」程度にしか感じてないんでしょうかね。
北海道で鹿せんべいが売られはじめたりして。
SaltyDogさま
冬北海道バイク旅の はげたか と申します。
ここ数年で職を転々としまして、現在北海道日高地方で、サケのふ化場で働いております。仕事上、川の環境等の調べ物をしていて「三石ダム」と検索したら、見覚えのあるこのサイトのこの記事がヒットしてきました。
以前の記事で、はげたかのブログをリンクして下さり、現在でも時々貴サイト経由での訪問があります。
さてこの2006年9月9日のツーリング日記のキャンプサイト、様似町の親子岩キャンプ場は、現在はげたかが住んでいるアパートの真裏なんですよ。偶然ですね。
次回、北海道にいらした際はぜひお寄りくださいね。
>>はげたか様
返信遅くなってしまい、すみません。
コメントありがとうございました。
北海道の年越しツーリングの際はいろいろと参考にさせていただきました。
経験してる方の情報はさすがに貴重で、お世話になりました。
親子岩キャンプ場の近辺にお住まいなんですね。
またいつか「雪の無い時期に」行ってみたいと思います。